ベータ線は体内被ばく、ガンマ線は体外被ばくに影響する
Q:
ヨウ素やセシウムから出るベータ線は体内被ばく、ガンマ線は体外被ばくに影響すると考えていいのでしょうか。だとすると、皮膚にくっついていた場合はガンマ線、ベータ線ともに本人に影響するということになると思うのですが、線源から1m離れていた場合、5m離れていた場合と数値的にどのくらいの差があるのでしょうか。
ヨウ素やセシウムから出るベータ線は体内被ばく、ガンマ線は体外被ばくに影響すると考えていいのでしょうか。だとすると、皮膚にくっついていた場合はガンマ線、ベータ線ともに本人に影響するということになると思うのですが、線源から1m離れていた場合、5m離れていた場合と数値的にどのくらいの差があるのでしょうか。
A:
そのとおりです。
そのとおりです。
ベータ線はエネルギーの大きさにもよりますが、空気中の飛程は長いもので数メートル程度です。ヨウ素から出るベータ線は1 mも飛びませんし、セシウム137から出るベータ線も2 mは飛びません。したがって、少し離れると体には届かないので、ベータ線による被ばくが問題になるのは体内に取り込んだ場合と皮膚に付着した場合です。皮膚から体の中に向けてベータ線が出ても表皮のすぐ下で止まってしまい、中まで届きません(およそ、空気中の1/1000しか飛びません)。一方、ガンマ線は遠くまで飛びますし、体ぐらいは十分に突き抜けていますから、体の外からの方がより重要となります。ただし、急激に減るというのではありませんが、空気による吸収や散乱によって減衰します。
このようなことで、放射性ヨウ素や放射性セシウムを体内に取り込んだ場合、ベータ線が体内被ばくとして寄与が大きく、外部にある場合はガンマ線の外部被ばくとしての寄与が大きいことになります。