小野俊一氏 (2):デマ「低線量被曝でも癌になるという調査結果」

小野医師がこのサイトに(間違った)指摘をしてたので、反証しようとしてたら、それ以外にもデマを見つけたので検証します。


低線量被曝でも癌になるという調査結果
また、このブログエントリーでは、話題の熊本の医者、小野俊一氏のブログを参考にした旨が書いてありました。

「低線量被曝でも癌になるという調査結果」というデマ

引用元も明示されているので確認しましたところ、重要な部分が欠落した引用であることが判明しました。
http://onodekita.sblo.jp/article/46716339.html

これは、原子力推進側の機構-高度情報科学技術研究機構に紹介されている文章です。外部被ばくに対する影響評価です。被ばくの専門家なら全員知っているはずなのですが、どうして福島では100mSv(しかも年間)大丈夫といえるのでしょうか。日本人と白人の違いですか?


小野医師は、ちゃんと本文読んでない。全く意味を取り違えている

小野氏の主張を読んで、この調査についての本文を読むと【概要しか読んでいない】もしくは【都合の悪いところを読み飛ばした作為的なデマ】と考えられます。どちらにしても、低線量被ばくによるガン発病について真剣に論じているとは思えません。

http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_Key=09-03-01-08
について、本文を読み進めると、このWing研究への批判(4.Wingら(1991)の研究への批判)があり、二点指摘されています。

1)喫煙の交絡因子によるものを見誤ったと考えられる。
Wingらの研究は喫煙が交絡因子となり、がん死亡率に有意な正の相関が見かけ上現れたと考えられる。
つまり、被曝線量あたりの死亡増加と正の相関を示す結果はあるが、これは喫煙が交絡因子となっている予測が出ているということです。

2)線量の欠損値の問題
フィルムバッジ等の個人線量計では検出限界以下の線量はゼロと測定・記録され、その値は欠損値として取り扱われる。

表5に示すように1944年7月から1956年7月の間は、フィルムバッジによる測定頻度が週1回と多かった。このように測定頻度が多ければ、検出限界に達しない線量が多く測定される。そのような線量はゼロとして測定・記録され、その結果、真の線量を過小評価する可能性が大きくなる。この期間の作業における単位時間当たりの線量率は高かったが、フィルムバッジによって測定記録された線量はかなり低かったことが示された。

つまり、個人線量計の測定頻度が週一回であったために、欠損値が大きくなる(実際の線量よりも低く評価されてしまう)という問題があったということです。


同様の別の調査について

さらに(5.今後の展開)では、同様の別の調査が行われたことがわかります。

 ORNLを含むいくつかの原子力施設の労働者に対象を拡大した調査もいくつか行われている。

1)リスクの有意な増加は見えない
Gilbertらは、ORNL労働者およびハンフォード施設労働者、ロッキー平原核兵器施設労働者合計約45,000人の死亡データを併合した解析を行った。それによると、1Svあたりの過剰相対リスク推定値(*4)は、白血病では~1.0で、全がんではほぼ0であった。
「過剰相対リスク推定値は全がんでほぼ0」ということは、つまり、この調査では、リスクの有意な増加は確認されなかった。ということだと思います。

2)線量の欠損値が過剰相対リスクを大きくする
また。Fromeらは、ORNLを含むオークリッジにある4つの核プラントに1943年から1985年の間に雇用された労働者106,020人を対象とした研究結果を1997年に発表した。

線量の欠損値を補完する新たな方法を開発して解析に用いたところ、線量の欠損値が過剰相対リスクを大きくする方向に偏りをもたらすことが示唆された。

とあり、前述した「線量の欠損値」について、を重ねて指摘しています。

Wingらの研究結果は低線量放射線への被ばくの影響が従来考えられてきたものより遙かに危険であることを示唆し、放射線疫学の分野に論争を引き起こしたが、統計学的解析、線量評価を初めとする様々な角度から詳細な検討を行い、総合的に評価する必要がある。
つまり、論争を起こしたが、統計学的解析を行うと、問題がかなりあると結論づけています。

ですので、小野氏がこれらの「疫学的な問題点」を意図的に隠し「低線量被ばくの影響は大きい」と結論付けているのは、都合の良い部分のみの引用による主張であるということです。明らかに誠実ではない引用ですよね。
添付ファイル