放射性物質ゼロの幻想:カリウムとセシウム


関連:INDEX: 内部被曝、WBC調査、放射性セシウム http://www47.atwiki.jp/info_fukushima/pages/234.html
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食事や水から放射性物質をゼロにする幻想

事故以前から、私達は、放射性物質(放射線を出す物質)をカラダに取り入れて生きてます。
私たちの身の回りには多くの放射性物質が存在します。原発から出た放射線、放射性物質だけが怖いと考えがちですが、なぜかセシウムだけを特別視して怖がってしまっています。私たちが生活していく上で色々なリスクがあり、放射線(放射性物質)のリスクはその中の一つです。例えば放射性カリウムも放射性物質で放射性セシウムと本質的には同じです。

人間は【常に】放射性カリウムで内部被曝を受けている
  • 成人で4000BqのK40(放射性カリウム)を体内に持っている(セシウムと同じように筋肉に分布)
  • 食物のカリウムには放射性カリウムが含まれている。(カリウム無しでは生きていけない)
  • カリウムもセシウムも同じように放射線を出す。(=同じようにDNAを損傷させる)

カリウムは、緑黄色野菜やバナナなどの果実に豊富に含まれる物質です。体内にあるナトリウムを外部に押し出すことによって血圧を下げる作用があるほか、体内の水分量を調整する働きがあるなど、生命の維持にはなくてはならない物質といえます。
人間の場合、体重1キロ中、約2グラムのカリウムが含まれています。カリウムのほとんどは放射性物質ではないのですが、約0.01%はカリウム40という放射性物質が入っています。このため、例えば日本人の主食であるコメには1キロ当たり33ベクレルほどのカリウム40が含まれていることになります。
カリウム40はベータ線やガンマ線を出しますので、人間は誰であっても常にカリウム40によって内部被ばくをしていることになります。カリウム40による内部被ばくは、年間0.17ミリシーベルト程度になります。


カリウムとセシウム―放射線対策で語られない関係― 有田 正規
東京大学大学院理学系研究科生物化学専攻,理化学研究所植物科学研究センター(准教授)
http://www.sbj.or.jp/wp-content/uploads/file/sbj/9007/9007_danwa_2.pdf

現在想定される放射性セシウムの影響は極めて微量
放射性セシウムの内部被曝量は、WBCによる調査、さらには食事中の放射性セシウム量調査(陰膳調査)から推測される結論は「極めて微量」です。核実験時代の放射性セシウムによる内部被曝よりも少ないとされています。またチェルノブイリ事故の影響で放射性セシウムで大量に内部被曝したサーミ人の調査を見ても、影響が見られる量ではないと推測できます。
※核実験時代の日本人の被曝、サーミ人については後述。

放射能リスクはゼロではないが量による。他のリスクに比べれれば限りなく小さい。
放射性セシウムだけがリスクではありません。例えば原発事故以前から米に含まれるヒ素は発がん性物質だということが分かっています。現在分かっているヒ素による発がんリスクは現在の放射性セシウムによる発がんリスクよりはるかに大きいのです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/IARC発がん性リスク一覧
書籍「放射線および環境化学物質による発がん: 本当に微量でも危険なのか?」p.40

多くの人が誤解してる「自然放射線は安全。人工放射線は危険」
原発事故による人工的なCs134,137とK40は放射線を出すという意味で一緒です
関連:「自然放射線と人工放射線、人体に与える影響は違う」という誤解

放射性セシウムによる内部被曝は微量

2013年春:食品から受ける放射線量の調査結果
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11131500-Shokuhinanzenbu-Kikakujouhouka/0000028954.pdf
食品中の放射性セシウムから受ける年間放射線量(陰膳試料による預託実効線量:平均値)
福島県
幼児:0.0009 mSv/年
成人:0.0017 mSv/年

(以下は以前の記事)
原発事故由来の放射性セシウムによる内部被曝は(2012年)一日あたり0.3Bq程度と見積もられています。
http://www47.atwiki.jp/info_fukushima/pages/262.html
福島県の調査でも県民が食事から取る放射性セシウムは一日あたり約0.4Bq(2012年6月)としています。
福島県産のお米を食べている人が半数以上いるにも関わらずこの数値。もちろん福島県産の米はほとんど検査で不検出です。農家のみなさんの努力の成果でもあります。

放射性カリウム(K40)とくらべて放射性セシウムは特別な存在?

関連資料
セシウムとカリウムの身体に対する影響の違いについて教えてください。
日本保険物理学会 http://radi-info.com/q-1396/

大前提)放射性カリウムも放射線を出し、人間は常に被曝している。これは放射性セシウムと同じ。
【放射性カリウム(K40)】は、放射性セシウムと同じ放射性物質です。
放射性セシウム(Cs134、137)と同じように【放射性カリウム(K40)】も放射線を出すということです。

食べ物の中にある放射性カリウム
  • 放射性カリウムは、必須元素であるカリウムの中に含まれているので、食事をする限り必ず摂取してしまいます。
カリウムは食べ物(野菜や果物、豆類等)に多く含まれます。
http://www.eiyoukeisan.com/calorie/nut_list/kalium.html
カリウム(K)の約0.01%は放射性カリウム(K40)です。つまり、カリウム(K)を食事で摂ると、その中には、放射線を出す物質【放射性カリウム(K40)】が含まれているということです。

放射性セシウムは人工的に作られる。しかし本質的に同じ
繰り返しになりますが、放射線を出す点においては本質的に同じなのです。

放射性カリウムは、大人の体内に4000Bq程度存在する。
  • 放射性カリウムですでに内部被曝してる。その程度は成人で4000Bqである
放射性カリウム(K40)は体内に4000Bq程度存在しています。どんどん蓄積していくわけではなく、食事で取り入れつつ自然に代謝されるのでほぼ一定に保たれます。つまり放射性カリウムを体内に一定量持っているので、大人も子供も関係なく、人間は常に放射線によって内部被曝していることになります。
内部被曝について

K40とCs134,137 カラダに与える影響の違い
K40とCsも同じ放射線を出します。ただし1Bqあたりの人体への影響が違います。K40とCsを比較すると、Csのほうが人体への影響が「2倍」強いのです。
※実効線量係数の考え方 http://www47.atwiki.jp/info_fukushima/pages/116.html
※1秒の間に放射線が1発出す能力を 1Bq(ベクレル)と言います。
たとえば、バナナで30BqのK40を摂取したとします。15Bqのセシウムを含む食品を食べたのと、放射線による人体に与える影響は同じ。ということです。
※単位時間当たりK40とCs137は同程度。=実効線量を生物学的半減期を考慮した時間当たりの影響。

実効線量係数=体に与える影響の違い
  • 体内に留まる期間(生物学的半減期)を考慮すれば、放射性カリウムに比べて、放射性セシウムの1Bq当たりの体に与える影響は2倍。つまり放射性セシウムに比べると放射性カリウムの人体に与える影響力は1/2。

この核種(放射性物質の種類)に違いによって、1ベクレルあたりの人体の影響を計算するための係数が、「実効線量係数」と言います。
実効線量・人体への影響の度合いについてはこちら
※この実効線量係数は、ICRP(国際放射線防護委員会)が決めた数値です

放射性セシウムは、どれ位カラダにたまるのか。(生物学的半減期)
Cs134,Cs137の半減期はXXXですが、体内でセシウムがずっとたまり増え続けるということではありません。
代謝や排泄などで体の外で出ていくからです。一定量セシウムを常に摂り続けた場合、
体内に取り込んだセシウムの量が半分になるまでの期間は、経口摂取した場合、成人で70日、子供(10歳)で20日程度となります。

セシウムの生物学的半減期について教えてください。
http://radi-info.com/q-1219/
http://www.nirs.go.jp/db/anzendb/RPD/JPDF/gy/jgyCs137WB.pdf

関連の話題「内部被曝、WBC調査、放射性セシウム」

関連:内部被曝、WBC調査、放射性セシウムに関するノート http://www47.atwiki.jp/info_fukushima/pages/234.html

セシウムが心臓(心筋)に溜まるのか

核実験時代の日本人の放射性セシウムの内部被曝量

放射性セシウムは核実験時代には今より内部被曝していた
核実験時代のフォールアウトによる内部被曝Csについて、CNIC(反原発団体)の資料によれば、頻繁に核兵器実験が実施された1960年代前半に日本人は1日に1ベクレル以上を摂取していたと推定される。
http://www.cnic.jp/modules/radioactivity/index.php/13.html

核実験時代の日本人の内部被曝
環境放射線データベース(http://p.tl/kB-M )から1963~65年の日常食中のCsデータをDLしてグラフを作ってみた。一番酷い1963年で平均値:2.13Bq/人日 中央値:2.03 最大値:4.41 最小値:0.47

Togetter:現在の福島県民と、核実験やっていた時代の内部被曝の比較

チェルノブイリ事故でのセシウム内部被曝

チェルノブイリの影響を受けたサーミ人

怪しげな研究。バンダジェフスキーの論文

バンダジェフスキーの研究を引用して「セシウムが心臓(心筋)に溜まる」と考える人がいますが、元の論文は査読を受けておらず、バンダジェフスキー氏の研究を検証しても再現されないなどがあり、信憑性のない研究と考えます。
バンダジェフスキーの「セシウムが心筋に溜まる」が怪しい理由 http://www47.atwiki.jp/info_fukushima/pages/139.html
http://togetter.com/t/バンダジェフスキー
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食品中には、放射性カリウムや放射性ポロニウムなど自然の放射性物質が必ず、含まれている。
人は大人であれば常に、放射性カリウム4000Bq、放射性炭素2500Bq程度を体内に持っていて、放射線に被ばくしている。
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