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人体への放射線の影響(基本知識)



日本放射線影響協会冊子より
引用(重要と思われる部分を抜粋、一部の表現の変更)
http://www.rea.or.jp/wakaruhon/mokuji.html

人体に放射線があたったとき

自然放射線でも変わることはありません。あくまで受けた放射線の量が問題なのです。

細胞への影響

放射線には電離作用があります。放射線が細胞にあたると、細胞の中にあるタンパク質や核酸といった物 質に電離作用が働きますが、放射線の量が大きく電離作用も多いと、 細胞にいろいろな影響が出てきます。次にその幾つかを例示します。
  • 酵素機能の低下 大量の放射線を受けると、細胞の働きを助けている酵素の機能は電離作用の影響によって低下します。その 結果として細胞の機能も低下します。
  • 細胞分裂の遅れ 大量の放射線を受けると、電離作用の影響によって細胞分裂は一時的に遅れますが、やがて回復します。
(ガラス皿で培養しているニワトリの細胞にガンマ線1万ミリ シーベルトをかけた場合、細胞分裂の回数は低下し、2時間後に分 裂回数がゼロになりましたが、7時間程度で回復しました)
  • 遺伝子損傷・・・電離作用は遺伝子を傷つけ、線量が多いと細 胞の死を招きます。

人体への影響

放射線を受けた場合の人体への影響は、大きく2つに分けられま す。1つは放射線を受けた人の体に出る「身体的影響」であり、もう1つはその人の子孫にあらわれるかもしれない「遺伝的影響」で す。
身体的影響はまた、2つに分けられます。放射線を受けて数週間以内に症状が出る「急性障害」と、数カ月から数年後になって症状が出てくる「晩発障害」です。なお人が生まれる前の、つまり母親の胎内での被ばくによる影響も身体的影響の1つであり、胎児の場合にも急性障害と晩発障害があります。

こうした影響は、受けた放射線の種類や量、全身に受けたのか体のごく1部に受けたのかによって、異なります。

急性障害の例では、''全身に一度に1000ミリシーベルト程度の放射線を受けると、吐き気がしたり吐いたりします。また全身が だるい感じがします。''一度に4000ミリシーベルト程度を全身に受けると、受けた人の半数が死んでしまいます。
晩発障害は、放射線を受けてからある程度時間が経過した後に症状が出るものですが、この症状が出るまでの期間を潜伏期といいま す。広島・長崎の被ばく者でみると、例えば眼に5000ミリシ ーベルト程度受けると、数カ月から数年後に白内障になる人が出て きます。がんも晩発障害の1つで、潜伏期があります。
次に遺伝的影響ですが、精子や卵子の遺伝子が放射線によって変化してそれが子や孫に伝えられると、障害をもつ子ができる可能性があります。そのようなことが起きるのは動物実験では確かめられ ていますが、人間の場合、広島・長崎の被ばく者の調査をはじめそのほかの調査でも、遺伝への影響は認められていません。

しきい値

確定的影響については前に述べたとおりある線量以上にならないと影響が出ないので、しきい値が存在することになります。
確率的影響のしきい値の有無については諸説あって今のところはっきりしていませんが、放射線から人を守るための基準、つまり放射線防護の基準を検討している 国際放射線防護委員会(ICRP) では、人が受ける放射線の線量はできるだけ少なくしておく方がより安全であるという立場から、現在のところはしきい値がないとし て、つまりどんなに低い線量でもそれなりの影響があると仮定して、 放射線防護の基準を決めています。なお原爆を受けた人たちの調査 などからも、人間では 200ミリシーベルト以下というような低い線量では、がんによる死亡者が余計に発生したという明確な結果は出ていません。 また先にも述べたように、遺伝的障害については、 原爆被ばくのように高い線量でも影響はみられません。

自然放射線の高い地域の調査

ブラジルや中国、インドのように、自然放射線が日本の何倍も高い地域におけるがん発生率などの調査が世界のいろいろな機関で行 われていますが、このような地域でもがんが多いということはありません。
ブラジルのガラパリ地区には1万2,000人が住んでいますが、放射性物質を多く含んだモナザイト砂からくる放射線を受けていま す。線量は年間平均10ミリシーベルトにもなります。この人々について調査がされていますが、がんがとくに多いなどの特別な異常は認められていません。