【ワシントン時事】東日本大震災で、米空軍が最新鋭の大型無人偵察機「グローバルホーク」を投入し、放射能漏れが続く福島第1原発の上空付近を飛行させて撮影していたことが16日、分かった。米空軍筋が明らかにした。
原発上空は高濃度の放射線にさらされる恐れがあり、有人飛行での長時間滞空には限界がある。人が近寄れない原発内部を無人機で撮影できれば、原発の冷却活動にも役立つ。
グローバルホークは高性能センサーや赤外線カメラを備え、地上の物体を見分ける能力(解像度)は1メートルから30センチ四方程度とされる。
機体上部に大型の衛星通信用アンテナが収納されており、画像データを日本国内の司令部にリアルタイムで送信できる。13日から被災地上空での飛行を開始した。得られた画像は、日本政府の被災地の支援活動に利用されている。(2011/03/17-12:52)
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< 2011年3月17日 14:32 >
現在の状況を上空から把握するため、アメリカ軍が高高度無人偵察機「グローバルホーク」を飛行させていることがわかった。グローバルホークは、無人偵察機のため乗組員が被ばくする危険性がなく、上空から高性能のカメラや赤外線センサーなどで福島第一原発の状況を把握することが可能だという。グローバルホークはすでに、地震の翌日から被災地上空を数十回飛行している。
日本政府が、米空軍無人偵察機「グローバルホーク」が撮影した福島第1原発上空の映像の提供を受けながら、公開に慎重姿勢を見せていることが関係者の証言で分かった。米軍側は「あくまで日本側の判断」とし、提供した映像の公開を承認している。
無人機が搭載する高性能のカメラは「車のナンバーが読み取れるほど鮮明」(米空軍)で、映像は原発施設の内部状況をほぼリアルタイムでとらえており、専門家の分析にも役立つ可能性が高いという。
米空軍は日本政府からの要請を受け、グアムのアンダーセン空軍基地に配備されている最新鋭のグローバルホーク(翼幅約40メートル、全長15メートル)を震災の翌12日から、被災地周辺に飛行させている。多量の放射性物質が検知されている福島第1原発上空では自衛隊機の飛行が困難なため、グローバルホークが24時間態勢で撮影。衛星通信を介して映像を米カリフォルニア州の米空軍基地に送信し、日本政府側にも提供している。
だが日本側は、映像を保有したまま公開していない。同米空軍基地では、米国の原発専門家らが映像を詳細に分析しているという。
毎日新聞 2011年3月19日 東京朝刊
最終更新:2011年03月29日 14:20