なにもかもがわからない ◆7RGbmc1fRg
目の前ではじけ飛んだ少女の血潮と死の臭い、目の前の光景が受け入れられぬままにいると
また気がつけば場所が変わっていた。
俺が“飛ばされた”のは、どうやら古びたアパートの一室らしい。
また気がつけば場所が変わっていた。
俺が“飛ばされた”のは、どうやら古びたアパートの一室らしい。
『これから、お前達には最後の一人になるまで殺し合いをしてもらう』
あの目隠しをした女の告げた言葉。修道女が目の前に描き出した魔方陣。
そして瞬間移動。
そして瞬間移動。
“常識的に物事を考える”
備府出やらない夫が人生の規範としてきた、己の中心に据えられた言葉に従えばこんなこと認められるわけがない。
しかし常識的に考えてこれは間違いなく現実。夢だとか幻覚とかではない。
しかし常識的に考えてこれは間違いなく現実。夢だとか幻覚とかではない。
とりあえずこれから何をすべきか、やらない夫は考え始めた。
まずはなにか武器がほしい。人殺しはしたくないが、拳銃でもあれば警告ができる。
荷物の整理をしようと、黒いデイバックの中をかき回す。
なにか「むにっ」とした、気持ちの悪いものが指にひっかかったような気がした。
なんだ?まさか変な生き物なんて入ってないよな?
嫌な汗が出てくるが、「むにっ」としたそれを手に掴み引っ張り出す。
まずはなにか武器がほしい。人殺しはしたくないが、拳銃でもあれば警告ができる。
荷物の整理をしようと、黒いデイバックの中をかき回す。
なにか「むにっ」とした、気持ちの悪いものが指にひっかかったような気がした。
なんだ?まさか変な生き物なんて入ってないよな?
嫌な汗が出てくるが、「むにっ」としたそれを手に掴み引っ張り出す。
「CD……?」
普通CDってのはディスクケースに入っているものだろう?
それがなぜかそのまま抜身の状態で出てきた。
武器が出なかったことに文句のひとつも言いたくなるが、俺としてはキチンとケースにしまわない方が気になるね。
これを入れたやつはなにか? お気に入りのCDをアーティスト順に並べて、楽しく聞いたあとはきっちり元のケースしまうってこともしないんだろうか。
それがなぜかそのまま抜身の状態で出てきた。
武器が出なかったことに文句のひとつも言いたくなるが、俺としてはキチンとケースにしまわない方が気になるね。
これを入れたやつはなにか? お気に入りのCDをアーティスト順に並べて、楽しく聞いたあとはきっちり元のケースしまうってこともしないんだろうか。
しかしこのCDちょっと変だ。なんというか普通のCDよりぶ厚いし、そもそも素材がおかしい。なんでゴムみたいな感触なんだ。
それに普通CDには表面にラベルやらなんやらが印刷されている。
しかしこれにはただ『DISC』と印字されているのみで、アーティスト名もタイトルも書いていない。
見れば見るほど不思議なDISCだ。
それに普通CDには表面にラベルやらなんやらが印刷されている。
しかしこれにはただ『DISC』と印字されているのみで、アーティスト名もタイトルも書いていない。
見れば見るほど不思議なDISCだ。
……ん? ちょっと待て、表面になにか映りこんでいる!
見慣れた俺の顔じゃない。なんだこれは!いったい誰の顔だ!?
見慣れた俺の顔じゃない。なんだこれは!いったい誰の顔だ!?
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
『オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァッ!!』
『やれやれだぜ』
『スタンド』
『星の白銀』
『星の白銀』
『幽波紋』
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
食い入るようにDISCを見つめているとスマートながらもがっしりとした、人型のビジョンが脳内でフラッシュバックする。
意味不明の単語が駆け巡り、そしてなによりその圧倒的なパワーとスピード!
痛い、頭が割れるように痛い!それに吐き気もだ!ちくしょう気持ち悪い!
意味不明の単語が駆け巡り、そしてなによりその圧倒的なパワーとスピード!
痛い、頭が割れるように痛い!それに吐き気もだ!ちくしょう気持ち悪い!
座ってなんかいられない、トイレに、吐きにいかなくては。
こんなところで胃の中のものをぶち撒けるわけにはいかない……。
こんなところで胃の中のものをぶち撒けるわけにはいかない……。
そう思ったとき、俺の視界は逆転していた。
天井が下に、フローリングの床が上にある。
なんだ、いったい。平衡感覚までおかしくなったのか?
違う。俺の感覚は正常だ。天井は常に上にあるし、床は地にあるもの。
ただ単に俺の身体が、マジックショーかなんかみたいにふわふわと宙を浮いていて……。
天井が下に、フローリングの床が上にある。
なんだ、いったい。平衡感覚までおかしくなったのか?
違う。俺の感覚は正常だ。天井は常に上にあるし、床は地にあるもの。
ただ単に俺の身体が、マジックショーかなんかみたいにふわふわと宙を浮いていて……。
「……ちくしょう、やっぱ重いな。おい、落ち着け。暴れんなって」
重い?落ち着け? 俺のことか?
開け放たれた部屋の扉の前に、サングラスをかけた男が鼻を押さえ立っている。
クソッ、俺が頭痛でふらふらしてる間に近づかれたってわけか!
開け放たれた部屋の扉の前に、サングラスをかけた男が鼻を押さえ立っている。
クソッ、俺が頭痛でふらふらしてる間に近づかれたってわけか!
「な、なんなんだあんた!? あんたか!?あんたがやったのか!?俺をどうするつもりだ、答えろ!」
「おーおー、殺気立っちゃって恐いねぇ。お前もしかして乗っちゃってる系? なーんで餓鬼はこう簡単に命を投げ捨てようとするかな」
「おーおー、殺気立っちゃって恐いねぇ。お前もしかして乗っちゃってる系? なーんで餓鬼はこう簡単に命を投げ捨てようとするかな」
宙で二、三回転すると、ドスンと宙からソファの上へと落とされる。
なんだ今のは……超スピードだとかテクニックとかの問題じゃねぇぞ!
“常識的に考えて”人間がなんの補助器具もなしに宙を浮遊するなぞありえない!
きっとワイヤーかなんかを使って俺を吊るしあげたに決まってる!
なんだ今のは……超スピードだとかテクニックとかの問題じゃねぇぞ!
“常識的に考えて”人間がなんの補助器具もなしに宙を浮遊するなぞありえない!
きっとワイヤーかなんかを使って俺を吊るしあげたに決まってる!
「いったい、いったいなんなんだ、あんた!」
「……坂田研三、超能力者って言ったほうが分かりやすいか。言っておくが手品じゃねぇぞ」
「……坂田研三、超能力者って言ったほうが分かりやすいか。言っておくが手品じゃねぇぞ」
どう考えても手品だろうが!超能力だって?! ありえない、あるわけがない。
さっきのだってどうせなんらかのトリックを使ったに決まってる!
そうでなきゃ催眠術かなんかだ!常識的に考えろ!そうに決まってる!
さっきのだってどうせなんらかのトリックを使ったに決まってる!
そうでなきゃ催眠術かなんかだ!常識的に考えろ!そうに決まってる!
「あら、信じられないって顔してるねぇ。でもさ、俺にしてみればお前の方がよっぽどエスパーだぜ。
暗くて分かんねぇか?ならよく見てみろ。お前の周りをな」
暗くて分かんねぇか?ならよく見てみろ。お前の周りをな」
破壊されている部屋、扉。
なんだ?なんなんだ?誰がこんなことをやった?俺が支給品を確認していたときは普通だったろ?
なんで俺がちょっと頭を抱えているあいだにこんなことに?
なんだ?なんなんだ?誰がこんなことをやった?俺が支給品を確認していたときは普通だったろ?
なんで俺がちょっと頭を抱えているあいだにこんなことに?
「いったい……誰がこんな……」
「お前、そこの面長のお前がやったんだよ。ドタバタうるせーから来てみりゃいきなりドアが吹っ飛んでんじゃねーか」
「お前、そこの面長のお前がやったんだよ。ドタバタうるせーから来てみりゃいきなりドアが吹っ飛んでんじゃねーか」
これを?俺が?どうして?どうやって?
「あの、すみません……俺、まだ頭のなかぐちゃぐちゃで……。正直自分でやったって記憶もなくて……
すごい申し訳ないんですけど、本当に俺がやったって言うなら、ここでなにがあったか教えてくれませんか? 坂田さん……」
すごい申し訳ないんですけど、本当に俺がやったって言うなら、ここでなにがあったか教えてくれませんか? 坂田さん……」
「名前……(ボソッ)」
「え?」
「人に物聞く前には自己紹介くらいするよな、普通……」
「す、すみません……」
「え?」
「人に物聞く前には自己紹介くらいするよな、普通……」
「す、すみません……」
自分で名乗ることを忘れるほどに冷静さを欠いていたってのか、俺は。
……無理もない。あんな凄惨な殺人現場を目の当たりにしたんだ。PTSDを患っても不思議じゃない。
俺は胸を張り、呼吸を意識する。
そして親から戴いた無二の名前。自身のパーソナルとなるべきその名を口にした。
……無理もない。あんな凄惨な殺人現場を目の当たりにしたんだ。PTSDを患っても不思議じゃない。
俺は胸を張り、呼吸を意識する。
そして親から戴いた無二の名前。自身のパーソナルとなるべきその名を口にした。
「やらない夫……備府出やらない夫。ただの高校生です」
*
その後、俺と坂田さんは場所を移すことにした。
俺がしっちゃかめっちゃかに暴れた音が他の参加者、特に殺しに乗ったやつに聞きつけられたとも限らないからだ。
俺が最初に飛ばされた古びたアパートから、いくらか離れた民家へと場を移しその居間に腰を据える。
俺がしっちゃかめっちゃかに暴れた音が他の参加者、特に殺しに乗ったやつに聞きつけられたとも限らないからだ。
俺が最初に飛ばされた古びたアパートから、いくらか離れた民家へと場を移しその居間に腰を据える。
俺が坂田さんに持った最初のイメージは、言っちゃ悪いがチンピラとまではいかないまでも、池袋にいそうなチャライ男。
正直俺はこういったタイプの人間にあまり好感の持てる方ではない。
ああいう種類の人間は弱者を虐げ、強者に媚びへつらう者が多い。そしてこういう緊急事態では、いつ裏切るともしれないからだ。
正直俺はこういったタイプの人間にあまり好感の持てる方ではない。
ああいう種類の人間は弱者を虐げ、強者に媚びへつらう者が多い。そしてこういう緊急事態では、いつ裏切るともしれないからだ。
「ああ、電気は付けるなよやらない夫……って言うまでもないな。お前賢そうだし。
……じゃあ一から説明すっぞ。その代わり俺からもいくつか質問させてもらう」
……じゃあ一から説明すっぞ。その代わり俺からもいくつか質問させてもらう」
だがこの坂田研三という男。
なんというか、俺のイメージする所謂DQNと呼ばれる奴らとは少し違う。
妙に落ち着いてるというか、場慣れしているというか……。
なんというか、俺のイメージする所謂DQNと呼ばれる奴らとは少し違う。
妙に落ち着いてるというか、場慣れしているというか……。
「俺が駆けつけたとき、ちょうどお前のいた部屋のドアが吹き飛んだ。
それで中を見たら、お前が頭抱えてうずくまってるとこだった。
そして問題はここからだ。お前の側に立ってるやつが見えたのさ。古代の戦士みたいな格好した野郎がな。
微妙に透けて見えてたし、『背後霊』ってやつかな? そう俺が思ったとき、その『背後霊』はお前の身体の中に引っ込んでいった」
それで中を見たら、お前が頭抱えてうずくまってるとこだった。
そして問題はここからだ。お前の側に立ってるやつが見えたのさ。古代の戦士みたいな格好した野郎がな。
微妙に透けて見えてたし、『背後霊』ってやつかな? そう俺が思ったとき、その『背後霊』はお前の身体の中に引っ込んでいった」
「……その『背後霊』が部屋を破壊したって言うんですか?」
ふざけるのも大概にしてほしい。
超能力者を自称するだけでなく今度は『幽霊』だ?
非常識的すぎる。やっぱりこの男、頭がおかしいんじゃ――
……ちょっと待て。古代の戦士の姿をした『幽霊』だって?
超能力者を自称するだけでなく今度は『幽霊』だ?
非常識的すぎる。やっぱりこの男、頭がおかしいんじゃ――
……ちょっと待て。古代の戦士の姿をした『幽霊』だって?
「もしかしてその『背後霊』……筋骨隆々で、髪は逆だってて、両手にグローブとかはめてたりしました……?」
「ああっ、そうそう。そんな感じそんな感じ」
「ああっ、そうそう。そんな感じそんな感じ」
坂田さんの見た『背後霊』と、DISCの面に映りこんでいた像とが一致する。
考えてみればあのDISCを見ていた直後に体調がおかしくなったのだ。
もしかしたら幻覚を見せるヤバいDISCだったのかもしれない。
もう一度DISCを確認してみようと思いデイバックを確かめてみるが……。
ないッ!ないのだッ!ヤバいDISCがないッ!
もしかしてあのアパートに置いてきてしまったのか?
考えてみればあのDISCを見ていた直後に体調がおかしくなったのだ。
もしかしたら幻覚を見せるヤバいDISCだったのかもしれない。
もう一度DISCを確認してみようと思いデイバックを確かめてみるが……。
ないッ!ないのだッ!ヤバいDISCがないッ!
もしかしてあのアパートに置いてきてしまったのか?
「今度は俺が質問する番だ。やらない夫、お前その『背後霊』のチカラ使えるようになったの最近だろ?
特殊なチカラを持つ奴には自信がある。俺はそこらのやつらなんかとは違うんだって自信がな。
だから俺も多少のことじゃビビらねぇつもりだし、今だって落ち着いていられる。
お前にはその自信を感じられなかった」
特殊なチカラを持つ奴には自信がある。俺はそこらのやつらなんかとは違うんだって自信がな。
だから俺も多少のことじゃビビらねぇつもりだし、今だって落ち着いていられる。
お前にはその自信を感じられなかった」
俺にそんな力あるかどうかは別として、仮に『幽霊』の力を操れるようになったのだとしたらきっかけは間違いなくあのDISCだ。
だがそのDISCが手元にない以上確認する方法はない。
だがそのDISCが手元にない以上確認する方法はない。
「もう一回、そのチカラ見せてみろ。身体の中に引っ込んだのなら身体の外に出すことも可能なはずだ」
そんなバカな。あるわけがないだろうがそんな。
俺はただの高校生に過ぎないんだ。ある日突然自分の中に眠っていた力が目覚めるなんて、三流ラノベの出だしそのままじゃないか。
俺はただの高校生に過ぎないんだ。ある日突然自分の中に眠っていた力が目覚めるなんて、三流ラノベの出だしそのままじゃないか。
「いや、俺にはそんな……」
「この状況だ。既成概念は全て捨てろ。お前には間違いなくチカラがある。それ使わないとお前……死ぬぞ?」
「この状況だ。既成概念は全て捨てろ。お前には間違いなくチカラがある。それ使わないとお前……死ぬぞ?」
――いや、こんな状況になってること事態、既にメルヘンやファンタジーの領域か……。
それにやらないと納得してくれなさそうだしなこの人……。
ダメもとと思いつつ、頭のなかでイメージする。
姿はもちろん荒々しいあの戦士のビジョン。
自分の身体のなかから飛び出すように、出ろッ!出ろぉッ!って感じで……。
それにやらないと納得してくれなさそうだしなこの人……。
ダメもとと思いつつ、頭のなかでイメージする。
姿はもちろん荒々しいあの戦士のビジョン。
自分の身体のなかから飛び出すように、出ろッ!出ろぉッ!って感じで……。
「――おい……嘘だろ……」
俺の右腕が、二重にダブって見える。
霞目なんかじゃない。しかもそのもうひとつの右腕が自分の思った通りに動く。
そしてこのグローブの甲に散りばめられた鋲。間違いない、あの『幽霊』の手だ。
霞目なんかじゃない。しかもそのもうひとつの右腕が自分の思った通りに動く。
そしてこのグローブの甲に散りばめられた鋲。間違いない、あの『幽霊』の手だ。
「右腕だけ……か。ま、ぼちぼち練習は必要か。
それで、これからどうするつもりだやらない夫。このゲームに乗る気か?」
「……あなたこそどうなんですか、坂田さん。自称超能力者のあんたなら、生き残れそうな気もしますが?」
それで、これからどうするつもりだやらない夫。このゲームに乗る気か?」
「……あなたこそどうなんですか、坂田さん。自称超能力者のあんたなら、生き残れそうな気もしますが?」
俺はいまだこの坂田という男に信用を置いてはいない。
むしろ、この状況で他人を信用しろというほうが無理がある。
悲しいことだが、顔見知りでさえ気を許すことは難しいだろ。
むしろ、この状況で他人を信用しろというほうが無理がある。
悲しいことだが、顔見知りでさえ気を許すことは難しいだろ。
「バァーッカ、俺は自分の能力を過信しちゃいないんだよ。50人以上の人間を殺してまわれとか無理に決まッてんだろ。
しばらくは様子見だ。どの道この暗がりじゃ移動するのもしんどいしな。つか疑問文に疑問文で返すな、バカみてーじゃねぇかよ。
はい、次お前。やらない夫の番。これからどうするか意見して」
しばらくは様子見だ。どの道この暗がりじゃ移動するのもしんどいしな。つか疑問文に疑問文で返すな、バカみてーじゃねぇかよ。
はい、次お前。やらない夫の番。これからどうするか意見して」
「……俺もこんなゲームに乗る気はありませんよ。なんでも願いを叶えてやるなんて言ってますが、ぶっちゃけ嘘臭いし。
ただ頭の中に爆弾が埋めこまれてる以上、乗るやつは多数いそうですけどね。せめてそういうやつらから身を守る手段は欲しいんですが……。
それと言わせてもらいますが坂田さん、俺はあなたを信用できないでいます。正直言えば今こうしてあなたと一緒にいるということさえ危険だと思っている」
ただ頭の中に爆弾が埋めこまれてる以上、乗るやつは多数いそうですけどね。せめてそういうやつらから身を守る手段は欲しいんですが……。
それと言わせてもらいますが坂田さん、俺はあなたを信用できないでいます。正直言えば今こうしてあなたと一緒にいるということさえ危険だと思っている」
すでに、『幽霊』の右腕は出している。
あのDISCで見た内容通りのチカラがあるというのなら、驚異的なスピードとパワーを持っているはずだ。
――おかしな挙動をすれば即叩き込む。その『覚悟』を決め俺は坂田さんと対峙する。
あのDISCで見た内容通りのチカラがあるというのなら、驚異的なスピードとパワーを持っているはずだ。
――おかしな挙動をすれば即叩き込む。その『覚悟』を決め俺は坂田さんと対峙する。
ドックンッ……ドックンッ……ドックンッ……ドックンッ……
緊張しているせいか、いやに自分の心臓の音が大きく聞こえる。まるで全速力で駆け抜けたあとのような……。
――ち、違う…!なにかおかしい…!?
――ち、違う…!なにかおかしい…!?
「俺……俺の仕業。今お前の心臓の動き、速くしてる」
心臓の鼓動を無理矢理早められているッ! く、苦しい…!
まさかこいつか!? 坂田さんが超能力でやったてのか!?
まさかこいつか!? 坂田さんが超能力でやったてのか!?
「……早まったこと考えんなやらない夫。俺もお前も立場は一緒だ。そもそも俺が乗り気なら今お前はこうして俺と話してさえいない。
なんならそのチカラの使い方を教えてやってもいい。だから少しは俺を信用しろ」
なんならそのチカラの使い方を教えてやってもいい。だから少しは俺を信用しろ」
その直後、早鐘を打っていた鼓動が静かなものへと変わっていく。
……どうやら超能力の存在を認めるしかないらしい。
こんなことが可能なら、俺はとっくに坂田さんに殺されているんだ。それだけは確かだ。
それに俺にチカラの使い方を教えるというのも、坂田さんが殺す側の人間だというならメリットがまったくない。
……ダメだな、少し疑り深くなっている。このままじゃ神経のほうがやられちまう。
分からない事だらけだが、出来る限り坂田さんを信用することにしよう―――。
それにせっかく厨二病ラノベ的な能力に目覚めたんだ。
自分が正しいと思うことに使うべきだろ?常識的に考えて。
……どうやら超能力の存在を認めるしかないらしい。
こんなことが可能なら、俺はとっくに坂田さんに殺されているんだ。それだけは確かだ。
それに俺にチカラの使い方を教えるというのも、坂田さんが殺す側の人間だというならメリットがまったくない。
……ダメだな、少し疑り深くなっている。このままじゃ神経のほうがやられちまう。
分からない事だらけだが、出来る限り坂田さんを信用することにしよう―――。
それにせっかく厨二病ラノベ的な能力に目覚めたんだ。
自分が正しいと思うことに使うべきだろ?常識的に考えて。
*
どうやらやらない夫のやつも少しは俺を信用する気になったらしい。
俺の他に来ているガンツメンバーは玄野と加藤。それと玄野の彼女の小島多恵。
大阪で死んだはずの自分が生きているということは、おそらく加藤か玄野のどちらかが俺を再生させたってとこか。
桜井や、他のメンバーのことも気になるがそれも加藤か玄野に聞かなければ分からないな。
しかし今回のミッションは人数が多すぎる。それに相手が星人じゃなく人間……。
俺の他に来ているガンツメンバーは玄野と加藤。それと玄野の彼女の小島多恵。
大阪で死んだはずの自分が生きているということは、おそらく加藤か玄野のどちらかが俺を再生させたってとこか。
桜井や、他のメンバーのことも気になるがそれも加藤か玄野に聞かなければ分からないな。
しかし今回のミッションは人数が多すぎる。それに相手が星人じゃなく人間……。
俺がいない間にまた状況が変わったのか?
もしくは殺し合いを宣言した平戸ロイヤルという女がガンツの黒幕だったのか……。
ああっ、分からねェ、全然分からねェ。
やっぱ加藤か玄野と会わなきゃどうにもならねぇ。
ああっ、分からねェ、全然分からねェ。
やっぱ加藤か玄野と会わなきゃどうにもならねぇ。
てか俺、なんで見ず知らずの奴と一緒にいんだろ。
もしかして桜井の奴とやらない夫を重ねちまってんのか……。
そういやあいつ、あのあとちゃんと逃げられたのか?
ここにいないってことは俺がいない間に100点とって解放されたか、それとも死んだか……。
もしかして桜井の奴とやらない夫を重ねちまってんのか……。
そういやあいつ、あのあとちゃんと逃げられたのか?
ここにいないってことは俺がいない間に100点とって解放されたか、それとも死んだか……。
ともかく、日の出までここでジッとしていることにしよう。
その間チカラの使い方を教えるなり、支給品とやらの確認を済ませればいい。
その間チカラの使い方を教えるなり、支給品とやらの確認を済ませればいい。
あとは黒球……ガンツのことをやらない夫に教えるべきかどうか……。
いつかは話さなければいけないことだが……しばらく様子を見てから、どう切り出すか決めることにしよう。
いつかは話さなければいけないことだが……しばらく様子を見てから、どう切り出すか決めることにしよう。
【新米スタンド使いと超能力者】
【A-3・民家/1日目・深夜】
【A-3・民家/1日目・深夜】
【備府出やらない夫@2ch】
【状態】健康
【装備】スタープラチナのDISC、学ラン
【持ち物】支給品一式、不明支給品0~2
【思考】
基本:とりあえず殺し合いに乗る気はない。
1:チカラの使い方を坂田から教わる。
2:ひとまずは坂田と行動を共にする気。
3:
【備考】
※DISCは初期位置のアパートに置いてきてしまったと思っています。しかし戻ることは危険と判断し回収は諦めました。
※まだ名簿を確認していません。
※坂田がスタープラチナの全形を確認できたのはDISC挿入時、スタンドが一時的な暴走状態にあったためです。
現在はスタープラチナの右腕のみ発現可能なようです。
【状態】健康
【装備】スタープラチナのDISC、学ラン
【持ち物】支給品一式、不明支給品0~2
【思考】
基本:とりあえず殺し合いに乗る気はない。
1:チカラの使い方を坂田から教わる。
2:ひとまずは坂田と行動を共にする気。
3:
【備考】
※DISCは初期位置のアパートに置いてきてしまったと思っています。しかし戻ることは危険と判断し回収は諦めました。
※まだ名簿を確認していません。
※坂田がスタープラチナの全形を確認できたのはDISC挿入時、スタンドが一時的な暴走状態にあったためです。
現在はスタープラチナの右腕のみ発現可能なようです。
【坂田研三@GANTZ】
【状態】健康
【装備】サングラス、普段着
【持ち物】支給品一式、不明支給品1~3、ポケットティッシュ(現地調達品)
【思考】
基本:しばらくは様子見。生存優先。
1:やらない夫と行動を共にする。
2:日の出を待ち、その後行動を開始する。
3:玄野計、加藤勝との合流。小島多恵はできれば保護してやりたい。
【備考】
※大阪編死亡後からの参戦です。
※自分がいなかった間にガンツになんらかの変化、もしくは異常が起こったのかもしれないと推測しています。
ガンツについては機会を見て話すつもりです。
【状態】健康
【装備】サングラス、普段着
【持ち物】支給品一式、不明支給品1~3、ポケットティッシュ(現地調達品)
【思考】
基本:しばらくは様子見。生存優先。
1:やらない夫と行動を共にする。
2:日の出を待ち、その後行動を開始する。
3:玄野計、加藤勝との合流。小島多恵はできれば保護してやりたい。
【備考】
※大阪編死亡後からの参戦です。
※自分がいなかった間にガンツになんらかの変化、もしくは異常が起こったのかもしれないと推測しています。
ガンツについては機会を見て話すつもりです。
【スタープラチナのDISC@ジョジョの奇妙な冒険】
破壊力 - A / スピード - A / 持続力 - A
射程距離 - C / 精密動作性 - A / 成長性 - A
破壊力 - A / スピード - A / 持続力 - A
射程距離 - C / 精密動作性 - A / 成長性 - A
ジョジョの奇妙な冒険Part6、ストーンオーシャンより登場。
超精密な動きで物体を破壊する能力。
射程距離は2m以下であるが、そのスピードはあまりにも速く、時を超えた時、全ての世界の時間が止まる。
ホワイトスネイクの能力によりDISC化されたものであり、適正さえあれば頭部に挿入することで使用可能となる。
名前の由来はタロットの大アルカナ17番目の暗示「星」
超精密な動きで物体を破壊する能力。
射程距離は2m以下であるが、そのスピードはあまりにも速く、時を超えた時、全ての世界の時間が止まる。
ホワイトスネイクの能力によりDISC化されたものであり、適正さえあれば頭部に挿入することで使用可能となる。
名前の由来はタロットの大アルカナ17番目の暗示「星」
時系列順で読む
投下順で読む
キャラを追って読む
行動開始 | 備府出やらない夫 | |
行動開始 | 坂田研三 |