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岸辺露伴は動かない-雛見沢- その⑬
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岸辺露伴は動かない-雛見沢- その⑬
2 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/20(日) 16:19:28.72 ID:SkilSIER0
1983年(昭和58年)
6月19日(日)
6月19日(日)
露伴が雛見沢に来てからちょうど1週間が過ぎた。
運命の日がやってくる。綿流しの祭りの日。
つまり、5年目のオヤシロ様の祟り、富竹と鷹野の死。
運命の日がやってくる。綿流しの祭りの日。
つまり、5年目のオヤシロ様の祟り、富竹と鷹野の死。
だが、その特別な日も1日の始まりは至って普通だった。
いや、世の中こういうものなのかもしれない。
例え自分が死ぬ日の始まりだって、不吉を感じられる人間がどれだけいるのだろうか。
誰もが昨日と同じ今日があると思っている。今日と同じ明日があると思っている。
そして唐突に死ぬ。
いや、世の中こういうものなのかもしれない。
例え自分が死ぬ日の始まりだって、不吉を感じられる人間がどれだけいるのだろうか。
誰もが昨日と同じ今日があると思っている。今日と同じ明日があると思っている。
そして唐突に死ぬ。
だから露伴はこの日の始まりにも何も感じなかった。
2日ぶりに沙都子に起こされたのがちょっと嬉しかったくらいだ。
2日ぶりに沙都子に起こされたのがちょっと嬉しかったくらいだ。
さぁ、始めよう、5年目のオヤシロ様の祟りを。
4 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/20(日) 16:20:49.82 ID:SkilSIER0
露伴達は朝食を終えると、すぐに入江診療所へと向かう。
沙都子の雛見沢症候群の定期健診のためだ。
沙都子本人が栄養剤の研究のためだと思っているため、露伴もそう口を合わせる。
露伴が医学の発展に貢献していると褒めると、沙都子は嬉しそうだった。
沙都子の雛見沢症候群の定期健診のためだ。
沙都子本人が栄養剤の研究のためだと思っているため、露伴もそう口を合わせる。
露伴が医学の発展に貢献していると褒めると、沙都子は嬉しそうだった。
露伴は、これが最後の鷹野三四との接触の機会だと考えていた。
鷹野と富竹が祭りへと出かけるのは2007年の大石から聞いている。
祭りの会場では天国への扉(ヘブンズ・ドアー)を使うことはできない。
そして祭りの終わりはオヤシロ様の祟り、つまり鷹野の死を意味する。
露伴に残された最後のチャンスが、今日この瞬間なのだ。
鷹野と富竹が祭りへと出かけるのは2007年の大石から聞いている。
祭りの会場では天国への扉(ヘブンズ・ドアー)を使うことはできない。
そして祭りの終わりはオヤシロ様の祟り、つまり鷹野の死を意味する。
露伴に残された最後のチャンスが、今日この瞬間なのだ。
だが、露伴には逆の予感もあった。
おそらく鷹野三四との接触は不可能であるという予感。
そしてその予感は的中する。
おそらく鷹野三四との接触は不可能であるという予感。
そしてその予感は的中する。
6 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/20(日) 16:22:59.84 ID:SkilSIER0
入江「それじゃあ沙都子ちゃんはいつも通り検査をお願いします。」
入江がそう言い沙都子を診察室から送り出す。
露伴と梨花は診察室へと残された。
露伴と梨花は診察室へと残された。
露伴「入江先生、先日は申し訳ない。鷹野さんは今日はいらっしゃいますか?」
入江「えぇ、鷹野さんは既に沙都子ちゃんの検査の準備をしてくださってます。
私からも謝っておきましたが、直接挨拶したほうがいいかと思います。
なにかあったんですか?」
露伴「そうですね、あとで紹介していただけるようお願いします。
実は見ての通り怪我をしてしまいましてね。それでちょっと来れなかったんですよ。」
入江「さっきから気になっていたんですが、どうしたんです?
今日の出し物は大丈夫なんですか?」
露伴「いやぁ、理由はお恥ずかしいので伏せさせてもらいたいかな。
出し物は、沙都子ちゃんが僕の左手になってくれるそうですよ。」入江「そうですか。お怪我ならうちに来てくださればよかったのに。」
露伴「興宮に行っている間でしてね。あちらの病院にお世話になりました。」
入江「えぇ、鷹野さんは既に沙都子ちゃんの検査の準備をしてくださってます。
私からも謝っておきましたが、直接挨拶したほうがいいかと思います。
なにかあったんですか?」
露伴「そうですね、あとで紹介していただけるようお願いします。
実は見ての通り怪我をしてしまいましてね。それでちょっと来れなかったんですよ。」
入江「さっきから気になっていたんですが、どうしたんです?
今日の出し物は大丈夫なんですか?」
露伴「いやぁ、理由はお恥ずかしいので伏せさせてもらいたいかな。
出し物は、沙都子ちゃんが僕の左手になってくれるそうですよ。」入江「そうですか。お怪我ならうちに来てくださればよかったのに。」
露伴「興宮に行っている間でしてね。あちらの病院にお世話になりました。」
8 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/20(日) 16:24:04.04 ID:SkilSIER0
入江は露伴との社交辞令的な会話を終えると、露伴と梨花を所長室へ通した。
そして自分も検査の手伝いがあると部屋を去っていく。
残された露伴と梨花は検査が終わるまでの時間を所長室で過ごすのだった。
そして自分も検査の手伝いがあると部屋を去っていく。
残された露伴と梨花は検査が終わるまでの時間を所長室で過ごすのだった。
露伴と梨花は無言のまま検査を終えるまでの時間を過ごす。
梨花は特になにもせず、何か考え事でもしているようだ。
羽入は度々、沙都子のいる部屋とこちらを行き来してはくだらないことを報告している。
露伴は部屋にあった医学書に手をつけた。
梨花は特になにもせず、何か考え事でもしているようだ。
羽入は度々、沙都子のいる部屋とこちらを行き来してはくだらないことを報告している。
露伴は部屋にあった医学書に手をつけた。
気づけば時間は12時近くになっていた。
入江と沙都子が検査を終えて所長室へと戻って来る。
鷹野も沙都子を見送りに来たのか一緒だった。
入江と沙都子が検査を終えて所長室へと戻って来る。
鷹野も沙都子を見送りに来たのか一緒だった。
9 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/20(日) 16:25:13.86 ID:SkilSIER0
露伴「お疲れ様、沙都子ちゃん。
えっと、そちらの方は・・・。」
鷹野「はじめお会いするわね。鷹野三四よ。
話は沙都子ちゃんからたくさん聞いてるわよ、露伴さん。」
露伴「あなたが鷹野さんですか。はじめまして。
先日は申し訳ない。ちょっと怪我をしてしまいまして・・・。」
鷹野「それはお気の毒ね。お大事にどうぞ。」
えっと、そちらの方は・・・。」
鷹野「はじめお会いするわね。鷹野三四よ。
話は沙都子ちゃんからたくさん聞いてるわよ、露伴さん。」
露伴「あなたが鷹野さんですか。はじめまして。
先日は申し訳ない。ちょっと怪我をしてしまいまして・・・。」
鷹野「それはお気の毒ね。お大事にどうぞ。」
鷹野は先日の件を根に持っているのか、
敵意のある目つきでくすくすと笑った。
敵意のある目つきでくすくすと笑った。
露伴「えっと、今日はご都合は悪いですか?」
鷹野「あらあら、勝手に約束をすっぽかしておいて、自分勝手な人ね。」
露伴「申し訳ないと思ってますよ。ただ、祭りが終わったら取材を終えて帰ろうとも考えていまして。
できれば今日お話を伺いたいな、と。」
鷹野「今日はだめですわ。これから沙都子ちゃんの検査結果の整理があるんです。
あなたに話をしていたら、オヤシロ様の祟りにあっちゃうわ。くすくす。」
鷹野「あらあら、勝手に約束をすっぽかしておいて、自分勝手な人ね。」
露伴「申し訳ないと思ってますよ。ただ、祭りが終わったら取材を終えて帰ろうとも考えていまして。
できれば今日お話を伺いたいな、と。」
鷹野「今日はだめですわ。これから沙都子ちゃんの検査結果の整理があるんです。
あなたに話をしていたら、オヤシロ様の祟りにあっちゃうわ。くすくす。」
10 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/20(日) 16:26:09.47 ID:SkilSIER0
露伴「そ、それは・・・どういう・・・?」
鷹野「あらぁ、取材なさってるのにそんなことも知らないのかしら。
オヤシロ様の祟りはね、オヤシロ様を崇めない不信心者に起こるのよぉ?
綿流しのお祭りにちゃんと行かないと、今年の祟りの犠牲者になっちゃうわ。くすくす。」
露伴「なるほど、鷹野さんはお仕事がお忙しいということですね。」
鷹野「そういうこと。物分りがいいと話が早いわねぇ。ふふふ。」
露伴「それでは、また機会があればぜひお願いします。」
鷹野「そうね、"また"会えればお話しますわ。くすくす。」
鷹野「あらぁ、取材なさってるのにそんなことも知らないのかしら。
オヤシロ様の祟りはね、オヤシロ様を崇めない不信心者に起こるのよぉ?
綿流しのお祭りにちゃんと行かないと、今年の祟りの犠牲者になっちゃうわ。くすくす。」
露伴「なるほど、鷹野さんはお仕事がお忙しいということですね。」
鷹野「そういうこと。物分りがいいと話が早いわねぇ。ふふふ。」
露伴「それでは、また機会があればぜひお願いします。」
鷹野「そうね、"また"会えればお話しますわ。くすくす。」
鷹野は終始露伴を馬鹿にしたような態度をとっていた。
露伴は確信した。この女は知っている。間違いない。
この女は自分が今夜オヤシロ様の祟りにあうことを知っているのだ。
そして、自分が死なないということも。
露伴は確信した。この女は知っている。間違いない。
この女は自分が今夜オヤシロ様の祟りにあうことを知っているのだ。
そして、自分が死なないということも。
11 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/20(日) 16:27:18.46 ID:SkilSIER0
沙都子の検査が終わったので、帰宅することになる。
露伴は入江に去り際に一通の封筒を預ける。
絶対に次に会うときまで開けないように念を押していた。
露伴は入江に去り際に一通の封筒を預ける。
絶対に次に会うときまで開けないように念を押していた。
家につくころには神社は祭りの準備で賑やかだった。それを横目に家へと戻る。
このあとは軽めの食事を取り、再び神社へと向かう予定だ。
このあとは軽めの食事を取り、再び神社へと向かう予定だ。
露伴は料理をする沙都子を眺めていた。
露伴「沙都子ちゃん、髪型変えたかい・・・?」
沙都子の微細な変化に気づいた露伴がそれを口に出した。
沙都子「き、気づくのが遅いですわよ!!いつ切ったと思ってますの。
まったく露伴さんは鈍感なんですから。」
露伴「ははは、ごめんよ。」
まったく露伴さんは鈍感なんですから。」
露伴「ははは、ごめんよ。」
沙都子は嬉しそうな顔で怒っていた。
羽入がそれをおもしろがり、頬を突くような仕草をする。
羽入の指が沙都子の頬に触れることはないのだが、それでも羽入は楽しそうだった。
羽入がそれをおもしろがり、頬を突くような仕草をする。
羽入の指が沙都子の頬に触れることはないのだが、それでも羽入は楽しそうだった。
12 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/20(日) 16:28:35.88 ID:SkilSIER0
昼食を終えると、神社へと向かう。
梨花は奉納演舞のための準備へと向かった。
露伴と沙都子は出し物のために実行委員会のテントへと向かう。
梨花は奉納演舞のための準備へと向かった。
露伴と沙都子は出し物のために実行委員会のテントへと向かう。
村人はタイムスケジュールの説明や打ち合わせがしたかったようだが、
司会をやるはずの圭一がまだ来ていないようなので待つことになる。
何人かの村人と世間話をする。始めはそっぽを向いていた沙都子だが、
村の大人たちから話しかけられ少しづつ沙都子も会話に加わるようになっていた。
司会をやるはずの圭一がまだ来ていないようなので待つことになる。
何人かの村人と世間話をする。始めはそっぽを向いていた沙都子だが、
村の大人たちから話しかけられ少しづつ沙都子も会話に加わるようになっていた。
圭一「こんちわーッス。露伴さんいますかー?」
圭一が間抜けな挨拶をしながらテントへと入ってきた。
13 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/20(日) 16:29:26.99 ID:SkilSIER0
露伴「だいぶ重役出勤だな、圭一君。僕らはだいぶ前から来てるんだが。」
圭一「あ、露伴さん、こんちわッス。いや、すんません。
もしかして打ち合わせとか終わっちゃいました?」
露伴「君が来るのを待ってたんだよ。まったく、そんなので司会が務まるのかい?」
圭一「あ、露伴さん、こんちわッス。いや、すんません。
もしかして打ち合わせとか終わっちゃいました?」
露伴「君が来るのを待ってたんだよ。まったく、そんなので司会が務まるのかい?」
圭一は露伴以外にも村の人たちに軽く謝っていた。
そしてイベント部の責任者からタイムスケジュールの説明を受ける。
露伴たちの出し物は奉納演舞の少し前にあるそうだ。
これから祭りを十分楽しんだ後に出し物の会場へと向かえば間に合いそうだった。
そしてイベント部の責任者からタイムスケジュールの説明を受ける。
露伴たちの出し物は奉納演舞の少し前にあるそうだ。
これから祭りを十分楽しんだ後に出し物の会場へと向かえば間に合いそうだった。
圭一「よっしゃ、それじゃあ行きましょうよ露伴さん。
魅音とレナと詩音も来てますから。」
沙都子「そうですわね。出し物までに沢山遊びますわよー。」
魅音とレナと詩音も来てますから。」
沙都子「そうですわね。出し物までに沢山遊びますわよー。」
説明が終わると二人がテントを飛び出していったので露伴もそれに続いた。
14 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/20(日) 16:30:34.49 ID:SkilSIER0
露伴たちが魅音たちに合流したとき、すでに梨花も準備を終えて合流していた。
これで全員が揃ったことになる。
これで全員が揃ったことになる。
魅音「よっしゃぁー、始めるよっ。
えっと、1,2,3,4,5,6、・・・綿流祭七凶爆闘ッ!!」
一同「おぉぉぉーーーーッ!!」
えっと、1,2,3,4,5,6、・・・綿流祭七凶爆闘ッ!!」
一同「おぉぉぉーーーーッ!!」
魅音の掛け声とともに、皆で大騒ぎしながら露店を練り歩く。
食べ物の早食い、露店に嫌がらせの味評価、園崎家の池を賑わせる為の金魚すくい、他にも沢山の露店を巡る。
沙都子が何かあるたびに怪我人の露伴の世話をしてくれた。
露伴は馬鹿騒ぎするのは嫌いだったが、この子達となら心から楽しむことができた。
食べ物の早食い、露店に嫌がらせの味評価、園崎家の池を賑わせる為の金魚すくい、他にも沢山の露店を巡る。
沙都子が何かあるたびに怪我人の露伴の世話をしてくれた。
露伴は馬鹿騒ぎするのは嫌いだったが、この子達となら心から楽しむことができた。
子供たちと露店を巡っていると、富竹と出会う。
子供たちが富竹も仲間にいれようと提案したので、露伴も同意した。
富竹に不審な様子がないか観察してみるが、それは特にない。
とくに変わったこともなく過ごすうちに露伴の出し物の時間が近づいてきた。
子供たちが富竹も仲間にいれようと提案したので、露伴も同意した。
富竹に不審な様子がないか観察してみるが、それは特にない。
とくに変わったこともなく過ごすうちに露伴の出し物の時間が近づいてきた。
16 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/20(日) 16:31:19.64 ID:SkilSIER0
沙都子「露伴さん、まだ時間は大丈夫ですの?」
露伴「ん、そろそろ行ったほうがいいかもしれないな。」
圭一「じゃあみんなで会場に行こうぜ。」
富竹「会場ってなんのことだい?」
レナ「露伴さんが絵を描いてくれるんだよ。だよ。」
魅音「漫画家が村に来てるって言ったら、そういう出し物をお願いしようってなったんだよ。」
詩音「私は見たことないんですけど、富竹のおじ様の写真と違って評価が高いみたいですね。」
富竹「そ、そりゃあ厳しいなぁ。それじゃあ僕も見に行こうかな。」
梨花「来年は富竹の写真展を開いてあげますですよ。」
魅音「あはは、そりゃー無い無い。わっはっはっは。」
富竹「みんな、僕に冷たくないかい・・・?」
露伴「ん、そろそろ行ったほうがいいかもしれないな。」
圭一「じゃあみんなで会場に行こうぜ。」
富竹「会場ってなんのことだい?」
レナ「露伴さんが絵を描いてくれるんだよ。だよ。」
魅音「漫画家が村に来てるって言ったら、そういう出し物をお願いしようってなったんだよ。」
詩音「私は見たことないんですけど、富竹のおじ様の写真と違って評価が高いみたいですね。」
富竹「そ、そりゃあ厳しいなぁ。それじゃあ僕も見に行こうかな。」
梨花「来年は富竹の写真展を開いてあげますですよ。」
魅音「あはは、そりゃー無い無い。わっはっはっは。」
富竹「みんな、僕に冷たくないかい・・・?」
こうして皆で会場へと向かう。
会場は実行委員会のテントの横にある、催し物の為のスペースだった。
不用品のオークション等も行っているようでなかなか広い場所だった。
会場は実行委員会のテントの横にある、催し物の為のスペースだった。
不用品のオークション等も行っているようでなかなか広い場所だった。
17 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/20(日) 16:32:30.25 ID:SkilSIER0
会場に着くと魅音とレナと詩音が圭一を連れて裏方へと消えていく。
なにやら司会の準備があるそうだ。富竹は観客席の方へと向かっていった。。
なにやら司会の準備があるそうだ。富竹は観客席の方へと向かっていった。。
露伴の出番のギリギリまで圭一の準備は続いた。
そして、露伴や沙都子の元へと戻ってくる。
その格好は、猫耳ブルマにセーラー服。
化粧も完璧だし、マニキュアも塗られ、足の毛もきっちり剃られていた。
そして、露伴や沙都子の元へと戻ってくる。
その格好は、猫耳ブルマにセーラー服。
化粧も完璧だし、マニキュアも塗られ、足の毛もきっちり剃られていた。
露伴「圭一くん・・・まさかそれでやるつもりかい?」
圭一「いやぁ、露伴さんがいないときの部活の罰ゲームで・・・。」
沙都子「おーっほっほっほ。似合ってますわよ、圭一さん。
村の方々にその姿を見てもらえるなんていい機会ではありませんこと?」
圭一「う、うるせーッ!」
圭一「いやぁ、露伴さんがいないときの部活の罰ゲームで・・・。」
沙都子「おーっほっほっほ。似合ってますわよ、圭一さん。
村の方々にその姿を見てもらえるなんていい機会ではありませんこと?」
圭一「う、うるせーッ!」
そうしてふざけあってる間に露伴の出番が来た。
圭一が司会としてまずは出て行くと、観客の悲鳴が聞こえてきた。
露伴は頭を押さえ、呆れる。すると露伴を紹介するナレーションが聞こえたので表へと出る。
圭一が司会としてまずは出て行くと、観客の悲鳴が聞こえてきた。
露伴は頭を押さえ、呆れる。すると露伴を紹介するナレーションが聞こえたので表へと出る。
18 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/20(日) 16:33:33.51 ID:SkilSIER0
ふむ、こんな田舎の村にしては人が集まったもんだ。
露伴はそう思った。漫画家という職業が珍しいのか、年配の人もかなりの人数がいた。
もちろん、子供連れがもっとも多いのは言うまでも無い。
露伴はそう思った。漫画家という職業が珍しいのか、年配の人もかなりの人数がいた。
もちろん、子供連れがもっとも多いのは言うまでも無い。
圭一が露伴の紹介をいろいろしたあと、露伴が客の希望のものを書くと説明をする。
うーん、こんなんじゃあおもしろくないよなぁ。
うーん、こんなんじゃあおもしろくないよなぁ。
露伴「ちょっと待てよ、圭一君。
どうせなんだからもうちょっと面白いこともしようじゃないか。」
どうせなんだからもうちょっと面白いこともしようじゃないか。」
露伴はそう言うと、真っ白な色紙を沙都子に持たせ、観客に見せるように言う。
沙都子が観客に見えるように色紙を裏表に裏返すが、色紙は両面とも真っ白だ。
沙都子が観客に見えるように色紙を裏表に裏返すが、色紙は両面とも真っ白だ。
露伴「それじゃあ沙都子ちゃん、ちょっと僕から離れてくれるかい?
そうだな、2メートルちょっと離れてくれ。」
そうだな、2メートルちょっと離れてくれ。」
沙都子が言われたとおりにする。
観客は何が起こるのかまったくわからない。
圭一も打ち合わせなどしなかったものだから、何がなんだかわからなかった。
観客は何が起こるのかまったくわからない。
圭一も打ち合わせなどしなかったものだから、何がなんだかわからなかった。
19 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/20(日) 16:34:32.73 ID:SkilSIER0
圭一「ろ、露伴さん、一体何をするんだ?」
露伴「圭一くん、ちょっと手伝ってくれ。」
露伴「圭一くん、ちょっと手伝ってくれ。」
露伴は左手が使えないため、圭一にインクとペンの用意をさせる。
もちろん、露伴のカバンの中に入れてあった私物のペンだ。
もちろん、露伴のカバンの中に入れてあった私物のペンだ。
露伴「それじゃあ、沙都子ちゃん、動かないでくれよ?」
露伴はそう言うと、インクをつけたペンを何回か沙都子のほうへと振った。
その瞬間圭一だけが露伴が何をしたのか理解する。
角度の関係で圭一にしか色紙がどうなったのか見えなかったからだ。
その瞬間圭一だけが露伴が何をしたのか理解する。
角度の関係で圭一にしか色紙がどうなったのか見えなかったからだ。
露伴「沙都子ちゃん、色紙をみなさんに見えるようにしてくれ。」
沙都子が従い色紙を観客のほうへと向ける。
すると、いっせいに観客から歓声や拍手が聞こえてきた。
沙都子も気になって色紙の表を覗き込んでみると、そこには見事な絵が書かれていた。
書かれていたイラストは沙都子の似顔絵、誰がみても色紙を持っている沙都子の似顔絵だとわかる絵だった。
すると、いっせいに観客から歓声や拍手が聞こえてきた。
沙都子も気になって色紙の表を覗き込んでみると、そこには見事な絵が書かれていた。
書かれていたイラストは沙都子の似顔絵、誰がみても色紙を持っている沙都子の似顔絵だとわかる絵だった。
20 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/20(日) 16:35:26.85 ID:SkilSIER0
このパフォーマンスが受けたのか、村人たちが早く絵を描いてくれと騒ぎ出した。
圭一がタイミングを逃さず、描いてほしい人はどんどん並ぶようにと言うと、村人たちは列をつくる。
レナや魅音も列の整理を手伝っているようだった。
圭一がタイミングを逃さず、描いてほしい人はどんどん並ぶようにと言うと、村人たちは列をつくる。
レナや魅音も列の整理を手伝っているようだった。
露伴の絵を描くスピードはすさまじい。沙都子が色紙を押さえるとすぐに書き込んでいく。
1枚書き上げるのに10秒程度だろうか。だが、絵は繊細で書き込まれている。
とても10秒で描かれたとはおもえない、いや何時間も費やしたかのような繊細さだ。
1枚書き上げるのに10秒程度だろうか。だが、絵は繊細で書き込まれている。
とても10秒で描かれたとはおもえない、いや何時間も費やしたかのような繊細さだ。
露伴の描くペースが速すぎるため、列はどんどん減っていくかに思えた。
しかし、途中から露伴の絵を噂に聞いた人々が集まり出し物の終了時間まで列が途絶えることは無かった。
しかし、途中から露伴の絵を噂に聞いた人々が集まり出し物の終了時間まで列が途絶えることは無かった。
途中で入江も現れ、「沙都子のメイド姿」を依頼してきたので、「圭一のメイド姿」を描いてやった。
部活メンバーも途中で列に混ざり、それぞれ似顔絵などを描いてもらっていた。
ちなみに富竹は自分の似顔絵を依頼したら、眼鏡とカメラだけを描かれた。
部活メンバーも途中で列に混ざり、それぞれ似顔絵などを描いてもらっていた。
ちなみに富竹は自分の似顔絵を依頼したら、眼鏡とカメラだけを描かれた。
22 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/20(日) 16:36:29.76 ID:SkilSIER0
大盛況のうちに露伴の出し物は終わる。
裏方に戻ると、圭一も沙都子も満足げだった。
裏方に戻ると、圭一も沙都子も満足げだった。
沙都子「おーっほっほっほ。やっぱり露伴さんは素晴らしいですわ。
今日の催し物の中で一番盛り上がったんではありませんこと?」
圭一「おまえが威張ることじゃねーだろーが。沙都子ぉ。
それより、露伴さん、俺にもなんか描いてくれよー。」
露伴「うーん、別にいいよ、紙を持ってくれよ。」
圭一「やったぜ、それじゃあ何を頼もうかなぁ。」
露伴「そうだな、オヤシロ様なんてどうだい?」
圭一「お、なんかお祭りの記念になっていいっスねぇ。」
今日の催し物の中で一番盛り上がったんではありませんこと?」
圭一「おまえが威張ることじゃねーだろーが。沙都子ぉ。
それより、露伴さん、俺にもなんか描いてくれよー。」
露伴「うーん、別にいいよ、紙を持ってくれよ。」
圭一「やったぜ、それじゃあ何を頼もうかなぁ。」
露伴「そうだな、オヤシロ様なんてどうだい?」
圭一「お、なんかお祭りの記念になっていいっスねぇ。」
圭一が賛成したため、露伴は羽入を描いてやる。
圭一「うぉぉおおお、あ・・・ありのまま今起こったことを話すぜ。
俺はオヤシロ様の絵を頼んだと思ったら、萌え系神様の色紙を渡された。
な、何を言ってるのか、わからねーと思うg(ry」
沙都子「圭一さんはどうかしたんですの?」
露伴「僕の絵がよっぽどうれしかったんじゃないのか?」
俺はオヤシロ様の絵を頼んだと思ったら、萌え系神様の色紙を渡された。
な、何を言ってるのか、わからねーと思うg(ry」
沙都子「圭一さんはどうかしたんですの?」
露伴「僕の絵がよっぽどうれしかったんじゃないのか?」
23 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/20(日) 16:37:57.18 ID:SkilSIER0
そうして戯れていると魅音たちが駆けて来る。
魅音「ちょっと圭ちゃん達ー。なーにくつろいでんのー?」
レナ「はやく行かないと場所がなくなっちゃうかな。かな。」
沙都子「そ、そうでしたわ。梨花の演舞があるんでしたわ。さぁ、露伴さん行きますわよ。」
レナ「はやく行かないと場所がなくなっちゃうかな。かな。」
沙都子「そ、そうでしたわ。梨花の演舞があるんでしたわ。さぁ、露伴さん行きますわよ。」
露伴は子供達につれられ、神社の社へと向かう。
なんとか詩音が確保していてくれた最前列へと加わった。
なんとか詩音が確保していてくれた最前列へと加わった。
露伴たちが到着するとちょうどよく梨花の演舞が始まる。
皆が静かに見守る中、梨花は演舞を演じ終える。
梨花が祭壇を降りると、盛大な拍手が送られるのだった。
皆が静かに見守る中、梨花は演舞を演じ終える。
梨花が祭壇を降りると、盛大な拍手が送られるのだった。
24 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/20(日) 16:38:54.16 ID:SkilSIER0
そのまま人ごみは沢へと移動していく。
露伴も子供たちに連れられ、沢へ向かう。
みんなで配られている綿を受け取る。
露伴も子供たちに連れられ、沢へ向かう。
みんなで配られている綿を受け取る。
沙都子「露伴さんは綿流ししたことありませんわよね?
私が説明しますわ、まずはこうして右手に綿を持つんですわよ。」
私が説明しますわ、まずはこうして右手に綿を持つんですわよ。」
露伴は言われたとおりに右手に綿を持つ。
沙都子「そうしたら、こう左手を切りまして、額、胸、おへそ、両膝を左手で叩くんですわ。
これを3回繰り返してくださいませ。」
これを3回繰り返してくださいませ。」
沙都子「それができましたら、『オヤシロさまありがとう。』と唱えます。」
露伴はキョロキョロとあたりを見渡す。羽入がいないことを確認した。
露伴「・・・オヤシロ様ありがとう。」
沙都子「そしたら、この悪いものが吸い取られた綿を流すんですわ。」
沙都子「そしたら、この悪いものが吸い取られた綿を流すんですわ。」
沙都子の説明が終わったときには皆の準備は終わっていた。
全員で沢に近づき綿をそっと流した。月夜の沢に流れる白い塊は少し幻想的だった。
全員で沢に近づき綿をそっと流した。月夜の沢に流れる白い塊は少し幻想的だった。
25 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/20(日) 16:40:04.82 ID:SkilSIER0
沙都子「これで終わりですわ。さぁ、梨花を探しに行きますわよ。」
レナ「そうだね、梨花ちゃんと合流しようか。」
詩音「露伴さん、このあとはテントで一杯どうですか?」
露伴「あぁ、出し物のお礼がもらえてないからね。今日は飲ませてもらおうかな。」
レナ「圭一くん、置いてくよー?」
圭一「あ、あぁ、ごめんごめん。」
レナ「そうだね、梨花ちゃんと合流しようか。」
詩音「露伴さん、このあとはテントで一杯どうですか?」
露伴「あぁ、出し物のお礼がもらえてないからね。今日は飲ませてもらおうかな。」
レナ「圭一くん、置いてくよー?」
圭一「あ、あぁ、ごめんごめん。」
こうして綿流しの祭りは終わる。
露伴は実行委員会のテントへ行き、5年目の祟りの発生に備えることにする。
子供たちもついてきたため、テントは賑やかになった。
露伴は実行委員会のテントへ行き、5年目の祟りの発生に備えることにする。
子供たちもついてきたため、テントは賑やかになった。
テントで過ごすまま、時は過ぎ去っていく。
ついに祭りの終わりの時間がやってきた。実行委員達は片付けに行く。
露伴は眠そうにしている沙都子と梨花を家へと送ることにした。
ついに祭りの終わりの時間がやってきた。実行委員達は片付けに行く。
露伴は眠そうにしている沙都子と梨花を家へと送ることにした。
家に送り、二人に布団を敷かせる。
そして再び祭りの会場へと向かおうとする。
そして再び祭りの会場へと向かおうとする。
26 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/20(日) 16:41:43.25 ID:SkilSIER0
沙都子「あら、露伴さんはまだ寝ませんの?」
露伴「あぁ、ちょっとお酒のお誘いがね。だからまた園崎家に泊まってくるかもしれない。」
沙都子「今度は、ちゃんと帰ってきてくださるんですわよね?」
露伴「あぁ、次の日の朝には帰ってくるよ。」
露伴「あぁ、ちょっとお酒のお誘いがね。だからまた園崎家に泊まってくるかもしれない。」
沙都子「今度は、ちゃんと帰ってきてくださるんですわよね?」
露伴「あぁ、次の日の朝には帰ってくるよ。」
祭りの会場に戻ると、片付けはだいぶ進んでいた。
片付けの指示を出している魅音を見つける。
片付けの指示を出している魅音を見つける。
露伴「魅音ちゃん、沙都子ちゃんと梨花ちゃんは寝かせてきたんだけど、
手伝うことはあるかい?」
魅音「いいっていいって、怪我人なんだから大人しくしてなよー。
もうちょっとしたらうちで二次会があるからさ、それまで待っててよ。」
手伝うことはあるかい?」
魅音「いいっていいって、怪我人なんだから大人しくしてなよー。
もうちょっとしたらうちで二次会があるからさ、それまで待っててよ。」
露伴は魅音に従い待つことにした。
必ず起きることとはいえ、露伴は富竹が死んだことを確認したかった。
そのため、園崎家での村の役員たちの飲み会についていくのが最善だと考えたのだ。
必ず起きることとはいえ、露伴は富竹が死んだことを確認したかった。
そのため、園崎家での村の役員たちの飲み会についていくのが最善だと考えたのだ。
片付けも終わり、村人と共に園崎家へと向かった。
そして飲み会。村人たちも露伴に興味を持ったのか喋りかけてくる。
気づけば皆が帰る時間になっていた。露伴はそのまま園崎家へと泊めてもらう。
付き合いとは言え、だいぶ飲んだ露伴はすぐに眠りへと落ちていった。
そして飲み会。村人たちも露伴に興味を持ったのか喋りかけてくる。
気づけば皆が帰る時間になっていた。露伴はそのまま園崎家へと泊めてもらう。
付き合いとは言え、だいぶ飲んだ露伴はすぐに眠りへと落ちていった。
28 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/20(日) 16:42:53.24 ID:SkilSIER0
露伴は目を覚ます。まだ部屋は暗い。
酔いも醒めていないのでたいした時間は過ぎていないのだろう。
なぜ自分は起きたのだろうか。
酔いも醒めていないのでたいした時間は過ぎていないのだろう。
なぜ自分は起きたのだろうか。
とうおるるるる、とうおるるるる
電話の音だった。そしてその瞬間酔いも吹き飛ぶ。
露伴は布団から出てしのび足で電話へと向かう。
勝手に電話に出るわけにはいかない。電話の近くの角に身を隠す。
やがて、魅音が電話に気づき起きてきた。
露伴は布団から出てしのび足で電話へと向かう。
勝手に電話に出るわけにはいかない。電話の近くの角に身を隠す。
やがて、魅音が電話に気づき起きてきた。
魅音「ふぁい・・・、もしもし、園崎ですけれど。」
魅音「ッ!!
・・・はい、・・・と、富竹さんが・・・?
はい、わかりました。はい・・・。」
・・・はい、・・・と、富竹さんが・・・?
はい、わかりました。はい・・・。」
魅音はその後少し返答をしたあと、受話器を置き部屋へと戻っていく。
お魎にでも報告しにいったのだろう。
お魎にでも報告しにいったのだろう。
当初の目的を終えた露伴は誰にも気づかれないよう部屋へと戻り再び眠ることにした。
5年目の祟りは起きた。ここから黒幕にたどり着けるだろうか。
撒いた種の目を生やさなくてはいけない。まずは入江か・・・。
これからのことを考えているうちに露伴の意識はなくなった。
5年目の祟りは起きた。ここから黒幕にたどり着けるだろうか。
撒いた種の目を生やさなくてはいけない。まずは入江か・・・。
これからのことを考えているうちに露伴の意識はなくなった。
30 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/20(日) 16:45:39.82 ID:SkilSIER0
■TIPS
- 5年目の祟り----
警官「お疲れさまです。大石さんッ!!」
警官「お疲れさまでーす。」
大石「いやぁ、遅くなっちゃってすみません。皆さんお疲れさまです。」
警官「お疲れさまでーす。」
大石「いやぁ、遅くなっちゃってすみません。皆さんお疲れさまです。」
警官たちに通され、大石と熊谷は遺体へと近づいていく。
その遺体は筋肉質の大柄な男性、・・・富竹だ。
その遺体は筋肉質の大柄な男性、・・・富竹だ。
熊谷「こ、これは・・・喉が・・・。
はじめて見ますね、こんな状態・・・。」
大石「うーん、ちょっと失礼しますよぉ。」
はじめて見ますね、こんな状態・・・。」
大石「うーん、ちょっと失礼しますよぉ。」
大石はそう言い富竹の手に懐中電灯を当てる。
ドラマなんかで刑事がよくやるように、ハンカチを使って直接遺体に手を触れないようにする。
手を少しだけ動かしよく見ているようだ。
ドラマなんかで刑事がよくやるように、ハンカチを使って直接遺体に手を触れないようにする。
手を少しだけ動かしよく見ているようだ。
大石「うぅーん。こいつぁ奇妙ですねぇ。
爪にこびりついた肉片を見る限り、自分で喉を掻き毟っちゃってます。
どういうことですかねぇ・・・。」
熊谷「自分で喉を・・・ですか?」
爪にこびりついた肉片を見る限り、自分で喉を掻き毟っちゃってます。
どういうことですかねぇ・・・。」
熊谷「自分で喉を・・・ですか?」
31 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/20(日) 16:46:43.56 ID:SkilSIER0
そう大石の見立ては正しかった、富竹の遺体は喉が掻き毟られたかのように肉が抉られている。
周りには大量の血の跡。喉からの出血と見て間違いない。
それに加え、喉の近くに横たえた富竹の手は血まみれだ。爪の間には肉片がいくつも食いついている。
こんな状態の爪で掻き毟っても血糊と肉片でここまで喉を抉ることはできないのではないかというほどだ。
周りには大量の血の跡。喉からの出血と見て間違いない。
それに加え、喉の近くに横たえた富竹の手は血まみれだ。爪の間には肉片がいくつも食いついている。
こんな状態の爪で掻き毟っても血糊と肉片でここまで喉を抉ることはできないのではないかというほどだ。
大石「入江の先生は呼んだんですかぁ?」
警官「はい、既に連絡を終え、向かって頂いています。」
熊谷「他には何か見つかっているか?」
警官「角材がひとつ、ホトケの近くにころがっていました。
それ以外は現在捜査中です。」
大石「うーん、熊ちゃん、これ、見てください。外傷を加えられてるようですねぇ・・・。」
熊谷「これは、確かに自傷とは思えない位置ですね・・・。
この角材で殴られたんでしょうか?」
大石「それは鑑識が来てからになりますねぇ。
外傷を与えてきた加害者に抵抗するための角材だったのかもしれません。」
警官「はい、既に連絡を終え、向かって頂いています。」
熊谷「他には何か見つかっているか?」
警官「角材がひとつ、ホトケの近くにころがっていました。
それ以外は現在捜査中です。」
大石「うーん、熊ちゃん、これ、見てください。外傷を加えられてるようですねぇ・・・。」
熊谷「これは、確かに自傷とは思えない位置ですね・・・。
この角材で殴られたんでしょうか?」
大石「それは鑑識が来てからになりますねぇ。
外傷を与えてきた加害者に抵抗するための角材だったのかもしれません。」
32 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/20(日) 16:47:35.11 ID:SkilSIER0
大石はそれっきり黙ってしまう。
熊谷も辺りを見回してみるが他に手がかりになりそうなものはなかった。
熊谷も辺りを見回してみるが他に手がかりになりそうなものはなかった。
熊谷「これが5年目の祟り・・・ということになるんですかね。」
大石「富竹さんでしたか、今日のお祭りにも来ていらっしゃったと思いますが。
ただのカメラマンのこの人がなんで祟りに会うんでしょうねぇ?
んっふっふっふ。今年のオヤシロ様はいつになく訳がわかりませんなぁ。」
熊谷「はぁ・・・、ただ死に方は・・・今までで一番祟りらしいですかね。」
大石「あーっはっはっは、熊ちゃんもジョークが言えるようになって来ましたねぇ。
でも、祟りで終わりにしませんよぉ。絶対に犯人を捕まえてやります。」
熊谷「そうですね・・・。」
大石「富竹さんでしたか、今日のお祭りにも来ていらっしゃったと思いますが。
ただのカメラマンのこの人がなんで祟りに会うんでしょうねぇ?
んっふっふっふ。今年のオヤシロ様はいつになく訳がわかりませんなぁ。」
熊谷「はぁ・・・、ただ死に方は・・・今までで一番祟りらしいですかね。」
大石「あーっはっはっは、熊ちゃんもジョークが言えるようになって来ましたねぇ。
でも、祟りで終わりにしませんよぉ。絶対に犯人を捕まえてやります。」
熊谷「そうですね・・・。」