香川県三木町の北境界を定める、西山頂と東山頂の2つのピークがある山。麓の赤獅子の貯水タンクが目立つ。三木町民は小野ヶ原山(小野が原山、おのがはらやま)と認識しているが、なにかの手違いで立石山と地図に登録されてしまったらしい。三木町立平井小学校の校歌にあるように、この山の名前は小野ヶ原山である。 登山時期は冬、12月落葉から5月連休までが良いだろう。夏は草木が生い茂って、道を見失いやすい。 いくつか頂上までのルートがあるので西から東の順で紹介する。

風呂谷(ふろんたに)ルート 難易度★★★★☆

高速道路高松道の高松東ICを降りて、国道11号線の「香川大学医学部北」信号から北に行く。つきあたりを東に県道147号線(つきあたりを西に行くと、うどん屋「あづま」がある)の五分一池に面している北側に、黒い鉄柵が目印の北東に分岐する狭い道路がある。道路のはじめには「三木町」と市町界を表す標識がある。風呂谷集落に向かう生活道路である。途中、風呂谷中池があり棚田があり、街の喧騒から離れた、のどかな日本の原風景が広がっている。舗装道路の終端に風呂谷橋がある。風呂谷橋の北側が広くなっており、車を方向転換できるスペースが十分ある。風呂谷橋の北から先はY字の分岐になっている。 Y字の北西側の道は、風呂谷上池を経由して屋島ゴルフ場の南端に行く、四国電力の鉄塔の保線路になる。この保線路は小野ヶ原山の頂上には向かわず、小野ヶ原山を西回りに迂回する。また、途中で西に馬床谷経由で前田山に繋がる分岐があったと思う。 Y字の北東側の道は、しばらく行ったあと竹林で一見行き止まりになっているように見える。しかし、竹林の「銃猟禁止区域」の茶色の標識あたりを探すと、実は奥に道が続いている。小野ヶ原山を北に廻る、風呂谷立石道である。文字通り、風呂谷集落と立石集落をつなぐ古道。風呂谷立石道の途中のピークに、十字路がある。北は北立石山山頂、西は風呂谷、東は立石、南は小野ヶ原山西山頂。小さな標識が立っているが見逃しやすい。ここから南に裏尾根伝いに西山頂に行ける。このルートは言わば裏道。先に深谷ルートと戸敷ルートを攻略して土地勘を養ってから挑戦する方が良い。

深谷(ふかたに)ルート 難易度★★★☆☆

小野ヶ原山の赤獅子の貯水タンクのあたりが深谷集落である。貯水タンクの真南に、県道147号線の工場群から深谷集落に入る道路がある。その道路を北に曲がって深谷集落に入る。2023年に開店した居酒屋「R」がある。「R」の西隣に鉄塔の保線路がある。「屋島61」の鉄塔までは保線路と登山道は共通。それからは保線路と登山道が分かれている。保線路は北西の風呂谷につながっているらしい。登山道の赤テープを辿って見通しの悪い森の中を登って、西山頂へ。この道が傾斜が緩やかで体力的にはお勧めだが、赤テープを見失って迷いやすいので引き返す勇気が必要。途中に祠や鳥居があるので、昔からの頂上への参拝道はこの深谷ルートだったのだろう。なお、深谷集落には明治三老農である奈良専二の生家があったり、武道(ぶどう)峠があったり、歴史のある所のようだ。

貯水タンクルート

深谷集落にある赤獅子の絵が描いてある巨大な貯水タンクあたりから道がないか探したが、まともな道は無い。結局、道無き道を探して、西にある尾根道に取りつこうとすると、その尾根道が深谷ルートだった。

戸敷(とじき)ルート 難易度★★☆☆☆

高速道路高松道の高松東ICとさぬき三木ICの間に、国道11号線と県道147号線が交わる「戸敷」信号がある。そこから国道でも県道でもない狭い生活道路を北に向かうと、登山用の駐車場がある。駐車場にはまっすぐ北の道路はあるが車では通れない狭さなので、いったん西→北→東→北と迂回する必要がある。ただ迂回路も狭い。幸い、車通りは少ないので、「戸敷」信号から北に入ったら、車を降りて周りの道を調べるなどして、ゆっくり駐車場への道を探せば良い。駐車場は10年前は「三木ランド」という看板があったが今は無い。駐車場は広い。駐車場からY字の分岐があり、北西が民家、北東が登山口。登山口から重機で均した登山道を進むと5分で展望台がある。展望台の裏に山頂への尾根道があるが、かなり急登で落ち葉で滑りやすい。勾配はきついが、迷うことは少ない。東山頂へ行く。


小野ヶ原山登山道と中腹の観望施設

 眼前に聳(そび)える「小野ヶ原山」は、平井小学校の校歌に謳われている名峰であり、登山道が整備され、中腹には観望施設・休憩施設が設置されています。

 この登山道の入り口付近の東側一体は、棚田景観保全地域に登録され、休耕田にはコスモスの播種が、遊休地・道路脇には桜の植樹が進められています。春や秋になると、桃源郷(とうげんきょう)を彷彿(ほうふつ)させる、絶景が見られます。

 山麓一帯には、弥生時代の古墳群をはじめ、山の呼称の由来となる小野左大弁・小野小町の墓所、屋島合戦に因んだ伝承地、由緒ある神社・無念道などが集積しており、名所旧跡の宝庫となっています。

登山道入り口(標高79m)から観望施設(標高128m)までは、坂道で約300m・徒歩で約15分の距離があります。

観望施設からは、三木町東南部・阿讃山脈が一望できます。

NPO法人三木町北部地区の生活環境を良くする会

香川県棚田地域等保全活動支援事業(県費補助事業)


柿谷(かきたに)ルート 難易度★★★☆☆

さぬき三木ICから北にある県道38号線の西側に、新しくコンクリートで舗装された小さな登山駐車場がある。交通量が多く坂道で曲がり道で周りの車がスピードを出しているため、ゆっくり車を走らせて駐車場を探すには難しい。駐車場から展望台に行く道はあるのだが、分岐が多く迷いやすい。見晴らしが悪いので展望台を見つけて近づくことは不可能で、今自分の歩いている道が展望台に向かっていることを祈るしか無い。実際やってみたが、尾根道の赤テープを辿っていくと展望台を見ることなく東山頂まで登ってしまった。運良く展望台までたどり着けば、展望台からは戸敷ルートと同一。


小野ヶ原山登山道と中腹の観望施設

 眼前に聳(そび)える「小野ヶ原山」は、平井小学校の校歌に謳われている名峰であり、登山道が整備され、中腹には観望施設・休憩施設が設置されています。

 この登山道の入り口付近の東側一体は、棚田景観保全地域に登録され、休耕田にはコスモスの播種が、遊休地・道路脇には桜の植樹が進められています。春や秋になると、桃源郷(とうげんきょう)を彷彿(ほうふつ)させる、絶景が見られます。

 山麓一帯には、弥生時代の古墳群をはじめ、山の呼称の由来となる小野左大弁・小野小町の墓所、屋島合戦に因んだ伝承地、由緒ある神社・無念道などが集積しており、名所旧跡の宝庫となっています。

登山道入り口(標高85m)から観望施設(標高128m)までは、ゆるい坂道で約350m・徒歩で約20分の距離があります。尾根に達すると、坂を30m下れば到着します。観望施設からは、三木町東南部・阿讃山脈が一望できます。

NPO法人三木町北部地区の生活環境を良くする会

香川県棚田地域等保全活動支援事業(県費補助事業)


新立石(たていし)トンネル南ルート 難易度★★★★☆

新立石トンネルの南口の西側に熊野神社とスクールバス転回用駐車場がある。トンネルの南口の東側の飼料タンクを目印に、トンネルの上を東から西に乗り越える道がある。風呂谷立石道の東端となる。なお、風呂谷立石道の北側に、屋島ゴルフ場の南端を通る道はあるが、荒れていて藪漕ぎになるのでお勧めできない。


小野ヶ原山は、平井小学校の校歌の1番が「あけそむる 小野が原山」から始まる。また、平井小学校の集団下校の歌の歌詞の最初が「小野ケ原山~♪(おー!おー!)」だった気がする。 ちなみに、三木町北東部広域を井上と言うが、発音は「いのえ」。

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最終更新:2024年04月16日 23:42