ゾンビカップル


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「ちゃっちゃと死んで詫びなさい。この蛆虫」
 その言葉と同時に炸裂する右フック、もとい右ナイフ。
 深々と基生(もとお)の左頬に突き刺さり、右顎を貫通、吹き出す鮮血。
「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙」
 絶叫。
 來里(きたり)は口元を醜く歪め、壮絶な痛覚の体験ツアーを満喫中の基生を、尻から湧き出たギョウ虫でも見る様に眺める。
「アンタ、私が大事に大事に大事に大事に大事に大事に大事に大事に大事に大事に大事に大事に大事に大事にとって置いたカスタードプリン、食べたわね? その行動が如何なる結果を及ぼすか、蛆虫並の極小脳でも理解できるわね?」
 グリグリ、グチャグチャ、ギャリギャリ。
「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙」
 手首を時計回り・逆時計回りに捻りなおかつ上下運動を追加。頬にぽっかりと開いた穴がさらに巨大に巨大に成長する。
「どう? とおっっても痛いでしょ? でもね、私の心はもっと痛いのよ。」
 ズシャァッッ!
 残酷なまでの切れ味を誇るナイフの切っ先に両頬の肉が耐えきれず、ついに顎もろとも引き裂かれる。
「あ゙あ゙あ゙ひゅあ゙ひゅあ゙あ゙あ゙ひゅあ゙あ゙あ゙ひゅあ゙ひゅあ゙あ゙あ゙あ゙ひゅ」
 貫通した頬から息が漏れて上手く断末魔を叫べない。基夫は膝から崩れ落ちて、鄂部から吹き出す大量の血液を両手で抑える。さながら悪鬼のような姿だ。
 ナイフを一振りして血を払うと、來里は基夫の前にしゃがむ。行動とは裏腹の穏やかな微笑に背筋が凍る。
「基夫、許してほしい?」
 太腿に深々とナイフが呑み込まれる。基夫の目がぐるんぐるんと激しく動き回る。
「ゅ、ゅひゅしひぇくひゃはぃぃ……」
「そう、なら一刻も早く死んで頂戴」
 太腿の中心部に刺さったナイフを勢いよく引き抜き、その勢いのまま基夫の側頭部に刃を突き立てた。
 カコンッ
 小気味な音を発したと同時に、頭が痙攣したように真横に揺れる。刃体の半分以上が見事にめり込み、傷口から赤黒い血と灰色が流れ出る。
「かっ……」
 基夫が白目をひん剥く。そのまま後ろにゆっくりと傾き、後頭部から不時着。
「いいザマね。己の血溜まりの中で溺れるように反省しなさい」