第５話

共に歩む

～前回までのあらすじ～

忘れた

シェマ「さて・・・そろそろ帰ってきてもいい頃ですね」
ロンガ「そうだな　ナイジの坊主も自信つけて帰ってくるだろ！」
シェマ「ふむ・・・だとしてもまだウル長老の言う例の話を伝えるには
　　　　まだ早いと思いますがね」

ウル「・・・」

シェマ「ウル長老？」
ウル「ん　おお・・・　そう・・・じゃな・・・」
シェマ「どうしたのですか　何か考え事でも？」
ウル「うむ・・・少し・・・少しじゃが不吉な予感を感じるのじゃ」

シェマ「！　不吉な予感・・・　と申されますと・・・　おや」
ロンガ「お！ウワサをすればなんとやらだな！なんだエルナも一緒か！」

エルナ「婆様　コーネス島の調査から帰りました
　　　　それと・・・帰り際にナイジさんと会ったから一緒に・・・」
ナイジ「・・・」

シェマ「いやぁ　そうムスッとしないでくれたまえよ
　　　　何も無い島で拍子抜けだったろう　はは」
エルナ「シェマさん」
シェマ「エルナ様もご存知でしょうがあの島はつい先日調査され・・・」
エルナ「シェマさん！！」
シェマ「は　はいっ　なんでしょう」

エルナ「そのソルバノに見たことも無い木のモンスターがいたの！
　　　　とっても強暴な！そいつにナイジさんのモンスターが大怪我させられたの！
　　　　命に別状はないみたいだけど・・・今神殿で診て貰ってるところよ」
ウル「なんと！（予感の正体はそれであったか・・・）」
ロンガ「木のモンスター・・・？」
シェマ「そ・・・そんなハズは・・・　前回の調査記録にそんな情報は・・・」

エルナ「私のアニャムーががんばって倒したけど・・・
　　　　あんな危険な島にブリーダー見習いを送り込むなんてシェマさん！！」
シェマ「は　はいぃ！！」

ナイジ「エルナさん　いいんです　オレが未熟だったから・・・」
エルナ「ナイジさん・・・」

ロンガ「・・・木のモンスターとなると・・・
　　　　大昔ガランカナンの密林に異常繁殖したというモックか・・・」
エルナ「！そうだわ！　石！　あのモンスターが持っていたの・・・　これ・・・」

シェマ「これは・・・錬月鉱・・・？これは月の方角を示すのに便利なんですよね」
ロンガ「むぅ　若造の見るとおり　これはイダルだな・・・
　　　　おそらく　２人が戦ったそのモンスターは　オグルモックだな・・・」
エルナ「オグルモック？」
ロンガ「ああ　オレも見たことはないが　村の伝説のひとつだ
　　　　藍の月の光を受けたイダルの力を得たモックの親玉みたいなヤツだ」

ウル「なんと・・・ついにその様なモンスターが現れ始めたか・・・
　　　ナイジや　これから言うことをよく聞くんじゃ」
シェマ「！　ウル長老っ！　まさか第３の災厄についてお話になるので！？
　　　　騒ぎにならぬよう島民には伏せておく方針では・・・」
ロンガ「もうお前が全部言ったぞ」
シェマ「あ」

ナイジ「第３の災厄・・・？」
ウル「うむ　おそらく　おぬしが出会ったオグルモックも
　　　その予兆のひとつじゃと思われるのじゃ・・・」
エルナ「婆様の　私もだけど　長老一族には近い未来のことを夢に見る力があって
　　　　もちろん完全に予知するわけじゃないけど・・・
　　　　婆様が言うように新しい災厄の気配が感じられるの」
シェマ「キミもよく知っているアルレム長老も
　　　　大海嘯以前から一目置いていた　超常的な能力だ
　　　　しかし　なぜこのタイミングで・・・」

ウル「これじゃよ・・・」
シェマ「錬月鉱・・・？そんな石が何の関係が・・・」

ロンガ「なんだアルレムから聞いてなかったのか！？」
エルナ「シェマさん　イダルはただの石じゃないの
　　　　ナイジさんも見たように・・・とっても強い力を秘めた石・・・」

ナイジ「・・・」

エルナ「・・・八つの月が空に輝いていたはるか昔・・・
　　　　月の光を吸収して蓄える鉱物によって栄えた文明があったの・・・
　　　　今世界中に散らばっている月の石よりも凄い力を持つその石は
　　　　発熱　放電　送風　浄水　冷却　そして生命すらも生み出したというわ」

ナイジ「・・・それがイダル・・・あいつも・・・」

エルナ「その文明が滅びたから　イダルの生成方法は分からないけど
　　　　イダルは今回みたいに発見され続けているわ」

シェマ「錬月鉱・・・　イダルにそんな力があったとは！
　　　　これは是非島のブリーダーに言って集めてきてもらいましょう！」
ロンガ「若造　なんでそのイダルがシディララマはおろか
　　　　このユタトラ島でも使われてなかったか考えてみろ」
シェマ「・・・使い方を知らなかったからでしょうか」
ロンガ「・・・」

エルナ「イダルの瞳を月光に晒すべからず　其は八つの月を魅了せし魔性の瞳・・・
　　　　大災厄より伝わるガランカナンの口伝・・・
　　　　イダルと月は　月光で結ばれ引き付けあう・・・
　　　　大海嘯が起きたのも　イダルが藍の月を引き寄せたからだと考えられてるわ」
シェマ「な　なんということでしょう・・・！」

ウル「じゃが・・・　イダルを集めてくることには賛成じゃの」
ロンガ「なんじゃとぉ！」
シェマ「なんですって！？」
ロンガ「いや　お前さっきと言ってることが違うぞ」

エルナ「私も賛成　だけど今はナイジさんのこれからについて話したいから
　　　　だから・・・」
シェマ「あぁー！分かりました！イダルに月の光が当たらない場所に保管しておけば！
　　　　今回のような強暴なモンスターが出現することもなく・・・」
ロンガ「少し黙れ」
シェマ「はい・・・」

ウル「うむ　ナイジや　今回のことは我々の方から何か言うことは出来ん
　　　シェマからはごめんなさいの一言くらいはあっても良いが
　　　これからどうするかはおぬしが決めることじゃ」
シェマ「ごめんなさい・・・」

ナイジ「・・・オレ・・・
　　　　・・・」
エルナ「・・・　一旦ファームに戻って　フラセールさんには私のほうから言っておくから
　　　　落ち着いてからまたここに来て　ナイジさんがどんな結論をだしても
　　　　私達　ううん　誰も　責めたりしないから」
ウル「うむ」
ロンガ「だな」
シェマ「えっ」
ロンガ「ギロッ」
シェマ「ですね」

ナイジ「皆さん・・・　ありがとうございます・・・
　　　　一晩考えさせてください・・・　じゃあ・・・失礼します・・・」

ロンガ「・・・いやはや　ブリーダーになりたてのナイジには酷過ぎる・・・」
ウル「まさかこのようなことになろうとは・・・の・・・」
シェマ「まったくですね・・・」
ロンガ「お前は責任もって事後処理と現状の確認
　　　　船着場の出航記録を洗いざらい調査しとけよ
　　　　結果によっては・・・分　か　る　な」
シェマ「つっ謹んでお受けいたしますっっっ！！」

エルナ「ナイジさん・・・」

～ファームへ続く道～

ナイジ「・・・」

？？？「うぅ～～～」
ナイジ「！・・・
　　　　・・・」

？？？「うぅ～～～」
ナイジ「！？な　誰かいるのか！」

？？？「うぅ～～～～～」

ナイジ「で　でたああああああああ！！！　うわああ！ひっ」
？？？「うぅ～～～　助けて～～」

ナイジ「あ・・・あれ　アンタ・・・たしか・・・
　　　　あ！ランナんとこでタダ食いして捕まった・・・！」
モルグ「うぅ～～～　モルグと申します　うぅ～～
　　　　そのランナさんにタダ働きさせられてます～」

ナイジ「それでそんな顔に・・・　ランナのヤツ　むごいことしやがる・・・」
モルグ「うぅ～　違う～　ランナさんに頼まれてクルナッツを拾いに山に登ったら
　　　　赤いオバケが出てきて全身を木の棒で殴打されて動けなく・・・」
ナイジ「あ　赤いオバケ・・・　・・・あ　
　　　　まっ・・・　まぁもうすぐオレのファームですから
　　　　そこで治療しましょう」
モルグ「うぅ～　助かりまする～　これ　お礼の　クルナッツの殻です」
ナイジ「いや　いらねぇ」

～ナイジのファーム～

リトバ「あ　お帰りなさい　ご飯は無いんで自分で作ってってきゃあ！！」
モルグ「うぅ～　お邪魔します・・・」
ナイジ「ちょっとそこで倒れてたから拾ってきた　あ　チモックは　神殿にいるから・・・」

リトバ「そうですか　ってひどい怪我！　大丈夫ですか！？」
モルグ「うぅ～　赤いオバケにやられて・・・」
リトバ「赤いオバケ！？イヤァー！やっぱりこの辺にはオバケがいるんだわ！
　　　　しかも赤と白の２匹なんて！・・・でも安心してください！
　　　　白いほうは私が退治しておきましたから！」
モルグ「うぅ～　頼もしいですぅ～」

ナイジ「・・・言ったほうがいいんだろうか・・・」

こうして夜は更けていった・・・