雛たんを呪いたい
雛たんに呪われたい
お互いにくっついて愛の言葉を吐き続けないと居ても立ってもいられなくなって呼吸がままならなくなるんだけど
これって呪いなのかな これが呪いだとしたら俺は数百年間呪われ続けてる事になるね なんだか不健康そう
お昼下がりに、雛たんがなんだか苦しそうな顔をしてふーと長いため息を吐くんだ そして自分の手をグーにして
肩をぽんぽんってするんだ 剥いてた林檎をいったん置いて、雛たんどうしたの?どこか痛いの?って聞いてみたら
親戚の子どもをうっかり預かってしまった時みたいな顔をしてまたため息、「なんだか肩が重いの」って言うんだ
肩が重い、そう聞いて俺の視線は自然に雛たんの胸元に行ってしまったんだけどね グーをチョキに変えられて目潰しされたよ
両目を押さえてゴロンゴロンとYボタン攻撃しながら「下らない事ばっか考えるな!」っていう雛たんの声を聞くよ
雛たんも肩凝りに悩まされる事なんてあるんだなぁと思ったよ 雛たんにとってはすごく意外な事らしくて
今までこういう現象は無かったって言うんだ すぐ身体の調子が悪いだの歳をとっただのって言いだすのは人間だけで
ミレシアンだからそういう事は無いって言い張ったのを何回か聞いているからやっぱりこれは大変なのかも 異変じゃねこれ
しばらくしてようやく視界が戻ってね また林檎を剥く作業に戻りながら思いついた単語が一つあるので伝えてみるよ
雛たんそれ「呪い」じゃない?ってね 恨みのパワーを持って相手に影響を与えたり人形を動かしたりする呪術の事だよ
ソファーにもたれかかるようにしてへたれてる雛たんは適当な調子の声で「嘘、私恨まれるような事した事無い」とか
明らかに矛盾点を含んでる発言なんかしちゃってね 運が良かったよねこれが逆転裁判の世界だったら揺さぶられてたよ
雛たんは可愛いからみんな羨むんじゃないかなーなんて俺もそれっぽい事言っちゃって 本人も「ふむふむ」とか言っちゃって
体勢を変えた雛たんが手足をバタバタさせて「呪いでも何でもいいから早く解放しなさいよ」とか空中に向けて騒ぐんだ
呪いを解く方法ってのが思い当たらなくて困るよ そういうのに詳しそうな知人をパッと思いつけない、文献も無いだろうし
呪いをかけるのが得意そうな輩なら両手使って整理できるくらい思いつくのにね、なんだか納得のマビノギっぷりだね
俺をちょいちょいと手招きして呼ぶ雛たん また林檎を剥く手をストップ、ソファーに寄るとちょんちょんと自分の肩を指差して
「肩揉んで下さらない?」なんて誰だお前って言いたくなるような言葉遣いで俺に甘えるんだ 雛たんにお願いされちゃしょうがない、
一度手を洗ってからソファーの後ろから雛たんの肩に手をかけるよ 服の上からマッサージするからいいって言うのに
雛たん何故かシャツまで脱いじゃってね 生の雛たん肌に触れることになるんだよ なんだかドキドキさせられるね
そのまま肩をもみもみする 「変な気を起こしちゃダメよ」とか言われて、(毎晩致してるから)そこまで餓えてないよなんて返したりしてね
「あなたに優しくしてもらえるなら呪いも悪くないわね」なんて上機嫌に言っちゃう雛たん これぞまさしく本末転倒だよ
翌日になったら「え?ああ呪い?無かった」とか言っちゃうくらい回復してるし 俺整体師になれるのかもしれない!ね!雛たん!
うふふふふふふ

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最終更新:2011年04月04日 22:30