午後1、午後2勉強テクニック

基礎の学習が大事

 ネットワークは基本的にTCP/IPをベースにしている。そのため、それらを実現しているトランスポート層、ネットワーク層、データリンク層に関する仕組みを理解することはとても重要だ。この基礎がしっかり身についていないと、どれだけ勉強しても、応用的な技術がなぜ実現できるのか理解できないからである。
 またNW試験では、最新の技術が出題されることもあるが問題文中には様々な説明が記述されており、ネットワークの基礎が理解できていれば解答できるような問題が多い。
 従ってネットワークの基本中の基本ともいえるTCP/IPや、そのルーティングの基本について学習するようにしよう。
 具体的にはマスタリングTCP/IPといった技術書やネットで無償で公開してくれるている3分間ネットワーキング等を読んでネットワークの基本について学習していこう。例えば、あるグローバルIPに接続しにいくのに、どのような過程を経て通信しているのか、そしてそれに必要な各種のプロトコルなどを学習するようにしよう。
 例えば、以下のような流れを理解できるように勉強していこう。
  • PC(ローカルIP)→L2SW→ルータ(NAT)→L2SW→サーバ(グローバルIP)へ接続する流れを理解できるようにする
    • グローバルIPへ接続しようと思ったPCはどの機器にパケットを送信しようとするのか
    • そのパケットを送信しようとする機器のIPアドレスはどのように取得するのか
    • その機器のMACアドレスはどのように取得するのか
    • その機器はLAN機器のどのポートに接続されているとわかるのか

出題傾向

 情報処理技術者試験では、例えば、「問3は必ずハードウェアに関する問題がでる」といった傾向がある場合があるが、残念ながらNW試験ではそのような傾向はあまりない。ただ一つだけ言えるのは、午後2に関しては問2が比較的先進性の強い最新の技術を題材にしているという印象だ。
 従ってどのような技術に関しても、しっかりと答えられるように準備をしておく必要がある。ただし、どうしても苦手な分野があり、学習時間がない場合にはそのような分野についてはパスしてしまうということが必要になる場合もあるだろう。そういう場合は、仮に出題されると不利になるわけだが、そのリスクは受容して他の得意な分野に資源を投下するのも仕方がないだろう。

頻出分野を抑える

 NW試験では、過去に出題された技術が再び出題されることも多い。そのため、ある程度の分野については、その技術に慣れていることが必要だ。
 下記に頻出分野を挙げておくので、必ず理解するようにしておこう。なお、それ以前にTCP/IPの基礎については必須なので必ず理解するようにしておこう。
 これらの説明は情報処理教科書にも掲載されているので、そちらで確認するのがいいだろう。
  • スパニングツリー
  • VLAN
  • VRRP
  • 負荷分散の仕組み
  • LBの冗長化
  • FWの冗長化
  • サーバの冗長化
  • L3SWの冗長化
  • 経路の冗長化
  • チーミング
  • スタック接続
  • リンクアグリゲーション
  • SIP
  • IPsec
  • IP-PBX
  • 仮想化技術
  • クライアント認証
  • マルチキャストを使用したアプリケーション

問題は印刷する

 午後1と午後2の学習をするにあたって、必ず問題文と解答用紙を印刷しておくようにしよう。NW試験では図と問題文を行ったり来たりして確認しながら読み進めることが重要になるが、それはPDFの閲覧では難しい。また図にメモをしたいこともあるがPDFでは簡単にメモすることができない。
 そのため過去問は両面印刷しておいて実際に解答することが望ましい。また情報処理教科書を購入するとダウンロードできるPDFに解答シートのPDFもある。こちらは印字する必要はないが、PCで表示させつつ解答するようにしよう。設問によっては解答用紙をみないと、どのように解答すればいいかわからない問題もあるからだ。

過去問は最低で4年分、2周行う

 NW試験では午後1は3問、午後2で2問出題されるので1年分で5分野の技術が出題される(分野が重なることもある)。NW試験は範囲が広いが4年分学習すれば合計で30問になるため、30問を集中して学習すれば頻出する技術のほとんどを学習することができる。従って時間がない場合は最低でも過去4年分を解くようにしよう。
 解いてわからなかった技術などについては、その都度確実に学習すること。
 勉強は午後1→午後2→午後1(2周目)→午後2(2周目)の順番が望ましい。こうすると過去の問題を忘れてしまうため、また新たに過去問を解くことができるからである。

間違った問題の復習方法

 間違った問題に関してはかならず復習しよう。間違った理由としては以下の2種類にわかれる
  • その技術を知らなかった
  • 設問中のヒントに気づくことができなかった
 技術を知らなかったのは仕方がない。なので知らなかった技術については確実に学習して覚えるようにしておこう。
 設問中のヒントに気がつかなかった場合は、設問中のヒントにアンダーラインを引いて、自分がなんでそのヒントに気がつかなかったのかを考えて学習していこう。

最新の技術の学習

 今後出題されそうな技術の筆頭がIPv6だ。IPv6については是非とも抑えておこう。また出題されそうな最新技術については、情報処理教科書にも記述されているので、そちらを読みながら理解するようにしておこう。
 ほとんどは基本の知識があれば解答できるように作れられるはずだが、やはりそれらの知識を知っているのと知らないのとでは前提が異なってくるので、余力があれば最新技術についても学習するようにしておこう。

午後1、午後2解答テクニック

問題文の構成

 問題文では、話題ごとに「章」が設定されている。問題文中にある「[現在のネットワーク構成]」などの記述がそれだ。設問はその章単位に出題されており、おおむねそこまで読んだ章の内容で解答できるようになっている。
 問題文を最初から最後まで読むと最初のほうは忘れてしまうので、その設問の「章」ごとに解答することが望ましい。しかし、今までほとんど、その章まで読んで解答できる内容であるが、過去に一度だけその問いの後に記述されている内容が解答のヒントとして出題されていたことがある。そのためわからなかった場合には無理に埋めることはせず、空白にしておき、最後まで解いてから考え直すようにしよう。

時間配分と問題選択の方法

 午後1は90分、午後2は120分が解答時間だ。午後1は90分で2問、午後2は120分で1問を解くことになる。
 午後1は最初の10分を問題選択の時間に割り当てよう。一通り問題を読んで、どの2問を選択するかを決定する。そして、1問35分で解く。残りの10分で全体的な見直しをするようにしよう。1問で35分以上経過したら、とにかく次の問題へ進むこと。仮にできが悪くても二つ目の問いで満点を取れば50点以上になるはずなので、諦めずに次の問題へ進もう。
 午後2は比較的解答に余裕がある。試験終了30分前には一通りに解答が終わっているはずだ。そのため午後2は最初の10分を問題選択を決める時間に割り当てよう。そして残りの1時間30分を問題の解答時間に割り当てよう。残りの20分を見直しの時間にしよう。問題を解いているうちに難しいなと感じたら、他方の問題に選択し直すのもいいだろう。しかし残り時間が1時間程度になっていたらもう時間に余裕がないので最初に選択した問題をなんとか解答するようにしよう。
 また午後1、午後2とも穴埋め問題を埋められるかどうかで問題を決めないほうがいい。午後1では穴埋め問題は20点以内、午後2では15点以内であることが多い。むしろ穴埋め問題以外がどれだけ埋められそうかという視点で問題を選択するようにしよう。 

ネットワークの通信の流れを一つ一つ追っていく

 問題文にはネットワーク構成図が表示されていることが多い。問題文とネットワーク構成図を見比べながら、それぞれどのような経路をたどって目的の機器までたどりつくのか一つ一つ確認していくことが重要だ。
 例えば、Webサーバがあり、それを利用するPCがあり、L3SWなどを経由して接続されている場合、PCはどの機器をデフォルトゲートとし、L3SWやL2SWはどの経路を通過し、そしてサーバまで到達するかを機器ごとに一つ一つ確認していくことが重要である。
 また冗長化されている場合には、それぞれ主系が壊れた場合には、どのようなルートをたどって通信が行われるかも確認しておくことが重要だ。
 またVLANについても、どのようなLAN構成になっているのか図にメモしながら理解するようにしておくことが重要だ。
 こうすることで、そのネットワークが実際にどのように機能しているか理解できるようになる。そうすると何かトラブルが発生したという問題の場合には、その問題点が思い浮かべやすくなるし、返答もしやすくなる。ARPテーブルどの機器が持っているか、デフォルトゲートはどの機器か、ルーティングテーブルはどの機器が持っているか等を確認しながらネットワーク構成図を確認していこう。

前提条件を見逃さない

 問題文にはなんでネットワーク構成を見直したいのか、どのようなネットワークの問題があるのかなどが記述されている。これらは後々の設問の前提条件として用いられることが多い。
 そのため現状の問題点、改善要望、前提条件などはアンダーラインをひいておいて、後から簡単に見直せるようにしておこう。

通信できなくなる可能性

 NW試験でよく出題される「通信できなくなる」という問題だが、通信できなくなるには様々な理由がある。もしそれらが出題された場合には、以下の可能性を考慮してみよう。
  • 機器の設定がリセットされた
  • 設定が間違っている
  • ブロードキャストストームが発生した
  • 経路に異常がある
  • サブネットが異なる
  • デフォルトゲートが設定されていない
  • 認証されていない
  • LANケーブルを挿すポートを間違えた