私家版大延国ガイド

私家版大延国ガイド


はじめに

 この文書は、イレブンズゲート世界における列強国の一つである「大延国」にかんする情報を私的にまとめたものです。
 意図としては、創作や妄想を喚起するフックを用意すること、特に初心者が大延国のことを想像する上での足がかりとしての役割を果たすことがあります。
 そのため、情報の正確性や整合性よりは面白さを重視し、結果として不正確な情報や私的な見解を多く含んでいます。
 その点をご理解の上でご覧ください。



概要

 大延国とは、イレブンズゲート世界の南方に位置する帝国です。
 主神である火をつかさどる獣神「金羅」と、精霊によって選ばれた皇帝を頂点に戴く官僚制国家です。
 広い国土から生み出される彩りに溢れた恵みと、単一の王朝による安定した統治によって豊かな文化が育まれてきました。
 中でも食文化については、他の国の追随を許しません。



地理

地勢

 大延国は、イレブンズゲート世界の南方大陸に位置し、国土は南方大陸の三方を海に囲まれた北端から中心部付近にまで広がっています
 広い国土は急峻な山地や大河、乾燥地帯や大森林などバラエティに富んだ地形を含み、住民の生活や文化に大きな影響を及ぼしています。
 一般に、北部ほど乾燥が強く、南部に向かうほど湿潤な気候となっています。
 イレブンズゲート世界のご多分にもれず、こうした気候の差は精霊たちの分布によるものです。
 南方の国境には後述する『塞王』があり、南蛮の支配地域との長大な国境線を形成しています。

人種

 大延国の住人を形成しているのはさまざまな獣人です。
 獣人と一口に言っても、そこにはさまざまなバリエーションがあります。
 狼や虎、熊、豚や鼠といった種族の差や、どれほど獣に近いかという程度の違いなどは驚くほど多彩です。
 こうした差異は地域の特色として現れることが多くなっています。
 たとえば虎人は一般に東部の出身者が多い、顔の毛が薄く鼻面も突き出ていない鼠人は南西の海岸部に多く見られるなどです。
 一般的には、北方にいくほど体毛・鼻面・発情期など獣としての特徴が顕著で、南方に行くほどエルフや地球人などに似た相貌が目立ってくる傾向があるようです。
 またこのほかに、仙人という特殊な能力をもった人々がいます。仙人は金羅によって神力を与えられて生み出されたものもいれば、起源がよく分からないものもいて千差万別ですが、いずれも異能を使います。
 仙人の数はとても少なく、ほとんどが山奥などに住んで、人とは関わりを持たずに暮らしています。
 時折人界に下りて悪さをする仙人がでることがあり、これは悪仙と呼ばれます。



経済、産業、交通

 国内における主要産業は農業や漁業などの一次産業です。
 主神である金羅は食を好みます。このため、大延国は食糧の安定した生産を行うことに力を注いでいます。
 また、こうして生み出された食糧を金羅の下に運ぶための街道も発達しています。
 主要な街道は地精霊の協力を得て舗装が進められており、また駅や宿場も整備されています。
 水上交通も盛んです。国内では国土を南北に縦断する大河『易河』を用いた河川交易が、また海上では国外との貿易が各所で盛んに行われています。
 国内の輸送は主に塩客と呼ばれる護送と保険を兼任する業者によってまかなわれています。
 貴重品の輸送や個人の旅の手配などは塩客の仕事です。

主要都市

 主要な都市としては、なんと言っても大都が挙げられます。
 大都は大延国の首都であり、政治や経済の中心地です。皇帝の宮殿を中心として多数の建物が立ち並び、周囲は長大な防壁に囲まれています。
 大都はまた、後述する『食神祭』の開催地でもあります。祭りの開催時期には全土から人が押し寄せ、人口はおよそ倍以上に膨れ上がります。
 また他にも、各地にいくつもの都市が存在します。



政治

皇帝と霊王

 大延国を統治するのは皇帝です。主神たる金羅を配偶者として迎え、官僚たちや枢密院の補佐を受けて国政に携わります。その権力はほぼ無制限とされていますが、乱用されることは歴史上まれでした。
 大延国皇帝はまた、大延国における最高クラスの精霊使いを兼ねています。精霊を従え、国民と金羅のために天地をつつがなく保つことは、皇帝の重要な責務の一つです。
皇帝となる資格を持つのは、霊王と呼ばれる国家最高レベルの精霊使いたちです。それぞれ懇意である精霊に対応した色で呼ばれます。
 この霊王のうち、精霊宮の支持を受けた者が次代の皇帝となります。精霊宮とは当代の皇帝が抱える精霊たちのハーレムであり、力のある精霊が多く迎えられます。一般に、精霊宮の精霊たちが支持するのは皇帝の血筋を引く者です。このため、建前上は誰でも皇帝になりえますが、実質的には世襲となっています。

官僚制と貴族

 皇帝を補佐するのは宰相を頂点とした官僚組織です。官僚は他の官僚の推薦や国家試験などによって選ばれます。勉強すれば誰であっても栄達を遂げることができるのです。
 官僚組織はとても大きく複雑で、そして時に腐敗しています。大延国の政治史は腐敗との戦いの歴史と言っても過言ではありません。さまざまな汚職が横行していますが、腐敗を正す仕組みも存在します。身分を隠した監察官が全土をめぐり、役人に目を光らせているのです。それでも汚職はなくなっていませんが、法や制度の整備により、だんだんと少なくなっていっています。
 もう一つの統治構造として貴族制があります。元は皇族やそれに近い立場の者が代官として地方に赴任し、そのままその地に根付いたのが始まりです。今では世襲で土地や地位を確保し、それを基盤として実質的に地方を治める役割を担っています。中央にも貢物や人を送り込み、隠然たる影響力を発揮している貴族も少なくありません。これまた汚職の温床となっています。
 一般に、官僚には狸人が多く、貴族には狐人が多いとされています。大延国の政界は、狸と狐の化かしあいなのです。

南蛮との対立

 南蛮とは大延国の南方に依拠する蛮族たちの総称です。かつては大延国に向かって執拗に攻撃を仕掛けてきた時期もありましたが、現在は組織だった攻撃を行うことはありません。ただし、大延国の支配を受け入れることはなく、あくまで独立した勢力となっています。
 南蛮は塞王という、大陸を横断する規模の巨大な城壁によって阻まれています。塞王はただの壁ではなく、過去の皇帝によって打ち立てられた大延国守護の要です。
 南蛮の事情はよく分かっていませんが、大陸最南端に位置する屍樹こそが南蛮北進の理由であると推測する向きもあります。

そのほかの国との外交関係

 周囲の国とは中立を保ち、良好な関係です。食糧や文字、美術品などを輸出し、金属製品や珍しい食材などを輸入しています。


文化

食にかける情熱と食神祭

 主神である金羅は食を大いに好むため、大延国では食文化が大いに発達しています。
 ある程度人が集まる場所ならば屋台や食堂があり、人々が集まって料理に舌鼓を打っています。食に対する関心はきわめて高く、腕のよい料理人はどこに行っても尊敬されます。
 大延国では金羅を喜ばせるため、年に一度、皇帝によって『食神祭』と呼ばれる料理大会が主催されます。全土から料理人が集まり、技を競い合うのです。金羅に認められた料理人は『神膳厨師』の称号と、神の力を秘めた炎である『金炎』が与えられます。

躍字

 躍字とは、大延国で用いられている文字です。自ら動き回り、あるいは己の内容を読み手に語りかけるという不思議な性質をもっています。どの大延国人も躍字で書かれた自分の名を持ち、親しい人以外には明かそうとはしません。



歴史

国の始まり

 大延国成立以前の大陸にははこれといった主神ももたず、小さな国が林立していました。そうした情勢の中、金羅を神として迎え入れたのが今の大延国の前進です。それ以来、金羅の威光と、皇帝の卓越した精霊魔法の腕によって他の勢力を飲み込む形で拡大を遂げてきました。

六合霊皇

 六合霊皇は金羅の子であり、恐るべき能力を具えた精霊使いでした。皇帝となった六合霊皇は戦争でもって国土を拡大しましたが、やがて自身の能力に耐えられず自壊し、大きな災いを引き起こしそうになりました。災厄は金羅の力によって防止され、これ以降、金羅は自分の子が皇帝となることを禁じました。

塞王

 塞王は南蛮との国境線に建てられた巨大な防壁です。過去の皇帝が行使した精霊魔法によって建設されました。その成り立ちから、壁そのものが神秘的な防御力を備えているという噂も聞かれます。


地球との関わり

ゲートの所在

 大延国のゲートは、大延国側ではある都市の中心部に、地球側では崑崙山脈の麓に開門しています。
 大延国側の都市はゲートが開いてから成立した都市であり、さまざまなインフラが未整備ですが、活気があります。
 崑崙側のゲートは他の地球側のゲートと同様に、現地の政府によって税関が設置されています。
 日々多くの観光客が地球側から入る一方、大延国側から地球を訪れる人はやや少なめです。

外交関係

 ほとんどの地球側の国家とは中立関係にあります。
 ゲート近辺の国である中国は、かつてゲートに対して核による攻撃を仕掛けようとしたこともありますが、現在は友好的な関係を保っています。



主要人物

金羅

 金羅は大延国の主神であり、皇帝の名義上の配偶者でもある獣神です。
 多くの称号を贈られ、国民に敬愛されています。
 金羅自身もまた国民を愛し、あるいは身分を隠して下々とも積極的に交わろうとします。
 異世界側のみならず地球をも頻繁に訪れているという噂もあります。

朱王 クウリ

 クウリは大延国第代の皇帝です。八十を超えていますが、現在も現役で政務に当たっています。
 クウリは大延国皇帝たちの中でもまれに見る子沢山です。しかし、子供に皇位を譲る意志はまだ薄いようです。

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最終更新:2012年07月15日 23:43