「密売組織」


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「密輸象牙は全部押収されましたよ。」
若い巡査長は何もなかったかのように自分の制服を着て現れた。
「二つ足りなかったようですね…。」
象牙のコレクションルームは何もなくて殺風景だった。
「ゴミ箱に何か入っているぞ…。」
隣のキッチンのゴミ箱に回収されなかった小さな紙切れの切れ端が落ちていた。
(今日は2つ。明日は三つ・・・・?)
切れ端に残された字は不可解な意味を指し示していた。
テリーの家を出ると、スタンの家へと向かった。

スタンの家は醜く荒れていた。
身長220m、体重150kg長髪でガッチリとした体格の男がここで殺された。
窓際の黒い汚れが血の跡でそこが殺害現場らしい。
「左頚動脈からずばっとのどを切り裂かれていました。」
巡査長はのどの辺りを指差していた。
「ひどく荒らされていて強盗目的だと思われていたのですが…。」
「テリーの指紋が検出された。ってわけか・・・。」
巡査長は書類を見ながら凶器の象牙について説明した。
「右曲がりで20センチ程度で先端がとがっていました。テリーとスタンの指紋。それからスタンの皮膚繊維が検出されました。」
「髪の毛は?」
間髪いれずに質問をした。しかし意外な答えが返った来た為驚きを隠せなかった。
「検出されてません。」

「んでそこからどうなったんだ?」
ジョナサンはコーヒーを飲みながらライベンの話の続きを聞いた。
「そこからだな…。」

(相手は巨体。なおかつかなりの腕。そんな奴は限られてくるはずだけども…)
パソコンの前に座ってコーラを飲み干した。
「アイツ絶対ブリジッドと付き合っているの自慢してるんだぜ。」
「わざと自分でやったな…。」
通路を通る二人のNYの警官が話をしていた。
(わざと自分がした…?もしかして!)
すぐに携帯電話を鞄から取り出して、上司のザックに電話をした。
「スタン・リー・アーメイは自殺です。自分でわざと象牙で切り裂いた!」

「それで何で分かった。」
ハンドルを握るライベンは笑いながら答えた。
「まず凶器の象牙だ。何で象牙で自殺する?二つ目に象牙から被害者の髪の繊維が検出されなかった。」
「三つ目は、殺し方。右から手を回すように切った。そうだろ?」
「さすが相棒。」二人の乗る車はまだ終わらぬ事件へと向かっていった。

スタンの事件は密売組織に追い詰められたものだと判明した。
FBIが幹部を逮捕したことをきっかけに組織のほとんどは壊滅した。
強盗の実行犯の男は書類を捜すために荒らしたと自供したがテリーの狙撃に関しては否定した。
また、テリーの家からなくなった二つのうちの一つは依然として不明である。
仲介人のスタンと売人のテリーが殺された二つの事件は謎を多く残して終わろうとしていた。
それがつい数日までの話。
昨日のことだった、いきなり携帯電話が鳴り響いたのだ。
「もうひとつの象牙が見つかった。凶器としてだ!」
携帯から発せられた言葉にただボーと立ち尽くしていた。
(まだ終わっていなかったんだ!二つの事件の実行犯はそれぞれ違う!!)

終わらない連続殺人。また人が殺されて、恐怖におびえる。
人気書評家のテイルズ・コッツィが象牙の彫刻で撲殺された。
場所はラスベガスのカジノの駐車場。自分のシボレーの車内で死んでいた。
こちらの書評家は象牙密売とは関係がなく、ただ前の被害者の遺留品の象牙の彫刻だった。
「終わらない連続殺人ってか…。まあいいこれで上層部も動いてくれる。」
ラスベガスとNY。かなり距離の離れた場所で二人の人間が殺された。
二人の共通点は、経済関係者と白人であること。そして、同じ指紋が検出されている。
そして、電話がかかってきたのはまもなくだった。
「カーソンシティーの殺しだ。メイリッシュ・カパーゾフという外科医が撲殺された。」
「だからどうした?こっちは忙しい。応援へはいけない。」
「テイルズの指紋がついたドアストップが凶器だ。」



車から降りると、夜なのにまだ大勢の警官と野次馬でごった返していて通れそうに無かった。
「歩いたほうが早いな…。ジョナサン、車は任せた。俺とキャリー…捜査官で現場に向かう。」
有無も言わさずに、キャリーを車から引きずり出すと、人ごみをかき分けて歩いて現場に向かう。
「だから、ハーベイさんは本当に象牙の彫刻を持っていたんだ!!信じてくれよ!」
吠え叫ぶ野良犬のような声が響き渡っている。いったい何事か分からず声の主を探した
どうやら、殺害現場のスラムでロブと浮浪者が言い合っているようだった。そして、この浮浪者は被害者の友人らしい。
「象牙の彫刻?何でそんなものを?」
「知るかよ!?マジで持っていたんでって。あんたら俺が黒人だからしんじねぇんだろ!」
「今時、黒人差別なんて古いよ。冷戦時代の話だ…。」

黒人浮浪者のビネットが言うには象牙の彫刻が奪われたらしいがそれは後にし現場にたどり着く。
キャリーは、決して天才ではない。頭もそれなり。そんな頭で、犯人の真理を考えた。
入り口から入ってまず躊躇い無く一発、太ももに撃ち込んだ。そして笑いながら近づいた。
二発目は右肩を撃ち抜いた。理由は被害者は落ちていた角材で抵抗しようとしたから。
そこに三発目の腹の銃弾を受けた被害者に止めを一発銃口を銜えさせのどを撃って殺した。
獲物を仕留めた狩人のように満足した顔で、スラム街から出た犯人は姿をすぐに消した。
ここまでで足りないものはなんだ・・・。…そうか!ライフルのリロードだ!
薬莢が落ちたはずだ…。銃声に気づかれて、拾う暇は無かった。っということはまだ転がっている。
けどもライベンと共に探したが、やはり見つからなかった。
(犯人が回収したか・・・・。鑑識も見つけてないようだからな・・・)
「もしかしたら、他のホームレスに持ってかれていたりして…。」
薬莢は発砲後は、かなりの熱を発する。そんなものを素手で触ったりしたらやけどなんていうものは避けられない。
人はなるべく疑いたくは無い。無関係な人を巻き込まないことを、誓ったからだ。巻き込みたくは無い。
四発目の発砲音から約3分で通報があって、ライベンが五分後に走って駆けつけた。そこから5分後に現場に警官が到着。
犯人は、ここから外に出るためには人通りの多いメインストリートを出なければならない。
カービン式のライフルを肩に携え、走るさがたなど見れば一目瞭然。NYPDには通報の嵐になるはずだ。
けどそんな事は無かった。じゃあ、どのようにやったのかと言う疑問だけが頭によぎった。