東北大学A9XB0025より

866 :学籍番号:774 氏名:_____[sage]:2010/05/25(火) 15:59:47 ID:???
くっ・・・悔しくなんかないもん

あの噂のことだ。
相談があるといわれて話を聞いてやっていた俺にそう言い残して化バイは教室を立ち去ろうとした。

化バイにもう会わないようにしようといわれた。

しかし次の瞬間腕をつかまれハッとする化バイ、
泣き顔を恥ずかしそうに隠しながら腕を必死に振り払おうとしていた。

周りなんて気にするもんか・・・
俺はもうこの手を離さないと決めた。

そういつだってそうだ。
世間の目を気にして少しでも変なうわさが立つたびにそれを無理やり隠している。
俺と同じで女に興味がないことを本人は気にしているのだ。

次の瞬間俺は無意識に化バイと唇を重ねていた。

んっっ!?

化バイは急な出来事に戸惑いを隠せない様子だ。

もう無理すんなよ・・・。

そう言ったはいいが、化バイがどんな反応をするか正直分からない。
ここで化バイが逃げ出したりしたら俺は一生後悔するだろう。
がらりとした教室の前で化バイはポツリとつぶやいた

ここじゃいやだ・・・

夕日が沈もうとしているオレンジ色の空に夏を思わせる暖かい南風が吹いた。
つづくwww

868 :学籍番号:774 氏名:_____[sage]:2010/05/25(火) 16:20:38 ID:???
いつも元気でお茶目な化バイが今日は無口だ。
いつもと違うのは恥ずかしそうにしながらも俺の左ポケットにある化バイの右手だけだ。

日が沈みかけた帰り道、お互い何も話さないが足取りは自然と俺の家に向かっていた。

俺は自分の心臓の鼓動が早くなっているのが分かった。
俺は何を考えているのだろうか・・・何も考えられていないのだ。
化バイはうつむいているだけで何も話さない。

気がつくと俺は家の前にいた。

えっと・・・まあ家寄ってけよ・・・

普段はそんなこと言わない。
当たり前のように化バイは家に来て遊んで帰っていく。
なのに今日こんな言葉が出てきたのは化バイを特別な何かとしてみている証拠だろう。

化バイはコクリとうなずくと俺が開けた玄関にいつもの用に俺より早く入っていった。

いつもより少し遅い帰りにもう辺りはすっかり暗くなっていた。
つづくw

870 :学籍番号:774 氏名:_____[sage]:2010/05/25(火) 16:36:27 ID:???
違和感がある。
明らかにいつもの化バイじゃない。
なにか触ったら壊れてしまうほどの脆さを感じる。
それだけに声をかけるのに少し戸惑う。

何か飲むか?

無難としか言いようのない質問に化バイは

いらない

とだけ言った。
こっちが気まずくてしょうがない。
化バイはいきなりあんなことをしたから怒っているのだろうか?
ふと

今日は泊まっていく

と化バイがつぶやいた。
声は半分かすれていた。
家に泊まることは何度もあったが自分から言い出すことはこれが初めてだった。

うんいいよ

なんか無性にドキドキしている自分に自制心を働かせ何気なく振舞った。

そこからは何事もなかったかのようにいつも通りだった。
近くのコンビニで夕飯を買い、食べ終わってから各自シャワーを浴びて俺のジャージをパジャマ代わりに貸した。
いつもより口数が少なかったのとシャワーが気になったのを除けば本当に何も変わらない。

ベッドの横に布団を敷いて寝る支度ができた。
いつもならここで寝てしまうのだが

星を見たい

化バイのその一言のために2人はベランダに出ることになった。
つづく

873 :学籍番号:774 氏名:_____[sage]:2010/05/25(火) 16:53:59 ID:???
俺の家はわりと市街地付近にあり街灯などが星を見えづらくする。
そこで化バイは口を開いた
星になってみたい・・・
でも宇宙って広すぎるよ・・・
一人で光っている星はすごいや・・・

何が言いたかったのだろうか・・・
ただ星の光と街灯が入り混じった夜空を化バイは見上げている。

俺は呆然と夜空を眺めている。
次の瞬間

好き・・・○○(俺の名前)のことが好き・・・
あと今日はありがとう

光に反射した涙を浮かべながら化バイは今日一番の笑顔で俺にそう言った。
化バイの涙は星の光だけに照らされている。
そんな気がした。

おれは何も言わずに化バイをただただ抱きしめた。
雲ひとつない空
化バイがなりたいといった星に雲がかかるはずがないと思った。

化バイが

苦しいよ

と微笑む。
時が止まればいいのにな、
そんな事今まで一度も思ったことがなかった。
そう今までは・・・

876 :学籍番号:774 氏名:_____[sage]:2010/05/25(火) 17:07:36 ID:???
部屋に戻る。
俺はベッドに化バイは布団に入り電気を消した。

寝付けない。
化バイは俺のベッドに入ってきた。
動作がとても自然だった。

心臓が高鳴る。
でもただ抱きしめたかった。
それ以上もそれ以下も何もない。

化バイは星
世間の目という街灯が光を遮っても遮らなくても同じ
広い宇宙の中では街灯なんて関係ない
ただ孤独に光っているのがつらかったのだ

急に遠い夜空を見上げる化バイの姿が目に浮かんだ。
そんなことを伝えたかったのかなんて分からない。
いや多分俺の考えすぎだろう。
これから化バイとどんな関係になっていくかなんて分からない。

でも今は化バイと二人で一緒に光っていたいと思った。

さっきよりもぎゅっと化バイをだきしめて俺は眠りについた。

誰も見てない夜空でひとつの星に流れ星が重なった。
おわり

化バイ好きだああああああああああああ

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最終更新:2011年08月12日 01:13