被災地からの報告まとめ

同朋N メールニュース 3月31日版より転載

【被災地レポート】  同朋ネットH委員より

☆被災地状況(南三陸町、名取市)
 この度の災害は地震そのものより、津波による被害が大きい。海より1km内陸から不法投棄のように瓦礫の山が続き、大破した車が折り重なり、船が横転している。沿岸部にかろうじて立っている建物の鉄骨は折れ曲がり、3階建ての建物の上には車が乗っている。
 津波による被害は新聞やテレビなどで報道されている通り悲惨な状況であることは分っていたが、実際に被災地に立ってみると、想像以上の被害の大きさと津波の脅威を感じ、言葉をなくす。付近を歩けば鍋が、靴の片方だけが、ぬいぐるみが、思い出の写真アルバムが…あらゆるものが無残に転がっている。
 被災者は何千人、何万人という数字で報道されることが多いが、訪れた被災地には子ども、大人、お年寄り、それぞれ一人ひとりの生活がそこにあったことを感じずにはおれない。一人の人の死が、何万通りあるということを見失ってはならない。自衛隊や地域の消防団が遺体捜索を続けている。途方もなく広い荒れ地で・・・・・。

☆ボランティアセンターの様子
 仙台の南にある名取市ボランティアセンターを訪問した。18日にボランティアセンターが立ち上がり、29日現在、県内ボランティア約250人が登録をしている。主な作業は家の片付けである。名取市ではそのボランティアの需要と供給のバランスが取れているため、ボランティアの募集を県内に限っている
 宮城県は、ボランティアの募集を県外からというところもあるが、県内や市内に限っているところも多い。(ガソリン不足や自宅が近くであるとか、県人同士の親しみやすさなど)
 ボランティアセンターの情報(作業内容、ボランティア募集など)は日々変わるので、最新の情報を確認したほうがよいだろう。

☆避難所の様子(名取市)
 震災直後NPO、NGOが鍋などの調理器具などをもって入ったという。29日現在、避難所ごとに生活のルールができつつあり、被災者同士が生活の仕事分担をしている。それらの仕事を担っていることが生きがいになっている人もいるという。現段階では外部の人間が入って炊き出しをすることは、それまでの避難所のルールを壊してしまう可能性もあるので難しいと思う。
 しかし、指定避難所以外の小さな避難所もあるため、そのような場所では炊き出しのニーズがあるのだという。避難所によってそのニーズは刻一刻と変化しているようだ。

☆救援物資について
 1次物資(毛布、水、米など)は、ほとんどの避難所に行き届いている。(名取市情報)「毛布が不足」という情報が流れると全国各地からいつまでも毛布が届くという。有りがたいがその種分けに人出がとられ、物資置き場がふさがるのだそうだ。不足情報はいつの情報なのかをよく確認することが大切だ。
 現在は2次物資(爪切りとか歯ブラシなど日常生活に戻るために必要な日用品・食品や服など)の要望が増えている。これらの要望は被災者によって異なり、また時間の経過と共に日々変化するので多岐にわたる物資の提供が必要であろう。



同朋N メールニュース 3月27日版より転載

【私の主張】

☆仙台教区北上市住職 ○○○○さん(東京:宗務出張所本部員・3月26日)
  ※○○さんは東京教区の元駐在で、同朋ネットの生みの親です。

 「私は宗務役員でもありますので、責任や分を超えた発言になるかもしれませんが、今回の災害支援が、被災地の方、支援したい方の思いが、出来るだけ一つになっていけることを願ってメッセージを届けたいと思います。
 震災3日目から数日にわたって岩手県沿岸部の寺院に行ってきました。先ず、今回の震災被害は、報道をご覧いただいてのとおり「津波被害」が特徴的です。もちろん内陸部でも本堂の柱にヒビが入るなど建物被害があり、それはそれで大きな被害ですが、津波の被害は想像を超えるものです。概要は、仙台教区内の2ヵ寺が直接津波によって全壊。人命も失われたと聞いています。その他、津波によって浸水の被害もありましたが、仙台教区沿岸部の多くの寺院は高台に建てられており、間際で被害を免れた寺院が多いようです。福島県沿岸部寺院では大きな損壊があったと聞いておりますが、原発被害の影響は、私には表現しきれません。また、ご門徒の被害(門徒だけが心配という意味ではありません)は、現時点でも把握しきれていないのが現状かと思います。
 仙台教区の地理的なことなどの状況は、先の同朋ネットメールニュースで報告のとおりです。現在、仙台教務所(本山の本部)では、刻々と変わる被災状況の把握と、本山を通して全国から寄せられた支援物資を、本山職員、仙台教務所員が手分けをして、災害現地寺院を通じて、各避難所に届ける仕事を日夜問わずにしていただいているようです。教務所から遠い宮古市までは約280キロもあり、高速道路が通れるようになったとはいえ、ガソリン不足、アイスバーン路面の中、物資を届けるのも大変な状況だと思います。
 仙台教区の寺院の方々は、今、自分の出来ることを、個々の責任において動いていると、何人かの方から連絡をいただいています。特に被災地の寺院の方は、門徒に限らず地域の避難所や、避難所に入られてない方の家を訪問して不足物資の調達などをされているようです。勿論、その行為は被災された方の話し相手となるということも含まれています。
 さて、全国の皆さんの「支援したい」の声が仙台教区へたくさん届けられている状況下、長期的な視野に立てば仙台教区(教務所 も含む)が受け入れの体制を構築していくことが必要かと
思います。現在、教区役職者の方に相談しつつ、仙台仏青のメンバーを中心に、その可能性が模索されていますが(東京の同朋ネットも関わって)、今、すぐに実働という状況にないのが実情かと思われます。願わくは、一日も早く教区内のボランティアネットワークができればと思います。
 そこで、今すぐ、ボランティアいただける方にお願いしたいのは、現時点では行政やNGO団体が取りまとめる窓口にて行動いただきたいということ(まだまだ多くのニーズがあります)。そういう意味では、真宗寺院とか門徒という枠ではなく動いくことが今の状況だと思います。
 もうひとつは、いずれ宗派有志による何らかの方向性が示された時の為に、各自がウォーミングアップをしていただきたいということです。もちろん、宿泊所や食事、ガソリンのことも自己責任・自己完結で。
 甚だ分限を超えた発言ですが、私見も含めメッセージを届けさせていただきます。」(以上)



同朋N メールニュース 3月26日版より転載

【被災地からの声】

☆南相馬市から避難している大谷派Kさん(仙台教区)
  連日の原発事故関連の報道、
  避難所内が陰鬱な雰囲気になってきました。

☆仙台教区の住職より、御遠忌に対する「ご門徒の声」。
「80歳の方
 「震災を乗り越えて、明日あるか分からない命だからこそ、
  一生に一度でいいから本山に行きたい」
 「50年に一度のことだから、もう次はないし、是非お参りしたかったな」
原文そのまま。中止した場合、具体的に再参加の方法も検討してください。
早めに出してもらえばもらうほど、お年寄りは喜びます。新たな目標になります。」(以上 3月26日)

☆大垣教区からの現地レポート
  ※既報のため省略しました。V委員。

☆秋田の○○○○さん(奥羽教区)の現地レポート(3月25日)
 「宮古市の市街地はスーパーやコンビニも営業しており、一見すると何もなかったようにみえます。でも、店の中はやはり品不足です。さらに、市役所がある沿岸部は被害が甚大です。役所は今も電気は復旧されていません(隣の山田町もそうですが)。とにかく寒い中で職員が懸命に復旧作業をしていました。瓦礫の中に道があるという感じです。宮古市街地から北に約10キロ、田老地区は集落の80%以上が津波にのまれ全壊していました。わずかに残った山間の住宅も、そこに辿り付くまでの道の両側は瓦礫の山、自衛隊員の誘導でようやく通れる、という状況です。避難所の状況は、大きな避難所にはそこそこ物資は届いているようです。ですが、やはり燃料系がかなり不足しています。日中でも建物の中にいても「寒い」ので、コート類は脱げません。
 宮古市から海岸線を南下してたどり着いたのが山田町。宮古と山田の境にある「被災ペット一時預かり所」に寄って支援物資を届け、どうすることもできない飼い主のお話を伺いました。
 山田町役場も電気もガスも水も不通。寒いです。この町も山間部は何事もなかったのように佇んでいます。でも、そこを抜けると・・・。僅かに車が通れるくらいの隙間を作っているような感じです。そこにあったであろう道路だけは確保(必要最小限の)されているだけで、あとは廃棄処理場のような光景が続きます。この町の避難所の一つ「青少年の家」はかなり高台にあり被害から免れた建物です。ですが、やはりライフラインは駄目でランプの明かりをたよりに夜を過ごしております、コートを着て。持参した僅かな支援物資を届けた時、町の職員さんが嬉しそうに「助かります」と・・・。全国から多くの支援物資が送られているのですが、肝心の現場(被災地)にまではまだ届いていないことも多いそうです。やはり燃料が不足しております。
 岩手県全体で燃料をはじめとする物資不足が現在深刻です。コンビニの半分はお休みであり、オープンしていても食品はほとんどありませんでした。ガソリンは、いつ入荷するのか未定のところが多かったです。なかには、10時間並んでも入れてもらえなかった方もいるそうです。ただ、日本海側から徐々に入荷しているようですので、あと数日中には平常になるのでは。
 次は31日にもう一度、宮古市・山田町の被災地区を訪問する予定です。なんにせよ、なるべくはやく支援拠点(仙台を本部として各地に)を設けることが望まれます。岩手県内では、遠野市あたりが、宮古・陸前高田、つまり南へも北へも動きやすい場所のような気がします。」(以上)


同朋N メールニュース 3月24日版より転載

【被災地からの声】

☆福島から米沢市に避難中のK氏(大谷派僧侶)のメール(3月23日)
「避難所になっている米沢市体育館,は、およそ五百人が避難していました(内8割が南相馬から)米沢市はすでにボランティア本部が立ち上がっており、衣食共に不足はないようです。ただボランティア受け入れについては市町村単位なので避難所によってはいないところもあります。各避難所の状況の確認と避難所間のネットワーク構築が必要だと感じています。」(以上)

☆仙台市若林区のK氏(大谷派僧侶)のメール(3月23日)
「(23日15時現在)仙台駅近くの若林区ですが、水あり。電気あり。ガスなし。灯油なし。」(以上)

☆仙台教区花巻組○○氏のメール(3月23日・要旨)
 花巻ではガソリンと灯油は全く手に入らなかったが、昨日よりスタンドが開店。(まだまだ長蛇の列で買えず・・・)2日間、個人的にお金や物資や灯油を持って大槌町・釜石・大船渡北部へ支援に行った。しかし、もう個人的な支援は厳しい。宅配便も再開され、現地のニーズもある程度落ち着いてきたので、仏青中心に情報発信していきたい。
 昨日(22日)の段階での被災地のニーズ(岩手)。一番はお風呂、2番はガソリン、3番は灯油。「いまはお金はいらない。何も買えないから。お金を物にかえてもってきてほしい」との声。そろそろボランティアの受け入れが行政によって始まる。仙台仏青がボランティア受け入れの窓口になっていけるよう、現在検討中だそうだ。ボランティアの方が寝泊まりできる場所を確認していきたいとも。
 僧侶がボランティアで7日参りや49日などの約束を被災地の方々とすることで、先の予定ができ自殺防止になるかもしれない。真宗大谷派としてどのような支援をしていくのか「真宗門徒もそうでない人も、どんな人でも困っている人のことをできるだけなんとか応援しなさ~い」と号令を出してほしい。(要旨)

☆被災地からの高山教区有志のメール(3月24日)
「地元のNPOなどの集めた救援物資を高山教区の3人で届けにきました。今は南三陸町と気仙沼市をウロウロしてます。3市町5ヶ所避難所を見ましたがひどいです。物資はどこも足りてる感じです。しかし、小さい単位の避難所はもっとあるに違いない。近くには大谷派の寺院はなく他宗派ばかり。避難所になってる寺もありました。」(以上)


同朋N メールニュース 3月23日版より転載

【被災地からの声】

☆南相馬市から米沢市郊外に避難中のkさん(3月22日)
「原発から50キロの相馬市では、
 水道水の利用を控えるようにという指示がでているにもかかわらす、
 仮設住宅の受付が始まっています。
 避難所の環境はかなり劣悪なようですが、
 自宅からより近い仮設に入りたいという人達もいるようです。
 相馬の避難所には仙台教務所から現況把握と
 支援物資の搬送のために向かっています。
 相馬への物資の輸送については、被爆を恐れて
 トラックのドライバーが不足しており、
 市役所職員がその任にあたっているそうです。」(以上)

同朋N メールニュース 3月22日版より転載

【被災地からの声】

☆大谷派原町別院(福島県)の○○○○○さんから(3月22日)
  ※福島県南相馬町(原発から30キロ圏内)から山形県米沢市に避難中
「立ち上がった自治会の最初の仕事は○○寺(山形教区・○○○住職)から届いた衣類の配布になりました。支援していただいたのは、他に高橋さん、村上さん、橘さんです。衣類の他にも洗濯機や洗剤、石鹸シャンプー、味噌醤油などの調味料等、必要なものを届けていただきました。行政からはやっと歯ブラシと歯磨き粉がf^_^; 行政ルートの支援物質が届いていない今、本当に助かりました!何より避難所の雰囲気が和らぎました!!」


☆東京教区茨城2組○○寺(水戸市)・○○○さんから(3月21日)
「21日午後、那珂湊は建物の1階部分はガラスも割れ、泥水が入り、漁船が道路に乗り上げています。水戸の南側は通行止めが多く液状化のような様子も見えました。また民家が45度傾き、ビルが崩壊し、付近は立ち入り規制。
 自坊近くの消防本署は建物が傾き、立ち入り禁止になっています。通行止めや段差が多いものの、ガソリン不足のため車は普段の2割程度です。
 人々の生活は給油のため8時間も並ぶ反面、必要なものだけを買い、落ち着き始めた印象です。農家の御門徒さんは、放射性物質が見つかった野菜のことで、風評被害などへの不安が広がっているとのことでした。
 水戸周辺の人びとですら、疲れた、という声をよく耳にします。部屋の片付けや余震が多いため、寝不足のようです。」

☆仙台教区仙台組・○○○○さんより(3月22日)
「東北人のイメージは、「口が重い」。その通りです。自らあまり主張しない。「オショスイ」。方言ですが、気恥ずかしい感じの言葉です。こちらから声をかけないと、思っていることをなかなか言葉にしません。より以上に積極的に声をかけて下さい。
 テレビでは報道されませんが、都市部では、何をするにも並ばなくてはいけない状態です。それとともに「一人暮らしのお年寄り、老夫婦」は、都市部に多いです。地味かもしれませんが、買い物代行、病院の付き添いなど必要性を感じます。現状、贅沢と言われればしょうがないと思いますが、頭の片隅においてて下さい。」

同朋N メールニュース 3月20日版より転載

【被災地からの声】

☆仙台市中心部の大谷派僧侶から(3月20日)
  仙台市中心部の避難所は当初は一か所に1000人を超えていましたが、
  今は一つの避難所に40~100人くらいの人が残っている感じです。
  集団避難所へは、毛布や乳幼児用品など集まっていますが、
  各家庭では水も含め不足している人が多いようです。
  市内の自動販売機はほぼ売り切れ。ほとんど物が入っていません。
  どの店も物は少ないけれど長蛇の列です。
  塩釜では曹洞宗や臨済宗の僧侶がボランティアで、
  亡くなった人たちのおとむらいをしているそうです。
  松島の北部では市民課から22日以降に土葬にする旨が回っています。
  どうしても火葬を希望する人は自分で火葬場を探すように、とのことです。

☆原発から30キロ以内の南相馬市在住の大谷派僧侶から(3月20日)
  南相馬市から山形県米沢市近郊に避難してきました。
  現地、山形教区の方々に素早い支援をいただきました。
  他にも近隣教区の支援体制を聞くにつけ大変勇気付けられています。
最終更新:2011年04月22日 08:31
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