2-3

早苗の日記


私はサーナイトの早苗。性格は…そうですね、みんなにはよく冷静だって言われます。
私は今ポケモンセンターのベッドの上で生活しています。
私が発見されたのは1ヶ月前、ご主人様の屋敷の地下でのこと。私は痴呆により記憶を亡くされたご主人様に虐待を受けていました。
そのときのことを私はほとんど覚えてないのですが、発見されたとき私の身体はひどく傷つけられていたそうです。
お医者さんが言うには、私がそのときのことをほとんど覚えていないのは頭部の損傷がひどかったせいだそうです。サーナイトは特に頭部がデリケートに出来ているとのことです。
このベッドで目を覚まして、しばらくは朝から夜まで泣いてばかりいました。悲しみ、恨み、孤独…様々な感情が涙となってわき出てくるようでした。そして何よりもご主人様を愛する気持ちが一番私を苦しめました。
今ではかなり傷も治り、歩くことも話すことも出来ます。昔の仲間も時々遊びに来てくれます。しかし今もなおご主人様への愛は変わらないのです。
そして今日、私にはもう一つの衝撃的な出来事を伝えられました。
「早苗さん、あなたの脳には宿り木の種が植えられています…」



先生は沈痛な面持ちでこう言いました。さらに先生は手術での摘出は100%不可能だと続けました。私は全身から血の気が引くような感覚にみまわれ、めまいがしました。
宿り木の種とは本来ポケモンの皮膚に植え付け、徐々に体力を奪う手段に使われますが、その場合すぐに回復する事が可能です。
脳に植え付けた場合は一体どうなるのか。私は先生に聞くのも怖くて沈黙してしまいました。
「お気の毒ですが…」
先生はぽつりと一言こう言いました。私はもう助からないのかと静かに思いました。
その後の先生の話だと、種は虐待により私の頭部が露出されたとき、ご主人様の手により植えつけられたとのことでした。ここに来てまた、私はご主人様の虐待に苦しめられることになったのです。ご主人様は私がこんなに苦しむということを知っててやったのでしょうか。
この種はご主人様の呪いなのか、それとも愛なのか…。今の私には到底理解することはできません。私はこれから一体どうすればいいのでしょうか。ただ死を待つしかないのでしょうか。また涙が溢れてきました。



昨夜のレントゲン撮影で早苗の頭部に宿り木の種が植え付けられていることが判明した。種は一ヶ月前に植えられていたため、すでに脳に根をはりめぐらせている。よって手術による除去は不可能だろう。
一般に言われる症状だと、宿り木の種を脳に植えると次第に脳は収縮し、徐々に知能を失っていく。幼児化が進む、と言った方がわかりやすいだろうか。
やがて自制心も利かなくなり、いずれは野生の動物のように本能のままに行動するようになる。その後植物状態になり、果ては肉体までも死ぬことになる。
しかしポケモンの場合、上記の症例に当てはまらないケースが多い。突然体中から血を噴出させ果てるポケモン、突然笑いだし呼吸困難で死ぬポケモン、中には症状のでないポケモンなど、基本的に予測不可能である。
サーナイトはポケモンの中では非常に脳の発達が著しいポケモンである。一体どのような変化を起こすのか非常に興味深い。
私は主治医として、また研究員として責任を持って早苗の症状を記録していくつもりだ。そのためならどんなことでもしよう…。


告知を受けて3日が経ちました。しばらくは泣きくれていたけど、今の私は心が嘘のように晴れやかで、とっても気分がいいです。なぜだかわからないけど、体の底から元気になった感じ。
宿り木の種なんてもう怖くない。今の私なら乗り越えらるような気がするんです。
もちろん亡くなられたご主人様を愛する気持ちは変わりません。でも前はその気持ちが負に働いていた感じだったのが、今はそれを前向きに感じられるようになった気がします。恨みや悲しみも微塵も感じなくなりました。
先生は怪訝そうな目で元気な私を見てたけどなんでだろう?良くなってるんだからもっと喜んでくれていいのに。そう、なんで喜んでくれないんだろう?私のことが嫌いなのかな?私は先生のこと嫌いじゃないのに、なんだか不公平かも…。でもまぁいっか。
最近おなかもすぐ空いちゃって、前はご飯半分以上残してたのに、今朝はおかわりまでしちゃいました。
少し身体がおかしいのかな。でもまぁいっか。元気なんだし。



最近毎日退屈で仕方ありません。こんなに元気なのに外にも出してもらえない。私はこんなに元気なのに…。なんだかイライラしてしまいます。私はこんなに暇を持て余してしてるのに、周りはみんな忙しそう、楽しそう、なんか不公平だよ…。
本でも読もうかと思うけど、なんか難しい字ばっかりで全然読む気がしない。2、3ページで眠くなっちゃう。前はよくこんな本読んでたなぁなんて思います。
でもこうしてる間もつらいことを忘れてるような気がするから、まぁいっかとも思います。
あと最近なんだかときどき変な気分になることがあります。ご主人様のことをずっと思っていると、なんだか頭がぼーっとして気持ち良くなってくるのです。こんなこと初めて。今まで感じたことのない素敵な感覚です。
それも普通のご主人様じゃなく…こう…ぼんやりなんだけど…血?なんだろう、なんだかわからないけど、気持ちイイ…。ちょっと書くのを中断します。


今日もあいかわらず元気です。ただ少し気になることが。私絶対変です。今朝何食べたかとか、今まで誰と話していたかとか、ときどき思い出せないんです。昔のことがまるで昨日のように思うことがあるし…。こんなの絶対おかしいよ。身体だってどこも悪くないのに…。
それとご主人様のことを思うと、だんだんその…下の方が熱くなって、変な緑の液が出てきます。考え始めるとすごく気持ちよくなって他のことが何も考えられなくなって…ご主人様が好きな気持ちでいっぱいになります。
しかも私が想像するご主人様はなぜかいつも血まみれで、うーうー言いながらこちらに近づいてくるのです。こうして日記をつけてる間にも少しぬるぬるしてきました。
いつも先生に相談したいと思ってるけど、こんな不謹慎なこと想像してるなんて恥ずかしくてとても言えません。
ちょっと我慢できない…。いったん中断。



私、自分が怖い…。何も思い出せないし気持ちいいことばっかりしちゃう。このままじゃ私どうにかなっちゃうよ。
それに大好きなご主人様が頭の中で傷だらけになればなるほど私…喜んでる…?
何度も気持ちよくなってるうちにどんどん頭がマヒして大切なこと忘れてる。このままじゃ今みたいに私自分の考えも持てなくなっちゃいそう…。いったい何が原因でこんな風になっちゃったの?わからないよ。怖いよ。



もういいの私、全部忘れちゃっても。今までなんかすごく怖かったけど、なんかどうでもよくなっちゃった。だって全部忘れてもご主人様のことだけは絶対忘れないから。
私ご主人様が好き。昨日だって遊びに来てくれたし、今日もたくさん話したんだよ。
でもなんかいやなのはね、最近先生が私のこと子供扱いしてること。早苗ちゃ~んなんて呼んじゃってさ、私もう子供じゃないのに。
あの先生死んじゃうとこ見てみたいなぁ。それもすごく派手に死んじゃうの。いろんなとこから血を出して、皮膚なんてほとんどはげちゃってて、もういたいいたいって飛び回るの。ほんといつかそうしてあげたいなぁ。
いやっ、また私おもらししちゃった。恥ずかしい。こんなんだから子供扱いされるのかな。シーツ湿っちゃったけどいいや、ほっといて。
とりあえず早く気持ちよくなりたいからまたね。

ここ数日の早苗の変化には目を見張るものがある。
まず少しずつではあるが、しゃべり方が幼くなってきた。知能が低下してきている証拠だ。記憶も曖昧になってきているだろう。
それと毎日自慰行為にふけるようになった。これは性欲を満たそうという本能の表れだ。昼夜を問わず何度も快楽を求めようとする。
最大の疑問なのが、一体何に欲情しているかということだ。何かを想像しながらのようだが、未だに不明だ。
なので近々早苗の自慰行為の要因がなんなのかを解明するための実験を行おうと思う。
前にも言ったが、私は早苗の変化を記録するためならどんなことでもするつもりだ…。



今日私は早苗が自慰行為を始めようとするときを見計らって一人の男看護士を投入することにした。人間のオスに早苗は一体どんな反応を示すだろう。
私はマジックミラーごしに早苗の部屋を観察している。声は中にしかけた小型マイクによりよく聞こえる。
「ん……んん…あ…ぁあ…」
早苗がいつものように声を上げ始めた。
「早苗ちゃん、どうしたの?どこか痛いの?」
そこへ看護士が登場。わかっていながらしらじらしいものだ。早苗は動揺することなく自慰行為を続けている。羞恥心はすでに無いらしい。
「あ…かんごしさん…あっ…いまとってもぉっ…きっきもちいいからぁっ……ひゃんっ!…さなえね、んっ…もっとね…もっときもちよくなりたいよぉっ…ん!あぁあぁ!…イイよぉ…イイよおぉ……あああっ!」
早苗はあっけなくイってしまった。サーナイトというのは感じやすいのだろうか。早苗は仰向けで股に手を突っ込んだままだらしなく寝ている。看護士は小声で「どうします?」と聞いてきた。
私は少々期待はずれだったがこれ以上何もすることはない。看護士に部屋を出るよう指示を出そうとした、そのとき、早苗がむくりと身体を起こした。再び私の期待が胸を踊らす。



「さ早苗ちゃん!大丈夫かい?」
看護士も慌てている。早苗は肩で息をしながら、潤んだ瞳を看護士に向けた。
「かんごしさん、あたしね、いまからかんごしさんといっぱいきもちよくなりたいよぉ。もうがまんできないよ…」
早苗の頬は上気してピンク色に染まり、大人でも子供でもない、そんな色気を醸し出していた。看護士も戸惑っているが、やがてふらふらっと早苗の方へ近づいていった。
「早苗ちゃん…」
看護士は早苗の腰に手を回し顔を撫で回すようにキスを始めた。しかしさっきあれほど喘いでいた早苗はぴくりともしない。まるで無反応だ。
「……っはぁ、早苗ちゃん…?」
看護士も気づいたようだ。
「かんごしさん…うれしいよぉ!」
早苗は素早く看護士の首を片手で鷲掴みにし、ぐっとしめ上げた。
「ぐ…!!な…に…やめ…んだ…!さ…な…」
「ああ!!さなえはいまかんごしさんをとりさんみたいにしめてるよぉ!ああ!あんあんあんあんあん!!」
早苗の手はしっかりと看護士の首に食い込んでいる。
「~~~!!」
看護士の顔が赤紫色に変色し始めた。
「あんっいいーー!!いっちゃうー!!あんあぁああ!!」
早苗は首をぶんぶん左右に振りながら叫び続けた。




やがて看護士は身体を小刻みに震わせながら口から泡を吹き始めた。
「ぶくぶくいってるよぉ!かんごしさんのいやらしいあわがイイのぉ!あーんイっちゃうー!」
早苗は歓喜の声を上げる。もう片方の手で常に股間を擦り上げている。股間からは緑色の液体がてろてろと光を放つ。
「あーんいくー!いくー!あー…!あー…」
早苗は今度は静かにイった。早苗から解放された看護士はドサっと音を立ててその場に崩れ落ちた。ここからは確認できないがどうやら死んでしまったようだ。辺りは一瞬のうちに静まり返る。
私は前から早苗はどこかに残虐性を秘めていると感じていたが、あの残酷さは性欲からきているのか。これは実に興味深い結論である。あの看護士には悪いが、もう少し様子を見てみよう。
しばらくしてまたむくりと早苗が起きあがった。
「かんごしさん…かわいい…」
そう言って看護士の死体の頭部を自分の膝に乗せた。膝枕の体勢だ。看護士は苦悶に満ちた形相で天井を見つめている。
早苗はしばらく死体の鼻をつまんだりして遊んでいたが、いきなり死体の目に指を突っ込んだ。ゆっくりと引っぱり始める。ぷちぷちという音が部屋を包み込む。


にゅるにゅると眼球が引っ張り出される。また早苗の下半身から緑色の液体がたらたら溢れてきた。
「はぁっ、はぁ…」
早苗は片手で眼球をつかみ、もう片方で股間を刺激している。
「ぶちぶち!」
眼球のつながっている部分を引きちぎり、しばらくしてひょいと眼球を口に放り入れた。
「ちゅばちゅばちゅばちゅばちゅばちゅばちゅばちゅばちゅばちゅばちゅばちゅばちゅばちゅばちゅば…」
音が部屋中に響きわたる。
「んふぅ…!っうふぅ…!……んん!ああん!」
口の端から大量の涎が泡を立てながら流れ出ている。
「んはぁっ、めんたまおいひい!おいひい!…ふぅん!あん!」
早苗は素早くもう片方の眼球も引き抜き、口に含んでいた眼球と交換した。そしてまた激しく舐め始める。
「ちゅばちゅばちゅばちゅばちゅばちゅばちゅばちゅばちゅばちゅばちゅばちゅばちゅばちゅばちゅば…」
早苗はうつろな目で宙を見つめている。口からはあぶくが塊となって流れ落ちる。
「う!んん!ぅん!あん!あん!あん!はん!はん!はん!ぁん!あんっ!」
自分でリズムを作って股間をピストンしている。



「あんああんあんあーあはひもうどうひひゃっらんらろー」
今のは「私もうどうしちゃったんだろう」と言ったようだ。
突然早苗はポンと眼球を吐き出した。
「どんどんいやらしくなっちゃうよ~!!はんっはんっはんっはんっはんっはんんんご主人様ぁ~!!ああああん!!」
いまだにご主人様か…。さっきまでの行為も頭の中ではご主人様を思い浮かべていたのかもしれない。
「ご主人様ぁ!そんなに…あっ…さわらないでっ…っ~!あたしはこんなにぃ!…いやらしくてっ…ここんなに…っ…変っっなのぉっ!…んっ…!あん!ご主人様にさわれてキモチいいよぉ!!あん!ひゃあん!!」
早苗の奥に秘めた想い…それが一気にはじけたようだ。しかし一つだけ言えるのは、早苗の性欲を支配しているのは「ご主人様」であり、早苗の中にはこれしか残っていないのだ。
早苗が血や死体に興奮するのも「ご主人様」の最期の姿が原因なのかもしれない。



「もっとぉ!もっとやってぇあああイイよぉ!しんじゃうしんじゃうししんじゃうぅぅぅぅぁあああ~いやぁあああ~!!!」
早苗は叫び声を上げながら後ろにぺたんと倒れてしまった。またも早苗はイってしまったようだ。
口の端からは唾液が一本の透明な筋を描き、目は半開きのまま怪しい光を放っている。股間から流れ出る粘液はベッドの鉄筋から滴り落ち、緑色の水たまりを作っている。早苗はまるでこの世のものではないほどの色気を放っていた。
人間もポケモンも越えた特別な者、まさに愛だけを追い続けた者の姿…。

早苗はそのまま寝息を立てて眠ってしまった。
さすがに死体を放っておくのはまずい。異臭騒ぎになったら事(こと)だ。だがさすがに何も無くなったら早苗も寂しいだろうから、目玉だけは残しといてやろう。
ふぅ、ずっと実況していたせいでかなり目が疲れてしまった。私も休むことにしよう。


~エピローグ~

翌朝、早苗は何事もなかったかのように目玉をころころと口で転がしていた。
たまに手で目玉を口から取り出すのだが、その様はまるでキスの別れ際のようだ。舌を名残惜しそうに突き出し、さらに名残惜しそうに白い唾液の糸をゆっくりと引く。
その糸が切れてしまったとき、早苗はこの上なく悲しい表情を見せる。しかしまたしばらくすると、何事もなかったかのように目玉をパクっと口に放り込む。そして笑顔でおいしそうにちゅぱちゅぱ音を立ててなめ始める。
何度も求め…何度も悲しみ…何度も忘れ…この連鎖はまるで、早苗の運命を表しているようではないか。
この先早苗は言葉も理解できなくなり、ますます性欲に支配されるだろう。大好きなご主人様もいつまで覚えていられるかわからない。

だが私は責任を持って早苗を最期まで見届けよう。そのためならどんなことでもするつもりだ。

最終更新:2011年04月16日 14:21
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。