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ピカチュウ虐

作者:ピカチュウ虐殺


俺が初めて手にしたポケモンは、でんきねずみポケモンのピカチュウだった。
…本当はヒトカゲやフシギダネの方がよかったのだが、運悪く、ちゃんとポケモンを選ぶ前に捕獲してしまったのだ。事故、と言った方がいいだろうか。
突然出てきたピカチュウに、うっかり腰につけていたボールを投げつけてしまったのだ。
勿論、体力を減らしていないポケモンがそうやすやすと捕まるワケではないのだが、何故かこのピカチュウは糸も簡単に捕獲できてしまった。
その時はそのまま逃がすのも惜しくなって、仕方なくそのまま連れて行ったのだが、研究所では既にポケモンを持っている、と追い返されてしまう始末。
俺は心底頭にきていた。

家路につくと、急いで俺は自分の部屋へと急いだ。途中、台所でゴム手袋を取る事を忘れずに…。

部屋の扉を開けると、中は俺が出て行ったときよりも綺麗になっていた。
母のせいだろうか…俺がいないうちに勝手に漁りやがって…。俺は舌打ちをすると、自分のベッドに腰掛けた。
腰のボールを取り外して中を見てみると、ピカチュウがこちらを向いているのが見えた。
戦闘に出してくれると勘違いしているのだろうか…、俺はボールを床に投げ、ピカチュウを出した。
「ピッカー!」
喜んでいるのか、興味があるのかピカチュウは辺りをきょろきょろ見回している。
まるで秘密基地にでもきた子供のようだ。と、ピカチュウは俺の方を向いた。
「ピカピカ!」
足に頬を摺り寄せてくるピカチュウ。…――俺の中で何かがはじけた。

がっ、と音がしたかと思うと、ピカチュウは壁に叩きつけられていた。俺が蹴り飛ばしたのだ。
「ビガァッ」
にぶい鳴き声とともに、ピカチュウは床にはいつくばった。クリーンヒットだったのだろうか。


俺はニヤリ、と笑みを浮かべると、台所から拝借してきたゴム手袋を手にし、そのままピカチュウの元へと歩きよった。相変わらずピカチュウは苦しそうに息をしている。弱いな、と俺は思った。
「御前がいなければ、もっといいポケモンがもらえたのに…」
俺はピカチュウの耳を引っ掴むと、そのまま持ち上げた。ピカチュウが暴れ出す。
「ピカァピカァッ!」
ぱちぱちと電気を出しているつもりなのだろうが、いかんせんレベルの低いピカチュウなんかの電気をゴム手袋が通すハズもなく、俺には何のダメージもなかった。
俺は耳をもった手に力を込めると、そのまま壁に思い切りぶつけた。
「御前なんかがいると邪魔なんだよッ!!」
べしゃっ、と音がして、ピカチュウの体は壁にはりつく。俺は何度もそれを繰り返した。

そのうち、壁には紅い点が出来始め、やっとやめた時にはピカチュウの顔は真っ赤な血で染まっていた。
勿論、壁も、だ。真っ赤に染め上げられた壁を見、俺はピカチュウを自分の目の高さにやった。
血で汚れた顔は、鼻の部分がぺしゃんこになっており、目線はどこを見ているのかわからなかった。
ただ、まだ意識はあるらしく俺の手から逃れようと必死に手足を動かしている。俺はピカチュウのその無様な顔を笑いつつ、言ってやった。
「御前のせいでこんなに壁が汚れたぞ、どうしてくれるんだ?」
目を釣り上げてせせら笑う俺に、ピカチュウは嫌悪感を感じたのだろうか、またぱちぱちと電気をはねさせ始めたのだ。俺は笑った。
「そんなちゃちな電気で何ができる?」
そして、再度ピカチュウを壁に叩きつけようとした瞬間、ピカチュウの電撃は俺の顔面に向かって飛んできたのだ。


慌ててよけようとするが、よけきれず、電撃は俺の顔面に命中した。
ばりっ、とした電気特有の痛みが顔を刺激する。俺はピカチュウの耳を手放し、自分の顔を抑えた。
そう大した電気でなくとも、やはり無防備な顔面を狙われるとは予想外だったのだ。
ただ嬲り殺されるハズだったピカチュウの反撃。
あのピカチュウがそこまでたてついたことに、俺の怒りはピークに達した。
「くっ、貴様ァッ!!!」
逃げようとしていたピカチュウのシッポを掴み上げると、そのまままるでスイングをするかのように壁にピカチュウを打ち付けた。
「ビガァッ、ビガッ!!!」
ぶつけるたびに、やめてくれ、と懇願でもしているのだろうか、ピカチュウは悲鳴を上げる。
だんだんとそれが心地よくなってきた俺は更に力を込め、ピカチュウを壁に打ち続けた。
血しぶきがそこらじゅうに飛び散り、俺とピカチュウの周辺は瞬く間に真っ赤に染め上げられた。
ばんばん、と壁を叩く音が響く。近所迷惑、という言葉が頭を過ぎったが、この行為に夢中になっていたせいか、俺はやめる事をしなかった。
それどころか、今度は床にもピカチュウを打ちつけた。


「ベガヂュッ!!!」
べしゃぁ!、と這い蹲るピカチュウ。再度持ち上げると、ピカチュウの顔面からどろりとした液体が垂れ出てきた。俺はピカチュウの顔面を見やった。
どうやら眼球が潰れて、頭蓋骨が破損したらしく、両目の穴から脳髄が出ていたのだ。
顔面は血塗れ、両目の穴からは脳髄。その、まるでさながらB級映画でも見ているようなピカチュウの顔面に、俺は思わず吹き出した。
「ぶははははっっ!なんだよこれっ!?まるでゾンビじゃぁないかっ!」

はははは、と笑い続けているうちに、バン、と扉の外から音がした。
「ッ!!」
いきなりの事に驚いた俺はうっかりピカチュウのシッポを放してしまった。べちゃ、と床に落ちるピカチュウ。俺は扉の方を向いた。
「アンタ何やってんの!さっきからバンバンと煩いのよっ!!」
――母親だった。俺は慌てて、自分と自分の周りを見渡した。
ピカチュウの血液で真っ赤になった部屋は、到底人に見せられるようなもんじゃない。
俺自身も真っ赤な血で汚れている。――くそ、このシャツ気に入ってたのに…。
「解ったよ!そろそろ飯食いに行くからさ!」
俺は適当にそう言うと、ピカチュウの尻尾を掴み上げた。だらんとしたピカチュウからはまだ血と脳髄が出ている。
「もう、早くくるのよ。」
母親はそう言うと、扉の前から消えていった。ぎしぎしと廊下を歩く音がする。

その音が遠くなり、聞こえなくなった後、俺は慌ててピカチュウをビニール袋に押し込んだ。
部屋の掃除は後でできたが、このピカチュウだけは何とかしなければならない。
俺は窓の方に駆け寄ると、そのまま窓の外にビニール袋を放り出した。ぽぉん、と飛んでいくビニール袋。
それは近くの草むらに落ちた。…多分、あのままだと野生のポケモンの餌になるかな…。
「…はぁ…」
俺は軽く溜息を吐くと、母親に見つからないように風呂場へと足を進めた。

――
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