青少年なんちゃら法



 イリス・シャトーブリアン。10歳。
 北条沙都子。年齢しらんけど小学生。
 灰原哀。一応小学一年生。

 ここに集ったのは、三人の幼女。
 近くの遊園地は彼女たちの年を考えるとおあつらえ向きだった。
 子供にとって、遊園地とは近くに寄るだけで身体がそちらへ動いてしまうもの……

 ……が


「アイリスあの遊園地で遊ぶんだもん!」

「だから、今はそれどころじゃありませんのよ!」

「子供っぽいことを言ってないで、早く大人と合流しないとならないわ」

「アイリス子供じゃないもん!」


 その精神が大人びている哀、普通の子供である沙都子、年齢より子供っぽいアイリス。
 彼女たちはなりが子供である以上、うまくことを運べないのも無理はなかった。
 だいたい、幼女に殺し合いは無理だ。


「だいたい、今行ったって、たぶん何も動いてませんわよ?」

「そうね。あんな遊園地を動かすことに意味がないもの」


 観覧車やジェットコースターが見える。
 見た限りでは、それらは動いていないように見える。
 そこに遊園地があるのはわかるが、それが遊具があるだけで、意味のないものだというのはすぐにわかった。


(うん……? ということは、無人ですわよね)


 沙都子がこのとき、あることを閃いた。


「アイリスさん、哀さん……私たち、あの遊園地に立てこもるのはどうです?」

「え?」

「今、私たちはあの遊園地に寄る暇はないと言いましたわよね? なら、ほかの人たちも同じことを思うのでは? もしかしたら、あそこが一番安全なのかも……」

「なるほど。確かに。良いところに目をつけたわね」


 哀もおよそ賛同的だった。
 確かに、このメンツでうろうろしているよりは、立てこもって情報を練るほうがいいかもしれない。
 だいたい、この三人はここで偶然会ったばかりだ。


「きっまり~! じゃあじゃあ、早く行こう、哀、沙都子!」


 おそらくフランス人だが、彼女は日本語がペラペラだった。
 日本で長いこと育ったか、或いは自力で覚えたか。……前者の可能性が高いか。
 哀も沙都子も、そう認識している。アイリスは見たところ、普通の女の子だ。服が豪奢で、人形のようななりをしているが。


「仕方ないわね……私たちのことも、向こうで詳しく話しましょう。まだ名前くらいしか聞いてないし」

「そうでございますわね」


 瞬間──。


「《ピーッ》《ピーッ》《ピーッ》《ピーッ》」


 背後から叫ばれた、謎の声に全てが凍る。
 その声が、何と叫んでいたのか聞き取った沙都子と哀は、すぐにその声と逆方向に走り出した。 


「《ピーッ》《ピーッ》《ピーッ》《ピーッ》!!!!」


 その声は、規制がかかるほどに下品な言葉であった。
 何故、彼がそういう言葉を叫び続けているのかはわからないが、とにかく異常な性癖の持ち主なのだろう。
 幼女相手にこんな言葉を叫び続けるとは……まあ、不審者の類だろう。


「え? 《ピーッ》って何──」

「いいから早く遊園地に行きなさい!」

「まだ知らなくていいことでございますわ!」


 アイリスを連れ、そそくさと彼女たちは遊園地に入っていった。
 その顔が羞恥のあまり赤く染まっていたのを、アイリスはなんとなく見ていた。

 欲望の限りを言葉にした、あの男に真っ先に出会ってしまったのが幼女だったのが何よりのミス。
 本当に何をするかわからないタイプの人間だろう。
 たとえば、殺しとか──。

 そんな思いをめぐらせながら、彼女たちは遊園地の入り口の門を潜った。



【1日目 深夜/H-6 遊園地】

【イリス・シャトーブリアン@サクラ大戦】
【状態】健康
【装備】不明
【道具】基本支給品一式、ランダム支給品1~3
【思考・状況】
基本行動方針:殺し合いには乗らない。
1:とりあえず遊園地に入る。
2:哀、沙都子と行動する。
3:《ピーッ》って何……?
※十歳の誕生日終了あたりからの参戦です。


【灰原哀@名探偵コナン】
【状態】健康
【装備】不明
【道具】基本支給品一式、ランダム支給品1~3
【思考・状況】
基本行動方針:打倒主催者。
1:遊園地で情報交換。
2:不審人物から逃げる。
3:沙都子、アイリスと行動する。


【北条沙都子@ひぐらしのなく頃に】
【状態】健康
【装備】不明
【道具】基本支給品一式、ランダム支給品1~3
【思考・状況】
基本行動方針:打倒主催者。
1:遊園地で情報交換。
2:不審人物から逃げる。
3:哀、アイリスと行動する。



★ ★ ★ ★ ★



「《ピーッ》《ピーッ》《ピーッ》《ピーッ》!! ああ、満足した……」


 このreionikusuという男が叫び続けたのは、性的興奮を抑えるためであった。
 卑猥な発言をしまくることで、ストレスと興奮を同時に発散させたのである。


「とりあえず遊園地にでも行くか……」


 reionikusuは歩く。
 また、すぐにやってくるこの放送コードぎりぎりの衝動を抱えながら。



【1日目 深夜/H-6 遊園地付近】

【reionikusu@ヒーローズオペレーションF】
【状態】健康、ストレス解消
【装備】不明
【道具】基本支給品一式、ランダム支給品1~3
【思考・状況】
基本行動方針:不明。
1:とりあえず遊園地に入る。
2:性的興奮やストレスがやってきたら、とりあえず《ピーッ》と叫ぶ。

011:鳴神さんより大神さん 投下順 013:人の自由を奪う 種アンチを倒せ
011:鳴神さんより大神さん 時系列順 013:人の自由を奪う 種アンチを倒せ
初登場 イリス・シャトーブリアン 048:正義と忠義
初登場 灰原哀 048:正義と忠義
初登場 北条沙都子 048:正義と忠義
初登場 reionikusu 048:正義と忠義

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最終更新:2011年08月10日 23:29