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ヒーロー最大の危機




 涼村暁は、その明晰な頭脳をもって、この殺し合いの攻略法を思いつくことに成功した。
 それは彼だからこそ──彼でなければできない方法である。


「ずっと変身して歩いてればいいじゃん!」


 燦然と輝くヒーロー・超光戦士シャンゼリオン。
 彼はその姿を月明かりに照らされながら、堂々と歩いていく。
 誰が彼に寄るものか。誰が彼と会話をしようと思うものか。
 確かに襲われることもないし、強い相手に出会っても対処はできるが、こういう行動に出るのは少々短絡的な思考だ。
 それに、この殺し合いゲームには「人外の存在」に上手に対応できない人間もいる。


「────人外の存在を確認。殲滅する」


 ほら。
 シャンゼリオンの目の前に、美女が現われたかと思えば即座に彼に手榴弾を投げた。
 彼女の名は西条凪。ナイトレイダーの一員で、人外の相手にも立ち向かえる勇気をもった女性だ。その厳格で、スペースビーストへの恨みの強い性格ゆえ、逃げるよりもまず手が出てしまうのは難点だろうか。
 シャンゼリオンとはいえ、手榴弾は効いた。「げげっ!」と驚いて、頭を両手で隠して逃げていく。


「待てっ!」

「待つかバカ! 勘弁してくれ~~~!」


 美女が大好きな暁でも、この相手はまずいと判断した。言ってみるなら、そう──小夜子、あいつのような認識だ。とにかく、ヤバい。かかわりたくない。そんな相手だ。
 手榴弾をいくつ持っているかはわからないが、支給数は一つではなさそうだ。
 シャンゼリオンは必死で逃げる。今のところ、最初の一撃以外に大きな危害はなかった。しかし、止まれない。止まったら間違いなく次の危害が来るだろう。


「しめたっ!」


 シャンゼリオンは目の前に川があることに気付いた。
 さすがにここまでは追ってこれまい。流されていくのはきついが、まあ手榴弾で爆破されるよりは……。
 暁は粉々に砕け散るシャンゼリオンの姿を想像する。
 それは、非常にまずいことだ。バラバラになったシャンゼリオンの破片を見て、「まあ、綺麗」と金粉を浴びるこの女の姿がイメージされる。

 だが、シャンゼリオンは気付く。
 この川は浅すぎる。流れに乗って下流までいけるだろうか。
 とりあえず、後ろから凪が追ってくるのを確認して、川の流れに沿って道を下る。多少動きにくいが、仕方ない。
 後方を確認したら、ふっと、足が下がった。急に深くなったらしい。それも、進むたびに結構深くなる。
 なるほど、これはこのまま身体を埋めて流れていけそうだ。


「ひええええええ~~~~~~っっっ!!!」


 勿論、深くなればそれだけ流れも速くなる。
 そんなとき、凪は追えないと悟り、川の先の方に手榴弾を投げた。


 ドカァァァァンッ!!!


 水柱が立ち、轟音が鳴った。おそらくあの敵も生きてはいまい、と凪は思った。
 どうやら、このゲームではああいう存在はいっぱいいるらしい。あの怪物の装備を奪えれば、他の敵にも対処できたが……。
 まあ、手榴弾は三つ残っていた。なんとかなる範囲ではあるだろう。


(うまく石堀隊員と合流できれば心強いが……)


 彼女がここに来たのは、弧門隊員が現われ、ウルトラマンを目の当たりにする少し前のこと。
 もちろん、ウルトラマンのような人外の存在は一切認めていないし、場合によっては射殺する(というか、主にそれが目的なのだが)。
 武装があまり支給されなかったのは問題だ。手榴弾のほかは、ラーメンのレシピだけが支給されていた。デイパックが物理構造としてはおかしく、無限にものが入るようになっていたから、捨てずにデイパックに入っているが、おそらくはこの先使うことはないだろう。使うにしても、裏面をメモにする程度か。


【1日目 深夜/B-6 草原】

【西条凪@ウルトラマンネクサス】
【状態】健康
【装備】手榴弾(3/5)@超光戦士シャンゼリオン
【道具】基本支給品一式、アキトのラーメンのレシピ@機動戦艦ナデシコ
【思考・状況】
基本行動方針:殺し合いを潰す。
1:石堀隊員との合流。
2:殺し合いに乗るものには容赦しない。
3:人外の存在を相手には容赦しない。
※参戦時期は第1話開始以前。石堀以外の参戦キャラの名前を知りません。



★ ★ ★ ★ ★



「ああ、この人どうしよう……」


 白井虎太郎は川で気絶していた男性を救助していた。暁である。
 一度深くなっていた川だが、虎太郎が助けた頃には既に川は浅く、助けた虎太郎もズボンの裾が濡れた程度だった。
 とりあえず、状態が良くなかったので応急処置をした。呼吸すら危うい暁に、虎太郎ができたのは心臓を圧迫したり、あと人工呼吸────やめよう、虎太郎としても思い出したくない。
 まだ時間もあまり経っていなかったこともあって、一命は取り留めたが、目を覚まさない状態が続いている。


「この人の支給品も流れちゃったみたいだし……」


 暁と一緒にデイパックや、その中に入っていたと思われる何かが流れてきたが、暁の救助を優先したため、デイパックも、その何かも流れてしまったらしい。
 虎太郎の見る限り、この辺りに休めそうな場所はないし、仕方なくここで待機することにした。
 一応は、何かハプニングがあるか、或いは暁が目を覚まして自分で動けるようになるまでは、だ。
 一緒に行動するかは後で考えればいい。この人にも意思はある。悪い人だったら、虎太郎は支給された警棒でガツンと一発! ……そういえば、この人は体育館にいたあの浅倉という人物に似ている気がする。


「まあ、別人だよな……」


 そう思いながら、虎太郎は体育座りでパンを食べ始めた。



【1日目 深夜/D-6 草原】

【白井虎太郎@仮面ライダー剣】
【状態】健康 ズボンの裾が濡れてる
【装備】警棒@現実
【道具】基本支給品一式、ランダム支給品0~2
【思考・状況】
基本行動方針:殺し合いには乗らない。
1:とりあえず、この人をどうにかする。


【涼村暁@超光戦士シャンゼリオン】
【状態】全身に強いダメージ、気絶、かなりの疲労、全身びしょ濡れ、シャンゼリオンに二時間変身不可
【装備】なし
【道具】なし
【思考・状況】
基本行動方針:殺し合いには乗らないけど死にたくない。
1:凪(名前は知らない)への恐怖でいっぱい。
※デイパックとシャンバイザー@超光戦士シャンゼリオンは流されました。
※参戦時期は本編後半です(小夜子を知っているため)。


002:皇帝の手駒 投下順 004:狂気の沙汰ほど面白い
002:皇帝の手駒 時系列順 004:狂気の沙汰ほど面白い
初登場 西条凪 084:DEAD OR ALIVE
初登場 白井虎太郎 038:目が覚めて
初登場 涼村暁 038:目が覚めて
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