王を超える切り札



歩く度に右足の傷が痛む。だが、休むことは許されない。
心を支配する邪悪なるアンデッドに打ち勝つことができない限り――

上城睦月は未だに参加者を捜索していた。
ここに来て出会った人間はカミキリムシの異形に変身した男だけだ。
奴との戦闘後から四時間以上は経っているが他の参加者は見つからない。

「誰も殺せないまま放送を聞くことになるかもしれないな……」

空はだんだん明るくなってきている。第一回放送が始まるまであまり時間がない。
参加者が見つからない現状に彼は苛立ちを覚え始める。
そんな時だった。街の入り口に視線を向けて倒れている黒い何かを見つけたのは。

「あれは何だ?」

視線の先に倒れている者に興味を持った睦月は近づいていく。
自分との距離が数メートルになった瞬間、それが何なのか判明する。
黒い全身に緑の顔を持つ怪人。睦月はそれに見覚えがあった。

「ジョーカー…!!」

眼前には最強のアンデッド、ジョーカーが倒れている。
喉元と心臓から大量の緑の血液が流れた跡があり、既に息をしていない。
本気で誰かと殺し合って死んだのか。それとも誰かを庇って死んだのか。
死因など当事者ではない睦月には分からない。

「カードは取られなかったようだな」

ジョーカーのベルトの側面のカードボックスからカードを取り出す。
デイバックはないが9枚のカードだけは無事だった。
彼の手にあるのはハートのA~9までのラウズカード。
持っておいて損はしないと思いながら懐にそれを入れておいた。

―奴を封印しろ―

そして、邪悪なアンデッドが睦月に語りかけてくる。
彼は黙ってそれに従い、コモンブランクをジョーカーに落とした。
カードが身体の上に落ち、光を放ちながら吸い込まれていく。
死体が消えてジョーカーのカードが睦月の手に収まった。
その瞬間、睦月はあることを閃いた。

「アブゾーバーでこれを取り込めばキングフォームを超えられるんじゃないのか…?」

ジョーカーの力はカテゴリKのアンデッドすら上回るものだ。
それと融合すれば、キングフォームを超える力を手に入れることができる。
剣崎や橘、先程戦った黒いカミキリムシの戦士など敵ではなくなるのだ。

カードを増やしたことで上機嫌になった睦月は再び参加者を捜し始めた。

【1日目 早朝/D-7 街付近】

【上城睦月@仮面ライダー剣】
【状態】右足にビームによる傷、疲労(中)
【装備】レンゲルバックル@仮面ライダー剣、ラウズカード(クラブA~10,ハートA~9,ジョーカー(黒))@仮面ライダー剣、ラウズアブゾーバー(B)@仮面ライダー剣
【道具】基本支給品一式
【思考・状況】
基本行動方針:優勝し、最強の仮面ライダーであることを証明する。
1:戦力増強のため、ラウズカードを集める(クラブのQとK優先)
2:クラブのQを手に入れたらジョーカーフォームを試してみたい。
3:参加者を捜し続ける。見つけた相手は倒す。
※スパイダーアンデッドに支配されていた頃からの参戦です。
※リモートのアンデッド解放時間は1分だけ(下級アンデッドも上級アンデッドも弱体化します)

080:爆発!爆発!大爆発! 投下順 082:怪獣使いとウルトラマン
080:爆発!爆発!大爆発! 時系列順 083:剣士の片思い
053:君はなぜ戦い続けるのか 上城睦月

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最終更新:2011年09月25日 00:23