最強であることを証明するために



「最後まで勝ち残って俺が最強であることを証明してやる!」
上城睦月の心は邪悪なアンデッドに支配されていた。
目的はバトルロワイアルで優勝することだ。
そして、自分が最強の仮面ライダーであることを証明する。
名簿には剣崎一真、橘朔也、相川始の名が記されていた。いずれも一筋縄ではいかない相手だ。
しかし、必要な道具を集めることができれば勝てる可能性は充分にあった。
睦月にはラウズアブゾーバーとハートのJが支給されている。前者は上級アンデッドの力を取り込むためのツールだ。
クラブのQとKを入手すれば、キングフォームへの変身が可能になる。
まずは参加者を殺しつつ、必要なラウズカードを集める。剣崎達と戦うのはそれからでいい。行動方針を打ち出した睦月は動き始める。

ファミレス、ゲームセンター、コンビニなど、視界に入る建物が次々と変わっていく。
しかし、人の気配は全くない。そんな中でも睦月は動揺することなく黙々と進む。
歩いている内に睦月は黒ずくめの男を発見する。まだこちらには気づいていないようだ。
奴を殺すため、懐からレンゲルバックルとAのカードを取り出す。
睦月はカードを装填したレンゲルバックルを腰に起き、左手で顔を覆った。
「変身!」
―OPEN UP―
叫びながら腕を振り下ろす。すると、バックルが開いて目の前に光の板、スピリチアエレメントが現れた。
エレメントが自動的に身体を通過し、睦月を仮面ライダーレンゲルの姿に変える。
レンゲルラウザーを構え、眼前の男に向かっていた。

帽子を深く被った黒ずくめの男がバックの中身を確認している。
基本的な支給品と思われる物の他には一振りの剣が入っていた。
ヘラクレスオオカブトの角を模した短刀、パルセイバーである。
敵対しているビーファイターの武器だが持っておいて損はないだろう。
武器の確かめた後、名簿に目を通してみる。
名前の郡の中から一瞬で宿敵の名前を見つけ出した。
――甲斐拓也
ビーファイターのブルービートであり、自分のオリジナルとも言える存在。
奴を倒したら唯一無二の存在になれる。
そのためにも、拓也は自分自身の手で倒さなければいけない。
「ブルービートを殺す。そして、優勝するのは俺だ!」
シャドーにはもう一つの目的があった。
彼は甲斐拓也のクローンである故、短命である。
しかし、優勝して永遠の命を手に入れたら死の運命を回避できる。
シャドーが決意を固めた時、聞こえてきたのは足音であった。
そして、足音の主から明確な殺意を感じ取ったシャドーはブラックコマンダーを握り締めて叫ぶ。

「邪甲!」

漆黒の昆虫戦士、ブラックビートに姿を変えて振り向く。
その右手のパルセイバーは、振り下ろされた杖をしっかりと受け止めていた。
「ライダーでもアンデッドでもないようだな」
襲撃に失敗したレンゲルはバックステップで距離を置き、カードをラウザーに読み込ませる。
―GEL―
クラゲの不死生物の力を宿し、身体を液状化させて敵の背後に回る。
予想外の出来事だったのかブラックビートは仮面の下で大きく目を開いた。
――真後ろにいるレンゲルからの斬撃は回避できなかった。
インセクトアーマーを切られ、背中から火花を散らしながらブラックビートが飛ぶ。
敵がふらつきながらも立ち上がると同時にレンゲルは新たなカードを使用した。
―BLIZZARD―
強力な冷気を放出し、ブラックビートの足を凍結させる。
(あのカードが能力を解放する鍵ということか。
 厄介な敵だが俺はここで死ぬわけにはいかない!)
足が動けない状態にも関わらず、ブラックビートは逆転の糸口を探る。
その間にもレンゲルは二枚のカードの力を取り込み、迫っていた。
―BLIZZARD GAIE―
拳に冷気を纏ながらレンゲルが走ってくる。
――ジャミングマグナムの火炎モードで足の氷を溶かしている時間はない。
――ジャミングマグナムの光弾には奴を止まらせるほどの威力がない。
絶対絶命のその時、ブラックビートは賭けに出ることにした。

(パルセイバーと合体できるなら勝機はある!!)

ジャミングマグナムと支給品のパルセイバーを合体させ、セイバーマグナムを完成させる。
ビーファイターの持つインプットマグナムと、ブラックビートの持つジャミングマグナムはほぼ同じである。
そのジャミングマグナムがパルセイバーと合体できるのはおかしいことではなかった。
「マキシマムモード!」
銃口を向け、引き金を引く。威力が五倍に強化されたビームはレンゲルの右足を貫いた。
「うわぁっ!!」
攻撃が右足に直撃したレンゲルは無様に転倒するしかなかった。
その隙を利用し、ブラックビートは火炎モードで足元を覆う氷を溶かす。
「やってくれたな!!」
右足に鋭い痛みを感じながらラウザーを杖にしてレンゲルが立ち上がる。
この状況を打開できるのはクラブの9か10のどちらか。それを使うAPはラウザーには残っていない。だが、最後の切札があった。
―FUSION―
黄金の狼が描かれたカードの力でAPを回復する。次に取る行動は決まっていた。
-REMOOT-
用済みになったカードからウルフアンデッドを解放し、ブラックビートに向かわせる。
隙が生じたのを見逃さず、レンゲルは痛みを堪えて全力で逃げ去った。

【1日目 深夜/H-8 街】

【上城睦月@仮面ライダー剣】
【状態】右足にビームによる傷 仮面ライダーレンゲルに変身中
【装備】レンゲルバックル@仮面ライダー剣、ラウズカード(クラブA~10)@仮面ライダー剣、ラウズアブゾーバー(B)@仮面ライダー剣
【道具】基本支給品一式、ランダム支給品0~1
【思考・状況】
基本行動方針:優勝し、最強の仮面ライダーであることを証明する。
1:とりあえず、逃げる。
2:戦力増強のため、ラウズカードを集める(クラブのQとK優先)
※スパイダーアンデッドに支配されていた頃からの参戦です。
※ リモートのアンデッド解放時間は1分だけ(下級アンデッドも上級アンデッドも弱体化します)


「くっ!小癪な真似を!」
ウルフアンデッドのパンチを受けたブラックビートがよろめいた。
再び繰り出されるパンチを避け、パルセイバーで敵の腕を切り裂く。
緑の血を散らしながら後退する相手を確認した後、スティンガービュード・サーベルモードでその腹部を突き刺した。
引き抜くとベルトが開き、ウルフアンデッドが倒れて動かなくなった。
数十秒が経過して落ちていたカードにアンデッドの身体は吸い込まれる。

ブラックビートはラウズカードを拾い、見つめる。
カードで様々な能力を解放する戦士。
強敵ではあるがその力は興味深いものであった。
もし、あの力を手に入れることができれば大きな戦力になるだろう。

【1日目 深夜/H-8 街】

【シャドー@重甲ビーファイター】
【状態】疲労 ブラックビートに変身中
【装備】ブラックコマンダー@重甲ビーファイター、パルセイバー(赤)@重甲ビーファイター、ラウズカード(ハートJ)@仮面ライダー剣
【道具】基本支給品一式、ランダム支給品0~1
【思考・状況】
基本行動方針:優勝し、永遠の命を手に入れる。
1:甲斐拓也は自分の手で倒す。
2:ライダーシステムに興味。

026:月明かり 投下順 028:輪廻
026:月明かり 時系列順 028:輪廻
初登場 上城睦月 053:君はなぜ戦い続けるのか
初登場 シャドー 045:Black × Black

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最終更新:2011年08月14日 13:58