魔法少女と改造人間
鹿目まどか────か。
名簿にあったまどかの名前に、ほむらは溜息をついた。
できれば、こんなことに巻き込まれてほしくない少女の名前である。ほむらは、彼女のためにこそ戦う。彼女が魔法少女とならない未来のために。
だから、彼女に死んでもらっては困るのだ。彼女の未来、そのものが絶たれてしまう。
これは約束だから。
別の世界のまどかとの約束を果たすため、ほむらは武器をとった。
それは、この殺し合いでも同じこと。
まどか以外の参加者には…………悪いが、死んでもらうしかない。
「シーーーット!! こんな場所につれてこられるとはなんたる不覚!!」
ほむらの後方から、異様にハイテンションで機嫌の悪い声が聞こえてきた。
咄嗟に、ほむらも近くの建物に隠れる。物陰から見てみると、メガネをかけたツンツン頭の男性が肩を揺らしながら歩いていた。
スーツを着ていて、いかにも普通の会社員という感じなのだが、台詞や態度はそういう印象を殺している。
「……しかーし。にっくき裏切り者! 本郷猛と一文字隼人を殺せるのなら、ショッカー首領もお喜びになるだろう!」
殺す……?
確かにそう聞こえた。
彼の口から出てきた言葉は、やたらと物騒である。しかし、これをこんな大声で演説して何になるというのか。
その様子に、ほむらは寒気さえ覚えた。
「そう思うでしょう? おじょうさん……」
ゾクッ。
今、ほむらのことを言ったんじゃないか?
この男性、やはり普通の会社員じゃない。ほむらは建物の影から再び覗く。
こちらを凝視しているメガネの男に戦慄した。その表情はにやけているようにも見える。
やはり、気付いていたのか……。
ほむらは仕方が無く、その男の前に姿を現す。
そして──
その姿を魔法少女のものへと変えた。
「ガッデェーム! そちらが特殊な力を持っているというのなら、容赦はしない!」
男の姿もまた、シザーズジャガーのものへと変わる。
少女と異形。二つの「人間だったもの」が対峙する。
それぞれの目的を胸に抱えながら。
【1日目 深夜/F-1 街】
【暁美ほむら@魔法少女まどか☆マギカ】
【状態】健康、魔法少女に変身中
【装備】ソウルジェム@魔法少女まどか☆マギカ
【道具】基本支給品一式、ランダム支給品0~2(確認済み、装備済み?)
【思考・状況】
基本行動方針:まどかのために殺し合いに乗る。
1:まずは目の前の敵を倒す。
【シザーズジャガー@仮面ライダーTHE NEXT】
【状態】健康、怪人に変身中
【装備】不明
【道具】基本支給品一式、ランダム支給品1~3
【思考・状況】
基本行動方針:本郷猛、一文字隼人の抹殺。
1:まずは目の前の敵を倒す。
2:殺し合いをどうにか切り上げる(とりあえず手っ取り早く皆殺し)。
最終更新:2011年08月14日 13:56