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怪獣使いとウルトラマン」(2011/09/25 (日) 00:22:16) の最新版変更点

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*怪獣使いとウルトラマン ----  リョーコの歩みが止まったのは、前方に人影を見た時のことであった。  ジャークムーンのような異形でもないし、そこにいるのはただの男に見える。  或いは、ガイやホッパーのような変身能力をもつ特殊タイプか。  どちらにせよ、今のうちに格闘戦のできる人間を探しておきたかった。  リョーコもパイロットであるため、鍛えてない人間よりはマシだが、それでも男女に能力差があるのは確かだ。  ましてや、バケモノが相手では、勝機があるわけもない……。  とにかく、リョーコは彼が自分にも優る能力の持主かを知りたかった。  リョーコはカードデッキからカードを一枚取り出し、小声で呟いた。 「頼むぜ……」  そのための簡単な方法として、アドベントを翳しメタルゲラスを召喚するという手段を選んだ。  彼女はただ、相手が能力をもつか否かを試すために。今必要なのは、あくまで能力をもつ仲間だ。それ以外の人間は仲間たちの生存確率を上げるために死んでも構わない。  いや、できるなら殺したくは無いが、仕方がないのだ。  この「仮面ライダー」というシステムはモンスターに餌をやることも一つの強化手段らしい。  特殊な力でメタルゲラスを跳ね除けるか、あるいはメタルゲラスに喰われるか────二つに一つだ。  犀のモンスターが、その角を誇るように突き上げながら目の前の男へと走っていった。 ★ ★ ★ ★ ★  大帝国劇場を出た姫矢は、仲間を──或いは帝国華撃団を探すために歩いていた。  ブラストショットもなく、ストーンフリューゲルを呼び出すことも不可能。デュナミストとしての能力はかなり制限されており、ネクサスの変身がどうなのかはまだ、知らない。  試しに使うような力ではないし、今は押し黙り、必要な時に使うのみだ。  姫矢自身の格闘能力もある程度高いし、戦場カメラマンの過去があるゆえ、武器にも詳しく、銃撃戦での隠れ場所などもわかっている。  ──あの忌まわしい過去が、再び活かされることになるとは、姫矢は考えもしなかっただろう。  戦争など無い方がいい。  セラや、姫矢が出会った人々のような犠牲が出ないためにも──。  少なくとも、ここに僅かにでもいる子供たちの死が誰かを幸せにすることは絶対にないはずだ。  そんな事態を絶対に止めることができる仲間として、姫矢は深く関わってきた弧門という男や、文面だけでその能力と使命を評価した帝国華撃団という集団を探すことにした。  彼らと共に人々を護るために。 「……大切な人を、護るために」  弧門たちに助けられて生きてきた彼にできるのは、それを返すことである。  この光で何をすべきか──大切な人を護るための力だと、セラは教えてくれた。 (それに、帰ったら倒さないといけない男がいるからな……)  姫矢は溝呂木眞也──ダークメフィストとの決戦を置いてここにいる。  だから、早々に帰りたかった。この光を受け継いだ者の力を、闇に飲まれた男に見せてやら無ければならない。  そういう思いを抱きながらも、今姫矢の目の前には誰もいない。  捜し人は簡単には見つからなかったのだ。  建物の中にいるのかもしれないが、一つ一つ見回っているヒマはないだろう。  そのまま、時間だけが過ぎていく。  心なしか、だんだんと視界が明るくなっているような気がした。夜闇に目が慣れただけではなさそうだ。 (もう三時か……まだ誰にも会ってないな……)  そんなことを思った瞬間、姫矢はようやく自分以外の生物を見ることとなった。  人じゃない。  いや、見たこともない生き物である。  サイ──その姿は、自分に向かって突進してくるサイのように見えた。  しかし、二足歩行で、体は生物的というよりも機械的であった。 「ビースト!?」  咄嗟に、姫矢はエボルトラスターを翳し、ウルトラマンネクサスに変身する。  その力で、向かってくるサイのモンスターの角を掴み、相手の動きを封殺する。  角を掴んだまま、二、三度敵の腹を蹴ると、ようやく自分がうまく変身できたことに気が付いた。  あらゆる能力が使用できたが、ネクサスへの変身は問題なく使えるということか────その大きさは、姫矢の身の丈と変わらず、巨人とはいえない姿であるのが、いつもと違っていたが。  蹴りの勢いで突き放され、後退したサイのモンスターは、相手との距離が短く勢いが付け難いことを理解した。  攻撃はその短い腕で引っかくように殴るだけである。  そう、この手のモンスターは一定の距離を保つことで攻撃ができなくなるのだ。  まあ、この距離でもその巨体から放たれる角の一撃は充分だと思うのだが、ネクサスに角を押さえられたことをモンスター自身が本能的に恐れているのかもしれない。 「……待てっ!」  距離を保ちながらその肩や脚にパンチやキックを繰り出すネクサスを静止したのか、或いは姫矢を襲うモンスターを静止したのか、物陰から女性の声が響いた。  その口調は女性的ではなかったが、声は女性らしく、可愛らしい。  動きを止め、女性の方を見たのはモンスターの方である。ネクサスはモンスターの方を見て警戒を止めない。  だが、敵の動きが完全に止まっているのを見て、ネクサスもそちらを見た。  緑色の髪の少女が、そちらで険しい顔をしている。  何かに気づいたような、或いは何かを警戒しているような顔である。  ネクサスは人にそれを見られたのを多少気にしたが、相手がウルトラマンの存在について驚愕する様子も怯える様子も見せないため、ネクサスはその場を離れることはしない。 「……いいから、変身を解けよ」  少女は姫矢がウルトラマンになる姿を見ていたのか、そう呟いた。  この少女が何なのか、このビーストと何か関係があるのか──そんな疑問とともに、モンスターの方をちらりと見る。  どうやら、この怪物は今、おとなしいらしい。  変身を解いても問題ないと思い、姫矢は変身を解いた。 ★ ★ ★ ★ ★ 「なるほど……あのビーストは君が操っていたわけか」 「ああ、あんたがどれくらい使えるかを試すためにな」  姫矢とリョーコがアスファルトの上を歩きながら会話をしている。  彼らはともかく、協力は未定として情報交換だけは済ませようとしているのだった。  リョーコのように、怪獣を従わせる能力は興味深かったが、その行動はとても肯定できるようなものではない。  一歩間違えば、殺人だってできてしまうのだ。 「……それで俺が怪我でもしたらどうするつもりだ」 「この殺し合いにはバケモノくらい珍しくねえからな。そんなヤツは、どっちにしろ死んじまうよ……」  リョーコはジャークムーンや一文字隼人と出会ったことについて話すが、それで姫矢が納得するわけもない。  どちらにしろ死ぬからといって、人を殺していいものか。  だいたい、確実に相手がバケモノやウルトラマンであるという保証はないだろう。  何せ、弧門一輝や西条凪、石堀光彦など、このゲームには何人かの人間もいるのだから。 (──どちらにせよ、このリョーコという少女は野放しにできないな)  この少女を一人で放っておくわけにはいかない。危険な能力の持主である。  だから、信用できない相手であっても、彼女は警戒のために共に行動し、監視する。  少なくとも野放しにしていい考え方ではなさそうだった。  それに、その外見や言葉遣いからも判るとおり、おそらくリョーコは不良だ。  更正の余地があるか無いかはともかくとして、何か世の中に不満でもあるなら、できる限り相談に乗りたい。まあ、姫矢自身そういう柄ではないとわかっているのだが、そういう心の闇を付いてくる男もいる。なるべく、人の心ごと闇に染まらせることはしたくなかった。  人の心は、闇よりも光に満ちてほしい、とそう思うようになったから──。 【1日目 黎明/F-5 街】 【姫矢准@ウルトラマンネクサス】 【状態】健康(変身による疲労?)、ネクサスに二時間変身不可 【装備】エボルトラスター@ウルトラマンネクサス 【道具】基本支給品一色、ランダム支給品0~2 【思考・状況】 基本行動方針:殺し合いからの脱出。 1:帝国華撃団や弧門と合流する。 2:帰って溝呂木との決戦に臨む。 3:リョーコの監視。彼女に悩みがあるならば相談に乗る。 ※参戦時期はダークメフィストの決戦中(姫矢編最終回)。 ※大帝国劇場作戦司令室より、帝国華撃団や光武のデータを得ました。 ※メタルゲラスはビーストと呼んでいます。本編のビーストと同一と考えているというより、怪獣の総称として呼んでいます。 ※ジャークムーンと一文字隼人について聞きました。 【スバル・リョーコ@機動戦艦ナデシコ】 【状態】全身にダメージ(中)、疲労(小)、メタルゲラス二時間召喚不可 【装備】ガイのデッキ@仮面ライダー龍騎 【道具】基本支給品一式、ランダム支給品0~2 【思考・状況】 基本行動方針:とりあえず殺し合いには乗らない。 1:ナデシコクルーを守る(特にアキト)。 2:強者を倒すための仲間を集める。 3:状況によっては殺し合いに乗る。 4:姫矢を味方につける。とりあえず情報も聞き出す。 ※テレビ版終盤からの参戦です。 |081:[[王を超える切り札]]|投下順|| |076:[[蝙蝠と蛇]]|時系列順|| |043:[[力に選ばれたもの]]|姫矢准|| |026:[[月明かり]]|スバル・リョーコ||
*怪獣使いとウルトラマン ----  リョーコの歩みが止まったのは、前方に人影を見た時のことであった。  ジャークムーンのような異形でもないし、そこにいるのはただの男に見える。  或いは、ガイやホッパーのような変身能力をもつ特殊タイプか。  どちらにせよ、今のうちに格闘戦のできる人間を探しておきたかった。  リョーコもパイロットであるため、鍛えてない人間よりはマシだが、それでも男女に能力差があるのは確かだ。  ましてや、バケモノが相手では、勝機があるわけもない……。  とにかく、リョーコは彼が自分にも優る能力の持主かを知りたかった。  リョーコはカードデッキからカードを一枚取り出し、小声で呟いた。 「頼むぜ……」  そのための簡単な方法として、アドベントを翳しメタルゲラスを召喚するという手段を選んだ。  彼女はただ、相手が能力をもつか否かを試すために。今必要なのは、あくまで能力をもつ仲間だ。それ以外の人間は仲間たちの生存確率を上げるために死んでも構わない。  いや、できるなら殺したくは無いが、仕方がないのだ。  この「仮面ライダー」というシステムはモンスターに餌をやることも一つの強化手段らしい。  特殊な力でメタルゲラスを跳ね除けるか、あるいはメタルゲラスに喰われるか────二つに一つだ。  犀のモンスターが、その角を誇るように突き上げながら目の前の男へと走っていった。 ★ ★ ★ ★ ★  大帝国劇場を出た姫矢は、仲間を──或いは帝国華撃団を探すために歩いていた。  ブラストショットもなく、ストーンフリューゲルを呼び出すことも不可能。デュナミストとしての能力はかなり制限されており、ネクサスの変身がどうなのかはまだ、知らない。  試しに使うような力ではないし、今は押し黙り、必要な時に使うのみだ。  姫矢自身の格闘能力もある程度高いし、戦場カメラマンの過去があるゆえ、武器にも詳しく、銃撃戦での隠れ場所などもわかっている。  ──あの忌まわしい過去が、再び活かされることになるとは、姫矢は考えもしなかっただろう。  戦争など無い方がいい。  セラや、姫矢が出会った人々のような犠牲が出ないためにも──。  少なくとも、ここに僅かにでもいる子供たちの死が誰かを幸せにすることは絶対にないはずだ。  そんな事態を絶対に止めることができる仲間として、姫矢は深く関わってきた弧門という男や、文面だけでその能力と使命を評価した帝国華撃団という集団を探すことにした。  彼らと共に人々を護るために。 「……大切な人を、護るために」  弧門たちに助けられて生きてきた彼にできるのは、それを返すことである。  この光で何をすべきか──大切な人を護るための力だと、セラは教えてくれた。 (それに、帰ったら倒さないといけない男がいるからな……)  姫矢は溝呂木眞也──ダークメフィストとの決戦を置いてここにいる。  だから、早々に帰りたかった。この光を受け継いだ者の力を、闇に飲まれた男に見せてやら無ければならない。  そういう思いを抱きながらも、今姫矢の目の前には誰もいない。  捜し人は簡単には見つからなかったのだ。  建物の中にいるのかもしれないが、一つ一つ見回っているヒマはないだろう。  そのまま、時間だけが過ぎていく。  心なしか、だんだんと視界が明るくなっているような気がした。夜闇に目が慣れただけではなさそうだ。 (もう三時か……まだ誰にも会ってないな……)  そんなことを思った瞬間、姫矢はようやく自分以外の生物を見ることとなった。  人じゃない。  いや、見たこともない生き物である。  サイ──その姿は、自分に向かって突進してくるサイのように見えた。  しかし、二足歩行で、体は生物的というよりも機械的であった。 「ビースト!?」  咄嗟に、姫矢はエボルトラスターを翳し、ウルトラマンネクサスに変身する。  その力で、向かってくるサイのモンスターの角を掴み、相手の動きを封殺する。  角を掴んだまま、二、三度敵の腹を蹴ると、ようやく自分がうまく変身できたことに気が付いた。  あらゆる能力が使用できたが、ネクサスへの変身は問題なく使えるということか────その大きさは、姫矢の身の丈と変わらず、巨人とはいえない姿であるのが、いつもと違っていたが。  蹴りの勢いで突き放され、後退したサイのモンスターは、相手との距離が短く勢いが付け難いことを理解した。  攻撃はその短い腕で引っかくように殴るだけである。  そう、この手のモンスターは一定の距離を保つことで攻撃ができなくなるのだ。  まあ、この距離でもその巨体から放たれる角の一撃は充分だと思うのだが、ネクサスに角を押さえられたことをモンスター自身が本能的に恐れているのかもしれない。 「……待てっ!」  距離を保ちながらその肩や脚にパンチやキックを繰り出すネクサスを静止したのか、或いは姫矢を襲うモンスターを静止したのか、物陰から女性の声が響いた。  その口調は女性的ではなかったが、声は女性らしく、可愛らしい。  動きを止め、女性の方を見たのはモンスターの方である。ネクサスはモンスターの方を見て警戒を止めない。  だが、敵の動きが完全に止まっているのを見て、ネクサスもそちらを見た。  緑色の髪の少女が、そちらで険しい顔をしている。  何かに気づいたような、或いは何かを警戒しているような顔である。  ネクサスは人にそれを見られたのを多少気にしたが、相手がウルトラマンの存在について驚愕する様子も怯える様子も見せないため、ネクサスはその場を離れることはしない。 「……いいから、変身を解けよ」  少女は姫矢がウルトラマンになる姿を見ていたのか、そう呟いた。  この少女が何なのか、このビーストと何か関係があるのか──そんな疑問とともに、モンスターの方をちらりと見る。  どうやら、この怪物は今、おとなしいらしい。  変身を解いても問題ないと思い、姫矢は変身を解いた。 ★ ★ ★ ★ ★ 「なるほど……あのビーストは君が操っていたわけか」 「ああ、あんたがどれくらい使えるかを試すためにな」  姫矢とリョーコがアスファルトの上を歩きながら会話をしている。  彼らはともかく、協力は未定として情報交換だけは済ませようとしているのだった。  リョーコのように、怪獣を従わせる能力は興味深かったが、その行動はとても肯定できるようなものではない。  一歩間違えば、殺人だってできてしまうのだ。 「……それで俺が怪我でもしたらどうするつもりだ」 「この殺し合いにはバケモノくらい珍しくねえからな。そんなヤツは、どっちにしろ死んじまうよ……」  リョーコはジャークムーンや一文字隼人と出会ったことについて話すが、それで姫矢が納得するわけもない。  どちらにしろ死ぬからといって、人を殺していいものか。  だいたい、確実に相手がバケモノやウルトラマンであるという保証はないだろう。  何せ、弧門一輝や西条凪、石堀光彦など、このゲームには何人かの人間もいるのだから。 (──どちらにせよ、このリョーコという少女は野放しにできないな)  この少女を一人で放っておくわけにはいかない。危険な能力の持主である。  だから、信用できない相手であっても、彼女は警戒のために共に行動し、監視する。  少なくとも野放しにしていい考え方ではなさそうだった。  それに、その外見や言葉遣いからも判るとおり、おそらくリョーコは不良だ。  更正の余地があるか無いかはともかくとして、何か世の中に不満でもあるなら、できる限り相談に乗りたい。まあ、姫矢自身そういう柄ではないとわかっているのだが、そういう心の闇を付いてくる男もいる。なるべく、人の心ごと闇に染まらせることはしたくなかった。  人の心は、闇よりも光に満ちてほしい、とそう思うようになったから──。 【1日目 黎明/F-5 街】 【姫矢准@ウルトラマンネクサス】 【状態】健康(変身による疲労?)、ネクサスに二時間変身不可 【装備】エボルトラスター@ウルトラマンネクサス 【道具】基本支給品一色、ランダム支給品0~2 【思考・状況】 基本行動方針:殺し合いからの脱出。 1:帝国華撃団や弧門と合流する。 2:帰って溝呂木との決戦に臨む。 3:リョーコの監視。彼女に悩みがあるならば相談に乗る。 ※参戦時期はダークメフィストの決戦中(姫矢編最終回)。 ※大帝国劇場作戦司令室より、帝国華撃団や光武のデータを得ました。 ※メタルゲラスはビーストと呼んでいます。本編のビーストと同一と考えているというより、怪獣の総称として呼んでいます。 ※ジャークムーンと一文字隼人について聞きました。 【スバル・リョーコ@機動戦艦ナデシコ】 【状態】全身にダメージ(中)、疲労(小)、メタルゲラス二時間召喚不可 【装備】ガイのデッキ@仮面ライダー龍騎 【道具】基本支給品一式、ランダム支給品0~2 【思考・状況】 基本行動方針:とりあえず殺し合いには乗らない。 1:ナデシコクルーを守る(特にアキト)。 2:強者を倒すための仲間を集める。 3:状況によっては殺し合いに乗る。 4:姫矢を味方につける。とりあえず情報も聞き出す。 ※テレビ版終盤からの参戦です。 |081:[[王を超える切り札]]|投下順|083:[[剣士の片思い]]| |076:[[蝙蝠と蛇]]|時系列順|| |043:[[力に選ばれたもの]]|姫矢准|| |026:[[月明かり]]|スバル・リョーコ||

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