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打倒ビッグバン!それぞれの進むべき道」(2011/08/21 (日) 19:49:43) の最新版変更点

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*打倒ビッグバン!それぞれの進むべき道 ---- 「ヘッ。随分見晴らしの良い場所を選んだじゃねえか、ナントカさんよ」 剣崎と黒岩が選んだバトルステージはただただ見晴らしの良い草原である。 街エリアも見えるし、先ほどの分校も見える。 なぜなら、彼らの周囲には取り囲むようなものが何ひとつとしてないからだ。 正義とともにこの戦いに望む剣崎。 保身のために邪魔者を潰す黒岩。 ただ、売られた喧嘩を買っただけのカズマ。 戦う理由は三者三様だが、いずれもこの場所を最も的確なバトルフィールドとして選んでいた。 文句のつけようもない。逃げ場もあり、被害も少なく、邪魔もされないような場所。 「──始めるとするかい、とびっきりのケンカを!」 カズマの右腕のアルターはまるで火を噴いているかのごとく、赤く映え光る。 シェルブリッド──兄貴にそう名付けられた、イキでイナセな自慢の拳。 いま、目の前の二人がどういう手段で戦うのかをカズマは待っていた。 何も、健常者がアルター使いに堂々戦いを挑むということもあるまい。……無論、相手が本当にただの民間人ならカズマだって生身でやってやるが。 「変身!」 「ブラックアウト!」 二つの掛け声が重なる。カズマからすれば、二人がそれぞれ何を言っているのかはわからないが、深い意味の言葉でも、カズマに投げかけられた言葉でもないことだけは察した。 そう、これはただの掛け声だ。ケンカを盛り上げるための発声。   先に姿を変えたのは黒岩である。 彼の掛け声──ブラックアウトとは、黒岩省吾がダークパワーによって暗黒騎士ガウザーに変身する現象である。 だが、彼がそれを教えることはないだろう。何せ、ダークザイドを倒すために戦っている戦士という話で通してあるのだから。 これは、あくまでダークザイドと戦うための『組織』の変身資格者であるとしておこう。 一方の剣崎は…… 「……変身できないッ!?」 「何をしてるっ! ……仕方が無い。私は先にヤツの相手をしておきましょう。剣崎さんは早く変身を」 「わかった!」 ダークヒーローじみている……奇怪でグロテスクともいえる怪物の姿を、剣崎は深く追求はしなかった。 どちらにせよ、ダークザイドのイメージをこの姿とは違うものとしておけばいいだけのこと。 ガウザーとして戦うため、まずは背中の剣を抜く。その姿、まさに騎士。 この殺し合いの最中は光の騎士ガウザーとでも改名しておこうか。 「……ヘェ。面白いアルターじゃねえか」 「知っているか! アルターとは英語で『変える』、『改造する』という意味や、『去勢する』という意味もあるという……」 「だからどうした!」 カズマは直線的に走っていき、草原を強く蹴飛ばして宙を飛ぶ。 彼の目的はただ、目の前の頭に包丁の突き刺さったアルター使いをブン殴ること。 重力を帯びた拳の一撃を味あわせようというのだ。 が、空から落ちるカズマの拳は不自由で、落ちてくるタイミングもワンパターン。 ガウザーは剣を真横一文字に構え、それを受け止める。 「お前の戦い方には少し工夫が必要だな」 「悪いが頭はそんなに良くないんでねェ……」 「そんなことはとうの昔にわかっている」 「気にくわねえ野郎だ!」 ガウザーが、カズマの拳を突き放すように上方へ剣を上げた。 「剣崎はまだ変身できないのか」……と呆れつつも、カズマの方へ剣と視線を寄せる。彼に構う暇はない。相手がワンパターンなバカとはいえ、戦士にとって油断は禁物だ。 まあ、この状況で剣崎の力が要るか要らないかでいえば……そこまで鬼気迫る状況ではない。無論、彼は不要だろう。 ガウザーは右斜め四十五度、一分の狂いもない角度でカズマに剣を打つ。 受けるカズマも、右腕を自らの左方にずらして身体を割る隙は与えない。 その体勢のまま右足を軸に回ったカズマの、長い足がガウザーのわき腹を蹴る。 彼のアルターは基本的に右腕のみに宿るが、戦闘慣れした彼の蹴りは空手やキックボクシングばりである。ガウザーとて、一瞬だけよろめいた。 「今度は顔が開いてるぜ!」 そんなガウザーの顔に真っ直ぐと繰り出される右腕の拳。 連打であれば当たったかもしれないが、単一かつ直線的なカズマの攻撃を前に、ガウザーは顔を真下へと下げて避けた。 カズマの腕の真下でかがむような体勢をしたガウザーは即、剣の刃を左下に持って行き、右上に持ち上げた。 カズマの力任せな攻撃では、おそらく外してもその拳がすぐに止まることはない。それゆえ隙ができたと思ったのだ。 だが、ガウザーが斬ったのはそこに残っているはずの体ではなく虚空。 カズマは既に反動に任せて、宙返りをし、かがんだガウザーの真後ろへと飛んだ。 「「そこだっ!!」」 ガウザーは剣を一度上空へ吹っ飛ばした。 真後ろにいる相手の頭がどこにあるのか、気配で感じる。 そう、右肩の上に頭があるようなもの。ならば攻撃は剣ではできまい。 裏拳。────二つの拳が、二つの後頭部に砕くような一撃を与える。 何せ、これはアルターの一撃。何せ、これはダークザイドの一撃。 とはいえ、二人はそれゆえ石頭でもある。後頭部からは血さえも出ない。 「思ったよりやるじゃねえか……」 「貴様もな」 「テメェの名前は」 「黒岩省吾! 刻んでおけ、この名を」 「オーケー。お前の名前、刻んだ。……次はお前が俺の名前を刻む番だ」 「……聞いてやらんでもない」 「俺の名はカズマだ」 背中合わせの二人が、自己紹介を始める。 が、戦いは終わってはいない。これもまた、二人にとっては喧嘩の一部である。 いや、喧嘩こそが会話の一部なのだろうか。 「剣崎一真、それにカズマ。同じ名前か」 「アイツはそんな名前なのかい。……下の名前だけ刻んだ」 「自分の名前を覚えるようなものだろう!」 ガウザーの剣が今、芝生を突き刺す。 ザシュ、という貫く音が聞こえ、思わず顔がほころんだ。 なるほど、勝負の音だ。これこそ、勝負の音。 剣を捨てた今のガウザーは拳闘士。……目の前の男と同じである。それを思い出した。 とはいえ、野蛮なことは好みではない。すぐにでもカズマを片付けたいところだった。 「……剣崎さん、先ほどは変身しろと言ったが、ともかく私はこの男と少し遊びたい。手を出さないでくれ」 「……ああ、わかった。そいつは黒岩さんの相手だ」 剣崎はブレイバックルを懐にしまう。 故障か……ともかく、ブレイバックルは何度やっても変身を許してくれなかった。 とにかく、故障ならこの殺し合いの最中はブレイドにはなれない可能性が高い。 カズマの暴走を止めたかったが、ブレイドではない彼は無力。 ここでは足手まといになるかもしれないというのはわかっていた。 それにしても、いつ壊れたのだろうか……。あの程度の崩壊で壊れるとは思えない。 「思ったより話のわかるヤツらじゃねえか。じゃあ、いくぜ。一発勝負だ。正面からぶつかって、相手の顔面に一撃見舞わせた方の勝ち……それでどうだ?」 「なるほど。生死の境をさまようこともない……文字通り『ケンカ』のルールか。野蛮で下品なことはしたくないが、戦闘を切り上げるには丁度いい」 「オーケー。決まりだ。いくぜ……いち、にの──」 互いの身体が後方へ引っ張られていくように下がっていく。 この距離では、相手のパンチを避けることもできないからだ。 カズマの顔が笑いに満ち溢れているのに対し、ガウザーの表情は硬いままだ。 気に入らないヤツ──劉鳳のようなヤツ。 あいつとは違うバカ──シャンゼリオンとは違うバカ。 お互い、イヤなヤツの顔を相手に見立てて声をそろえた。 「「三ッ!」」 ズンッ! 走り出した二人のスピードに、ついてこれるものなどいなかった。 当人たちでさえ、そのスピードについていくのには限界がある。 避けるにも殴るにも、かなりのスピードが必要だった。 拳が相手の顔面から落ちる。 めりこんでいるような感覚で、拳を抜いたと同時に相手が吹き飛んでいくような感覚だった。 「……勝ちだ」  カズマは呟く。 「俺の、勝ちだ」 目の前で立ち上がろうとするガウザーよりも、自分に言い聞かせるようにそう言った。 カズマの姿はアルターから解放され、ただの人間のような姿に戻った。 拳も人のもの、髪も下ろされ、片目は瞑る。 彼はアルター使いで、なおかつ勝利者。この遊びのようなゲームの勝利者だ。 「……覚えておけ、カズマ。このゲームは負けたが……次に会ったときは首を貰う」 「勝負はついただろうが」 「本当の戦場ならば死んだ者こそが負けだ」 「おもしれえ、そのルールでもう一回やるか?」 「望むところだ、カズマ…………と言いたいところだが」 ガウザーの姿が、スーツ姿の紳士・黒岩省吾のものへと戻った。 彼は真摯にカズマの姿を見つめながら、表情を変えずに言う。 「……最初決めたとおりだ。あのパンチの入った方の負け。あくまでこのゲームは俺の負けだ」 「だから、次に会うときに本当の決着をつけたいってか?」 「ああ。その通りだ。まあ、それまでお前が生きていたらの話だがな」 「死ぬと思うかい? この俺が」 「バカなヤツほど早く死ぬ。当たり前だ」 「テメェ……」 「先ほど、お前は自分で頭がよくないことを認めていたはずだが」 「それとこれとは別問題だ!」 「さて、剣崎さん。私たちも彼らのところへ戻りましょう」 「無視すんじゃねぇっ!」 あのたったワンゲームで二人に友情など芽生えるはずもない。 俺はこいつが嫌いだ。俺はこいつが気にくわねえ。──本音はそんなところだろう。 だいたい、元からこの二人は合うタイプじゃない。 彼らがライバルとして認め合うのもただ一人だった。 「……そうだ、カズマ。俺からもあんたにお願いがあるんだ」 「あ? テメェは……なんていう名前だったかな……」 「お前と同じだ! さっき覚えたって言ってただろ」 「ああ、俺と同じ……カズマっていうヤツかい」 「お前はなんで学校を破壊したんだよ。あの中には人もいたんだぞ!」 胸倉を掴みかねない勢いで、剣崎はカズマに詰め寄った。 もちろん、自分の名前を覚えてもらえなかったことに怒っているのではなく、人を死に追いやりかけたカズマへの本心からの怒りだった。 父と母を失ったあの日から──人の死は、剣崎が最も嫌う事象となった。 カズマはその事象を引き起こそうとしたのだ。剣崎が簡単に許すはずがない。 「……すまねえ。そいつは俺が悪かった」 かなみのように、カズマにも守りたい人はいる。 自分の考えなしの行動が、時折そういう人さえ傷つけてしまう可能性があったということを、今気付いて強く反省した。 「俺が悪かった……って。本当に反省してるのか?」 「俺がするのはビッグバンへの反逆だ。人を殺すことじゃない。……俺はビッグバンの用意したこの殺し合いのステージをブッ壊そうとしただけだ」 「そのステージには人間だっている。それを忘れるな。いいか!?」 「ああ。……覚えといてやるよ」 ……と、カズマが言った時である。彼はそこから立ち去ろうとしていたのだが、それを遮る声ひとつ。 遠くから呼ぶ声。「おーい!」と、適当な「誰か」を呼ぶような声。 名前も呼ばず、名も名乗らず、誰にも聞き覚えのない声が、彼らの前に向かってきた。 ★ ★ ★ ★ ★ 「……どうやら、三人揃って殺し合いを好まない人たちのようで安心したよ」 彼らを呼んだ声の主──ツンツン頭でベストを着た、体格の良い男。 彼は大神一郎といい、元海軍少尉の現モギリらしい。 どういう経緯でそこまで落ちたのか、さっぱりわからない三人をよそに、彼は話を進める。 「随分と仲が良さそうだけど、知り合いかい?」 「いや、先ほど会ったばかりです」 「そうか……俺はさっき知り合いと会ったんだが……」 「どうして、その方をお連れしなかったのですか?」 「いや、それは……はぐれてしまったんだ。何せ、こんな夜だからね」 「なるほど。その方の名前は?」 「マリア・タチバナ。ロシア人と日本人のハーフだ」 「……わかりました。その女性の捜索に私も協力しましょう。剣崎さん、まずは疾風くんたちと合流して一緒にマリアさんを捜しましょう」 黒岩としては、ここまで一人除いてほぼ男性との行動だったので、女性との合流がしたかった。 というのも、彼の好むラームは女性のもの──それも、自分に惚れた女性のものという縛りだ。 そういう貴重な食料源も確保しておきたい。……まあ、マリアという女性でなくとも構わないのだが。 (タチバナか……橘さんと同じ名前だな)  隣にいるカズマという男が自分と同じ名前なら、マリアという人は橘朔也と同じ苗字である。  まあ、よくいる苗字だし、そもそもハーフという時点で彼とは赤の他人だろうが、些細な偶然を感じて少し嬉しい気分になったりもした。他愛もない話だが……。 「で、俺も協力しろっていう話かい?」 「いや、別に俺は彼女の捜索をしたいわけじゃない。……彼女は銃の名手だ。そう簡単に死ぬことはないだろう。それに、彼女とはまだ連絡する手段がある」 「失礼だが、大神さん……あなたの発言には一貫性がないように思える。それは『はぐれた』とは言わないのでは?」 「軍の出身ゆえ、機密が多いんだ。わかってもらえると助かる」 そういえば、黒岩も先ほどその「機密」とやらを自らの正体を隠すためのネタに使ったことを思い出す。 それを言われると、深く詮索するのは自分の首を絞めるようなものだ。 他人にはするのに、自分がやられると黙るというのは流石にナシだろう。 同じくBOARD出身の剣崎もそれは承知している。 まあ、軍について詳しく知りはしないから、どういったことを隠しているのかはわからなかったが。 「……もしや、あなたも『人』を相手にするのではなく、『怪物』を相手にする軍の所属では?」 黒岩が閃いて聞いた。 そう、ダークザイドにアンデッドにジャマール。様々な怪物の話を彼は聞いている。 彼もそのいずれか……あるいはどれでもない敵と戦う軍人であるという可能性はないだろうか。 「鋭いな。……一応はその通りだ」 「では、少なくとも私とあなたは別の世界からやって来た可能性が高い。我々の世界の怪物『ダークザイド』と戦う組織は軍属ではないはずだ」 「ダークザイド? 別の世界? ……ということは、もしかして、君たちは──『降魔』の存在を知らないのか?」 「やはり。我々は違う世界の住人らしい。ビッグバンは、それぞれ別の世界から人間を呼び出している。カズマ、お前もそのことを覚えておいたほうがいいだろう。……大神さん、まずはあなたの世界についてお聞きしたい。別世界の住人である我々に機密は通用しないだろう? 話せる限りでいい」 黒岩は大神より情報を得ようと、巧みに大神を掬い上げていく。 もし、彼がシャンゼリオンやビーファイターのように変身するなら最良、戦闘能力があるならば良。 降魔なる存在がどの程度手ごわいのかも知らないし、利用価値を探るには彼の世界について聞いておいたほうが良さそうだった。 「……わかった。君たちに全てを話そう。マリアや俺は降魔と戦う特殊部隊・帝国華撃団の一員だ」 大神も、黒岩や剣崎、カズマについて聞くのを前提に話し始めた。 この隊員の個性や特技なども一応話しておく。女のことをベラベラと話すデリカシーのない男だと思われたら厭だなぁ……と思うが、緊急事態を相手には仕方がないだろう。 ★ ★ ★ ★ ★ 「……なるほど。そちらの世界の事情はわかりました。あなたが我々の生きる時代よりも遥か前の人間であることも含め、我々が呼ばれたのは時空だけでなく時間さえもバラバラであるという優良な情報が得られましたよ」 「ああ。こちらも未来の帝都や世界について色々と聞けて面白かったよ。剣崎くんやカズマくんや黒岩さんの言う東京はだいたい統一されたイメージのようだしね」 「信じられねえ。こいつらの時代にはロスト・グラウンドもアルターもねえのか……」 それぞれは別々の反応で異世界の存在を飲み込んだ。 帝国華撃団と降魔の世界、仮面ライダーとアンデッドの世界、シャンゼリオンとダークザイドの世界、アルター使いの世界。──世界はさまざまである。 「……さて、井戸端会議で随分と時間をロスしてしまったようだ。疾風くんたちのところへ急ごう」 甲斐拓也という人間がいる以上、向こうには向かわなければならないはずだ。 本当に時間を食ってしまったから、彼らも分校の近くにはいないかもしれないが、ともかくは合流を約束した場所に向かいたい。 「剣崎くん、黒岩さん、カズマくん。俺もついていっていいかな?」 「構いません。むしろ、歓迎します。しかし、カズマ……お前は……」 「俺があんたについていくと思うかい?」 「というわけだ。元々、彼は私たちの仲間ではない。彼は単独行動をとりたいようだが」 「……いや、迂闊に近辺をふらつくのは危険だ。一人で行動するのは好ましくない」 「ヘイヘイ。だが、俺は反逆者さ。帝国華撃団の隊長さんとやらにだって、俺は反逆できる。どうするかい? 俺を引き止めるかい?」 カズマは片手で挑発するようなポーズをとるが、大神はそれに乗るような性格ではない。 というより、相手の機嫌を損ねずに流すことにおいては達人級である。 大神はうっすらと笑いながら、彼に返す。 彼もアルターという能力の持ち主だし、放っておいても問題ない部類だろう。 「なるほど。それなら構わないが、また生きて会うと約束してくれよ」 「そう簡単に死ぬタマじゃないんでね、大神隊長」 「それは良かった。じゃあ、向こうは彼に任せて俺たちは切札疾風、甲斐拓也の二名との合流に向かおう」 カズマと三人は互いに背を向け、全く別の場所に向かって歩きだした。 正義の人。野望の人。信念の人。色とりどりの人間たちも、たどり着くべきゴールはひとつ。 ビッグバンの打倒。そのための道を構築するために、それぞれのルートを歩いていく。 【1日目 黎明/E-9 草原】 【剣崎一真@仮面ライダー剣】 【状態】腹から胸にかけて斜めの傷(浅いです)、ブレイドに三十分変身不可 【装備】ブレイバックル@仮面ライダー剣、ラウズカード(スペードA~9)@仮面ライダー剣、パルセイバー(緑)@重甲ビーファイター 【道具】基本支給品一式、鯖@超光戦士シャンゼリオン 【思考・状況】 基本行動方針:黒岩と共に知人と合流。その後、 ビッグバンを打倒する策を練る。 1:人を守る。 2:黒岩、大神と雛見沢分校に戻る。 3:白いライダーの目的を知る。 4:切札と拓也のことが心配。 ※ヒーローズオペレーションF、超光戦士シャンゼリオン、重甲ビーファイター、サクラ大戦の一部の参加者について知りました。 ※スクライド世界についても把握しました。 ※42話終了後からの参戦です。 ※深沢小夜子は主催者が蘇生させたと考えています。 ※ブレイバックルが故障した可能性を考えています。 【黒岩省吾@超光戦士シャンゼリオン】 【状態】健康 ガウザーに一時間四十分変身不可 【装備】不明 【道具】基本支給品一式、ランダム支給品1~3 【思考・状況】 基本行動方針:基本的にはビッグバン打倒。 1:剣崎、大神と雛見沢分校に戻る。 2:仲間を集める。ただし、弱いものは必要なし。 3:マリアの捜索。隙を見てラームを吸う。 4:カズマにはいずれ引導を渡す。 ※東京都知事になったあたりからの参戦です。 ※ガウザーの力については説明せず、嘘の情報を流しています。剣崎の前で見せた力についても後から都合よく説明した可能性が高いです。 ※ヒーローズオペレーションF、仮面ライダー剣、重甲ビーファイター、サクラ大戦の一部の参加者について知りました。 ※スクライド世界についても把握しました。 ※この殺し合いの中には、パラレルワールドの存在があると思っています 【大神一郎@サクラ大戦】 【状態】健康 【装備】不明 【道具】基本支給品一式、キネマトロン(大神)@サクラ大戦、ランダム支給品0~2(確認済み) 【思考・状況】 基本行動方針:殺し合いを潰す。 1:帝国華撃団のメンバーを探す。 2:何かあったらキネマトロンでマリアに連絡する。 3:剣崎、黒岩についていく。 ※キネマトロンを知っており、降魔と戦っているので2終盤からの参戦です。 ※キネマトロンには紅蘭のキネマトロン番号が登録されています。 ※仮面ライダー剣、超光戦士シャンゼリオン、スクライドの世界について知りました。それに伴い、未来の帝都についても把握しました。 【カズマ@スクライド】 【状態】健康 アルター一時間四十分使用不可 【装備】不明 【道具】基本支給品一式、ランダム支給品1~3 【思考・状況】 基本行動方針:打倒ビッグバン。 1:自分のやり方でビッグバンを倒すための手がかりを得る。 2:もう建物を無差別に破壊するような真似はしない。 3:黒岩の名前を刻んだ。もう一度戦う。 ※少なくとも第二形態に強化後(君島死亡後)の参戦です。 ※名簿や支給品の確認全くしていません。 ※仮面ライダー剣、超光戦士シャンゼリオン、サクラ大戦の世界について知りました。 |061:[[能力を縛る輪]]|投下順|| |060:[[いざ、神根島へ]]|時系列順|| |059:[[崩落 の ステージ]]|剣崎一真|| |059:[[崩落 の ステージ]]|黒岩省吾|| |002:[[皇帝の手駒]]|大神一郎|| |059:[[崩落 の ステージ]]|カズマ||
*打倒ビッグバン!それぞれの進むべき道 ---- 「ヘッ。随分見晴らしの良い場所を選んだじゃねえか、ナントカさんよ」 剣崎と黒岩が選んだバトルステージはただただ見晴らしの良い草原である。 街エリアも見えるし、先ほどの分校も見える。 なぜなら、彼らの周囲には取り囲むようなものが何ひとつとしてないからだ。 正義とともにこの戦いに望む剣崎。 保身のために邪魔者を潰す黒岩。 ただ、売られた喧嘩を買っただけのカズマ。 戦う理由は三者三様だが、いずれもこの場所を最も的確なバトルフィールドとして選んでいた。 文句のつけようもない。逃げ場もあり、被害も少なく、邪魔もされないような場所。 「──始めるとするかい、とびっきりのケンカを!」 カズマの右腕のアルターはまるで火を噴いているかのごとく、赤く映え光る。 シェルブリッド──兄貴にそう名付けられた、イキでイナセな自慢の拳。 いま、目の前の二人がどういう手段で戦うのかをカズマは待っていた。 何も、健常者がアルター使いに堂々戦いを挑むということもあるまい。……無論、相手が本当にただの民間人ならカズマだって生身でやってやるが。 「変身!」 「ブラックアウト!」 二つの掛け声が重なる。カズマからすれば、二人がそれぞれ何を言っているのかはわからないが、深い意味の言葉でも、カズマに投げかけられた言葉でもないことだけは察した。 そう、これはただの掛け声だ。ケンカを盛り上げるための発声。   先に姿を変えたのは黒岩である。 彼の掛け声──ブラックアウトとは、黒岩省吾がダークパワーによって暗黒騎士ガウザーに変身する現象である。 だが、彼がそれを教えることはないだろう。何せ、ダークザイドを倒すために戦っている戦士という話で通してあるのだから。 これは、あくまでダークザイドと戦うための『組織』の変身資格者であるとしておこう。 一方の剣崎は…… 「……変身できないッ!?」 「何をしてるっ! ……仕方が無い。私は先にヤツの相手をしておきましょう。剣崎さんは早く変身を」 「わかった!」 ダークヒーローじみている……奇怪でグロテスクともいえる怪物の姿を、剣崎は深く追求はしなかった。 どちらにせよ、ダークザイドのイメージをこの姿とは違うものとしておけばいいだけのこと。 ガウザーとして戦うため、まずは背中の剣を抜く。その姿、まさに騎士。 この殺し合いの最中は光の騎士ガウザーとでも改名しておこうか。 「……ヘェ。面白いアルターじゃねえか」 「知っているか! アルターとは英語で『変える』、『改造する』という意味や、『去勢する』という意味もあるという……」 「だからどうした!」 カズマは直線的に走っていき、草原を強く蹴飛ばして宙を飛ぶ。 彼の目的はただ、目の前の頭に包丁の突き刺さったアルター使いをブン殴ること。 重力を帯びた拳の一撃を味あわせようというのだ。 が、空から落ちるカズマの拳は不自由で、落ちてくるタイミングもワンパターン。 ガウザーは剣を真横一文字に構え、それを受け止める。 「お前の戦い方には少し工夫が必要だな」 「悪いが頭はそんなに良くないんでねェ……」 「そんなことはとうの昔にわかっている」 「気にくわねえ野郎だ!」 ガウザーが、カズマの拳を突き放すように上方へ剣を上げた。 「剣崎はまだ変身できないのか」……と呆れつつも、カズマの方へ剣と視線を寄せる。彼に構う暇はない。相手がワンパターンなバカとはいえ、戦士にとって油断は禁物だ。 まあ、この状況で剣崎の力が要るか要らないかでいえば……そこまで鬼気迫る状況ではない。無論、彼は不要だろう。 ガウザーは右斜め四十五度、一分の狂いもない角度でカズマに剣を打つ。 受けるカズマも、右腕を自らの左方にずらして身体を割る隙は与えない。 その体勢のまま右足を軸に回ったカズマの、長い足がガウザーのわき腹を蹴る。 彼のアルターは基本的に右腕のみに宿るが、戦闘慣れした彼の蹴りは空手やキックボクシングばりである。ガウザーとて、一瞬だけよろめいた。 「今度は顔が開いてるぜ!」 そんなガウザーの顔に真っ直ぐと繰り出される右腕の拳。 連打であれば当たったかもしれないが、単一かつ直線的なカズマの攻撃を前に、ガウザーは顔を真下へと下げて避けた。 カズマの腕の真下でかがむような体勢をしたガウザーは即、剣の刃を左下に持って行き、右上に持ち上げた。 カズマの力任せな攻撃では、おそらく外してもその拳がすぐに止まることはない。それゆえ隙ができたと思ったのだ。 だが、ガウザーが斬ったのはそこに残っているはずの体ではなく虚空。 カズマは既に反動に任せて、宙返りをし、かがんだガウザーの真後ろへと飛んだ。 「「そこだっ!!」」 ガウザーは剣を一度上空へ吹っ飛ばした。 真後ろにいる相手の頭がどこにあるのか、気配で感じる。 そう、右肩の上に頭があるようなもの。ならば攻撃は剣ではできまい。 裏拳。────二つの拳が、二つの後頭部に砕くような一撃を与える。 何せ、これはアルターの一撃。何せ、これはダークザイドの一撃。 とはいえ、二人はそれゆえ石頭でもある。後頭部からは血さえも出ない。 「思ったよりやるじゃねえか……」 「貴様もな」 「テメェの名前は」 「黒岩省吾! 刻んでおけ、この名を」 「オーケー。お前の名前、刻んだ。……次はお前が俺の名前を刻む番だ」 「……聞いてやらんでもない」 「俺の名はカズマだ」 背中合わせの二人が、自己紹介を始める。 が、戦いは終わってはいない。これもまた、二人にとっては喧嘩の一部である。 いや、喧嘩こそが会話の一部なのだろうか。 「剣崎一真、それにカズマ。同じ名前か」 「アイツはそんな名前なのかい。……下の名前だけ刻んだ」 「自分の名前を覚えるようなものだろう!」 ガウザーの剣が今、芝生を突き刺す。 ザシュ、という貫く音が聞こえ、思わず顔がほころんだ。 なるほど、勝負の音だ。これこそ、勝負の音。 剣を捨てた今のガウザーは拳闘士。……目の前の男と同じである。それを思い出した。 とはいえ、野蛮なことは好みではない。すぐにでもカズマを片付けたいところだった。 「……剣崎さん、先ほどは変身しろと言ったが、ともかく私はこの男と少し遊びたい。手を出さないでくれ」 「……ああ、わかった。そいつは黒岩さんの相手だ」 剣崎はブレイバックルを懐にしまう。 故障か……ともかく、ブレイバックルは何度やっても変身を許してくれなかった。 とにかく、故障ならこの殺し合いの最中はブレイドにはなれない可能性が高い。 カズマの暴走を止めたかったが、ブレイドではない彼は無力。 ここでは足手まといになるかもしれないというのはわかっていた。 それにしても、いつ壊れたのだろうか……。あの程度の崩壊で壊れるとは思えない。 「思ったより話のわかるヤツらじゃねえか。じゃあ、いくぜ。一発勝負だ。正面からぶつかって、相手の顔面に一撃見舞わせた方の勝ち……それでどうだ?」 「なるほど。生死の境をさまようこともない……文字通り『ケンカ』のルールか。野蛮で下品なことはしたくないが、戦闘を切り上げるには丁度いい」 「オーケー。決まりだ。いくぜ……いち、にの──」 互いの身体が後方へ引っ張られていくように下がっていく。 この距離では、相手のパンチを避けることもできないからだ。 カズマの顔が笑いに満ち溢れているのに対し、ガウザーの表情は硬いままだ。 気に入らないヤツ──劉鳳のようなヤツ。 あいつとは違うバカ──シャンゼリオンとは違うバカ。 お互い、イヤなヤツの顔を相手に見立てて声をそろえた。 「「三ッ!」」 ズンッ! 走り出した二人のスピードに、ついてこれるものなどいなかった。 当人たちでさえ、そのスピードについていくのには限界がある。 避けるにも殴るにも、かなりのスピードが必要だった。 拳が相手の顔面から落ちる。 めりこんでいるような感覚で、拳を抜いたと同時に相手が吹き飛んでいくような感覚だった。 「……勝ちだ」  カズマは呟く。 「俺の、勝ちだ」 目の前で立ち上がろうとするガウザーよりも、自分に言い聞かせるようにそう言った。 カズマの姿はアルターから解放され、ただの人間のような姿に戻った。 拳も人のもの、髪も下ろされ、片目は瞑る。 彼はアルター使いで、なおかつ勝利者。この遊びのようなゲームの勝利者だ。 「……覚えておけ、カズマ。このゲームは負けたが……次に会ったときは首を貰う」 「勝負はついただろうが」 「本当の戦場ならば死んだ者こそが負けだ」 「おもしれえ、そのルールでもう一回やるか?」 「望むところだ、カズマ…………と言いたいところだが」 ガウザーの姿が、スーツ姿の紳士・黒岩省吾のものへと戻った。 彼は真摯にカズマの姿を見つめながら、表情を変えずに言う。 「……最初決めたとおりだ。あのパンチの入った方の負け。あくまでこのゲームは俺の負けだ」 「だから、次に会うときに本当の決着をつけたいってか?」 「ああ。その通りだ。まあ、それまでお前が生きていたらの話だがな」 「死ぬと思うかい? この俺が」 「バカなヤツほど早く死ぬ。当たり前だ」 「テメェ……」 「先ほど、お前は自分で頭がよくないことを認めていたはずだが」 「それとこれとは別問題だ!」 「さて、剣崎さん。私たちも彼らのところへ戻りましょう」 「無視すんじゃねぇっ!」 あのたったワンゲームで二人に友情など芽生えるはずもない。 俺はこいつが嫌いだ。俺はこいつが気にくわねえ。──本音はそんなところだろう。 だいたい、元からこの二人は合うタイプじゃない。 彼らがライバルとして認め合うのもただ一人だった。 「……そうだ、カズマ。俺からもあんたにお願いがあるんだ」 「あ? テメェは……なんていう名前だったかな……」 「お前と同じだ! さっき覚えたって言ってただろ」 「ああ、俺と同じ……カズマっていうヤツかい」 「お前はなんで学校を破壊したんだよ。あの中には人もいたんだぞ!」 胸倉を掴みかねない勢いで、剣崎はカズマに詰め寄った。 もちろん、自分の名前を覚えてもらえなかったことに怒っているのではなく、人を死に追いやりかけたカズマへの本心からの怒りだった。 父と母を失ったあの日から──人の死は、剣崎が最も嫌う事象となった。 カズマはその事象を引き起こそうとしたのだ。剣崎が簡単に許すはずがない。 「……すまねえ。そいつは俺が悪かった」 かなみのように、カズマにも守りたい人はいる。 自分の考えなしの行動が、時折そういう人さえ傷つけてしまう可能性があったということを、今気付いて強く反省した。 「俺が悪かった……って。本当に反省してるのか?」 「俺がするのはビッグバンへの反逆だ。人を殺すことじゃない。……俺はビッグバンの用意したこの殺し合いのステージをブッ壊そうとしただけだ」 「そのステージには人間だっている。それを忘れるな。いいか!?」 「ああ。……覚えといてやるよ」 ……と、カズマが言った時である。彼はそこから立ち去ろうとしていたのだが、それを遮る声ひとつ。 遠くから呼ぶ声。「おーい!」と、適当な「誰か」を呼ぶような声。 名前も呼ばず、名も名乗らず、誰にも聞き覚えのない声が、彼らの前に向かってきた。 ★ ★ ★ ★ ★ 「……どうやら、三人揃って殺し合いを好まない人たちのようで安心したよ」 彼らを呼んだ声の主──ツンツン頭でベストを着た、体格の良い男。 彼は大神一郎といい、元海軍少尉の現モギリらしい。 どういう経緯でそこまで落ちたのか、さっぱりわからない三人をよそに、彼は話を進める。 「随分と仲が良さそうだけど、知り合いかい?」 「いや、先ほど会ったばかりです」 「そうか……俺はさっき知り合いと会ったんだが……」 「どうして、その方をお連れしなかったのですか?」 「いや、それは……はぐれてしまったんだ。何せ、こんな夜だからね」 「なるほど。その方の名前は?」 「マリア・タチバナ。ロシア人と日本人のハーフだ」 「……わかりました。その女性の捜索に私も協力しましょう。剣崎さん、まずは疾風くんたちと合流して一緒にマリアさんを捜しましょう」 黒岩としては、ここまで一人除いてほぼ男性との行動だったので、女性との合流がしたかった。 というのも、彼の好むラームは女性のもの──それも、自分に惚れた女性のものという縛りだ。 そういう貴重な食料源も確保しておきたい。……まあ、マリアという女性でなくとも構わないのだが。 (タチバナか……橘さんと同じ名前だな)  隣にいるカズマという男が自分と同じ名前なら、マリアという人は橘朔也と同じ苗字である。  まあ、よくいる苗字だし、そもそもハーフという時点で彼とは赤の他人だろうが、些細な偶然を感じて少し嬉しい気分になったりもした。他愛もない話だが……。 「で、俺も協力しろっていう話かい?」 「いや、別に俺は彼女の捜索をしたいわけじゃない。……彼女は銃の名手だ。そう簡単に死ぬことはないだろう。それに、彼女とはまだ連絡する手段がある」 「失礼だが、大神さん……あなたの発言には一貫性がないように思える。それは『はぐれた』とは言わないのでは?」 「軍の出身ゆえ、機密が多いんだ。わかってもらえると助かる」 そういえば、黒岩も先ほどその「機密」とやらを自らの正体を隠すためのネタに使ったことを思い出す。 それを言われると、深く詮索するのは自分の首を絞めるようなものだ。 他人にはするのに、自分がやられると黙るというのは流石にナシだろう。 同じくBOARD出身の剣崎もそれは承知している。 まあ、軍について詳しく知りはしないから、どういったことを隠しているのかはわからなかったが。 「……もしや、あなたも『人』を相手にするのではなく、『怪物』を相手にする軍の所属では?」 黒岩が閃いて聞いた。 そう、ダークザイドにアンデッドにジャマール。様々な怪物の話を彼は聞いている。 彼もそのいずれか……あるいはどれでもない敵と戦う軍人であるという可能性はないだろうか。 「鋭いな。……一応はその通りだ」 「では、少なくとも私とあなたは別の世界からやって来た可能性が高い。我々の世界の怪物『ダークザイド』と戦う組織は軍属ではないはずだ」 「ダークザイド? 別の世界? ……ということは、もしかして、君たちは──『降魔』の存在を知らないのか?」 「やはり。我々は違う世界の住人らしい。ビッグバンは、それぞれ別の世界から人間を呼び出している。カズマ、お前もそのことを覚えておいたほうがいいだろう。……大神さん、まずはあなたの世界についてお聞きしたい。別世界の住人である我々に機密は通用しないだろう? 話せる限りでいい」 黒岩は大神より情報を得ようと、巧みに大神を掬い上げていく。 もし、彼がシャンゼリオンやビーファイターのように変身するなら最良、戦闘能力があるならば良。 降魔なる存在がどの程度手ごわいのかも知らないし、利用価値を探るには彼の世界について聞いておいたほうが良さそうだった。 「……わかった。君たちに全てを話そう。マリアや俺は降魔と戦う特殊部隊・帝国華撃団の一員だ」 大神も、黒岩や剣崎、カズマについて聞くのを前提に話し始めた。 この隊員の個性や特技なども一応話しておく。女のことをベラベラと話すデリカシーのない男だと思われたら厭だなぁ……と思うが、緊急事態を相手には仕方がないだろう。 ★ ★ ★ ★ ★ 「……なるほど。そちらの世界の事情はわかりました。あなたが我々の生きる時代よりも遥か前の人間であることも含め、我々が呼ばれたのは時空だけでなく時間さえもバラバラであるという優良な情報が得られましたよ」 「ああ。こちらも未来の帝都や世界について色々と聞けて面白かったよ。剣崎くんやカズマくんや黒岩さんの言う東京はだいたい統一されたイメージのようだしね」 「信じられねえ。こいつらの時代にはロスト・グラウンドもアルターもねえのか……」 それぞれは別々の反応で異世界の存在を飲み込んだ。 帝国華撃団と降魔の世界、仮面ライダーとアンデッドの世界、シャンゼリオンとダークザイドの世界、アルター使いの世界。──世界はさまざまである。 「……さて、井戸端会議で随分と時間をロスしてしまったようだ。疾風くんたちのところへ急ごう」 甲斐拓也という人間がいる以上、向こうには向かわなければならないはずだ。 本当に時間を食ってしまったから、彼らも分校の近くにはいないかもしれないが、ともかくは合流を約束した場所に向かいたい。 「剣崎くん、黒岩さん、カズマくん。俺もついていっていいかな?」 「構いません。むしろ、歓迎します。しかし、カズマ……お前は……」 「俺があんたについていくと思うかい?」 「というわけだ。元々、彼は私たちの仲間ではない。彼は単独行動をとりたいようだが」 「……いや、迂闊に近辺をふらつくのは危険だ。一人で行動するのは好ましくない」 「ヘイヘイ。だが、俺は反逆者さ。帝国華撃団の隊長さんとやらにだって、俺は反逆できる。どうするかい? 俺を引き止めるかい?」 カズマは片手で挑発するようなポーズをとるが、大神はそれに乗るような性格ではない。 というより、相手の機嫌を損ねずに流すことにおいては達人級である。 大神はうっすらと笑いながら、彼に返す。 彼もアルターという能力の持ち主だし、放っておいても問題ない部類だろう。 「なるほど。それなら構わないが、また生きて会うと約束してくれよ」 「そう簡単に死ぬタマじゃないんでね、大神隊長」 「それは良かった。じゃあ、向こうは彼に任せて俺たちは切札疾風、甲斐拓也の二名との合流に向かおう」 カズマと三人は互いに背を向け、全く別の場所に向かって歩きだした。 正義の人。野望の人。信念の人。色とりどりの人間たちも、たどり着くべきゴールはひとつ。 ビッグバンの打倒。そのための道を構築するために、それぞれのルートを歩いていく。 【1日目 黎明/E-9 草原】 【剣崎一真@仮面ライダー剣】 【状態】腹から胸にかけて斜めの傷(浅いです)、ブレイドに三十分変身不可 【装備】ブレイバックル@仮面ライダー剣、ラウズカード(スペードA~9)@仮面ライダー剣、パルセイバー(緑)@重甲ビーファイター 【道具】基本支給品一式、鯖@超光戦士シャンゼリオン 【思考・状況】 基本行動方針:黒岩と共に知人と合流。その後、 ビッグバンを打倒する策を練る。 1:人を守る。 2:黒岩、大神と雛見沢分校に戻る。 3:白いライダーの目的を知る。 4:切札と拓也のことが心配。 ※ヒーローズオペレーションF、超光戦士シャンゼリオン、重甲ビーファイター、サクラ大戦の一部の参加者について知りました。 ※スクライド世界についても把握しました。 ※42話終了後からの参戦です。 ※深沢小夜子は主催者が蘇生させたと考えています。 ※ブレイバックルが故障した可能性を考えています。 【黒岩省吾@超光戦士シャンゼリオン】 【状態】健康 ガウザーに一時間四十分変身不可 【装備】不明 【道具】基本支給品一式、ランダム支給品1~3 【思考・状況】 基本行動方針:基本的にはビッグバン打倒。 1:剣崎、大神と雛見沢分校に戻る。 2:仲間を集める。ただし、弱いものは必要なし。 3:マリアの捜索。隙を見てラームを吸う。 4:カズマにはいずれ引導を渡す。 ※東京都知事になったあたりからの参戦です。 ※ガウザーの力については説明せず、嘘の情報を流しています。剣崎の前で見せた力についても後から都合よく説明した可能性が高いです。 ※ヒーローズオペレーションF、仮面ライダー剣、重甲ビーファイター、サクラ大戦の一部の参加者について知りました。 ※スクライド世界についても把握しました。 ※この殺し合いの中には、パラレルワールドの存在があると思っています 【大神一郎@サクラ大戦】 【状態】健康 【装備】不明 【道具】基本支給品一式、キネマトロン(大神)@サクラ大戦、ランダム支給品0~2(確認済み) 【思考・状況】 基本行動方針:殺し合いを潰す。 1:帝国華撃団のメンバーを探す。 2:何かあったらキネマトロンでマリアに連絡する。 3:剣崎、黒岩についていく。 ※キネマトロンを知っており、降魔と戦っているので2終盤からの参戦です。 ※キネマトロンには紅蘭のキネマトロン番号が登録されています。 ※仮面ライダー剣、超光戦士シャンゼリオン、スクライドの世界について知りました。それに伴い、未来の帝都についても把握しました。 【カズマ@スクライド】 【状態】健康 アルター一時間四十分使用不可 【装備】不明 【道具】基本支給品一式、ランダム支給品1~3 【思考・状況】 基本行動方針:打倒ビッグバン。 1:自分のやり方でビッグバンを倒すための手がかりを得る。 2:もう建物を無差別に破壊するような真似はしない。 3:黒岩の名前を刻んだ。もう一度戦う。 ※少なくとも第二形態に強化後(君島死亡後)の参戦です。 ※名簿や支給品の確認全くしていません。 ※仮面ライダー剣、超光戦士シャンゼリオン、サクラ大戦の世界について知りました。 |061:[[能力を縛る輪]]|投下順|063:[[コアミラーを破壊せよ]]| |060:[[いざ、神根島へ]]|時系列順|063:[[コアミラーを破壊せよ]]| |059:[[崩落 の ステージ]]|剣崎一真|| |059:[[崩落 の ステージ]]|黒岩省吾|| |002:[[皇帝の手駒]]|大神一郎|| |059:[[崩落 の ステージ]]|カズマ||

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