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*崩落 の ステージ ---- 「なるほど、確かに黒岩なんて都知事の名前は聞いたことがない」 剣崎一真は黒岩の唱えるパラレルワールド説に納得する。 そして、それぞれの世界には明確な敵と呼ばれる存在があったことを口々に語る。 黒岩省吾と甲斐拓也の言葉はそれが真実であることを認めざるを得ない説得力を持っていた。 「不死の生物アンデッド、異次元の敵ダークザイドとジャマール……俺の世界にはそんな怪物はいませんでしたね」 切札疾風にとってはそんな怪物たちの存在は漫画やアニメの中の存在だった。 黒岩はその言葉を聞き、やはり足手まといになることは確実だと揺るがない判断を下す。 だが、行動を起こすには早すぎるため、それは胸の内にしまっておく。 「でも、どの世界にも俺や剣崎さんみたいにそんな怪物と戦うヒーローもいる」 「ああ、黒岩さん、あんたも何か力を持ってるんじゃないのか?」 拓也の一言に剣崎は肯定しつつ、黒岩に疑問を投げかける。 ダークザイドの存在を知っており、この非常時にもかかわらずこの落ち着き。 剣崎は直感から黒岩が只者ではないことを悟っていた。 「申し訳ない、私のことは詳しくは話せないんだ。……が、私も確かに腕に覚えはある」 黒岩は教室内の机に目をやると、そこに鋭い手刀を放つ。 するとその机は剣で斬られたかのように真っ二つとなる。 「ダークザイドと戦うためにSAIDOCという組織があるのだが、それとは別に存在している組織で私は闘っているんだ」 その言葉は以前、シャンゼリオンと初めて出会った時についた嘘とほぼ同じであった。 ガウザーの力を見せることはできないが、鍛えた力を見せるくらいならば何の痛手にもなりはしない。 「同じダークザイドと戦ってるのに別組織なんて非効率的じゃありませんか?」 その言葉を不思議に思った拓也が問いかける。 「私の所属している組織はダークザイドにすら存在を知られないために、隠密でなければならないのです。 しかし、SAIDOCは国の力が多少なりとも働いている、彼らを盾にしていると考えていただければ」 「確かに敵に存在が知られれば相手はそこを確実に狙ってくるでしょうし、仕方がありませんね」 黒岩の饒舌っぷりにはさすがの拓也も納得せざるを得なかった。 更にダメ押しとばかりに付け加える。 「何よりSAIDOCの戦士、シャンゼリオンは信用できませんからね」 そこから黒岩はシャンゼリオンに変身する涼村暁のことを語りだした。 私立探偵にも関わらず多額の借金を背負っていること。 女ったらしでナンパが趣味なこと。 甘いものが大好きなこと。 他にも知りうる情報をすべて。 「と、まあこんないい加減な男と共に戦うのは完璧主義な私の思想に反するわけです」 黒岩のもはや演説レベルに達している会話に全員が聞き耽る。 その時だった。 地面が、もとい建物そのものが揺れ始める。 まるで工事でもしているかのような音が建物内に響き渡る。 「誰かが外から攻撃を仕掛けてるのか!?」 「もしかしたら、さっき俺を襲った女の人が帰ってきた……?」 疾風は傷つけられた目を抑える。 ぼやけてしか見えない視界にはあの時の光景が染みついてフラッシュバックする。 「ともかく、早く建物から出るんだ!」 拓也がそう切り出し、窓に全員を誘導する。 剣崎が一番先に屋外へと移動を開始する。 全員が外に注目する中で黒岩はチャンスだと判断する。 建物が崩れる可能性が高いこの状況でけが人が転べばそれだけのタイムロスが生まれ、生き埋めになる。 このチャンスを逃す手はないと判断し、黒岩は拓也と剣崎の目を盗み、疾風の体を思いきり突き飛ばす。 「うっ!く、黒岩さん!?」 その声に二人も振り返る。 「黒岩さん!あんた、なにやってんだ!」 剣崎が怒声を上げる。 死角から押したはずだったが、不覚にも押す姿が見られてしまった。 こうなってしまっては足手まといを切った意味がなくなる、と思った矢先だった。 照明が素早い勢いで、先ほどまで疾風がいた位置ちょうどに落下する。 「あ……」 思わず疾風は驚く。 もし、黒岩があの時押していなければ、確実に照明が頭に落下していただろう。 照明のガラスの欠片が黒岩の方へと飛び、頬の切り傷から血が一筋流れる。 「黒岩さん、身を挺して疾風くんを助けてくれたんですね!」 「あ、ああ……」 思わぬ事態に拍子抜けになるが、拓也に早く外へ出るように促され、剣崎に次いで外へ脱出する。 「疾風くん、大丈夫かい?」 「はい、黒岩さんが助けてくれなかったら今頃どうなっていたか……」 拓也は疾風に駆け寄り、立ち上がらせ、窓へと向かおうとする。 だが、不運なことに窓際の屋根が落下し、脱出口が一つ潰れてしまう。 「なんてこった……仕方ない、他の外に繋がってる場所へ急ごう!」 そう判断すると拓也は疾風を背負い、教室から飛び出す。 その瞬間、教室は完全に潰れた。 こうなってしまっては他が潰れるのも時間の問題である。 拓也は疾風にしっかり掴まっているよう促し、助走をつけて廊下の窓ガラスをぶち破りつつ外へと脱出する。 「なんとか助かったか……」 安どのため息をつき、腰を落とす。 剣崎と黒岩の姿はなぜか見えないが、自分たちを見捨てたとは考えられない。 一体どこに行ったのだろうか、と考えている時、背後から声をかけられる。 「あの建物を壊したのは君たち?」 知らない男だったが、突然襲い掛からない時点で悪い人ではないと拓也は判断する。 疾風にとってもそれは同じだったようで、すぐに回答する。 「いえ、俺たちじゃないです。突然崩れ始めました」 「ふーん、ということはあの子が爆弾でも仕掛けたって事かな」 「あの子……?えーっと、あなたは何か知ってるんですか?」 「ああ、さっき慌ててる様子の女性がいたんだよ」 男は先程であった女性ことユリカの話をした。 突然走り去っていったものの、情報を持っていなかった時点で興味がなかったのだが。 「その人、俺のことを突然殺そうとして斬りかかってきたんです」 「それが原因で疾風くん……この子の左目は今見えにくくなってるらしいんだ」 「そうなんだ。殺し合いに乗ってるんならあの時始末したらよかったかなあ」 「え?」 後半の小声で言った言葉について問いかけられる。 だが、そんなことはこの際どうでもいいことなため、男はスルーすることにした。 「こっちの話だよ。僕は東條悟、この殺し合いを止めて英雄になるんだ」 「素晴らしい考えだと思います、俺は甲斐拓也と言います」 「俺は切札疾風です、よかったら一緒に行動してくれませんか?」 お互い自己紹介しつつ、ともに行動しないかと勧誘する。 剣崎と黒岩の姿が見えないし、同じ志を持っているなら共にいて損はないと判断したからだ。 「残念だけどそれはできないかなあ」 「どうしてかな?」 意外な返答に拓也は思わず聞き返す。 東條は何の迷いもなくそれへの答えを返す。 「それはね、一人で殺し合いを止めた方が英雄っぽいからだよ」 「英雄って……でも一人だと限界があると思います」 「だったらそれまでだった、って話だね」 東條は折れる気配を全然見せず、無邪気に振る舞う。 その態度から見ても説得は困難だと拓也は判断した。 「わかった。でも覚えていてほしい、昆虫たちが力を合わせればすごい力を発揮するように、人間も同じだということを」 「そっか。ところで君たちはビッグ・バンについて何か知ってるかな?」 「奴のことはわからないが、俺たちは全員パラレルワールドから集められているというのはほぼ間違いない」 「……なるほど、それじゃあね」 東條は手を振りながら走り去る。 仲間にできなかったのは手痛いところだが、他にも二人の安否が心配だ。 もしかしたらあの女性に闇討ちされたのではないかと思うと不安になる。 「二人は戦う力もあるし、大丈夫なはずだ……。 今はここからすぐに離れよう、きっと建物の崩れる音を聞いた人たちが殺し合いに乗っている乗ってないに関わらず集まってくるかもしれない」 「そうですね……黒岩さんには後でちゃんとお礼を言いたいけど、今はここから離れて身を隠すのが一番だと思います」 二人はお互いに納得すると、その場を後にした。 【1日目 黎明/D-9 元雛見沢分校】 ※現在は廃墟と化しています。 【切札疾風@ヒーローズオペレーションF】 【状態】顔の右下から左上にかけて傷(浅いです)、左目がぼやけるため片目 【装備】ベレッタM92(8/8)@現実 【道具】基本支給品一式、ランダム支給品×2(武器として使えるものではない) 【思考・状況】 基本行動方針:甲斐拓也と共に知人と合流。その後、 ビッグバンを打倒する策を練る。 1:痛みは引いたが、左目は治したい。 2:拓也と行動する。 3:この場からいったん離れる。 4:黒岩に会ったら礼を言う。 ※仮面ライダー剣、重甲ビーファイター、超光戦士シャンゼリオンの一部参加者について知りました。 ※左目を瞑っているため、平衡感覚や遠近感覚に若干の支障をきたします。 【甲斐拓也@重甲ビーファイター】 【状態】健康、ブルービートに一時間変身不可 【装備】ビーコマンダー@重甲ビーファイター 【道具】基本支給品一式、ランダム支給品0~2 【思考・状況】 基本行動方針:ビッグバンを打倒する策を練る。 1:切札と行動する。 2:この場から離れる。 3:消えた二人が心配 ※この殺し合いの中には、パラレルワールドの存在があると思っています ※ヒーローズオペレーションF、超光戦士シャンゼリオン、仮面ライダー剣の一部の参加者について知りました。 【1日目 黎明/D-9 元雛見沢分校】 【東條悟@仮面ライダー龍騎】 【状態】健康 【装備】タイガのデッキ@仮面ライダー龍騎 【道具】基本支給品一式、ランダム支給品1~3 【思考・状況】 基本行動方針:殺し合いを止めて英雄になる。 1:まずはビッグバンに関する情報を集める。 2:ビッグバンについて知る人がいなかったときは、行動未定。 3:もしユリカと再び遭遇したら始末する予定。 ※本編初登場あたりからの参戦です。 「おらぁ!」 時を遡ること数分前、一人の男が建物に凄まじいパンチを打ち込んでいた。 男の名はカズマ。 その拳は常人とは思えないパワーで放たれる。 それを数回繰り返すが、ついに飽きたらしく、一息つき、高らかに叫ぶ。 「ビッグ・バン!見せてやるぜ、俺の拳をなあ!」 拳を握りなおすと、その右手は異形をした金へと変わる。 そこから放たれた一撃でいとも簡単に建物は崩壊した。 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 「黒岩さん、すみません、俺……一瞬だけあなたが悪い人じゃないかと疑ってしまいました」 「い、いや、あの状況なら仕方ない……」 窓から脱出した二人は先程のことを振り返っていた。 そんな折に天井が崩れ、窓からの脱出が不可能になる。 二人が心配な剣崎だが、黒岩は冷静に拓也の変身能力があれば問題ないと説く。 「それよりも今はこの建物を破壊している犯人を捜そう」 黒岩の提案に剣崎は賛成し、二人は原因と思われる音が響いている場所へ向かい走った。 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ それから少し経ち、二人は校舎を殴っている男を発見する。 「貴様かぁ!貴様が校舎をぉ!」 突然の怒声。 それが自分へと向けられていると判断したカズマは不機嫌そうな声で「あん?」とだけ返す。 声の主は剣崎一真であった。 黒岩も後から追いかけ、異形の腕をした男と対峙する。 「その腕……ダークザイドか?だが、お前のような奴は見たことがないが……」 「どこの誰だか知らねえが、ケンカに来たってんなら歓迎するぜ」 二人はカズマを異形の腕と建物を破壊した行為から無差別に人を殺す怪物だと判断していた。 そのため、その言葉は殺し合いに乗っていると宣言しているものだと判断されてしまう。 「剣崎さん、ここで戦えばさっきの音が原因で他の殺し合いに乗っているものが集まってくる可能性が高い。 つまり、三つ巴以上の大混戦になる可能性もある」 「わかった!……ということだ、戦うなら場所をここじゃない場所に変えたい!」 「オーケー、俺としてもケンカの邪魔されんのは嫌だしな」 三人はお互いを警戒しつつも移動を開始する。 この時、拓也たちはちょうど外に飛び出していた。 また、それぞれが違う方向へ向かって行ったことを知る者はこの時誰もいなかった。 【1日目 黎明/D-9 雛見沢分校】 【剣崎一真@仮面ライダー剣】 【状態】腹から胸にかけて斜めの傷(浅いです)、ブレイドに一時間変身不可 【装備】ブレイバックル@仮面ライダー剣、ラウズカード(スペードA~9)@仮面ライダー剣、パルセイバー(緑)@重甲ビーファイター 【道具】基本支給品一式、鯖@超光戦士シャンゼリオン 【思考・状況】 基本行動方針:黒岩と共に知人と合流。その後、 ビッグバンを打倒する策を練る。 1:人を守る。 2:黒岩と行動する。 3:白いライダーの目的を知る。 4:切札と拓也のことが心配。 5:校舎を破壊した犯人(カズマ)を倒す。 ※ヒーローズオペレーションF、超光戦士シャンゼリオン、重甲ビーファイターの一部の参加者について知りました。 ※42話終了後からの参戦です。 ※深沢小夜子は主催者が蘇生させたと考えています。 ※カズマを殺し合いに乗っているものだと思っています。 【黒岩省吾@超光戦士シャンゼリオン】 【状態】健康 【装備】不明 【道具】基本支給品一式、ランダム支給品1~3 【思考・状況】 基本行動方針:基本的にはビッグバン打倒。 1:剣崎と協力する。 2:仲間を集める。ただし、弱いものは必要なし。 3:今はまだガウザーの正体は隠す。 4:拓也と合流する。 5:校舎を破壊した犯人(カズマ)を倒す。 ※東京都知事になったあたりからの参戦です。 ※ガウザーの力については説明せず、嘘の情報を流しています。 ※ヒーローズオペレーションF、仮面ライダー剣、重甲ビーファイターの一部の参加者について知りました。 ※この殺し合いの中には、パラレルワールドの存在があると思っています ※カズマを殺し合いに乗っているものだと思っています。 【カズマ@スクライド】 【状態】健康 【装備】不明 【道具】基本支給品一式、ランダム支給品1~3 【思考・状況】 基本行動方針:打倒ビッグバン。 1:ケンカを売ってきた二人(剣崎と黒岩)と戦う。 2:まずは場所を変える。 |058:[[倫敦、花咲き──]]|投下順|060:[[いざ、神根島へ]]| |058:[[倫敦、花咲き──]]|時系列順|060:[[いざ、神根島へ]]| |035:[[積み木]]|甲斐拓也|068:[[ギガロの脅威/KとYの気づかぬ再会]]| |035:[[積み木]]|切札疾風|068:[[ギガロの脅威/KとYの気づかぬ再会]]| |035:[[積み木]]|東條悟|| |035:[[積み木]]|剣崎一真|062:[[打倒ビッグバン!それぞれの進むべき道]]| |035:[[積み木]]|黒岩省吾|062:[[打倒ビッグバン!それぞれの進むべき道]]| |035:[[積み木]]|カズマ|062:[[打倒ビッグバン!それぞれの進むべき道]]|
*崩落 の ステージ ---- 「なるほど、確かに黒岩なんて都知事の名前は聞いたことがない」 剣崎一真は黒岩の唱えるパラレルワールド説に納得する。 そして、それぞれの世界には明確な敵と呼ばれる存在があったことを口々に語る。 黒岩省吾と甲斐拓也の言葉はそれが真実であることを認めざるを得ない説得力を持っていた。 「不死の生物アンデッド、異次元の敵ダークザイドとジャマール……俺の世界にはそんな怪物はいませんでしたね」 切札疾風にとってはそんな怪物たちの存在は漫画やアニメの中の存在だった。 黒岩はその言葉を聞き、やはり足手まといになることは確実だと揺るがない判断を下す。 だが、行動を起こすには早すぎるため、それは胸の内にしまっておく。 「でも、どの世界にも俺や剣崎さんみたいにそんな怪物と戦うヒーローもいる」 「ああ、黒岩さん、あんたも何か力を持ってるんじゃないのか?」 拓也の一言に剣崎は肯定しつつ、黒岩に疑問を投げかける。 ダークザイドの存在を知っており、この非常時にもかかわらずこの落ち着き。 剣崎は直感から黒岩が只者ではないことを悟っていた。 「申し訳ない、私のことは詳しくは話せないんだ。……が、私も確かに腕に覚えはある」 黒岩は教室内の机に目をやると、そこに鋭い手刀を放つ。 するとその机は剣で斬られたかのように真っ二つとなる。 「ダークザイドと戦うためにSAIDOCという組織があるのだが、それとは別に存在している組織で私は闘っているんだ」 その言葉は以前、シャンゼリオンと初めて出会った時についた嘘とほぼ同じであった。 ガウザーの力を見せることはできないが、鍛えた力を見せるくらいならば何の痛手にもなりはしない。 「同じダークザイドと戦ってるのに別組織なんて非効率的じゃありませんか?」 その言葉を不思議に思った拓也が問いかける。 「私の所属している組織はダークザイドにすら存在を知られないために、隠密でなければならないのです。 しかし、SAIDOCは国の力が多少なりとも働いている、彼らを盾にしていると考えていただければ」 「確かに敵に存在が知られれば相手はそこを確実に狙ってくるでしょうし、仕方がありませんね」 黒岩の饒舌っぷりにはさすがの拓也も納得せざるを得なかった。 更にダメ押しとばかりに付け加える。 「何よりSAIDOCの戦士、シャンゼリオンは信用できませんからね」 そこから黒岩はシャンゼリオンに変身する涼村暁のことを語りだした。 私立探偵にも関わらず多額の借金を背負っていること。 女ったらしでナンパが趣味なこと。 甘いものが大好きなこと。 他にも知りうる情報をすべて。 「と、まあこんないい加減な男と共に戦うのは完璧主義な私の思想に反するわけです」 黒岩のもはや演説レベルに達している会話に全員が聞き耽る。 その時だった。 地面が、もとい建物そのものが揺れ始める。 まるで工事でもしているかのような音が建物内に響き渡る。 「誰かが外から攻撃を仕掛けてるのか!?」 「もしかしたら、さっき俺を襲った女の人が帰ってきた……?」 疾風は傷つけられた目を抑える。 ぼやけてしか見えない視界にはあの時の光景が染みついてフラッシュバックする。 「ともかく、早く建物から出るんだ!」 拓也がそう切り出し、窓に全員を誘導する。 剣崎が一番先に屋外へと移動を開始する。 全員が外に注目する中で黒岩はチャンスだと判断する。 建物が崩れる可能性が高いこの状況でけが人が転べばそれだけのタイムロスが生まれ、生き埋めになる。 このチャンスを逃す手はないと判断し、黒岩は拓也と剣崎の目を盗み、疾風の体を思いきり突き飛ばす。 「うっ!く、黒岩さん!?」 その声に二人も振り返る。 「黒岩さん!あんた、なにやってんだ!」 剣崎が怒声を上げる。 死角から押したはずだったが、不覚にも押す姿が見られてしまった。 こうなってしまっては足手まといを切った意味がなくなる、と思った矢先だった。 照明が素早い勢いで、先ほどまで疾風がいた位置ちょうどに落下する。 「あ……」 思わず疾風は驚く。 もし、黒岩があの時押していなければ、確実に照明が頭に落下していただろう。 照明のガラスの欠片が黒岩の方へと飛び、頬の切り傷から血が一筋流れる。 「黒岩さん、身を挺して疾風くんを助けてくれたんですね!」 「あ、ああ……」 思わぬ事態に拍子抜けになるが、拓也に早く外へ出るように促され、剣崎に次いで外へ脱出する。 「疾風くん、大丈夫かい?」 「はい、黒岩さんが助けてくれなかったら今頃どうなっていたか……」 拓也は疾風に駆け寄り、立ち上がらせ、窓へと向かおうとする。 だが、不運なことに窓際の屋根が落下し、脱出口が一つ潰れてしまう。 「なんてこった……仕方ない、他の外に繋がってる場所へ急ごう!」 そう判断すると拓也は疾風を背負い、教室から飛び出す。 その瞬間、教室は完全に潰れた。 こうなってしまっては他が潰れるのも時間の問題である。 拓也は疾風にしっかり掴まっているよう促し、助走をつけて廊下の窓ガラスをぶち破りつつ外へと脱出する。 「なんとか助かったか……」 安どのため息をつき、腰を落とす。 剣崎と黒岩の姿はなぜか見えないが、自分たちを見捨てたとは考えられない。 一体どこに行ったのだろうか、と考えている時、背後から声をかけられる。 「あの建物を壊したのは君たち?」 知らない男だったが、突然襲い掛からない時点で悪い人ではないと拓也は判断する。 疾風にとってもそれは同じだったようで、すぐに回答する。 「いえ、俺たちじゃないです。突然崩れ始めました」 「ふーん、ということはあの子が爆弾でも仕掛けたって事かな」 「あの子……?えーっと、あなたは何か知ってるんですか?」 「ああ、さっき慌ててる様子の女性がいたんだよ」 男は先程であった女性ことユリカの話をした。 突然走り去っていったものの、情報を持っていなかった時点で興味がなかったのだが。 「その人、俺のことを突然殺そうとして斬りかかってきたんです」 「それが原因で疾風くん……この子の左目は今見えにくくなってるらしいんだ」 「そうなんだ。殺し合いに乗ってるんならあの時始末したらよかったかなあ」 「え?」 後半の小声で言った言葉について問いかけられる。 だが、そんなことはこの際どうでもいいことなため、男はスルーすることにした。 「こっちの話だよ。僕は東條悟、この殺し合いを止めて英雄になるんだ」 「素晴らしい考えだと思います、俺は甲斐拓也と言います」 「俺は切札疾風です、よかったら一緒に行動してくれませんか?」 お互い自己紹介しつつ、ともに行動しないかと勧誘する。 剣崎と黒岩の姿が見えないし、同じ志を持っているなら共にいて損はないと判断したからだ。 「残念だけどそれはできないかなあ」 「どうしてかな?」 意外な返答に拓也は思わず聞き返す。 東條は何の迷いもなくそれへの答えを返す。 「それはね、一人で殺し合いを止めた方が英雄っぽいからだよ」 「英雄って……でも一人だと限界があると思います」 「だったらそれまでだった、って話だね」 東條は折れる気配を全然見せず、無邪気に振る舞う。 その態度から見ても説得は困難だと拓也は判断した。 「わかった。でも覚えていてほしい、昆虫たちが力を合わせればすごい力を発揮するように、人間も同じだということを」 「そっか。ところで君たちはビッグ・バンについて何か知ってるかな?」 「奴のことはわからないが、俺たちは全員パラレルワールドから集められているというのはほぼ間違いない」 「……なるほど、それじゃあね」 東條は手を振りながら走り去る。 仲間にできなかったのは手痛いところだが、他にも二人の安否が心配だ。 もしかしたらあの女性に闇討ちされたのではないかと思うと不安になる。 「二人は戦う力もあるし、大丈夫なはずだ……。 今はここからすぐに離れよう、きっと建物の崩れる音を聞いた人たちが殺し合いに乗っている乗ってないに関わらず集まってくるかもしれない」 「そうですね……黒岩さんには後でちゃんとお礼を言いたいけど、今はここから離れて身を隠すのが一番だと思います」 二人はお互いに納得すると、その場を後にした。 【1日目 黎明/D-9 元雛見沢分校】 ※現在は廃墟と化しています。 【切札疾風@ヒーローズオペレーションF】 【状態】顔の右下から左上にかけて傷(浅いです)、左目がぼやけるため片目 【装備】ベレッタM92(8/8)@現実 【道具】基本支給品一式、ランダム支給品×2(武器として使えるものではない) 【思考・状況】 基本行動方針:甲斐拓也と共に知人と合流。その後、 ビッグバンを打倒する策を練る。 1:痛みは引いたが、左目は治したい。 2:拓也と行動する。 3:この場からいったん離れる。 4:黒岩に会ったら礼を言う。 ※仮面ライダー剣、重甲ビーファイター、超光戦士シャンゼリオンの一部参加者について知りました。 ※左目を瞑っているため、平衡感覚や遠近感覚に若干の支障をきたします。 【甲斐拓也@重甲ビーファイター】 【状態】健康、ブルービートに一時間変身不可 【装備】ビーコマンダー@重甲ビーファイター 【道具】基本支給品一式、ランダム支給品0~2 【思考・状況】 基本行動方針:ビッグバンを打倒する策を練る。 1:切札と行動する。 2:この場から離れる。 3:消えた二人が心配 ※この殺し合いの中には、パラレルワールドの存在があると思っています ※ヒーローズオペレーションF、超光戦士シャンゼリオン、仮面ライダー剣の一部の参加者について知りました。 【1日目 黎明/D-9 元雛見沢分校】 【東條悟@仮面ライダー龍騎】 【状態】健康 【装備】タイガのデッキ@仮面ライダー龍騎 【道具】基本支給品一式、ランダム支給品1~3 【思考・状況】 基本行動方針:殺し合いを止めて英雄になる。 1:まずはビッグバンに関する情報を集める。 2:ビッグバンについて知る人がいなかったときは、行動未定。 3:もしユリカと再び遭遇したら始末する予定。 ※本編初登場あたりからの参戦です。 「おらぁ!」 時を遡ること数分前、一人の男が建物に凄まじいパンチを打ち込んでいた。 男の名はカズマ。 その拳は常人とは思えないパワーで放たれる。 それを数回繰り返すが、ついに飽きたらしく、一息つき、高らかに叫ぶ。 「ビッグ・バン!見せてやるぜ、俺の拳をなあ!」 拳を握りなおすと、その右手は異形をした金へと変わる。 そこから放たれた一撃でいとも簡単に建物は崩壊した。 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 「黒岩さん、すみません、俺……一瞬だけあなたが悪い人じゃないかと疑ってしまいました」 「い、いや、あの状況なら仕方ない……」 窓から脱出した二人は先程のことを振り返っていた。 そんな折に天井が崩れ、窓からの脱出が不可能になる。 二人が心配な剣崎だが、黒岩は冷静に拓也の変身能力があれば問題ないと説く。 「それよりも今はこの建物を破壊している犯人を捜そう」 黒岩の提案に剣崎は賛成し、二人は原因と思われる音が響いている場所へ向かい走った。 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ それから少し経ち、二人は校舎を殴っている男を発見する。 「貴様かぁ!貴様が校舎をぉ!」 突然の怒声。 それが自分へと向けられていると判断したカズマは不機嫌そうな声で「あん?」とだけ返す。 声の主は剣崎一真であった。 黒岩も後から追いかけ、異形の腕をした男と対峙する。 「その腕……ダークザイドか?だが、お前のような奴は見たことがないが……」 「どこの誰だか知らねえが、ケンカに来たってんなら歓迎するぜ」 二人はカズマを異形の腕と建物を破壊した行為から無差別に人を殺す怪物だと判断していた。 そのため、その言葉は殺し合いに乗っていると宣言しているものだと判断されてしまう。 「剣崎さん、ここで戦えばさっきの音が原因で他の殺し合いに乗っているものが集まってくる可能性が高い。 つまり、三つ巴以上の大混戦になる可能性もある」 「わかった!……ということだ、戦うなら場所をここじゃない場所に変えたい!」 「オーケー、俺としてもケンカの邪魔されんのは嫌だしな」 三人はお互いを警戒しつつも移動を開始する。 この時、拓也たちはちょうど外に飛び出していた。 また、それぞれが違う方向へ向かって行ったことを知る者はこの時誰もいなかった。 【1日目 黎明/D-9 雛見沢分校】 【剣崎一真@仮面ライダー剣】 【状態】腹から胸にかけて斜めの傷(浅いです)、ブレイドに一時間変身不可 【装備】ブレイバックル@仮面ライダー剣、ラウズカード(スペードA~9)@仮面ライダー剣、パルセイバー(緑)@重甲ビーファイター 【道具】基本支給品一式、鯖@超光戦士シャンゼリオン 【思考・状況】 基本行動方針:黒岩と共に知人と合流。その後、 ビッグバンを打倒する策を練る。 1:人を守る。 2:黒岩と行動する。 3:白いライダーの目的を知る。 4:切札と拓也のことが心配。 5:校舎を破壊した犯人(カズマ)を倒す。 ※ヒーローズオペレーションF、超光戦士シャンゼリオン、重甲ビーファイターの一部の参加者について知りました。 ※42話終了後からの参戦です。 ※深沢小夜子は主催者が蘇生させたと考えています。 ※カズマを殺し合いに乗っているものだと思っています。 【黒岩省吾@超光戦士シャンゼリオン】 【状態】健康 【装備】不明 【道具】基本支給品一式、ランダム支給品1~3 【思考・状況】 基本行動方針:基本的にはビッグバン打倒。 1:剣崎と協力する。 2:仲間を集める。ただし、弱いものは必要なし。 3:今はまだガウザーの正体は隠す。 4:拓也と合流する。 5:校舎を破壊した犯人(カズマ)を倒す。 ※東京都知事になったあたりからの参戦です。 ※ガウザーの力については説明せず、嘘の情報を流しています。 ※ヒーローズオペレーションF、仮面ライダー剣、重甲ビーファイターの一部の参加者について知りました。 ※この殺し合いの中には、パラレルワールドの存在があると思っています ※カズマを殺し合いに乗っているものだと思っています。 【カズマ@スクライド】 【状態】健康 【装備】不明 【道具】基本支給品一式、ランダム支給品1~3 【思考・状況】 基本行動方針:打倒ビッグバン。 1:ケンカを売ってきた二人(剣崎と黒岩)と戦う。 2:まずは場所を変える。 |058:[[倫敦、花咲き──]]|投下順|060:[[いざ、神根島へ]]| |058:[[倫敦、花咲き──]]|時系列順|060:[[いざ、神根島へ]]| |035:[[積み木]]|甲斐拓也|068:[[ギガロの脅威/KとYの気づかぬ再会]]| |035:[[積み木]]|切札疾風|068:[[ギガロの脅威/KとYの気づかぬ再会]]| |035:[[積み木]]|東條悟|072:[[運命の切札]]| |035:[[積み木]]|剣崎一真|062:[[打倒ビッグバン!それぞれの進むべき道]]| |035:[[積み木]]|黒岩省吾|062:[[打倒ビッグバン!それぞれの進むべき道]]| |035:[[積み木]]|カズマ|062:[[打倒ビッグバン!それぞれの進むべき道]]|

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