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友情ええやないか」(2011/08/15 (月) 22:57:49) の最新版変更点

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*友情ええやないか ---- カレンの支給品が草原に散らばっている。散らばっているといっても、あるのはランダムで配置されたものばかりだ。 これは、協力者たるレナの信用を得るためだった。別にレナに支給品について問われたからというわけでもなく、自主的に見せている。というのも、先ほどレナに鉈を突きつけられているので、完全に信用を得ているかという点でやや不安が残っているのだ。 どれも武器として使えないので、はっきり言ってここに置いて去ってもいいようなもの……。 あえて所持品として持っているのは、こういったものを支給することに何らかの意味がある可能性を考えてのことだ。武器として使えなくても、主催者の真意を探る可能性がある道具かもしれない。 ――ラウズカード トランプのカードがほんの一部だけ支給されている。 スペード、ダイヤ、ハート、クラブ……その13、Kのみが支給されていた。柄はおなじみの冠ジジイのものではなく、虫のようなものが描かれている。 まあ、ともかくオシャレなトランプカードだというのはよくわかった。 だが、宇宙人にトランプの概念があるのだろうか。 もしや、宇宙人であるビッグバンは、このトランプさえ武器として扱うことができるのか……? 「……少し固いトランプだね」 「確かに。でも、それ以外は普通のトランプだ」 と、多少の不審は流す。 とにかく、カレンはそれをバッグに戻した。 あともうひとつの支給品も、あまり実用的とは言いがたい。 床に散らばった「それ」を凝視する視線が確かにあった。 それは、レナによるものである。いつもとは違う目つき……。 「何これ……どうしてカレンちゃん、『これ』を隠してたのかな? かな?」 「え……別に隠していたわけじゃ……」 声色さえ、先ほどまでのレナと少し違ったものであることに気付く。 カレンは、そんなレナの様子に戦慄する。 『これ』が一体、何故レナの様子をここまで変える……? カレンにはそれがまるでわからないし、何か悪いことをしてしまったのだろうか──と恐れた。 ようやく、レナが口を開く。 「はぅ~~~~~~~!!! かぁいいよ~~~~~!! お持ち帰り~~~~~~!!」 カレンのもうひとつの支給品は、くまのぬいぐるみだった。 なんだ……こういう意味か。カレンは少し、力を抜いて溜息をついた。 別に、レナがこれに強い意味を感じていたというわけじゃなさそうだ。ただ単に、女の子としてこれが気に入ったのだろう。 カレンも少し可愛いと思ったが、まあ今ビッグバンを討つ為の戦士として戦おうというカレンには捨てるべき感情だ。 どうせなら、レナにあげてしまおう、と口を開こうとするが、先にレナに言われる。 「ねえ、カレンちゃん。レナの支給品とコレ、交換してくれるかな? かな?」 「あ……ああ、構わないけど……」 「じゃあ、ちょっと待ってて……」 レナは自分のデイパックを漁り始めた。 彼女の支給品は何だろうか。──まあ、可愛くないものなんだろう。 鉈のほかに、何があるのかわからないが、くまのぬいぐるみのように女心をくすぐるものをレナが渡してくれるとも思えないし、武器ならば尚更だろう。 じゃあ…… 「はい、これ!」 「これは……」 「レナもちょっとかぁいいと思ったんだけど、カレンちゃんがかぁいいものをくれたんだから、かぁいいものをあげないとダメだよね」 「あ……ありがとう!」  くまのぬいぐるみとの別れを名残惜しく思ったカレンの気持ちを察したのか、カレンに手渡されたのはぬいぐるみだ。ぬいぐるみだが、おそらく男の子向けで、ロボットをデフォルメしたような姿をしている。  ともかく、カレンの性格にも合わさってくまのぬいぐるみよりも好まれた。 レナにとってはクマ、カレンにとってはロボットのぬいぐるみが一番かわいい。これが交換されたのは、ともかく平和の証だろう。 そんなこんなで、二人には友情が芽生える。 それから、二人は信頼を胸に川の流れ通りに道を歩いていく。 すると、自然と川沿いを歩くような形になっていた。 夜の川とは、なかなか乙なものだ。 そこで、レナが何かに気付いて声をあげた。 「あ、見て、カレンちゃん! あれ!」 「え……?」 「バッグが流れてるよ!」 「本当だ!」 レナは近くの川でバッグがせき止められているのを見つけ、指差したのだ。カレンはすぐにそちらを向く。 あれは一体……? あのバッグの持ち主に何かあったのだろうか? もしかしたら、殺し合いをしたくないという意思が強く、デイパックを投げた人間がいるのかもしれない。 とにかく、レナとカレンはすぐに走ってそのバッグに向かっていく。 一応、武器も少ないし、今はそれを確認してみるべきだろう。捨てられたものにせよ、落としてしまったものにせよ……。 それに、レナやカレンと同じくぬいぐるみが入っているかもしれない。 そう思うと少しだけ力がわいた。カレンは水で濡れながらも、浅い川を渡り、バッグを拾うことに向かっていく。水の抵抗をうけるし、流れは浅瀬でもきついが、なんとかそれを拾い上げた。 「レナ、早速確認しよう!」 カレンは何とか、自分を見守るレナのところへデイパックを届けることができた。 ★ ★ ★ ★ ★ 「……ああ、どこ行ったんだよ俺のシャンバイザー!!」 「あの……さっきから気になってるんだけど、そのシャンバイザーって何なの?」 「よくぞ聞いてくれました! あれは俺がシャンゼリオンになるための武器なんだよ、だからあれをなくしたって言うとめんどくさいヤツがいてさ~」 シャンゼリオンこと暁はベラベラと、大事な機密を話し出した。 非常事態だから何してもいいと思っているんだろう。 で、結局暁はシャンゼリオンのことから、ダークザイドのこと、速水のこと、サイドックのこと、黒岩のこと、小夜子のことなど話していく。そういえば、片桐という名前も聞いたことがあるが……どこで聞いたのか、あまりよくは覚えていない。 「……で、君はそのダークザイドと戦ってきたシャンゼリオンだっていうの!?」 「ああ! だからシャンバイザーがねえと普通の探偵なんだよ」 「じゃあさ、アンデッドって知ってる!? 仮面ライダーとかさ!」 「うん? なんじゃそりゃ?」 「やっぱり知らないか……実はラウズカードから……」 虎太郎も、同じく裏で戦うヒーローである暁に、「別のヒーロー」、「別の怪人」の話をし始めた。 アンデッド以外にも怪物がいたことは意外だったが、元の世界に帰ったら彼もアンデッドと戦うために協力してくれるかもしれない。 剣崎たちに協力してくれるかもしれないし、間違いなく剣崎たちはダークザイドを倒すために奮闘してくれるだろうと思った。 だから、剣崎など仲間のことまで包み隠さず話し出す。 「なるほど! ダークザイド以外にもバケモノがいたのか……」 「こっちこそ意外だよ! ……でもさ、君ってシャンバイザーがないと戦えないんだよね!」 「そうだ! 今ならまだシャンバイザーに追いつけるかもしれない! いくぞ虎太郎!!」 「よし! これも剣崎くんたちの為だもんね!」  虎太郎と暁は気合を入れ、川の流れを追って走り出した。  ……まあ、川の速さに追いつくはずはないだろうが。 ★ ★ ★ ★ ★ 一方、その頃……彼のデイパックを拾った少女。 ぬいぐるみが入ってないのに一度失望し、武器も入っていなかったことに二度失望した。 いや、これを武器と呼ぶかどうか……。 「好き嫌い逆転ビーム?」 「……信憑性がまるでない武器ね」 好き嫌い逆転ビームという、怪しげな武器が入っていた。 まあ、これが本当ならば、いっそビッグバンにこのビームを浴びせて「殺し合いが大嫌い!やめる!」とできる可能性も僅かながら考えられるが……。 彼女たちは知る由もないが、本来これはジャマールが作り出して、街を大混乱に陥れた武器である。一応は、これが実際に使える道具なのも確かだ。 それをどう使うかはともかく……。 「……まあいいか。本当なら何かに使えるかもしれない」 「そうだね。一応持っておこうよ」 カレンは好き嫌い逆転ビームを装備した! レナはバッグの中身を自分のバッグに移し変えた! 「とにかく、これが流れてきたのは気になる……。一度上流に戻ってみよう」 ★ ★ ★ ★ ★ 「で、こういうの入ってなかったかな? シャンバイザーっていうんだけど」 それからしばらくして、カレンとレナは変な男に絡まれることになった。片方の男がしつこく絡んでくるが、もう片方はそれに少し呆れているようにも見える。その絡んでくるほうの男は、例によって格好がパジャマだ。何でこの男はこんな格好でうろついているのか。 まあ、男たちは下流、女たちは上流を目指したのだから鉢合わせるのは当然ともいえる。 本人曰く、彼は「探偵」の「涼村暁」らしい。彼はへたくそな絵を見せてきて、これがカバンの近くにあったはずだと主張している。メガネとか、サンバイザーとかそういうのをハデにした感じがしている。 ……が、おそらくそれは好き嫌い逆転ビームではなさそうだ。カレンたちの拾ったものではない。 「だから、ありませんって」 「……ああ、シャンバイザーはまだ先かぁ……骨が折れるぜ」 「まあ、頑張ろう! もしかしたら、もうすぐで見つかるかもしれないし」 「そうだな。ごめんね、お嬢さん達! またどこかで!」 二人はそこから走り去っていく。 彼らがデイパックのことしか話さなかったので、カレンたちは先ほど拾ったものが彼らの武器であるということを知る術はない。ただ単純に二人がシャンバイザーという道具だけを目的としていたからである。 デイパックのことは二の次、三の次。 「……ふう。変な人たちだったね」 「ああ。だが、私たちを殺す意思はなさそうだ。どちらにせよ、仲間に引き入れたいとは思わなかったが……」 「あの人たちには、あの人たちの目的があるんだよ。今はそれに必死だから、レナたちを引き入れることもないかもね」 まあ、これは別に何ということのないすれ違いの話である。 シャンバイザーはどちらにせよ手に入ることはないし、このまますれ違ったか、すれ違わずに武器と道具を渡したかで大きく違うことはないのかもしれない。 ……これは本当にただの、すれ違いの話である。 【1日目 黎明/D-5 草原】 【白井虎太郎@仮面ライダー剣】 【状態】健康 【装備】警棒@現実 【道具】基本支給品一式、ランダム支給品0~1 【思考・状況】 基本行動方針:殺し合いには乗らない。 1:とりあえず暁と一緒にシャンバイザーを捜す。下流へ向かう。 2:それから、暁と一緒に、速水や剣崎たちの捜索をする。 ※暁にシャンゼリオンのことやダークザイドのことを聞きました。 【涼村暁@超光戦士シャンゼリオン】 【状態】睡眠で疲労とダメージ少々回復 【装備】なし 【道具】なし 【思考・状況】 基本行動方針:殺し合いには乗らないけど死にたくない。 1:とにかくシャンバイザーを捜す。下流へ向かう。 2:凪(名前は知らない)への恐怖でいっぱい。 3:それから、虎太郎と一緒に、速水や剣崎たちの捜索をする。 ※デイパックとシャンバイザー@超光戦士シャンゼリオンは流されました。 ※参戦時期は本編後半です(小夜子を知っているため)。 ※服装は青のパジャマです。 ※虎太郎に仮面ライダーのことやアンデッドのことを聞きました。 【紅月カレン@コードギアス 反逆のルルーシュ】 【状態】健康 【装備】あけぼの署の拳銃(弾は1発)@魔弾戦記リュウケンドー、好き嫌い逆転ビーム@重甲ビーファイター 【道具】基本支給品一式、ラウズカード(K4枚)@仮面ライダー剣、ゲキ・ガンガー3のぬいぐるみ@機動戦艦ナデシコ 【思考・状況】 基本行動方針:ビッグ・バンを倒す。 1:レナと共に上流へ向かう。 ※ビッグ・バンとブリタニア軍は宇宙人だと思い込んでいます。 ※1期の序盤からの参戦です。 【竜宮レナ@ひぐらしのなく頃に】 【状態】健康 【装備】鉈@現実 【道具】基本支給品一式×2、ジャンポール@サクラ大戦、ランダム支給品0~1 【思考・状況】 基本行動方針:ビッグ・バンを倒す。 1:カレンと共に上流へ向かう。 ※ビッグ・バンを宇宙人だと思い込んでいます。 ※パラレルワールドから集められていると判断しています。 ※罪滅し編にて鷹野の34号文書を読んだ後からの参戦です。 |055:[[Murder Way]]|投下順|| |055:[[Murder Way]]|時系列順|| |038:[[目が覚めて]]|白井虎太郎|| |038:[[目が覚めて]]|涼村暁|| |044:[[ふたりのバトロワ]]|紅月カレン|| |044:[[ふたりのバトロワ]]|竜宮レナ||
*友情ええやないか ---- カレンの支給品が草原に散らばっている。散らばっているといっても、あるのはランダムで配置されたものばかりだ。 これは、協力者たるレナの信用を得るためだった。別にレナに支給品について問われたからというわけでもなく、自主的に見せている。というのも、先ほどレナに鉈を突きつけられているので、完全に信用を得ているかという点でやや不安が残っているのだ。 どれも武器として使えないので、はっきり言ってここに置いて去ってもいいようなもの……。 あえて所持品として持っているのは、こういったものを支給することに何らかの意味がある可能性を考えてのことだ。武器として使えなくても、主催者の真意を探る可能性がある道具かもしれない。 ――ラウズカード トランプのカードがほんの一部だけ支給されている。 スペード、ダイヤ、ハート、クラブ……その13、Kのみが支給されていた。柄はおなじみの冠ジジイのものではなく、虫のようなものが描かれている。 まあ、ともかくオシャレなトランプカードだというのはよくわかった。 だが、宇宙人にトランプの概念があるのだろうか。 もしや、宇宙人であるビッグバンは、このトランプさえ武器として扱うことができるのか……? 「……少し固いトランプだね」 「確かに。でも、それ以外は普通のトランプだ」 と、多少の不審は流す。 とにかく、カレンはそれをバッグに戻した。 あともうひとつの支給品も、あまり実用的とは言いがたい。 床に散らばった「それ」を凝視する視線が確かにあった。 それは、レナによるものである。いつもとは違う目つき……。 「何これ……どうしてカレンちゃん、『これ』を隠してたのかな? かな?」 「え……別に隠していたわけじゃ……」 声色さえ、先ほどまでのレナと少し違ったものであることに気付く。 カレンは、そんなレナの様子に戦慄する。 『これ』が一体、何故レナの様子をここまで変える……? カレンにはそれがまるでわからないし、何か悪いことをしてしまったのだろうか──と恐れた。 ようやく、レナが口を開く。 「はぅ~~~~~~~!!! かぁいいよ~~~~~!! お持ち帰り~~~~~~!!」 カレンのもうひとつの支給品は、くまのぬいぐるみだった。 なんだ……こういう意味か。カレンは少し、力を抜いて溜息をついた。 別に、レナがこれに強い意味を感じていたというわけじゃなさそうだ。ただ単に、女の子としてこれが気に入ったのだろう。 カレンも少し可愛いと思ったが、まあ今ビッグバンを討つ為の戦士として戦おうというカレンには捨てるべき感情だ。 どうせなら、レナにあげてしまおう、と口を開こうとするが、先にレナに言われる。 「ねえ、カレンちゃん。レナの支給品とコレ、交換してくれるかな? かな?」 「あ……ああ、構わないけど……」 「じゃあ、ちょっと待ってて……」 レナは自分のデイパックを漁り始めた。 彼女の支給品は何だろうか。──まあ、可愛くないものなんだろう。 鉈のほかに、何があるのかわからないが、くまのぬいぐるみのように女心をくすぐるものをレナが渡してくれるとも思えないし、武器ならば尚更だろう。 じゃあ…… 「はい、これ!」 「これは……」 「レナもちょっとかぁいいと思ったんだけど、カレンちゃんがかぁいいものをくれたんだから、かぁいいものをあげないとダメだよね」 「あ……ありがとう!」  くまのぬいぐるみとの別れを名残惜しく思ったカレンの気持ちを察したのか、カレンに手渡されたのはぬいぐるみだ。ぬいぐるみだが、おそらく男の子向けで、ロボットをデフォルメしたような姿をしている。  ともかく、カレンの性格にも合わさってくまのぬいぐるみよりも好まれた。 レナにとってはクマ、カレンにとってはロボットのぬいぐるみが一番かわいい。これが交換されたのは、ともかく平和の証だろう。 そんなこんなで、二人には友情が芽生える。 それから、二人は信頼を胸に川の流れ通りに道を歩いていく。 すると、自然と川沿いを歩くような形になっていた。 夜の川とは、なかなか乙なものだ。 そこで、レナが何かに気付いて声をあげた。 「あ、見て、カレンちゃん! あれ!」 「え……?」 「バッグが流れてるよ!」 「本当だ!」 レナは近くの川でバッグがせき止められているのを見つけ、指差したのだ。カレンはすぐにそちらを向く。 あれは一体……? あのバッグの持ち主に何かあったのだろうか? もしかしたら、殺し合いをしたくないという意思が強く、デイパックを投げた人間がいるのかもしれない。 とにかく、レナとカレンはすぐに走ってそのバッグに向かっていく。 一応、武器も少ないし、今はそれを確認してみるべきだろう。捨てられたものにせよ、落としてしまったものにせよ……。 それに、レナやカレンと同じくぬいぐるみが入っているかもしれない。 そう思うと少しだけ力がわいた。カレンは水で濡れながらも、浅い川を渡り、バッグを拾うことに向かっていく。水の抵抗をうけるし、流れは浅瀬でもきついが、なんとかそれを拾い上げた。 「レナ、早速確認しよう!」 カレンは何とか、自分を見守るレナのところへデイパックを届けることができた。 ★ ★ ★ ★ ★ 「……ああ、どこ行ったんだよ俺のシャンバイザー!!」 「あの……さっきから気になってるんだけど、そのシャンバイザーって何なの?」 「よくぞ聞いてくれました! あれは俺がシャンゼリオンになるための武器なんだよ、だからあれをなくしたって言うとめんどくさいヤツがいてさ~」 シャンゼリオンこと暁はベラベラと、大事な機密を話し出した。 非常事態だから何してもいいと思っているんだろう。 で、結局暁はシャンゼリオンのことから、ダークザイドのこと、速水のこと、サイドックのこと、黒岩のこと、小夜子のことなど話していく。そういえば、片桐という名前も聞いたことがあるが……どこで聞いたのか、あまりよくは覚えていない。 「……で、君はそのダークザイドと戦ってきたシャンゼリオンだっていうの!?」 「ああ! だからシャンバイザーがねえと普通の探偵なんだよ」 「じゃあさ、アンデッドって知ってる!? 仮面ライダーとかさ!」 「うん? なんじゃそりゃ?」 「やっぱり知らないか……実はラウズカードから……」 虎太郎も、同じく裏で戦うヒーローである暁に、「別のヒーロー」、「別の怪人」の話をし始めた。 アンデッド以外にも怪物がいたことは意外だったが、元の世界に帰ったら彼もアンデッドと戦うために協力してくれるかもしれない。 剣崎たちに協力してくれるかもしれないし、間違いなく剣崎たちはダークザイドを倒すために奮闘してくれるだろうと思った。 だから、剣崎など仲間のことまで包み隠さず話し出す。 「なるほど! ダークザイド以外にもバケモノがいたのか……」 「こっちこそ意外だよ! ……でもさ、君ってシャンバイザーがないと戦えないんだよね!」 「そうだ! 今ならまだシャンバイザーに追いつけるかもしれない! いくぞ虎太郎!!」 「よし! これも剣崎くんたちの為だもんね!」  虎太郎と暁は気合を入れ、川の流れを追って走り出した。  ……まあ、川の速さに追いつくはずはないだろうが。 ★ ★ ★ ★ ★ 一方、その頃……彼のデイパックを拾った少女。 ぬいぐるみが入ってないのに一度失望し、武器も入っていなかったことに二度失望した。 いや、これを武器と呼ぶかどうか……。 「好き嫌い逆転ビーム?」 「……信憑性がまるでない武器ね」 好き嫌い逆転ビームという、怪しげな武器が入っていた。 まあ、これが本当ならば、いっそビッグバンにこのビームを浴びせて「殺し合いが大嫌い!やめる!」とできる可能性も僅かながら考えられるが……。 彼女たちは知る由もないが、本来これはジャマールが作り出して、街を大混乱に陥れた武器である。一応は、これが実際に使える道具なのも確かだ。 それをどう使うかはともかく……。 「……まあいいか。本当なら何かに使えるかもしれない」 「そうだね。一応持っておこうよ」 カレンは好き嫌い逆転ビームを装備した! レナはバッグの中身を自分のバッグに移し変えた! 「とにかく、これが流れてきたのは気になる……。一度上流に戻ってみよう」 ★ ★ ★ ★ ★ 「で、こういうの入ってなかったかな? シャンバイザーっていうんだけど」 それからしばらくして、カレンとレナは変な男に絡まれることになった。片方の男がしつこく絡んでくるが、もう片方はそれに少し呆れているようにも見える。その絡んでくるほうの男は、例によって格好がパジャマだ。何でこの男はこんな格好でうろついているのか。 まあ、男たちは下流、女たちは上流を目指したのだから鉢合わせるのは当然ともいえる。 本人曰く、彼は「探偵」の「涼村暁」らしい。彼はへたくそな絵を見せてきて、これがカバンの近くにあったはずだと主張している。メガネとか、サンバイザーとかそういうのをハデにした感じがしている。 ……が、おそらくそれは好き嫌い逆転ビームではなさそうだ。カレンたちの拾ったものではない。 「だから、ありませんって」 「……ああ、シャンバイザーはまだ先かぁ……骨が折れるぜ」 「まあ、頑張ろう! もしかしたら、もうすぐで見つかるかもしれないし」 「そうだな。ごめんね、お嬢さん達! またどこかで!」 二人はそこから走り去っていく。 彼らがデイパックのことしか話さなかったので、カレンたちは先ほど拾ったものが彼らの武器であるということを知る術はない。ただ単純に二人がシャンバイザーという道具だけを目的としていたからである。 デイパックのことは二の次、三の次。 「……ふう。変な人たちだったね」 「ああ。だが、私たちを殺す意思はなさそうだ。どちらにせよ、仲間に引き入れたいとは思わなかったが……」 「あの人たちには、あの人たちの目的があるんだよ。今はそれに必死だから、レナたちを引き入れることもないかもね」 まあ、これは別に何ということのないすれ違いの話である。 シャンバイザーはどちらにせよ手に入ることはないし、このまますれ違ったか、すれ違わずに武器と道具を渡したかで大きく違うことはないのかもしれない。 ……これは本当にただの、すれ違いの話である。 【1日目 黎明/D-5 草原】 【白井虎太郎@仮面ライダー剣】 【状態】健康 【装備】警棒@現実 【道具】基本支給品一式、ランダム支給品0~1 【思考・状況】 基本行動方針:殺し合いには乗らない。 1:とりあえず暁と一緒にシャンバイザーを捜す。下流へ向かう。 2:それから、暁と一緒に、速水や剣崎たちの捜索をする。 ※暁にシャンゼリオンのことやダークザイドのことを聞きました。 【涼村暁@超光戦士シャンゼリオン】 【状態】睡眠で疲労とダメージ少々回復 【装備】なし 【道具】なし 【思考・状況】 基本行動方針:殺し合いには乗らないけど死にたくない。 1:とにかくシャンバイザーを捜す。下流へ向かう。 2:凪(名前は知らない)への恐怖でいっぱい。 3:それから、虎太郎と一緒に、速水や剣崎たちの捜索をする。 ※デイパックとシャンバイザー@超光戦士シャンゼリオンは流されました。 ※参戦時期は本編後半です(小夜子を知っているため)。 ※服装は青のパジャマです。 ※虎太郎に仮面ライダーのことやアンデッドのことを聞きました。 【紅月カレン@コードギアス 反逆のルルーシュ】 【状態】健康 【装備】あけぼの署の拳銃(弾は1発)@魔弾戦記リュウケンドー、好き嫌い逆転ビーム@重甲ビーファイター 【道具】基本支給品一式、ラウズカード(K4枚)@仮面ライダー剣、ゲキ・ガンガー3のぬいぐるみ@機動戦艦ナデシコ 【思考・状況】 基本行動方針:ビッグ・バンを倒す。 1:レナと共に上流へ向かう。 ※ビッグ・バンとブリタニア軍は宇宙人だと思い込んでいます。 ※1期の序盤からの参戦です。 【竜宮レナ@ひぐらしのなく頃に】 【状態】健康 【装備】鉈@現実 【道具】基本支給品一式×2、ジャンポール@サクラ大戦、ランダム支給品0~1 【思考・状況】 基本行動方針:ビッグ・バンを倒す。 1:カレンと共に上流へ向かう。 ※ビッグ・バンを宇宙人だと思い込んでいます。 ※パラレルワールドから集められていると判断しています。 ※罪滅し編にて鷹野の34号文書を読んだ後からの参戦です。 |055:[[Murder Way]]|投下順|057:[[笑と画策]]| |055:[[Murder Way]]|時系列順|057:[[笑と画策]]| |038:[[目が覚めて]]|白井虎太郎|| |038:[[目が覚めて]]|涼村暁|| |044:[[ふたりのバトロワ]]|紅月カレン|| |044:[[ふたりのバトロワ]]|竜宮レナ||

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