第22話

獣と人


~前回までのあらすじ~
あー やっぱり コイツあやしいと思ってたんだよ

ナイジ「な 何言って・・・」
レアル「ナイジ 君には全て打ち明けよう
    この私 ムーの全てを・・・」

ナイジ「うっ・・・!( 頭の中に・・・
    ・・・景色が・・・ ・・・)」


「1000余年前 私は広大な氷河に生きる 小さく 弱い生き物だった・・・
 自らを狩ろうとする モンスターや人間の影におびえ 過ごしていた・・・
 到底覆りもしない 自然の摂理 そんな運命に縛られていた私を変えたのは
 あの母なる月のかけらだった・・・」

「人間達は月の力により文明の繁栄を謳歌していた
 しかし 月の力に頼りすぎたが故 その月を砕く事となった」

「ある時 氷河に降り注いだ母なる滅石は 私に力を与えてくれた
 だが 私に与えられたのは ただ力だけだった
 今思えば それが全ての始まりだったのかもしれない・・・」

「私は力を手に入れた その時の私はただ 体から湧き上がる
 行き場のない力を静めたいがため暴虐の限りを尽くす魔獣・・・
 そこに理性など ましてや言葉などありはしなかった・・・」

「殺戮 破壊 私はただ そんな衝動だけに駆られ 人間の世界を蹂躙した
 人間が発明した どんな武器も 人間に育てられた どんなモンスターも
 私には通用しなかった だが 人間には最後の切り札があった・・・」

「銀の月の力を使い作り出されたヒノトリ・・・
 そしてヒノトリはシャロームという女と共に私との決戦に挑んだのだ」

「私は戦い そして ・・・ 負けた」

「ヒノトリの 人間の最後の力の前に私は屈するわけにはいかなかった
 何十年 何百年 何千年経とうとも いつか必ず 復讐を遂げる・・・
 最期の瞬間 私は その時のために 自らの思念をいくつもに分けて
 世界中に放ったのだ・・・」

「だがヒノトリはこの時今の私の魂をその身に同化させ封じ込めた
 そして 私の ムーの肉体は ヒノトリとともに氷河に沈んだ・・・」

「その後 ヒノトリの体は人間達に回収され ある場所に祀られることとなった
 銀の月の 煌石の ヒノトリの力で守られた 煌きの塔に・・・
 私の本体もまた ここ トーチカの塔に封印された・・・」 

「程なくして 6つの月が地に落ちた・・・
 ヒノトリを生み出した代償だったのだろう
 世界のほとんどが形を失い 多くの命は息絶えた・・・
 これが 第1の災厄・・・」

「さらに時が流れた・・・ 煌きの塔も伝説になり
 そこを訪れる人もいなくなった だが私はそこにいた
 百年・・・ 五百年・・・」

「・・・そして 1000年が過ぎ 時は来たのだ・・・
 私の放った思念達が 力を蓄え 母なる藍の月を呼び寄せた」

「そんな中 ある男が私の・・・ いや ヒノトリの元を訪れた
 それが この アルレムだった・・・」

「アルレムは 大海嘯のさなか 自身のモンスターと共に煌きの塔までたどり着き
 ヒノトリの傍らにある月の欠片を打ち鳴らした・・・ その意味はただひとつ」

「銀の月の力は調和の力 月の軌道を司り それを調節する力・・・」

「彼の働きによって 藍の月は大地を離れ 第2の災厄は終わりを迎えた」

「だが それは同時に 銀の月の力を ヒノトリの力を使うことでもあった
 ヒノトリの力は弱まり 私の魂は1000年もの封印から解き放たれたのだ」

「私は 死に行く者の体を借り 彼のモンスターを
 私の思念を共有する者として転生させた・・・
 そして 力を失い 輝きも消えた煌きの塔を後にした・・・」

「私にあるのは 1000年の時を経た憎悪と復讐心だった・・・
 だが 1000年前とは違う 別のあるものが存在した」

「この男と同化し この男の意思は確かに消え去った
 だが 記憶までは消えていなかった・・・
 そこにあった 人々の笑顔・・・ 暖かい声・・・
 それを守ろうとした この アルレムの 強い意思・・・」

「もちろん その中にナイジ 君もいた・・・」

「私は 惑った」

「ちっぽけな老人の 記憶・・・
 それが私の消すことの出来ない復讐心を濁らせた・・・」

「そして 新しい目的を 得た・・・ 私の力で・・・ なにができるか・・・」


ナイジ「・・・!!!」

レアル「これが 私の全て・・・」
ナイジ「アンタが・・・ アルレム長老だと・・・!!」

レアル「いや・・・ 彼は もう死んだ 彼のモンスターも 死んだ
    が・・・ 人間の記憶を得て分かる 彼は 偉大な人物だった・・・」
ナイジ「あ あぁっ アンタが・・・ ムーがいるせいでッッ
    いったい いったいどれだけの人がっっ・・・!!
    モンスターがっっ!!!!!」

レアル「その悲しみを断ち切るために
    私はここまできたのだ・・・」

ナイジ「っ・・・どういう・・・」

マッカム「・・・」

レアル「私が かつての体とひとつになり 世界を救う・・・」

ナイジ「くっ うぅ うううう!!」

レアル「もう 大丈夫 これで 苦しみは 終わりなのだから・・・
    私にはできる 思念を共有するこの力があれば・・・
    生きとし生けるもの いや 全ての存在が
    誰もが分かりあい 誰も傷つけることなく
    悠久の時を・・・静寂の時を過ごすことが出来る・・・
    唯一絶対の存在・・・」







             ムーとして








ナイジ「・・・・・・・・・!!!!!」

レアル「・・・ナイジ 君にも その世界を生きることができる
    今の私の目的はひとつ・・・
    かつての私を あの悲しい命を もう二度と生み出さないため
    この世界を ひとつにすること・・・
    私との同化を望まない者には 自ら苦しむことも無い道を指し示す」

レアル「ヒノトリはもういない・・・
    君達に出来ることは もう ない
    ただ 道を 選ぶだけ・・・ ナイジ・・・」

ナイジ「・・・っざけんな・・・ フザっ
    ッけるなああああああああああああああああああ!!!!!!!!」

レアル「・・・ ここにいる者は 皆 孤独のつらさを知っている
    だからこそ・・・」

ズワァァッ・・・

ナイジ「!!」

アルレム「・・・っ」

ドサッ・・・

ムー「だからこそ・・・」


ムー「わかりあえるはずなのだ」

ナイジ「・・・くそっ! くそっ!!
    くそぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」
チモック「きゅきゅうううううううううううう!!!!」





チモック「・・・キュウフゥ キュフゥ・・・」
ナイジ「はぁっ! はぁっ! こんなこと・・・
    ちくしょお・・・! ちくしょお! ちくしょおおっっ!!
    なんで なんで うっ うぅっ!!」ガッ ガッ
ムー「これで 分かったろう もう 君達にできることは ないのだと・・・」

ムー「私は ユタトラへ向かう・・・
   未来で待つ苦しみから 彼らを 救うため・・・
   過去を繰り返さないため・・・
   彼らの 答えを聞くため・・・
   その後 ここに戻ってくる
   ナイジ・・・ 君には 最後に選んでほしい
   すべてとひとつになる道を歩むか・・・
   そこで 歩みを 止めるか・・・」

ナイジ「・・・うっ うっうううう!!!」

ムー「マッカムよ ここは任せた・・・」
マッカム「・・・」

ムー「また会おう・・・」バサァッ

ッゴオオオオオオォオオオオオオ・・・


ナイジ「・・・うっ うう・・・」
チモック「キュゥ・・・ ゥ・・・」
マッカム「・・・ ナイジ お前はよくやった・・・」

ナイジ「・・・気づいてたのか・・・ レアルが・・・
    ムーだってことに・・・ッ」
マッカム「・・・初めてムーと戦った 帰りの船で な・・・」
ナイジ「ならなんで!!!!なんでっっ!!」

マッカム「・・・オレの 望む 世界が・・・
     そこに あったからだ・・・」
ナイジ「・・・!」

マッカム「ムーはオレと同じだった 愛してくれる者がいない
     母親も 父親も殺され 忌み子と呼ばれ迫害されたオレと同じ・・・」

ナイジ「・・・うぅっ・・・!」

マッカム「力こそ全てだった・・・
     だからこそ オレは誰よりも強く望んだ 争いの無い世界を
     もう 誰も泣かなくてもいい世界を・・・ ムーなら・・・
     ムーなら その世界を現実のものにできる・・・」
ナイジ「くそぉ・・・ 卑怯だ・・・ そんな
    綺麗な言葉を並べて・・・!!! 卑怯だっっ・・・!!」

マッカム「ナイジ お前を・・・ 強い男だと認める・・・
     その上で ムーではなく・・・ オレに聞かせて欲しいことがある・・・」

マッカム「この後 お前以外が 皆 ムーとひとつになったとき・・・
     最後にお前は ムーを オレたちを 受け入れて
     くれるだろうか・・・ ナイジ・・・」
ナイジ「・・・ 決まってる・・・ 絶対に・・・
    絶対にそんなことは しないっ!! 有り得ないッッッ!!!!!!」

マッカム「・・・ そう か・・・ 揺るがないんだな・・・
     いいだろう 相手してやる メギラス!」
メギラス「グァアアアアアアア!!」

ナイジ「うおおおおおおおお!!!」
チモック「キュウウウウウ!!!」


カルダオ「はぁ はぁ やっと 半分って トコかな
     思ったより やられ ちゃったな」
ラーネイル「グゥウウ・・・!」
カルダオ「・・・でも 上で ナイジたちも 戦ってンだ!
     少しでもここでフンバれば それだけ戦りやすいだろ! なァ!」


ベル「次から次へと・・・ でも走り回って 上へ続く道 ここだけのはず」
ティタン「ゴオオオオオオオオ」
ベル「ここは絶対に 通さない・・・!」


ナイジ「うっ!!」ドサッ
チモック「キュァッ!」ドシャァ

ナイジ「くそ まだだぁ まだっ・・・!!」

マッカム「もういい もういいんだ ナイジ
     オレは 誰かが苦しむのを 見たくない・・・
     少しの間でいい 眠っていてくれ
     目が覚めれば 全てが終わっている・・・」

ジャッ・・・

ナイジ「うっ・・・は! くそっ 動け 動けぇ・・・」ガクンッ

ザッ・・・

ナイジ「(もう いやなのに おれのせいで・・・)」

チモック「キ・・・キキーッ!」バッ
メギラス「ガゥッ」ビッ

ザァッ!

チモック「うきゅきっ!・・・キュウウ・・・」

ザッ・・・

ナイジ「(チモック・・・ くそっ・・・ くそっ・・・)」

ザリっ・・・

ナイジ「(エルナ さん・・・ みんな・・・)」

マッカム「大丈夫・・・ 罪は・・・ オレが・・・ 背負うから・・・」

ナイジ「(ごめん・・・)」





間に合ったかな 間に合ってないか




誰だ キサマは・・・ どうやって登ってきた




お互い名乗るような名前は持ってないだろう




      • ! そこをどけっ!!





ナイジ「・・・ ぅ ぁ・・・」

マッカム「・・・ぐ・・・」


ナイジ「! な・・・」

マッカム「キサマァァ・・・」
???「お返しだ」フッ

ドギャァッ!

マッカム「グゥッ!!」ザザッ
メギラス「! ガァアア!!」バッ
マッカム「よせ! メギラス・・・ふっ ナイジにあたる・・・ ぐ」

???「苦しいか」
ナイジ「だ 誰だ アンタ・・・」
???「ここは俺に任せておけばいい
    下でまだ戦ってる仲間と一緒にユタトラに帰るんだ」

ナイジ「でも 体が・・・」

「お前ならできる」

ナイジ「・・・ 声・・・?」

「走るんじゃ」

ナイジ「! 立てる! でも なんで・・・」
チモック「キュゥッ!」
ナイジ「チモックも! アンタが治してくれたのか?」

???「俺じゃあない が 動けるようにはなったな」
ナイジ「・・・何者なんだよ アンタ・・・」

???「選ばれた奇跡って奴さ けど未来は お前が迎えに行くんだ
    今のお前には それができるはずだろ」

モルグ「ナイジ」

ナイジ「・・・! ああ!!
    いくぞ! チモック!」
チモック「ウキュ!」

マッカム「まてっ! ナイジ!」
モルグ「おっと お前の相手は この 俺だ」

マッカム「邪魔を するなァアアアアア!!! メギラアァアス!!」
メギラス「ギャアアアアアアアアアオ!!」ボォァッ ズッ・・・

ドォオン!!


モルグ「シンム」

ボギャァアォォォォオオオオオオオオオドドドド・・・

マッカム「はぁ はぁ・・・ ・・・!!」


マッカム「・・・馬鹿な 地面をせり上げて火炎弾を・・・
     いや 違う・・・ 何だ その モンスターはッッ・・・!」

シンム「・・・」
モルグ「さぁーぁ コレで五分だ お前にモンスターバトルを申し込む
    まさか断りはしないだろうな・・・
    マッカム!!」


ベル「ティタン! ロケットパンチ!!」
ティタン「ゴー!ゴォ!!」ドシュウ!!

ズゴァッ!

ティラムステ「ギシュッギシイ!!」ドシャア!

ベル「はぁ! はぁ! 次は だれ・・・」
ティタン「んごぉお・・・」

ぁぁぁぁあぁぁ

ベル「あれ ・・・この声・・・」

カルダオ「ぎゃあああああああ!!!」
ベル「カルダオさん!?」

カルダオ「あ ベルさん 無事でしたか!」
ベル「下の階のモンスター 倒しきったのね」

カルダオ「あ いや・・・ そうでもなくて・・・」
ベル「え なんで!」

カルダオ「いや その マーメイドはお帰りいただいたんですが
     続いて出てきたクリヴィエが・・・」
ベル「ゼッカ種なら氷技で倒せるじゃない!」

カルダオ「ホラ オイラ 雷一筋だし・・・」
ラーネイル「・・・」
ベル「あきれてものも言えないわ・・・」

ガサガサガサガサガサ・・・
クリヴィエ「ギー キシュキシュ」
クリヴィエ「キシキシ・・・」

カルダオ「うわぁあああ!追いかけてきたぁああ!」
ベル「当然でしょ! でも ここさえ守ってれば 上には行けないから
   踏ん張りましょう!」
カルダオ「だ・・・ だな! ナイジ達のためにも・・・!」

ナイジ「あ! 2人とも 無事でしたか!」

ベル「・・・えっ」
カルダオ「・・・え?」

ナイジ「ええと あぁ~ そうだ! 大変です! ムーが復活しました!」

ベル「な・・・!!」
カルダオ「なんだってー!!!」

ナイジ「ムーは空を飛んでユタトラに・・・!
    急いで帰らないと皆が!」

カルダオ「お お お お おい!あとの2人は!? ひょっとして・・・」
ナイジ「そ それは・・・ 話すと長くなりそうなので 船の方で!
    ってうぉお! ノラモンだらけっ・・・!!」
ベル「これもムーの作戦のうちかもね そう簡単には 帰してくれなさそう」

ナイジ「でもやるしかねぇ・・・ チモック!」
チモック「キュキュウアアア!!」

ドッ!

タラカン「グェッ」ピューン・・・

カルダオ「おぉっ! すげぇ なんだ今の技!」
ナイジ「え いや まだ 何も・・・」

ドッ!

クリヴィエ「ギシャッ!」ピューン・・・

ドガッ!

タラカン「ピキュー!!」ピューン・・・

カルダオ「・・・ ノラモンが勝手に 吹き飛んでいく・・・?」
ベル「ううん 目に見えないけど・・・何かがいる・・・」

???「ふっ ふっ ふっ・・・」
ナイジ「だ 誰かいるのか!」

???「ふっふあーっはっはっはっはっは!!」

ナイジ「こ この鼻につく高笑い・・・ どこかで・・・」
ナーザ「ふっふあああっはっはっはっはっは!
    久しぶりねェ 寝癖さァん」

ナイジ「アンタ ぁぁぁ・・・ 誰だっけ・・・」
ナーザ「ぅだぁ!」ズコー!

カルダオ「な ナイジィ! 誰だよあのおねぇさんは!
     お前 このヤロオオオ!! うらやまけしからん!!」
ベル「どうなの? 彼女はナイジくんのこと 知ってるみたいだけど」

ナイジ「い いや 一応知ってるけど 名前が思い出せなくて・・・」
ナーザ「ナーーーーーザよおおおおおおおお!!!!」

ナイジ「あ そうそう ナーーーーーザさん・・・ でも なんでまた・・・」
ナーザ「そう・・・ あのトーナメントで負けて以来
    アンタをぶちのめすため特訓に特訓を重ねる日々・・・
    絶海の孤島で修行をしているとトーチカへ向かうユタトラの船・・・
    それを見たアタシは自ら船を漕ぎ出し・・・
    そしていよいよ因縁の相手と合間見えた・・・」
ナイジ「あー! 盛り上がってるとこ悪いけど
    今それどころじゃないから! 後にしてくれないかな!」

ナーザ「キー! 分かってるわよォ!! 今からユタトラに帰るんでしょ!?
    だから協力してやるって言おうとしてたのに!」
ナイジ「す すいません・・・」

ベル「たしかに さっきからどんどんノラモン 減っていってる」
カルダオ「おねぇさん! オイラカルダオです! 運命感じます!」

ナーザ「さぁ 道はあけたげたわ この塔のモンスターはここにいる連中だけ
    アンタたちは走るだけでいいのよォ・・・ ・・・行きなさい!」
ナイジ「でも・・・ナーーーーーザさん・・・」
カルダオ「無視ショオック!!」

ナーザ「・・・ザン!」

ザン「・・・」

ナイジ「うわぁ!びっくりした!」
チモック「きゅー!」
ナーザ「いい? アタシはこのザンで アンタのモンスターに勝つ
    それまで くたばるんじゃないわよ」
ナイジ「ナーーーーーザさん・・・ 臭いです・・・」
ナーザ「ああもう! さっさと行きなさいよ!! 切り刻むわよ!」

ナイジ「ひい! い 行きましょう! 2人とも!」
ベル「・・・ご無事で」
カルダオ「また会えますよねーーーー!!!」チュバッ チュバッ

タタタタッ・・・

ナーザ「・・・ さぁて・・・」


ナーザ「このナーザとザン・・・
    瘴気に溺れた哀れなモンスターに後れはとらないわ」
ザン「・・・」

ナーザ「さぁ 行くわよ! ザン!」


~トーチカ海岸線~

ナイジ「はぁはぁ・・・ 船は・・・!」
ベル「! デーボさんっ!?」

デーボ「う うぅ・・・」

ナイジ「デーボさん! どうしたんですか!」
デーボ「バカでかいドラゴンが・・・ 船を壊して・・・
    オレも戦おうとしたが 歯が立たなく いででっ・・・
    レシオネは無事だが・・・ すまねぇ・・・」
ベル「そんなっ・・・」
ナイジ「これじゃ島に帰れない・・・」

カルダオ「は! そうだ! ナーザお姉さまがお乗りになった船は!」
デーボ「おぉ ボインのネーちゃんが乗ってきた船は・・・」

船だったモノ「」

カルダオ「海の藻屑に・・・」
ナイジ「う 打つ手なしか・・・くそっ!!」

デーボ「レシオネの背中に乗れば 定員は減るが2倍の速さで島に帰れる
    諦めんじゃ ねぇよ・・・ ぐぅ!」
ベル「無理 しないでください! その傷じゃ・・・」
カルダオ「でも ムーのヤツ どうして船を隠した入り江の場所を・・・」
ナイジ「・・・! 全部・・・ 計算済みだったってことかよ・・・!!」

デーボ「そういえば マッカムとレアルはどうした」
ナイジ「それは・・・ ・・・」

ラーネイル「!グゥウウウ!!」
ベル「・・・?」

カルダオ「ん どうかしたの」
ベル「海が 海が鳴いてる・・・?」

キュキュキュキュキュキュ・・・

ナイジ「ホントだ・・・」
デーボ「おいおい! やべぇぞっ! おめぇら 早く海から離れろ!!
    レシオネも岸に上がれ! 早く!」
レシオネ「キュ! キュヒィ!」ザバザバ
ナイジ「な 何ですか! なんなんですかコレ!」
ベル「海がうねりながら・・・ こっちに来る!」

キュキュキュキュキュ!

デーボ「海獣の群れだァアアア!!」

ドバアアアアアアア!!!

海獣「バォオオオオオ・・・!!」

ズシャアアア!!!

デーボ「くそー! 岸にあがって来やがった!逃げろォォ!」
カルダオ「で でけええぇぇ!!」
ベル「10頭はいる・・・!!」
ナイジ「う うわあああああ!!!」
チモック「キュキューーー!!」

ズズン・・・ ズン・・・!

デーボ「な なんでだ・・・ 追いかけてきやがる・・・!」
カルダオ「いやだー! 食われたくないー!!」
ベル「も もしかして・・・ アムルヤータの・・・」
ナイジ「え・・・」
カルダオ「あ・・・」
デーボ「な なんだよ アムルヤータで何かあったのか!」

ナイジ「いや・・・ ケガした海獣がいて・・・
    治療して海に戻してあげたんですけど・・・」
デーボ「・・・」
ナイジ「・・・だめですか・・・ やっぱり・・・」
デーボ「船乗りが最も恐れる海の怪物を お前はああああ!!! あいでで!」
ナイジ「ひいいい! ごめんなさい!!」

海獣「バアアアアアアアアアアアアアアアア!!」

ナイジ「ひいいい! ごめんなさい!!」
カルダオ「終わった・・・ 海獣のウンコになるんだ・・・ オイラは・・・」
ベル「無理に刺激しちゃだめ・・・ なんとかしのぎましょう・・・」
デーボ「一番デカいのが群れのボス・・・
    しかも白い海獣・・・ 7つの海で1番の海獣王・・・
    グジラキングだ・・・」

ズン ズン・・・


グジラキング「グォ・・・」

カルダオ「襲って こないな・・・」
ナイジ「・・・ あれ」
ベル「ナイジくん?」
ナイジ「あの 海獣の足元にいるやつ!バッテン傷の!」

チビグジラ「! キュ」サッ

ベル「あ アムルヤータで助けたコ!」
カルダオ「うわあああ しかえしにきたんだああああ!
     殺されるぅうううう!!!」
ベル「しっ! ここは ナイジくんに任せるの」
カルダオ「う・・・」
デーボ「でも 相手は海獣だぞ・・・ 絆を結んだって話も聞かねぇ・・・」

チビグジラ「・・・」
ナイジ「よ よぉ ケガ なんともないか?」
チビグジラ「・・・ キュー」

ナイジ「お前のとーちゃんか すごいな」
チビグジラ「キュー」

ナイジ「あのさ 急にこんなこと言うのもなんだけど その・・・
    オレたち ユタトラっていう島に帰らないといけないんだけど
    船が 壊されて・・・」
チビグジラ「・・・」

ナイジ「乗せてって行ってくれないかな!」
デーボ「バカヤロー!!」

ガンッ!!

ナイジ「いでー!!! なにするんですか!」
デーボ「こっちのセリフだー! おめぇ正気か! てて・・・殴る手も痛い・・・」
ナイジ「でも そうでもしないと 皆でユタトラに帰れないじゃないですか」

チビグジラ「キュー」
グジラキング「バォ・・・」

ズン ズズゥン・・・

ベル「!見て! 海に帰ってく!」
カルダオ「ほっ・・・ よかった・・・」
ナイジ「でも波打ち際で待ってますよ」
カルダオ「う・・・」

ドスドスドス!

ナイジ「ん どうした?」
チビグジラ「キュー!」

ナイジ「え いいの?」
チビグジラ「キュー!」

ナイジ「OKだそうです」
デーボ「マジかよ・・・」

カルダオ「いや 沖に出てから海に落として食うつもりだ!」
ベル「私はいく」
カルダオ「え゙」

ベル「ほかに方法がないんだもの このコ達 信じる」
デーボ「た 確かに海でこいつらより速いヤツはいねぇ・・・
    賭けてみるのも いいかもしれねぇ・・・」
カルダオ「デーボさんまでェ!?」

ナイジ「じゃあ お邪魔します・・・ あ 結構毛深いんですね・・・」
グジラキング「・・・バォ」

カルダオ「あーもう! 分かったよぅ! オイラも行くよ!
     うぅう でもオイラたち犬掻きしかできねぇんだよな・・・」
ラーネイル「・・・」


デーボ「残った水と食料は乗せたな
    ゴーレムは手綱のあるレシオネに あとは海獣に1組ずつだな」
ベル「おねがいするわね」
レシオネ「ヒィ」
ティタン「ゴー」のしっ
レシオネ「ヒィィィ」

ナイジ「よし・・・ 皆乗ったかな」
チモック「ムキュ!」
ベル「ええ」
ティタン「ゴー!!」
レシオネ「ひぃぃぃ・・・」
カルダオ「お おお!」
ラーネイル「クゥーン」
デーボ「こりゃあ船乗りデーボの最終章だな・・・」

ナイジ「いよぉーし! 行くぞ! 目指すはユタトラ!! 出発だ!!」

グジラキング「バオオオオオオオオオオオオオオ!!!!」

ナイジ「(待ってろよ・・・ ムー!!)」
最終更新:2011年12月20日 08:09
ツールボックス

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