第19話

月のかけら


~前回までのあらすじ~
いざ煌きの塔へ

~シディララマ周辺海域~

デーボ「よし 到着だ! こっから西へ進めばパドーラだぞ」
ナイジ「ありがとうございます!デーボさん!」

ベル「パドーラからのアムルヤータへのルートは任せて
   大海嘯以前にも何度か 足を運んだから
   地形が変わってなければ だけど・・・」
カルダオ「さすがはベルさん! 頼りになるなぁ!」
マイヤ「まぁ 月読のホロスコープもあるわ 道に迷うことはないでしょう」
レアル「・・・ 急ぎましょう」

デーボ「おう! 待ってるからな! 何があっても
    必ず帰ってこいよ!」
ナイジ「はい! 行きましょう!」


~パドーラ空洞入り口~


カルダオ「ッヘェー!こぉんなトコがあるんだなぁー!」
ナイジ「大海嘯の後でも ちゃんと形を残してるんですね」
マイヤ「元々ここは長年の地殻変動による侵食の中で
    水に溶けにくい地層だけが残って出来た空洞よ
    海水が流れ込んだ位じゃ崩れ去ったりはしないわ」

カルダオ「ホントだ ところどころ滝があるな」
マイヤ「アレは流砂よ この空洞を形作る要因のひとつね」
ナイジ「(オレの親父も ここで採掘してたのか・・・)」
ベル「・・・」


ベル「うん 大丈夫 特に崩壊したところもないし
   この道筋で行けばすぐ アムルヤータに着くね」
ティタン「ゴー!」
カルダオ「ん? マイヤさん アレは何ですか?」
マイヤ「不思議花よ 何か核となる物体に 泥やミネラルが体積して
    そこに寄生するように咲く花 まぁ 他じゃ珍しい花ね
    壊せば中に何か入ってるかもよ」
ナイジ「花か・・・」
レアル「どうかしましたか?」

ナイジ「いや ここ最近 花と聞くと 嫌な思い出しかなくて・・・」
レアル「?」

カルダオ「うおおおおおお!!!」
ナイジ「なんですか!」
カルダオ「何も入ってなかった・・・」
ナイジ「・・・」


~アムルヤータ氷河~


カルダオ「ささささ 寒い!!!」
ナイジ「寒いぃぃぃぃ!!!」
ベル「うーん 相変わらず 厳しいところ」
マイヤ「分かりきってたことじゃない」
レアル「マイヤさん 煌石の反応は?」

マイヤ「ええと ・・・ このまままっすぐ進めばいいわ
    反応も幾分強くなってるけど・・・」
ナイジ「え このまま まっすぐって言っても・・・」
カルダオ「見渡す限り氷の世界で・・・」
ベル「塔 見当たらないね」

マイヤ「なによ! 私の発明が間違ってるっていうの!?
    進んで見なきゃわからないでしょ!」
ナイジ「いえっ そ そういうわけでは・・・」
レアル「ま まぁまぁ とにかく今は信じるしかありませんよ
    さぁ 行きましょう」


ラーネイル「・・・スンッ」
カルダオ「ん? どうした?ラーネイル」
ラーネイル「チッ・・・」
カルダオ「なに 血のニオイがする!?」

ナイジ「・・・前から思ってたんですけど・・・
    カルダオさんってモンスターと話せるんですか?」
カルダオ「え? まぁー トレハンだし?
     っとそんなことより 物騒な気配がするじぇ」
ナイジ「トレハンだからなのか・・・」

ベル「このあたり 大海嘯以前も ムセカレクラスとか
   強いモンスター いたから 気をつけてね」
ナイジ「ん あれは・・・」ダッ
カルダオ「お おいどうしたんだよ」

ナイジ「! おぉーーい! 大変だー!」

カルダオ「ん アレはなんだ ノザラシか?」
レアル「いえ アレは・・・」


海獣「・・・キュン」

ナイジ「こいつなんだけど ひどいケガなんだ」
マイヤ「・・・ アナタ それがなんだか分かってるの?」
ナイジ「え・・・」

レアル「海獣の子供ですね 白いのはなかなか見かけませんが・・・
    近くに群れがあるかも・・・」
マイヤ「はぁー 海獣はね 仲間意識が強いの
    仲間を傷つけられたと勘違いして 私達が襲われたりしたら
    たまったもんじゃないわ 早く進むわよ」
ナイジ「でも ケガしてるし・・・」

マイヤ「あのね そいつを狩って食べる生き物だっているんだから
    自然の営みにむやみに手を加えると 痛い目みるわよ」
ナイジ「でも・・・ でも オレ・・・」
マイヤ「あ コラ!」

海獣「・・・きゅ キュー!」
ナイジ「ほら 大丈夫だって 傷みせて 薬だから」

マイヤ「ちょっと! それ上級回復薬じゃない!
    それに仲間を呼んだらどうするつもり!?
    あいつら陸の上でも・・・っ! ちょっと!」
ベル「ナイジだからこそ 見捨てられないのよ
   好きにさせてあげて」
マイヤ「こ 後悔しても知らないわよ!」

ナイジ「よし! まぁこれで大丈夫だろ!」
海獣「・・・クキュンッ」バシッ!
ナイジ「うおっ! いってぇ・・・ お 恩知らずなやつだな!」
マイヤ「だから言ったじゃない・・・」

海獣「キュオン」のそのそ
バシャァ・・・

カルダオ「あーあ 海に帰っちまったな 食えそうだったのに」
レアル「血さえ止まれば 水の中のほうが安全でしょう」
ナイジ「まぁ 元気になったみたいでよかったよ」
マイヤ「もういいでしょ! さっさと進むわよ!」


ナイジ「だ だいぶ 歩きましたね・・・」
カルダオ「煌きの塔やーい まだですかー・・・」
ベル「反応 強くなってるのかな」
マイヤ「当たり前でしょ! さっきよりずっと強くなってるわよ!
    ほら!!ぁぁっって・・・ え!?」

ナイジ「な なんですかその え!? は!」
マイヤ「・・・通り過ぎてる・・・」
ナイジ「な・・・」
カルダオ「え!?」
ナイジ「・・・」

カルダオ「でも 塔なんて見当たりませんよぉ!」
マイヤ「・・・ そ そんなハズは・・・」
ナイジ「あ 空を飛んでるとか ほら 昔話の浮遊城みたいに」
カルダオ「マジか! すっげぇなぁ!」
レアル「それだと打つ手がないじゃないですか・・・」

ベル「そのホロスコープ 縦にしてみたら 答え出るかも」
マイヤ「そ そうね ・・・」

ナイジ「ど どう ですか」
マイヤ「・・・ この下に反応が・・・」
カルダオ「ということは・・・」
ベル「氷河に埋もれてる ってことかな」

ナイジ「こ この下に煌きの塔が・・・」
マイヤ「氷河の運動を考えれば氷の下に何があっても不思議ではないけど
    まさか 伝説に残るほどの塔が埋もれているなんて・・・」
カルダオ「あ あ! でも大発見! 塔が埋まってるなら
     1階降りれば最上階なんじゃないかな!」
ベル「どうする? ティタンなら氷を掘れるけど」
ティタン「ンゴー」
ナイジ「あ チモックも氷溶かすなら!」
チモック「キー!」
カルダオ「・・・オイラの大発見は・・・」

マイヤ「ホロスコープの反応を見るに 煌石はこの真下ね
    周辺を掘削してくれるかしら」


ナイジ「チモック ヒートラインで溶かして行ってくれ」
チモック「キュー」ボボボ・・・
シュウウウ・・・

ベル「ティタン どう?」
ティタン「ゴーゴー」
ガリゴリガリゴリ・・・

チモック「キュ! キー!キー!」ひゅんひゅん
ナイジ「お! 何か見えた! じゃあここを溶かしてくれ!」

ジュウウウウゥウウ・・・

ナイジ「おぉ~! みんなー! あったぞー!」
カルダオ「うおっ! ホントだ! こりゃたしかに建造物だ!」
ナイジ「お手柄だぞー! チモック!」
チモック「キューン!」

マイヤ「でもこれ以上溶かして掘り下げるのは危険ね
    かといって入り口がなければ・・・」

ドゴオオオオン!!!!

マイヤ「・・・」
ベル「あら こんなところに入り口が」
ティタン「ゴーゴー!」
ナイジ「いま明らかに穴あけましたよね・・・」
カルダオ「いや 見なかったことにしよう」
マイヤ「世紀の発見を・・・」
レアル「ま まぁ 何事にも犠牲はつき物ということで・・・」

~塔内部~

ナイジ「中はそれほど氷が入り込んでないみたいですね」
マイヤ「・・・ ホロスコープの反応がどんどん強くなる・・・
    近いわね・・・」
カルダオ「なんというか 神秘的なところだな・・・」
レアル「・・・」
サバキ「ブルルッ」

ナイジ「うっわぁ・・・ でっかい氷だな・・・」
カルダオ「お! こっちには石碑があるぞ! なになに!
     古代文字だから読めないな! ははは!」
マイヤ「最近のトレジャーハンターは古代文字も読めないの?
    情けないわね・・・」

ベル「・・・そんなことより もっとすごいもの ある かな」
ティタン「ごぉーーーー・・・」

ナイジ「え? ・・・」
カルダオ「こっ!・・・こいつぁ・・・ マジかよ・・・!!!」


ナイジ「ヒノ・・・トリ・・・!!?」
カルダオ「すっ すげぇ すげぇよ・・・ はは」

ナイジ「マイヤさん! ヒノトリですよ!
    伝説は本当だったんですよ! マイヤさん?」
マイヤ「・・・ はぁ」
ナイジ「・・・ そ そのため息は何なんですか・・・」

マイヤ「この石碑に書かれていることを聞けば
    あなた達が今見つけた希望が なかったことになるわ」
カルダオ「え・・・」

ベル「聞かせて もらえるかな」
マイヤ「・・・
    ムーと戦ったヒノトリを
    命司る煌石と共に
    ここレマノスの地に
    永遠に封印するものなり」
ナイジ「・・・え じゃ じゃあ・・・」

マイヤ「結論から言うと ヒノトリは復活することはない
    私達の手で ムーを倒さなければならないということ」
ナイジ「・・・そ そんな・・・ 折角見つけたのに!」
マイヤ「それに この煌石の記述 向かいにあるその石がそれみたいね」

ベル「でも これ・・・ まるで力を失った月の石みたいな・・・」
ナイジ「あ あー!!!」
カルダオ「こ 今度はなんだってばよぉ!」

ナイジ「これ!!!これ アルレム長老の杖です!!レアルさん!!」
レアル「間違いありません それは長老の・・・」

マイヤ「こっちにも書かれてるわね 汚い字で
    あの日 月の石を打ち鳴らしたと・・・」
ナイジ「じゃあ やっぱり長老は煌きの塔へ来てたんだ!
    そして月の石を打ち鳴らして! 里に近づいた滅石を遠のけた!
    オレたちを助けてくれてたんだ!」

カルダオ「でも おかしくないか おじいちゃんなんだろ?
     杖だけ残してさ どっかに行っちゃうなんて」
ベル「長老 別に杖なくてもシャキシャキ歩けるんだけど・・・
   たしかに不自然・・・」
マイヤ「この書置きも後半が削り取られてるわ
    自分で消したか あるいは・・・」
レアル「・・・いずれにせよ ここにアルレム長老は・・・」

ゴゴゴ・・・

ナイジ「! い いま揺れませんでした!?」
カルダオ「ゆ ゆれたゆれた!」
ベル「わ 私のせい かな・・・?」
レアル「いえ! 下の方です! 基礎が崩れて行ってるのかも・・・!」
マイヤ「名残惜しいところはあるけど・・・
    安全のため 今は外に出たほうがよさそうね・・・!」

ゴゴゴゴッ ゴォン・・・!

ナイジ「すぐ下まで来てるカンジが・・・!」
カルダオ「だっ 脱出するべ!!」
ベル「ティタン!みんなをかついで! 早く!」
ティタン「ゴッゴー!」

ゴゴゴォォォン・・・

~氷河~

ナイジ「はぁっ はぁっ!!」
カルダオ「みんな無事か!?」
ベル「・・・ええ」
レアル「なんとか・・・!」
サバキ「ブルル」


ベル「塔 クレバスに飲まれちゃったね」
カルダオ「っくぅー 下の方に何かあるか調べたかったけどなぁ」
マイヤ「まぁ 分かってよかったじゃない
    ヒノトリにも煌石にも頼れないと」
    これで踏ん切りもついたでしょう」
ベル「(本当はつらいのに 強がっちゃって・・・)」
レアル「・・・そう ですね・・・」
ナイジ「・・・オレ達の手で・・・」

ナイジ「オレ達だけで戦わなきゃいけないんだ・・・」

カルダオ「まぁ ムーさんのことはよく知らないけど
     とりあえずユタトラに帰りたいな オイラ ズズッ・・・」

つづく
最終更新:2011年11月22日 06:06
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