第8話

波に映る帆


~前回までのあらすじ~

シビレバビレブー!!

~数週間前 シェマの修行地~

エルナ「はい! じゃあ今日はモンスターのスキについて詳しく説明するね」
アニャムー「にゃー!」
ナイジ「しゃーす」
チモック「キュー」

エルナ「モンスターは攻撃の際 必ず予備動作が必要なの
    物理攻撃なら攻撃とは逆の方向に振りかぶったり
    魔法攻撃なら属性によって周りの環境に変化がでたり
    その兆候をつかめば攻撃を避けるだけでなく
    未然に阻止することができたりするの わかるかな?」
ナイジ「・・・う・・・ウス」

エルナ「ま まぁ言葉で説明するよりも 実際に見た方がわかりやすいかな?
    アニャムー!」
アニャムー「にゃんにゃー!」

エルナ「アニャムー~~ ニャーニャー人形に向かって~~・・・
    ムーンファイア!」
アニャムー「にゃっ!みゃー!!」

ボォン

エルナ「分かった!?」
ナイジ「あ なんか光ったような・・・」
エルナ「そう! 今のは魔法攻撃の兆候ね!
    そのほかにも強力な技は属性の力を使うことも
    技の発動まで時間がかかることも多いから
    そういうトコロをよく見極めて
    どう動けばいいかが分かるようにしましょう!」
アニャムー「みゃんむめめみゃー!」


ナイジ「(・・・そう スキを見つけるんだ・・・
    ピンチをチャンスに変えるそのポイントを・・・!」
ダー・ミスラ「ギシィイイイイ」

ナイジ「! チモック! 左に避けろ!」
チモック「ッキュ!」

ドシュアアアア!

ナイジ「そのままウォーターガン!」
チモック「キュァッ!」

ダパァン!!

ダー・ミスラ「ギギッシュ ギ!」
ナイジ「(今のはおっさんを倒した直線雷攻撃・・・左右の動きで避けれる・・・)」
モルグ「えびっ えびびび えびっ・・・」ピクピク
シンム「ムシュ・・・」

ナイジ「シンム!ご主人の心配はいいから下がってた方がいい!」
シンム「ムシュ」モソモソ・・・
ナイジ「・・・あ 一応言うこと聞くんだ・・・」

ダー・ミスラ「ギシュッア!」ビュンッ
ナイジ「床に伏せろ!」
チモック「むキュッ!」

ズギャッ!!

ナイジ「下から突き上げろ!クラックダウンだ!」
チモック「キュキュルーイ!」

ガッ!!

ダー・ミスラ「グギャシ!」

ナイジ「よし! すぐに距離を取れッ!
    (やっぱり水が弱点には違い無いか!動きが鈍ってきたぞ・・・!)」
ダー・ミスラ「ギギッ・・・」

パリ・・・パリッ・・・

ナイジ「周りの空気が・・・ ・・・大技ってことか・・・!」
ダー・ミスラ「ギ・・・ギシ・・・」

ババリッ バリッ・・・

ナイジ「チモック! 次にヤツが動いたとき 必殺技をお見舞いするぞ!」
チモック「キューッ!!」

ダー・ミスラ「ギッ・・・ ギッ・・・!」

ババババッバア・・・!!

ダー・ミスラ「ギシュワッッッ・・・!!」ふおっ・・・
ナイジ「今だ!!ソウルファイア!!」
チモック「キュキーーーーーーーーーーーーーー!!!!」

ボドオオオオオオオオオオオオオ

ダー・ミスラ「ギッシュアアアアアアアアアァァァアァアアアア・・・」

ズシャアアア・・・

ダー・ミスラ「ギ・・・ ギ・・・ クッ・・・」
ナイジ「・・・っ!やった・・・! た 倒したぞ・・・!
    やったぞチモックー!!」
チモック「キキューウッキキ!」

モルグ「んごびっ・・・ は 体が動く・・・」
ナイジ「っへっへーん!おっさん! ようやくお目覚めかぁ!」
チモック「キキーン!」

モルグ「な なんだそのドヤ顔は・・・って うおおお! 勝っとるー!!」
シンム「ムッシャシャ!」
ナイジ「ま!こんなもんよ!」

モルグ「む・・・ た 確かにコレは見事にキゼツしている・・・
    ま まぁ 私が本気になればこんな羽虫なんてことないモン!」べしべし
ナイジ「はいはい・・・ しっかし・・・ なんだよ この巨虫・・・
    見たことねぇな・・・ 帰って長老に連絡だな・・・
    ん?おっさん何持ってんだ?」
モルグ「ギクッ」

ナイジ「あ!記石じゃねぇか! またネコババする気だったな!チモック!」
チモック「キュッ!」バシッ
モルグ「ああ!私が拾ったのにぃぃぃ!!」

ナイジ「油断もスキもねぇぜ・・・ どれどれ・・・ チモックに使うかな
    こうして・・・ っと・・・」パラッ・・・
チモック「・・・!」
ナイジ「おっ!なんか新しい技が使えるようになったっぽい!」
モルグ「ぶーぶー・・・」

ナイジ「うっし!今日は大収穫! 帰るかな! ユタトラへ!」
チモック「キー♪」

モルグ「あぅー!置いていかないでくれよぅ!
    ・・・ぬぁんちゃって! ぐへ・・・ぐへへへ・・・」
シンム「ムッシュシュシュシュゥ・・・」


~ユタトラ~

ナイジ「かくかくしかじか」

ウル「なんと! そのようなモンスターがまたしても!ギロッ」
シェマ「な なんで私を睨むんですか!!」
ロンガ「ガッハハ!まぁまぁ そういきり立たんでも!
    ナイジはそいつに勝ってきたワケだしな!」

シェマ「そ そうですよ それに 雷を操る巨大な羽虫・・・
    間違いなくダー・ミスラです!
    大量の羽虫と瘴気を伴い人里に現れる・・・
    あのアルレム長老すら手こずったという強力なモンスター!
    森に轟く雷鳴 一晩続く死闘を制したのは・・・!」
ロンガ「もうその話は7回目だな」
シェマ「そうでしたか ではイメル・クとの伝説の戦いを・・・」
ロンガ「それはアルレムのとあわせて8回聞いた オレはまだボケてないぞ」
シェマ「と とにかく その話が本当だとしたら 凄いことだということです!
    にわかには信じがたいといいますか・・・」

ウル「なんじゃ 信用しておらんのか?
   もうナイジのブリーダーとしての腕前はおぬしと大差ないかもの」
シェマ「ぐぬぬ・・・」

ナイジ「まぁ これでオレも遠海への出航許可がもらえるってワケですね」
ウル「うむ 忌憚はあるまいて では許可証の授与を・・・ おや」

ナイジ「ん?」


ガシャッ・・・

マッカム「ボルボルナの調査報告だ」
ナイジ「あ・・・アンタは・・・」

ウル「ご苦労じゃったの じゃが今はナイジの調査報告を受理しておる
   少し待っていて貰おうかの」

マッカム「フン・・・ かまわんが なんだ このガキは
     協会はこんなガキに頼らないとダメになったのか」
ナイジ「ん んだとっ・・・」

シェマ「子供と侮らないことですね なんと言ってもこのナイジは
    あのダー・ミスラを倒してきたのですから」
ロンガ「さっきと言ってることが違うぞ」

マッカム「こいつが・・・?」
ナイジ「・・・」
チモック「キュー・・・」

マッカム「そんな風には見えんな・・・こいつも こいつのモンスターも」
ナイジ「なっ・・・!」

マッカム「なんなら今ここで証明してやってもいいが・・・」

マッカム「命の保証は致しかねるがな・・・」
メギラス「グルルル・・・」


ナイジ「うっ・・・!」
ウル「こりゃ!やめんか! 分かった ボルボルナの調査報告を聞こう」

マッカム「さすがはヴァシアタの長老だな 物分りがいい・・・
     その仮面はボルボルナの塔の頂上で暴れまわっていた巨人のものだ
     炎を操る 黒い巨人・・・ まぁ それなりの強さだったな・・・」

クーテンバイン「ギッ」
シェマ「うっ まだ生きていますよ!」

ロンガ「むぅ! 炎を・・・ 黒い巨人・・・ となると・・・」
ウル「西方に伝わるモンスター・・・ クーテンバインじゃな・・・」
シェマ「名前からすると 錬月鉱が深く関係しているように思えますが・・・」

ウル「うむ 察しのとおり イダルと月の石の力が大きく関わっておる・・・」
シェマ「先日リファーン諸島の長期遠征から帰ったベルから聞いた話でも
    アンブッシュやタロスの異常発生が確認されていますからね」
ウル「関係ない とも言い切れんかもの・・・」

マッカム「・・・報告は以上だ・・・ 金は指定のバンクに送ってもらう」
ウル「うむ 分かっておる それではの」

ナイジ「・・・」
マッカム「・・・ふん・・・」

ウル「さて すまんかったのナイジ あやつは腕はたつが
   ああいう性格での・・・」
ナイジ「でもアイツの言うことは本当だ・・・
    戦わなくても 負けるって 分かった・・・」
ロンガ「ガッハッハ!まぁお前ならあの位すぐ追いつくだろうよ!」

ナイジ「(まだだ・・・まだ足りないんだ・・・オレには・・・
    ・・・マッカム・・・)」

シェマ「しかし この仮面・・・といいますか顔ですか・・・
    剥がれ落ちてなお 炎を宿している・・・ 
    詳しく調査すれば なにか分かるかもしれませんね・・・」
クーテンバイン「ギー」ボッ!
シェマ「おあああああっちぃいいいいい!!」

ロンガ「まぁそこの駄目なほうの若造は放っておいて
    巨大な羽虫となると羽虫の蜜が取れたかもな
    今度調査隊を遣るときには言っておこう」
ウル「おぉ 羽虫の蜜か あれはヴァシアタでは尚のこと高級品じゃったのぉ
   タルで持ち帰れば家が建つ程じゃったかのぉ」

ナイジ「な なんですか そんな高級なものが取れるんですか!」
ロンガ「お・・・おう 近くに巣があるはずだからな
    まぁ しばらく誰も近寄らんだろうから安心・・・」
ナイジ「・・・あんの野郎ォ・・・ 本当の目的はそれかぁ・・・!!
    長老! 心当たりがあるんでひとっ走り行って来ます!!」
ウル「こ こりゃ まだ許可証の授与が・・・」
ロンガ「ガッハハ!足も速くなったな!」
シェマ「あっちぃ~!!アトロポ~~~~~~~ス・・・」

~食材屋~

モルグ「うっほほ うっほほ」むしゃむしゃ
シンム「ワムシャワムシャ」むしゃむしゃ

ナイジ「ファーーーイ!!」バッ

ドゴォオオオオオオ!!!

モルグ「ナバアアアアアイ!!!」

ズシャアアア

モルグ「な なにするかー!」
ナイジ「それはこっちのセリフだァー!アイテムを独り占めしたなァー!!」

モルグ「ギクッ ははは羽虫の蜜なんて知らないでござるよ」
ナイジ「自分で言ってんじゃねーかー!このぉー!」
モルグ「ひぃー!」

ランナ「ナイジィイイイイイイイイ!!!」
ナイジ「げぇっ!! ランナ!」
モルグ「ふぇふぇふぇ ぼうりょくはんたーい」

ランナ「お店の前でなにしてんのよ!」
ナイジ「い いや これは その あー」
モルグ「いいぞー やれやれー」

ランナ「遠征から帰ってきたんでしょ チモックにご飯はあげたの!?」
ナイジ「あの その え?」
モルグ「え?」

ランナ「ほら 今日はたまたまいい食材入荷したの
    チモックに奢ってあげるから感謝しなさいよね」
チモック「きゅー♪」
ナイジ「それってひょっとして羽虫の蜜・・・?」
ランナ「な なによ よく知ってるじゃない・・・
    ほら こっち来なさいよ」

モルグ「へへへっ じゃあ私もご馳走になろうかしら」
ランナ「アンタにはさっき蜜代としてエサやったでしょ
    あと明日からもう来なくていいから じゃあね」
ナイジ「あ おい 引っ張るなよ」

モルグ「・・・・・・・・・」

モルグ「ちっくしょおおおおおおお!!!」
シンム「ワムシャワムシャ」むしゃむしゃ

      • ユタトラの夏が終わろうとしていた・・・
最終更新:2011年10月12日 01:54
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