第6話

千切れた空の先で


~前回までのあらすじ~

やーい ナイジんち おっばけやーしきー

~ファーム~

リトバ「そんなことがあったなんて・・・」
モルグ「新米ブリーダーにはつらすぎますな・・・」

ナイジ「で・・・俺 このままブリーダー続けていいのかなって・・・
    思っちゃってさ どうなんだろう・・・」

リトバ「そんな!ナイジさんがブリーダーやめたら私・・・無職ですよ!
    あ!あの自分の保身とかそういう意味で言ったんじゃ・・・あのそのえぇえ」
ナイジ「・・・いいんです 特に何かしてもらってる訳じゃないし・・・」
リトバ「ほっ よかったぁ~」
モルグ「よかったですな!もはは」
ナイジ「・・・」

ナイジ「そういえばモルグさん でっかいワームを連れてたと思いますけど」
モルグ「あぁシンムかい ランナさんの所で粉挽きの手伝いさせられてるよ」

ナイジ「(骨までしゃぶりつくす女だな・・・)」

モルグ「シンムとはねぇ~ガランカナンで出会ったんだよ」
    もうそろそろ4年になるかなぁ~かわいいだ~
    ちなみに私は厳密にはブリーダーじゃあないよん」

ナイジ「ブリーダーじゃない?」
モルグ「まぁ いろいろあるのよね いろいろ 今は露天商だし
    なにも今の協会の周辺調査命令に従うこともないし
    フラフラしてればいいだけだから 気に入ってるよ 今の生活」
ナイジ「そうっすか・・・ ・・・」

リトバ「まぁナイジさんの好きなようにするのがいいんじゃないでしょうか!」
モルグ「んだなー!」

ナイジ「・・・考えておきます・・・ そろそろ神殿に行かないと・・・」
リトバ「神殿・・・私も あぁ なんでもないです! いってらっしゃいませ~」
モルグ「よーし 私もランナさんの所にクルナッツを届けないと
    なんでもプレゼント用とかでたくさん要るみたいだし」
ナイジ「(おっさんがほとんど食ってたじゃないか・・・)」

~タウンへ続く道~

ナイジ「・・・」

???「や!」

ナイジ「・・・」

???「やっ!」

ナイジ「・・・」

???「ちょ ちょっといいですか!」
ナイジ「んぁっ?オレですか?」
???「キミ以外に誰がいるんですか・・・」

ナイジ「すいません 考え事してて・・・」
???「ふむ・・・ モンスター・・・相棒のことで悩んでますね」
ナイジ「えっ?」

???「これは失敬 ボクはレアル こっちは相棒のサバキ はじめまして
    ナイジ君」

ナイジ「! い 今なんて!?」

レアル「はは 実はキミの事はエルナ君やフラセールさんに聞い」
ナイジ「初対面でオレのことちゃんとした名前で呼んでくれたの・・・
    アナタが初めてですよ!!どうも!ナイジです!握手握手!」
レアル「は・・・はぁ・・・はは それは よかった・・・」

ナイジ「で そのサバキさんがオレに何か用ですか?」
レアル「いや ボクはレアルです サバキはこっち・・・
    っと そうそう これを・・・キミに渡そうと思って」

ナイジ「・・・これは・・・」
レアル「煌石の雫・・・ キミに差し上げます
    フラセールさんに見せれば 使い方くらい教えてもらえますよ」
ナイジ「でも なんでまた・・・」

レアル「まぁ 罪滅ぼしでしょうか」
ナイジ「え・・・」

レアル「実はキミが先日訪れたソルバノ・・・ 最後に調査したのはボクなんですよ」
ナイジ「あ・・・ いや・・・ その・・・ いいですよ そんな・・・」

レアル「いえ ボクがあの見落としさえしなければこんなことにはならなかった
    それは事実ですからね・・・ 申し訳ありませんでした」
ナイジ「わざわざ・・・ どうも・・・」

レアル「長老からナイジ君の ソルバノでの話を聞いて・・・
    いてもたっても いられなくてね」
ナイジ「なんか・・・悪いです・・・」

レアル「ナイジ君!」
ナイジ「は はい」

レアル「ボクは キミにブリーダーを続けてほしいんです!
    初対面でこんなことを言うのは何だとは思いますが・・・
    それでも キミはもっと強くなれる ブリーダーとして・・・人として・・・
    そんな気がするんです」
ナイジ「・・・ それは・・・ 恐れ多いというか・・・なんというか・・・」

レアル「物を渡しておいて 失礼かもしれませんが・・・
    もちろん それを決めるのは ナイジ君です
    ・・・ボクはしばらくこの島に滞在してますから
    何かできることがあったら何でも言ってくださいね!」
ナイジ「はい・・・ どうも・・・ありがとうございます・・・」
レアル「いえいえ! では・・・」

ナイジ「レアルさんか・・・ 感じのいい人だったな・・・
    ・・・煌石の雫・・・ フラセールさんに見せてみよう・・・」

~神殿~

フラセール「おう コケシじゃないか チモックの様子を見に来たのかい?」
ナイジ「はい(もはや1文字も一致してないな・・・)」

フラセール「そうだな だいぶ体力も回復したし あと数日で動けるようになるとおもうぜ」
ナイジ「ありがとうございます・・・ あ そうだ これ 貰ったんですけど
    フラセールさんに見せろって・・・」
フラセール「ん?なんだい? おっ おお!こりゃ煌石の雫・・・!凄いじゃないか
      神殿はおろか ミリーアさんとこにも滅多に並ばないのに・・・どうしたんだい?」
ナイジ「レアルって人がくれたんです その お詫びだって・・・」
フラセール「ほー!お前にそんなツテがあったとはな!」

ナイジ「え やっぱ 凄い人 だったんですか?」
フラセール「お前 この前のSランクソルド大会見てなかったのかい?
      Cブロックダントツの1位だった超腕利きのブリーダーだぞ 遅れてんなぁ~
      まぁマッカムんとこのドラゴンには勝てなかったみたいだけどな」
ナイジ「そ そうだったんですか 道理でなんか オーラが出てたワケだ・・・」

フラセール「で もちろん使うだろ? それ」
ナイジ「使うって ど どんな効果が?」

フラセール「お前さん そんなんでよくブリーダーになれたな・・・ 筆記ボロボロだったろ」
ナイジ「ゔ・・・」

フラセール「まぁフラセール様がやさしく教えてやるよ
      それを使うとモンスターの体力がすごく回復する」
ナイジ「え えらく簡潔ですね でもこれを使えばチモックの快方も・・・」

フラセール「当然早くなるな うん 是非使うべきだ 売れば10万SPはくだらない代物だけどな」
ナイジ「すぴょーん!」
フラセール「うわっ 目玉飛ばすな! 戻せ戻せ!」
ナイジ「そんなに価値のあるものだったなんて・・・」すちゃ

フラセール「でもよ この際値段なんてどうでもいいんじゃないか ナジイ」
ナイジ「そう ですね 使ってやってください(今のは近かった)」

フラセール「よしきたっ 多分今日中に連れて帰れるぜ」


チモック「ッキューキ!」
ナイジ「チモックぅ!あぁ よかった よかった・・・
    オレがしっかりしてれば・・・ 本当にごめんな・・・」

フラセール「はは よかったな でもまだ怪我は治ってないからな
      ムチャはさせないようにな」
ナイジ「・・・はい ありがとうございました」

フラセール「・・・で どうするんだい? 今後のこと
      ブリーダー 続けてみるかい?」
ナイジ「・・・実をいうと まだブリーダーを続けるかどうか
    決めていないところがありますただ・・・
    ・・・ブリーダーを続けたい気持ちは あります・・・」

フラセール「そうか!じゃあこれでキマリみたいだな!」
ナイジ「き キマリって・・・?」

フラセール「いやぁ~~ シェマさんから言われてさ
      もしナイジがブリーダーを続けるというのなら
      助手という形で彼の手伝いをしてほしい(キリッ)
      ってさ そんでオレもお前のことは気になってたからさ
      承諾しちゃったってワケ で!よろしくな!レイジ!」
ナイジ「ホケー」
フラセール「なんだよホケーって! もっと喜べよ
      まぁ専属ってワケでもないし 神官の仕事は続けるからさ
      そんなに気にすることでもないだろ! ホラ シャンとしろ!」

ナイジ「ハッ! いや 急な展開だったんで 呆気にとられてただけっす
    あとオレナイジっす」
フラセール「ならいいな まぁチモックの経過も見たいし
      どうしても容態が悪化したなんてとき神官のオレがいれば対処できるしな
      ああみえてシェマさんの見立てに狂いはないんだぜ」

ナイジ「はは あのシェマさんがね・・・」
チモック「キー」

フラセール「お そうだ この煌石の雫 余ってるから持っていきな
      ブリーダーの間じゃお守り代わりに持ち歩くヤツも多いからな」
ナイジ「どうも・・・ レアルさんにお礼言っとかないと・・・」

フラセール「まぁ仕事もあるし 今日の所はこの辺で失礼するかな
      オレの仕事は夜になってからが本番だからな じゃあな ソイなんとか チモック」
ナイジ「あ ありがとうございました!ナイジです」
チモック「クゥーイ」

~タウン~

ナイジ「チモック・・・ まだ怪我は治ってないから
    今日はうまいもん食って寝るか! ランナんとこ開いてるかな」
チモック「キュンッ」

ランナ「んナアアアアイジイイイイ!!」
ナイジ「でたああああああああああ!!」

ランナ「ナイジ! 聞いたわよ! エルナさんに!
    チモックが大怪我してぇえ~ ないじゃない!!」
ナイジ「いや それは もう だいぶ 治ったからで・・・
    怪我させたのは・・・ その ホントで・・・」

ランナ「ナイジ!!」
ナイジ「は はいぃ!」

ランナ「んっ! これ! クルナッツ チモックに食べさせてあげて」
ナイジ「へ?」

ランナ「たまたま多く入荷したから! 売れ残り! あげるって言ってんの んっ!」
ナイジ「え そ そりゃどうも・・・ ありがとう・・・こんなにたくさん・・・」

ランナ「ま アンタにはこれからがんばってもらわないといけないからね
    その期待料よ だからウチで買い物しなさいよね」
ナイジ「そのセリフどっかのジイちゃんも言ってたな・・・
    ま まぁ ありがとう・・・ チモックも喜ぶよ」
チモック「キキー!」

ランナ「じゃ!もうお店閉めるから! とっとと帰ってメシ食べて寝ることね!
    あんまりエルナさんに心配かけないようにね! 歯は磨くのよ!」
ナイジ「あぁ~あぁ~ わ わかった 分かったから・・・
    行こう チモック・・・ ・・・ランナ」
ランナ「なによ」

ナイジ「その なんだ ありがとう」
ランナ「さっきも聞いたわよ」

ナイジ「そうだっけ まぁ おやすみな」
ランナ「ん ああ おやすみ でもその寝癖は直したほうがいいわよ」
ナイジ「(こんのぉ・・・)」    

~ファームへ続く道~

ナイジ「あれ・・・ エルナさん」
エルナ「あ!ナイジさん! 聞いたわ ブリーダー 続けるんだって!」
アニャムー「にゃー」

ナイジ「え まぁ そういうことに なってますけど・・・」
エルナ「けど?」
アニャムー「にゃー」

ナイジ「オレ このままだと 駄目な気がして チモックも オレも
    もっと強くならなきゃって そう思うんです」
エルナ「ふふ そういうと思って! 婆様たちから許可をもらって
    ナイジさんのために修行メニューを組んできたの!」
アニャムー「にゃー」

ナイジ「ホェ!?」
エルナ「強くなりたいんでしょ! もちろん協力するわ!
    チモックの怪我が治り次第ビシバシいくからカクゴしてね!」
アニャムー「にゃー」

ナイジ「う ウス! こうなったら 本気でやります!
    (もう あんな思いは いやだから・・・)」
エルナ「うんっ その意気その意気!しばらくは遠征もお休みするから
    準備が出来たらいつでも声をかけてね! じゃ おやすみなさい!」
アニャムー「にゃー」

ナイジ「あっ ちょ ちょっといいですか?」
エルナ「ん?なぁに?」

ナイジ「・・・あの なんか その アニャムーに元気がないような・・・」
エルナ「あ・・・ あぁ ナイジさんには隠せないかぁ・・・
    実はね・・・あの後オグルモックを倒すときに その・・・
    すっごぉ~く疲れる技を使っちゃって・・・」
アニャムー「にゃー」
ナイジ「こうなったワケですか・・・」
エルナ「うん 遠征に行かないのはアニャムーの体調が回復待ちっていうのも・・・
    ま まぁ 結果オーライよナイジさん!はは!ははは!」
ナイジ「(そうだ オレ一人じゃないんだ チモックも ランナも フラセールさんも
    エルナさんだってみんなみんな ブリーダーでいることは
    そういうことなんだ・・・)」

ナイジ「強くならないといけないんだ」

こうして ナイジのブリーダー修行の日々は始まった・・・
最終更新:2011年09月22日 03:16
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