◇探索行システムについて◇

 ・未知の迷宮や荒野での探索は冒険につきものの要素である。「探索行システム」とはオンラインでの運用を前提に、迷宮や荒野での探索を「探索度」として数値で表記するルールである。迷宮をいくつかのエリアに分断して、そのエリアごとに、どの程度探索が進んでいるかを表した数値が「探索度」である。
 ・エリアの分け方は、マスターの任意であるが、ここでは1フロア(最終探索度100%)を北西、北東、中央、南西、南東の5つのエリア(それぞれ最終探索度20%)にわけて説明を行うことにする。実際のセッションの際は北西をA、北東をB、中央をC、南西をD、南東をEというふうにアルファベットで管理する。なお、探索度の単位に便宜上「%」という表記を用いているが、最終探索度を100%にする必要はない。
 ・旧ルールの反省点としてダイスを振る進行役以外が暇になりがちという問題の解決のために、4thでは、PTメンバーを「進行役」「警戒役」「捜索役」に3種類に役割分担をして、全員参加で探索行を進めるシステムに変更する。1つの役割に担当者が2人以上いる場合、判定の結果で一番よいものを選んで1つ用いる。


進行役について

  • 進行役は探索を進めて、探索度を上昇させていくのが役割である。迷宮や野外を地図を片手にルートを決定し、全体像を把握しつつ迷わないように進んでいく姿をイメージするとよいだろう。

〈探索チェックの使用方法〉
 ・通常の探索のペースで、1ターンに1d6%探索度が上昇する。このときに《カートグラフィ(地図学)》、野外ならば《パスファインダー》、屋内ならば《エクスプローラー》などの探索スキルを持っている場合は、探索度にボーナス修正が加わる。そして、あらかじめ設定された値に探索度が届いた場合、その場所に対応するイベントが発生する。

〈例〉
 まだ、迷宮を探索し始めたばかりのパーティが・・・Aエリア(北西)を探索している。1d6を振ると・・・「4」が出たので、Aエリアの探索度は4%に上昇する。
 同時にGMは1ターンが経過したのでランダムエンカウンター判定を行うが、モンスターは出現しない。
 つづいて、2ターン目に1d6を振ると・・・出た目は「3」、これでAエリアの探索度は7%に上昇する。
 そこでイベントが発生する!マスターはAエリアの達成度5%に、固定敵の出現する玄室への扉を設定していたのだ。むろん、PC達は扉の向こう側はわからないし、この場合は開けずに先に進むことも可能である。

 (1)扉を無視して先に進む場合
 パーティで相談した結果、まずは迷宮の大まかな形を把握することに決定した。そのため、パーティは扉を無視する。
 この場合、5%でのイベントを無視して先に進み、現在位置は7%となり、マスターはランダムエンカウンター判定を行う。扉が気になるのなら、後で戻ってきて再び探索を行うことも可能である。

 (2)扉を開ける場合
 とりあえず、扉を開けると・・・そこには小型の人間型生物が3匹、待ちかまえていた。そして、敵意をむき出しにして襲いかかってくる!
 これを撃退したパーティは、玄室に設置されている宝箱と、その先に扉を発見する。どうやら扉の向こうは、Cエリア(中央)に繋がっているようだ。

〈迷宮内での現在位置〉
 ・迷宮内での現在位置は、<デュマピック>を用いた場合、「B1F(現在の階層)の、Cエリア(中央)の、探索度8の位置にいる。」という風に表記される。《マロール》を用いた座標テレポートも、このように場所を指定して行う。

<探索速度の決定>
 ・探索を行う際に、その速度を任意で決定することができる。慎重に探索する場合と早足で駆け抜ける場合、初めて探索する地域の探索度の上昇率と、既に探索した地域を移動するだけ場合の速度も当然、違いが出てくる。詳しくは下記の表を参照すること。

 ・隠密修正は、パーティの隠密性をあらわしており、遭遇時の不意打ち判定に影響する。
 ・遭遇修正は、ランダムエンカウンター判定(1d20で、設定された値以下が出ると、モンスターと遭遇)の際の設定値に修正を与える。ただし、1d20の「1」の目は必ずランダムエンカウンター発生となる。ランダムエンカウンターの設定はGMが任意で行う。偶然の遭遇が発生しえない場所においては設定する必要はない。

移動方法 初めて探索する地域 既に探索した地域 隠密修正 遭遇修正
忍び足 +1% +2%+スキル +4 -2
慎重 +1d3%+スキル +4%+スキル +2 -1
通常 +1d6%+スキル +8%+スキル ±0 ±0
早足 +1d10%+スキル(注1) +16%+スキル -2 +2
全速力 +1d20%+スキル(注2) +32%+スキル -4 +4
 (注1):初めて探索する地域を「早足」で移動する場合、きちんと調べないとわからないと思われるイベントは一切、発生しない。さらに、落とし穴などのトラップに対するPER(注意力)判定も-4の修正を受ける。
 (注2):初めて探索する地域を「全速力」で移動する場合、全く調べなくても発生するイベントしか起こらない。さらに、落とし穴などのトラップに対するPER(注意力)判定を行うことができない。


警戒役について

  • 警戒役は、周囲に敵がいないか警戒・索敵をするのが役割である。辺りに動くものがいないか注意を張り巡らし、扉の向こうに聞き耳を立てたり、時にはパーティに先行して偵察を行ったりする姿をイメージするとよいだろう。

 ・警戒役に求められるのは敵を発見するための「感知」能力とPERの高さである。
 ・「感知」は《スカウト》スキルで判定ダイス数を増やすことができる。


捜索役について

  • 捜索役は、周囲の静的な情報を調べるのが役割である。地面に何か落ちてはいないか?迷宮の床や壁に変わったところはないか?生い茂ってる木々の変化や、動物の足跡など。何かを発見する姿をイメージするとよいだろう。

 ・捜索役に求められるのは敵を発見するための「捜索」能力とPERの高さである。
 ・「捜索」は《サーチ》スキルで判定ダイス数を増やすことができる。


<めもめも>
 ・《パスファインダー》《エクスプローラー》はそれぞれ「野外」「屋内」において、「進行役」時のボーナスに加えて、複数の役割を1人で担当することができるスキルに変更?
  ・《パスファインダー》3Lvだと、一人で「進行役」「警戒役」「捜索役」を同時にこなすことが可能となる。
 ・少人数でダンジョン探索ルールを用いる場合、役割分担が足りない場所はザルになってるものとする。
  ・「警戒役」がいなければ敵に不意打ちされやすく、「捜索役」がいなければ広域罠にかかったり、床に落ちてるヒントを見逃したり。
   ・時間を余分にかけることにより、少人数でも問題なく探索できるようになる。ソロなら3倍の時間をかければ、警戒しつつ、捜索しつつ、進行する。といった具合に。
最終更新:2011年10月09日 23:37