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妊娠時・胎児への放射線被曝影響
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妊娠時・胎児への放射線被曝影響と、被爆した後の妊娠への影響(被曝二世)ツイート
大きく分けて胎児への影響は2つのケースが考えられます。
◆被爆後、妊娠した場合(今後妊娠する場合)→A
福島で言えば、原発事故当時は妊娠しておらず、事故後(これから)妊娠して出産する場合
◆妊娠(胎児がお腹にいた)時、被曝した場合→B
福島で言えば、原発事故当時に妊娠中だった場合
まずAの「被爆後に妊娠した場合」(or これから妊娠する場合)は、被曝による影響が遺伝するとは考えられません。これは広島長崎の原爆による被曝者への調査で明らかになっており、さらに内部被曝が問題となったチェルノブイリでも現在まで影響は見つかっていません。もちろん福島の被曝量では広島長崎やチェルノブイリの例よりも低い被曝量です。詳しくは後述
次にBの「妊娠中に被曝した場合」は、原発事故による被曝量では妊娠時の被曝による胎児への影響は考えられません。がんの発生が考えられるしきい値は50mSvで、その他の影響のしきい値も100mSv以上となっています。福島県民の場合、殆どの人が数mSvと推定されていることから、がんや先天異常をきたす被曝量(しきい値)より明らかに下回る被曝量だとわかります。(外部被曝、実効線量)
※一般の福島県民の原発事故による外部被曝量(積算実効線量)は原発に近く線量が高い飯舘村などでも99.3%が10mSv未満。(最大25mSv) 原発から遠い地区では最大で7mSv
朝日新聞 http://www.asahi.com/national/update/1118/TKY201211180362.html
福島県県民健康管理調査「基本調査(外部被ばく線量の推計)」 の概要について(第2報)
http://www.pref.fukushima.jp/imu/kenkoukanri/240220gaiyo.pdf
福島県県民健康管理調査「基本調査(外部被ばく線量の推計)」 の概要について(第2報)
http://www.pref.fukushima.jp/imu/kenkoukanri/240220gaiyo.pdf
A)被曝後に妊娠した胎児への遺伝的影響
※福島の原発事故で言えば、原発事故後に妊娠した場合
放射線 放射性物質 Q&A これから生まれる子どもに被ばくの影響は
福島民報 (2012/09/23 11:32カテゴリー:放射線 放射性物質 Q&A)
http://www.minpo.jp/pub/topics/jishin2011/2012/09/post_5077.html
http://www.minpo.jp/pub/topics/jishin2011/2012/09/post_5077.html
■「被爆二世」の疾患増えず次の世代には伝わらない
広島・長崎の原爆被爆者が被爆後に妊娠し、生まれてきた世代は「被爆二世」と呼ばれ(略)現在に至るまで長期間にわたる調査が行われてきました。 調査の結果、現時点で被爆二世について、特にがんやそれ以外の疾患が増加しているということは認められていません。
また、内部被ばくが問題となったチェルノブイリでも原発事故から25年が経過した現時点で、事故後に生まれた世代について健康影響は認められていません。
さらに、県内での被ばく線量は、外部被ばく、内部被ばくのいずれについても、広島・長崎やチェルノブイリと比べてかなり低いことからも、次世代への影響は考えにくいと思われます。
B)妊娠時の被曝量と胎児への影響
※福島の原発事故当時に妊娠していた場合
日本産婦人科医会
放射線被爆と先天異常 (日本産婦人科医会)
http://www.jaog.or.jp/sep2012/JAPANESE/jigyo/SENTEN/kouhou/hibaku.htm
注意:1mGy=1mSvと読み替えてよい。
注意:1mGy=1mSvと読み替えてよい。
流産、外表・内臓奇形など
100mGy以上で影響があるとされている。
発育遅延など
100mGy以上で影響があるとされている。
放射線被曝による悪性腫瘍(がん)の発生
50mGy以上で影響があるとされている。
遺伝的影響
遺伝的影響は高線量照射による動物実験では認められるが、ヒトの疫学調査では統計的有意差が見られていない。
しきい値はUNSCEAR(原子力放射線影響に関する国際科学委員会、2000)では1000~1500mGyと推測している。
参考とした資料
放射線被爆と先天異常 (日本産婦人科医会)
1.胎芽・胎児への影響
胎芽・胎児の発育期は、着床前期(受精0~8日)、主要器官形成期(受精9日~60日)、胎児期(受精60~270日)に分けられ、時期により発生する異常が異なる。表1に主な異常と胎児発育期間およびしきい値を示した。流産(胎芽・胎児死亡)は着床前期に最も多く、器官形成期の被曝でも起こる。そのしきい値は100mGy以上である。外表・内臓奇形は器官形成期にのみ起こり、各器官でその細胞増殖が最も盛んな時期の照射に特徴的に発生する。100~200mGyがそのしきい値である。発育遅延は2週~出生までの時期で認められるが、そのしきい値は動物実験で1000mGy以上照射すると起こることより推測される。精神遅滞は8~15週に最も発生し、16~25週にも起こる。しきい値は120mGyと考えられている。100mGy以下ではIQの低下は臨床的に認められていない。ICRP(国際放射線防護委員会、1991)では8~15週に1000mGyを照射するとIQは30ポイント下がり、重篤な精神遅滞は40%発生するとしている。悪性新生物(癌)は15週~出生までに起こり、しきい値はICRPでは50mGy以上としている。白血病、甲状線癌、乳癌、肺癌、骨腫瘍、皮膚癌が主なものである。遺伝的影響は高線量照射による動物実験では認められるが、ヒトの疫学調査では統計的有意差が見られていない。しきい値はUNSCEAR(原子力放射線影響に関する国際科学委員会、2000)では1000~1500mGyと推測している。
【2.被曝線量】
ICRP(2000)の報告より抜粋した主なものを表2に示した。単純撮影では胸部X線検査の被曝線量は0.01mGy以下で、腰椎、骨盤部でもそれぞれ1.7、1.1mGyである。CTにおける胎児被曝線量は骨盤部が最も多く25mGyである。なお最大線量も参考のため( )内に示した。