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MITによる低線量被曝影響についての研究論文【線量率効果】


(管理人)2012年5月に出た論文で、Twitterで話題になったもので、タイミング的に遅くなってしまいましたが、記事としてまとめました。2012.9.19

MIT(マサチューセッツ工科大学)による低線量被曝影響についての研究論文が発表されました。
http://web.mit.edu/newsoffice/2012/prolonged-radiation-exposure-0515.html

研究の概要

長期かつ低線量での被曝によって、DNAの損傷(の増加)は見られない
5週間の時間をかけて、合計100mSVをマウスに照射したがDNA損傷の増加は見られなかった。これを根拠に「福島の避難基準は(米国の)環境放射線の8倍程度であ過剰である」とMITは推定しています。
※DNAは被曝関係なく一定量は損傷しますが、人間の体にはそれを修復するシステムがあります。


関連記事

長期間にわたる放射線被曝についての新しい見解 — MITの研究が示した低線量被曝のDNAへの少ないリスク
GEPR
MIT(マサチューセッツ工科大)による低線量被曝の研究についての日本語解説記事

ねずみに5週間、自然放射線の400倍の放射線照射をしたが、DNAへの損傷は観察されなかった
(管理人)厳密に言うと「(DNA修復システムの能力を超えなかったため)DNA損傷(の有意な増加)は観察されなかった。」ということだと思います。

学術誌「環境と健康をめぐる知見」(Environmental Health Perspective) に発表されたベビン・エンゲルワード、ジャクリーン・ヤンチが行った研究によれば、複数のねずみに5週間にわたって自然放射線の400倍の放射線照射をしたが、DNAへの損傷は観察されなかった。

人間の体にはDNA損傷を修復するシステムがある
DNAの損傷は自然放射線のレベルでも起こるもので、少なめに見積もっても一つの細胞に1日当たりおよそ1万回生じる。損傷の大半はそれぞれの細胞内にあるDNAの修復システムによって回復される。


別角度からの考察:Togetterより
Twitter上での議論:MIT から低線量被曝影響の研究論文〜自然放射線の400倍でもDNAへの過剰影響なし
http://togetter.com/li/307976
Yuki Nagatake氏(分子生物学などの研究者)がMITが発表した論文の解説。(Togetterの後半部分)

生物学の研究者Yuhki_Nakatake氏は「マウスで0.0002cGy/min=2μGy/min=120μGy/hで5週間、積算で100mGyほどを受けたマウスのDNA変異や抗酸化マーカに有意な違いが無かった」と説明しています。
http://twitter.com/Yuhki_Nakatake/status/204579520873897984

関連用語
「線量率効果」とは
線量率効果というのは簡単に言うと「一気に放射線を受ける」より「時間をかけて放射線を受ける」ほうが影響が少ない。という効果。つまり、人体に放射された(=人体に受けた)累積した放射線量が同じであっても、その時間のかけ方によって人体に与える効果は違うよ。ということです。
参考
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_No=09-02-02-14
http://www.bousai.ne.jp/vis/bousai_kensyu/glossary/se23.html

関連:反原発の運動家&ジャーナリストの日隅一雄氏もデマ記事

線量率効果のわかりやすい説明:アルコールの摂取速度の違いと影響:
管理人が一般人にもわかりやすいように例えてみます。(個人差がありますが)アルコールを一気に一定量を飲むと急性アルコール中毒になる可能性が強くなります。が、(時間をあけて、たとえば一週間に一回に)少量ずつアルコールを摂取すれば(累積で同量のアルコールだとしても)急性アルコール中毒にはならずぶっ倒れたりしません。つまり生物への影響は時間の概念が欠かせないということですね。