『D&D風番長G全キャラ名簿・コモン編』

C鬼無瀬未観
攻:2D3+1 防:0 体:2 速:4
『鬼無瀬時限流小目録”再度歪印蛇”』
<PAS>敵を殺害するともう一度行動が可能。

C萌木原ジャベリン
攻:0 防:1 体:5 速:4
『サリンジャー』
<ACT>敵一体に純ダメージ4点。
制約:味方1体行動不能

Cぺウレカムイ
攻:6 防:0 体:3 速:3
『キムンカムイ』
<PAS>敵を殺害するともう一度行動が可能。

C紅月文
攻:5 防:1 体:4 速:4
『鉄拳制裁』
<ACT>敵一体の攻撃と防御を入れ替えて通常攻撃。
制約:戦線離脱

C金色 美味
攻:0 防:1D6 体:4 速:3
<ACT>仲間一体の「行動不能」を解除。
制約:女性のみ、能力使用後金色を魔人ダスに戻す。

Cカッタールキ・オッティソン
攻:1D3+2 防:3 体:4 速:0
『窮地にあり華々しく』
<PAS>味方全員の素早さ+3
制約:両性のみ、LP半分以下の時のみ

C佐藤頼天
攻:1D3+2 防:0 体:3 速:3
『アセスルファムK』
<PAS>自分死亡時LP減少無し※未実装
制約:能力使用後佐藤を魔人ダスに戻す。

C縞居天
攻:1 防:0 体:4 速:1
『姉妹園芸(シュヴェスターガルテン)』
<ACT>“縞居多来”を召喚。
(ステータス5/0/2/2、能力『ヴァイスシュヴェールト』:全員に通常攻撃、成功率1D6で3以上)
制約:空きスペースが必要、同時に1体のみ。

C蝦夷廻ねねか
攻:4 防:0 体:3 速:3
『輪廻蘇生(ループ・ザ・ループ)』
<PAS>戦闘終了後に復活。※未実装
成功率:1D6で5以上

C赤城一心
攻:0 防:0 体:3 速:3
『熱血ハートヒート』
<PAS>LP直接ダメージ2点軽減。
制約:前列でしか機能しない

『D&D風番長G全キャラ名簿・アンコモン編』

UC環あとな
攻:0 防:1d6+3 体:5 速:2
『にゅーくりあぶらすと・らいと』
<ACT>敵全体に1D3の純ダメージ

UC椎木彗香
攻:1 防:1 体:8 速:4
『墜鬼』
<ACT>敵1体に攻撃力10で通常攻撃。
制約:行動不能

UC真野孝三
攻:1D6+3 防:1 体:3 速:3
『ダイイングキッチン』
<ACT>敵1体に通常攻撃。

UC小野町小道
攻:1D6+4 防:0 体:3 速:2
『性態観察』
<ACT>LP直接1D3ダメージ。その後敵1体に通常攻撃。
制約:戦線離脱

UCレミイ・虚子・ロー
攻:6 防:1D3 体:3 速:3
『円月殺法』
<ACT>敵1体即死
制約:敵のLPが2以下の時しか使えない。

UC錆山五十鈴
攻:1D6+1 防:1D3 体:4 速:3
『酸の雨』
<ACT>相手全員の防御力を1D3+1点減らす。
制約:戦線離脱

UC湯川量子
攻:1 防:1D3 体:5 速:1
『PATH CONNECTED φ BROKE』
<PAS>通常攻撃を受けても死亡しない。(LPは減少する)
成功率:1D6で4以上

UC羽犬塚猫子
攻:0 防:0 体:3 速:2
『ファック&スラッシュ』
<ACT>味方一体の攻撃と防御が1ターン逆転する。
制約:男性のみ

『D&D風番長G全キャラ名簿・レア+α編』

R桃爺
攻:3 防:6 体:3 速:0
『因果を越えて許されない”unforgiven”』
<PAS>イベント遭遇時、桃爺をロストして回避可能。

R虎
攻:1D3+8 防:0 体:3 速:5
『トラ!トラ!トラ!』
<ACT>敵全体に通常攻撃。
制約:戦線離脱

Rダンゲロス子
攻:10 防:0 体:6 速:3
『フレイムブースターver.2.0』
<PAS>敵を殺害するとそのターン通常攻撃無効。

R阿天小路御影
攻:2D6 防:0 体:3 速:3
『無形刀〝鵆〟(チドリ)』
<ACT>敵1体に純ダメージ2D6点。
制約:召喚されたキャラのみ

R松茸香織
攻:4 防:2 体:4 速:0
『トリコローマ・ナウセオスム』
<ACT><移動中>使用済みの「一度のみ」制約を使用前に戻す。
制約:女性のみ、一度のみ

SR音杭セーラ
攻:0 防:1 体:4 速:5
『C.C.W.大時計塔』
<PAS>相手全員の素早さ-1。

SR荻原蔵六
攻:3D3 防:2D6 体:6 速:4
『影解れ』
<ACT>敵全体即死
制約:手芸者と名のつくモンスターにしか効かない。

?エア=カットラス
攻:1 防:0 体:3 速:2
『A.J.フィールド』
詳細不明。

?無桐紋葉
攻:0 防:0 体:3 速:1
『風と樹のうた』
詳細不明。

『ソードマスターミカゲ』

最終話 希望を胸に すべてを終わらせる時…! ガイドラインダンゲロス第1巻は、発売未定です。 
御影「チクショオオオオ!くらえ結昨日商!新必殺無形刀〝鵆〟!」
商「さあ来いミカゲオオ!私は実は一回刺されただけで死ぬぞオオ!」
(ザン)
商「グアアアア!こ このザ・ドライチと呼ばれる四天王の結昨日商が…こんな小僧に…バ…バカなアアアア」
(ドドドドド)
商「グアアアア」
空虚「結昨日商がやられたようだな…」
香奈絵「ククク…奴は四天王の中でも最弱…」
天「阿天翼心流ごときに負けるとは召喚能力者の面汚しよ…」
御影「くらえええ!」
(ズサ)
3人「グアアアアアアア」
御影「やった…ついに四天王を倒したぞ…これで灰色熊のいる生徒会室の扉が開かれる!!」
灰色熊「よく来たなソードマスターミカゲ…待っていたぞ…」
(ギイイイイイイ)
御影「こ…ここが生徒会室だったのか…!感じる…灰色熊の魔力を…」
灰色熊「ミカゲよ…戦う前に一つ言っておくことがある お前は私を倒すのに『ペウレカムイ』が必要だと思っているようだが…別になくても倒せる」
御影「な 何だって!?」
灰色熊「そしてお前の弟はやせてきたので最寄りの町へ解放しておいた あとは私を倒すだけだなクックック…」
(ゴゴゴゴ)
御影「フ…上等だ…私も一つ言っておくことがある 番長Gに番長の虎がいるような気がしていたが別にそんなことはなかったぜ!」
灰色熊「そうか」
御影「ウオオオいくぞオオオ!」
灰色熊「さあ来いミカゲ!」
ミカゲの勇気が世界を救うと信じて…! ご愛読ありがとうございました!

カッタールキ・オッティソン オープニング前半


  • 数年前、メリケン某所にて-
年間ベストモデルグランプリ決勝の舞台に立ちながら、
"彼"――カッタールキ・オッティソンは、絶頂とは何かと考えていた。
人生の頂点、あるいはオーガズムのことを。
満ち足りるとは、いかなる感情なのかを。

"彼"には恋がわからない。
言ってみれば、自分に何が足りないのかわからなかった。
自分に備わった特異な性が、それを生み出した。
自分が人と違うと思うようになったキッカケは小等部の頃、
他の誰より背が伸びたことだったように思う。
男と女が意識され、恋の話題が出るようになる頃には、周囲から完全に孤立していた。
男が、己のあずかり知らぬ女の身体に好奇心を抱くこと。
女が、同じように男に好奇心を抱くこと。
自分に無いものを求めるのが人間ならば、
始めからどちらも持ちあわせていた"彼"には、人並みの「他人への興味」が現れなかった。

成長し、
見目麗しい顔立ちとその長身からモデルにスカウトされ、
自分の身体を他人に晒すようになってからも、その悩みは大きくなるばかりだった。

他人の恋の話を聞くのはとても楽しい。
まるで異世界を旅する冒険譚ような高揚を感じる。

他人から好意を向けられることも好ましい。
人に認められながら歩んでいく道のりは、険しくも充実した人生を自分に与えてくれる。
自分を美しく魅せることが生き甲斐になった。

しかし、ふと立ち止まって考えてしまうことがある。
自分のこの人生の終わり、終着点はどこにあるのだろう。
自分にはあらゆる可能性が眠っている。
自分は今、あらゆる選択肢の瀬戸際にいる。

自分はあらゆることができるが、何をすればいいのかわからない。
自分の絶頂はいったいどこにあるのだろうか。
何をすれば満ちたりたことになるのか。
何が訪れれば、自分の人生は終わるのか。
自分は何者なのか。
嗚呼、自分には見本となるべき手本となるべき人間が居ない。

おお、神よ。
なぜ貴柱は男と女には使命を与え、自分には与えてくださらないのか。

"美"の頂点に立ちながら、
そこから何も得ることはないと知り絶望した"彼"は、
モデル業界から姿を消した。
友人たちはこぞって"彼"を引き止めたが、"彼"はそれを固辞し聞くことはなかった。
"彼"の悩みを真に理解していたものは居なかったのだ。

そして"彼"は、東洋へと居場所を移した。

<後半へ>

カッタールキ・オッティソン オープニング後編

  • 数ヶ月前、東洋のとある山中にて-
メリケンから姿を消した人気モデル――カッタールキ・オッティソンは、
その後、仙人を師に置いて武の修行に明け暮れた。
"彼"の恵まれた肉体は瞬く間に教えを吸収し、その力を伸ばしていった。
愛用の武具、三節棍に出逢ったのもこの時だ。

肉体の修練は、"彼"の新たな生き甲斐となった。
己を磨き、より強いモノへと挑戦する姿勢は彼の美学とも適合していた。
自分にはまだ学べるモノがあるという安心感。
教えを乞うに足る師が居ることが、何より嬉しかった。
自分の世界が広がる感覚。

だが、"彼"には二度目の絶望が待っていた。
広がった世界にも果てはある。
"彼"の苛烈な修行について行けず、兄弟弟子が師である仙人に泣きついたのだ。

もうすでに兄弟弟子の誰より強い"彼"は、他の誰でもない自分の師に問いかけた。
己に厳しくあることは、咎められるようなことなのか、と。

すると仙人はこう返す。
人は、他人を見て自分の領分をわきまえ、理解する。
できること、できないことを己ではなく他人を見て覚えるものなのだ、と。

"彼"にないのは、同族。
己の鏡になる、自分の分身。――共感という感情。
"彼"の尺度はいつだって自分が基準で、他人を慮ることがなかった。
"彼"の悩みを真に理解するものが居ないのと同様に、
"彼"もまた、真に他人の悩みを理解することがなかった。

そんな"彼"の分岐点となったのは、
仙人がジャパンから招いたというマジンと面会したときである。

「希望崎の魔人」
噂に聞く世紀末の場所から来たその男――否、
性別も定かではない異形の存在は、
一目"彼"を見ただけで、"彼"もまた魔人であると言い放った。

――共感能力
近しい人間、近しい属性を持つ存在であればあるほど"彼"の共感能力は強く働き、
図らずも周囲を巻き込んで、意識が一つに混ざり合ってしまう。
魔人は"彼"に言う。
お前のその能力はお前が仲間であると認められる存在と、一つになることができる、と。

絶頂だ。
一つになるということ。
共感するということ。
"彼"は人生で初めて、本当に本当の意味で、それが欲しいと思った。
自分にそんな能力があるのなら、本当にあるのなら。

『アタシはそれを味わいたい!』

希望崎の魔人は、"彼"のその言葉を聞いてニヤリと笑い
(それが本当に笑みなのか判別もつかないだろうが)
「希望崎に来い」
とそれだけ伝え、消え去った。

それが、カッタールキ・オッティソンの始まり。
「希望崎の魔人」が一言、来いと言ったから。
"彼"は自分の意思で何かを決める前に、突き動かされるように衝動的に。
ハルマゲドンに参加する。

<カッタールキ・オッティソン オープニングEND>

桃爺のセクハラ大作戦×大爆発が起こりました。×「自重力(フォース)と共にあれ」


ある日の番長小屋。
中央に置かれたテーブルで、すがすがしい好青年と醜男の老人が並んで喋っている。

「ワシは切った張ったじゃなくだな、盤面の外からこうやって……そう、おなごのケツをなぜまわすようにじゃな。
 能力を隠す卑怯モンをじゃな、娘ッ子のちちを揉むように……くどくどねちねちスパムスパム」

醜い顔の老人―――桃爺は、その顔をさらに歪めながら手に持っていた一升瓶をあおる。

「なるほど、確かに強い能力ですよねえ」
対照的に、爽やかさを漂わせる青年―――真野孝三は微笑みを崩さず、無難な言葉で相槌を打つ。
「じゃろう!? ところが何か知らんが、ワシが力を使おうとしたら
 ワケのわからんお面を被った連中がいきなり現れてじゃな~~……
『自重力(フォース)と共にあれ』
 ……なーどと抜かしおって! おかげでワシは、ワシはあああぁぁぁ……」
「まあまあ、そういう時は飲んで忘れるに限りますよ」
酔った挙げ句に泣きじゃくり始めた老人を労るように、真野が肩を優しく叩く。

実際、こうして桃爺が酔って昔話を始めるのはいつものことであり、
その昔話にしても、ある時は桃爺が盤面外能力で生徒会をちぎっては投げた、といった武勇伝であったり
またある時は盤面外能力のせいでつまはじきにされた悲劇的な過去であったりと一貫性がなかった。
しかも同じ話を何度も繰り返す為、最初は話に付き合っていたメンバーも一人また一人と「めんどくせえ」と離れていったのだった。
真野がそれでも話に付き合っているのは、彼がお人好しである証左である。

「ぬー……しかしなんだ、そういやさっきから女子を見かけんのぉ。おかげで酒がマズくてかなわんわい!」
ほぼ空の一升瓶をテーブルに叩き付けるように置きながら、桃爺が叫ぶ。
桃爺は外見もさることながら内面も下郎で、こと女性に対しての発言のひどさには定評があった。
「そういえば、今日はみんなでプールで水浴びしてくるって言ってましたよ。……あ。」
真野が『言わなければ良かった』と後悔するよりも前に、桃爺の濁った目に光が灯った。

「ふおおおおおお!プール!水浴び!水着ィィィィィ!!!」
目から口から耳から鼻から、体中の至る所から光を放出しながら立ち上がる桃爺。
その姿はさながら、アニメ版ミスター味っ子のリアクションを彷彿とさせた。
もう少し刺激の強い妄想をしていたならば、おそらく番長小屋が番長城となっていたであろう。
「も、桃爺さん、今のは僕の記憶違いで」
「よおおおおおし! 桃爺のセクハラ大作戦スタートじゃあああああ!!」
「セクハラって堂々と言ってますよ!?あとパンツをここで脱がないでください!!」
「ムホッホッホホ、スクール水着、ビキニ、ムフフフフ~!」
真野の制止も聞かず、桃爺は衣服を全部脱ぎ散らかしながら番長小屋を後にした。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

数時間後、真野はこう語った。

「それから数分後、プールの方で大爆発が起こりました。
 ……どうも『ドキッ!男子更衣室と女子更衣室を間違えちゃったゾ大作戦』を決行した結果、
 女子更衣室じゃなく両性更衣室に突入しちゃったみたいで……

 そこでカッタールキさんが勢い余って佐藤君を犯してる場面を見ちゃったらしくて……

 ……ええ。佐藤君も泣いてました。犯された上に全身ヤケドですしね……
 ハルマゲドンに間に合うかなあ、治療……」

「鬼無瀬VS鬼無瀬」(生徒会SSの続き)

戦いは一瞬で決していた。

一撃で仕留めることを至上命題に置く鬼無瀬時限流の仕合としては、珍しくもなんともないことではある。

鬼無瀬未観は小目録の“再度歪引蛇”、鬼無瀬陽観は殺伝の“旋風鬼”。
己の最も得意とする技での打ち合いであったが、その時点で勝負は決まっていたと言えよう。

相手の足を止める“旋風鬼”の前に、素早い立ち回りを要求される“再度歪引蛇”は封じこまれ、リーチとパワーに勝る陽観の野太刀が、小柄な未観の身体を得物ごと叩き飛ばしていた。
一撃で死に至らしめられなかったのは、技の未熟さゆえか、身内への甘さか――

ともかく、この果たし合いは鬼無瀬陽観の勝利で幕を閉じていた。


「はあ、はあ……やっぱ陽君強いね……はあ、……あたしも、もっと修行、しなきゃ……」
息も絶え絶えな未観が、蚊の鳴くような声で陽観に語りかける。

「未観……」
「ハルマゲドン……死なないでね?」
「俺は生徒会なんだぞ?お前の仲間を殺すかもしれない奴に、なんでそんなことが言える」

「でも、あたし、陽君に死んでほしくない……」
そこまで喋ると未観は事切れたかのように目を閉じた。

去り際に未観を一瞥すると、陽観は生徒会室への道を急いだ。
半ば騙すような形で一騎打ちを申し込み、番長Gの戦力を殺ぐ。
会長から指示された作戦は完全といっていいほど上手くいっているが、陽観はそれに対して思うところはない。

今彼の頭を占める決意は、ただ一つ。

「絶対死んでやるもんか」
陽観はひとり、つぶやいた。

『タイトル未定』(縞居姉妹と阿天小路)

ある日ハルマゲドンが近づく中、番長小屋周辺には縞居姉妹の姿があった。
多来は天の能力で身体を持った状態である。二人は話をしていた。
「ですから姉さん、綺麗なんですからもう少し身なりに気を使った方が」
「別にいいと思うけ…キャー!!」
いきなり後ろから胸を鷲掴みにされた天が悲鳴をあげる。
振り返ると番長Gの桃爺がいた。
「また貴様か!!セクハラ爺。私の姉に近づくなと言ってるだろう」
愛する姉の胸を揉まれ、御立腹の多来が桃爺にたいし怒りの声を上げる。
「セクハラは失敬な。同じ番長Gなんじゃから交流を深めようとしたただのスキンシップじゃわい、ぐへへへ。」
そういう桃爺からはアルコールのにおいがする。
「桃爺さん、また飲んでますね…」
「酒は百薬の長というじゃろう」
「だからといって飲みすぎは身体に毒ですよ…」
「天ちゃんは優しいのう。より親睦を深めるためさっきのスキンシップの続きを…アイエエエエ」
そういうと天に抱きつこうとした桃爺ったが、伸びてきた蔦が桃爺を拘束し動きを止める
「死んでしまえ」
そういうと多来は右手の蔦を鞭のように振り回し何度も桃爺に叩きつける。
蔦でバシバシ殴られるたびに桃爺の顔がはれ上がっていく。
「あべしっ」
まだ怒りがおさまらないのか、今度は桃爺の身体を持ちあげるとそのまま地面に思いっきりたたきつける。
「多来ちゃんやりすぎやりすぎ。それ以上やったら桃爺さん死んじゃうから」
天のその言葉と主に桃爺は蔦から解放されたが、身体はボロ雑巾のようにぼろぼろになっており、白眼をむいて倒れている。
一応生きているようだが暫く起き上がってきそうにない。
「私は一回死んだ方がいいと思いますけど」
「いやいや、一応同じ番長Gの仲間だからね!」
「汚点としか言いようがないですね」
「多来ちゃん酷いこと言うね」
「むしろセクハラを受けた姉さんが怒るべきでしょう」
「それはそうかもしれないけど…」
そのあとも桃爺の治療をする天をしり目に姉さんの胸揉んでいいのは私だけだとかぶつぶつとつぶやいていたが、ふと見知った顔をみつけ声をかける
同じ番長Gのメンバーであり多来の剣道部の先輩に当たる阿天小路御影であった。

「阿天小路先輩、何か用ですか?」
「生徒会との決戦前に私の剣の鍛練につき合ってもらおうと思ってな」
「…別に私でなくてもレミィや鬼無瀬もいるでしょう。そちらに声をかけてみては」
言外に姉といちゃいちゃしたいからほかをあたってほしいとオーラを漂わせていたがいうが、そんなことは気にせず御影は続ける。
「後輩と久しぶりに剣を交えたいと思ったではだめか?」
これ以上言っても仕方ないだろうと思った多来は受けることに決めた
「まあ、別にかまいませんけど、私は刀は用意してませんよ。姉さんに持ってもらうわけにいきませんし」
桃爺に蔦を絡めたように蔦を自分の腕以上に自由自在に操作できる。竹刀ぐらい持ち扱うのはたやすいが、時間制限がある以上自分で持ち運ぶことはできない。
「それとも素手で?」
「それならちゃんと用意してるぞ」
たしかに、よくみると御影は二本の竹刀を持っていた。

御影からその片方を受け取ると多来は戦闘の準備にうつる。
「負けたからって恨み事はなしですよ」
「私がそんなこと言うと?」
「…先輩はそういうキャラではないですね」
そういうと竹刀を構える。
声をかけれらた時にはのり気であったわけではない多来ではあったが、だからといってやるからには負ける気はない

(先輩の能力はたしか…)
声による刃。対象の距離も関係なく切り裂く。
御影相手に距離を取って戦うのはこちらに不利だろう。
(ならば)
「行きます」
その言葉とともに多来が御影との距離を一気に距離を詰め、そのまま御影に竹刀を振り下ろす。
が、御影はそれを予測していたのだろう。横に飛び回避されてしまう。
多来は竹刀を横に薙ぎ払い、わき腹を狙うが、それも防がれてしまった。
「剣の腕は鈍ってないようでなにより」
「当然です。私は姉を護らなければならないですから」
剣道部にほとんど顔を出すことはなくなったが、剣の研鑽を欠かしてはいない。
多来の姉天は学園内でも随一を争う武闘派集団の一つ園芸部の一員ではあるが戦闘能力は決して高くない。
故に自分は何に変えても姉を守らなくてはならない。
それが縞居多来の生前からの思いであり、今も彼女をこの世にとどまらせている未練でもあった。
「ですから、私は誰にも負けません」
そういうと多来は再び御影に向けて竹刀を振り抜く。
対する御影もそれを竹刀で受け止め、弾き飛ばす。そしてその勢いのまま多来に切りつける。
それはギリギリのところで回避されたがそれからも一進一退の攻防が続いていた。

とその時、多来に異変が起こった。
多来の身体がぼろぼろと崩れ出したのだ
「時間みたいですね」
縞居多来の身体は縞居天の能力「姉妹園芸」により構築されたものであり、本来は蘇生能力であるそれは今はまだ不完全なものでしかない。
ゆえに多来の身体は時間がくれば元の土くれに戻り、植物は枯れ果ててしまう。
「残念じゃの。まあ、可愛い後輩の剣が錆びついていなかったことを確認できただけでも良しとするかの」
「後輩といっても私はもう死んでますし」
元の幽霊へと戻った多来が御影に言う。
「ハハハ。死んだとしても可愛い後輩なのは変わらんだろう」
「まあ、辞めたわけではないですけど」
「ならそれでよかろう。私がいなくなっても安心だな」
「いなくなったらなんて、何を言って」
「もうすぐハルマゲドン。誰が死んでもおかしくはあるまい」
「ですが」
「心配するな。あの卑怯者達に正々堂々とし戦い方を教えてやらねばならん。それまで死ぬわけにはいかんだろう」
卑怯者とは生徒会の神有月空虚と結昨日商のことだろう。良く二人を追いかけまわしている御影の姿が学園内で目撃されている。
御影の話によると逃走し変わりの存在に戦わせる能力者らしい。
「では、邪魔をしたな」
そういうと御影は多来の元から立ち去ろうとする。
「あの先輩――」
多来がそれを呼びとめる。
「なんじゃ」
「ハルマゲドンが終わったら、今日の続きを―」
「そうじゃな、それもよかろう」
そして二人は別れ、多来は姉のもとに戻る。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2011年07月26日 06:48