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モノポリー(英語:Monopoly)は20世紀初頭にアメリカ合衆国で生まれたボードゲームの一つである。世界中に愛好者を持つ。プレイヤーは双六の要領で盤上を周回しながら、他プレイヤーと盤上の不動産を取引することにより、同一グループを揃え、他のプレイヤーから高額なレンタル料を徴収し、自らの資産を増やし、最終的に他のプレイヤーを全て破産させるのを目的とする。モノポリーとは英語で「独占」を意味する。
モノポリーの原型は、経済大学院の教授や学生が政治や教育上の試みとして制作していたもので、製品として販売された時点で30年の歴史があったといわれる。このゲームを、1933年にエンジニアのチャールズ・B・ダロウ(ペンシルバニア州在住)が遊んでみて惚れ込み、独自の改良を加え、1935年、完成させたとされる。パーカー・ブラザーズに売り込んだものの、ファミリーゲームとしては終了までの時間がかかりすぎる点[2]など、ゲームの専門家にデザイン上の欠陥が52もあることを指摘されて商品化を断られる。しかし、ダロウが手作りのゲームを独自に販売したところ成功したため、パーカー・ブラザーズが権利を取得した[3]。また、ダロウが権利を譲渡する際、パーカー・ブラザーズはゲーム時間の短縮のために、90分で総資産を計算して勝者を決める方法をダロウに提案し、相手を最後まで破産させるプレイ時間の長い方式と併記することによってダロウは契約を受け入れた[2]。
1935年のクリスマスシーズンに初めて発売されたモノポリーは、大不況の時勢のもとで大ヒットした。1966年にはビートルズが来日し、ファンが殺到しホテルに釘付けになっていたため、ホテルでモノポリーに熱中していた[2]。
また、棋士の間でも、1990年代にモノポリーが流行した。地方対局にも対局用品と共に携帯し、昼の対局で火花を散らした棋士同士が、夜は棋士仲間やスタッフも加えて仲良くモノポリーに興ずる光景が見られた[4]。
「島朗#人物」も参照
現在では、他に地域・世界(なかにはスターウォーズなどを舞台に)などのさまざまなバージョンが存在する。
また、「億万長者ゲーム」や「いただきストリート」など、モノポリーのルールをアレンジしてつくられたボードゲームも存在する。
[編集]盤面(アトランティック・シティ版)
40か所のマス目は28種類の地所・鉄道・会社、カードを引くマスが6か所(共同基金カード、チャンスカード各3か所)、所得税、物品税、刑務所及び刑務所見学、GO TO JAIL(刑務所へ行け)、フリーパーキング(駐車場)、GO(スタート地点)のマスからなる。
マスの通りや鉄道などの固有名詞はマービンガーデンと実際はバス会社であるショートライン鉄道を除いて実在のもの[2]である。いくつかの通りには、アメリカでの慣習で、行き先の地名が付いている。
[編集]マスの構成
*は、カードの移動によって止まる可能性のある場所。
マス名 | カラーグループ | 定価 | 建設費 | 備考 |
---|
GO | - | - | - | *スタート地点。 |
地中海(メディタレーニアン)通り | ダークパープル[5] | 60 | 50 | |
共同基金(コミュニティー・チェスト) | - | - | - | 共同基金カードを引く。 |
バルティック通り | ダークパープル | 60 | 50 | |
所得税 | - | - | - | *現所得の10%か$200支払う。短縮ルールでは$200を支払う。 |
リーディング鉄道 | 鉄道 | 200 | - | * |
オリエンタル通り | ライトブルー | 100 | 50 | |
チャンス | - | - | - | チャンスカードを引く。 |
バーモント通り | ライトブルー | 100 | 50 | |
コネチカット通り | ライトブルー | 120 | 50 | |
刑務所、刑務所見学 | - | - | - | *見学では何も起こらない。 |
セントチャールズプレース | ライトパープル | 140 | 100 | * |
電力会社 | 公共会社 | 150 | - | * |
ステーツ通り | ライトパープル | 140 | 100 | |
バージニア通り | ライトパープル | 160 | 100 | |
ペンシルバニア鉄道 | 鉄道 | 200 | - | * |
セントジェームスプレース | オレンジ | 180 | 100 | |
共同基金 | - | - | - | 共同基金カードを引く。 |
テネシー通り | オレンジ | 180 | 100 | |
ニューヨーク通り | オレンジ | 200 | 100 | * |
フリーパーキング | - | - | - | 何も起こらない。 |
ケンタッキー通り | レッド | 220 | 150 | |
チャンス | - | - | - | チャンスカードを引く。 |
インディアナ通り | レッド | 220 | 150 | |
イリノイ通り | レッド | 240 | 150 | * |
B&O鉄道 | 鉄道 | 200 | - | * |
アトランティック通り | イエロー | 260 | 150 | |
ベントノール通り | イエロー | 260 | 150 | |
水道会社 | 公共会社 | 150 | - | * |
マービンガーデン | イエロー | 280 | 150 | |
GO TO JAIL(刑務所へ行け) | - | - | - | 刑務所へ行く(強制)。 |
パシフィック通り | グリーン | 300 | 200 | |
ノースキャロライナ通り | グリーン | 300 | 200 | |
共同基金 | - | - | - | *共同基金カードを引く。 |
ペンシルバニア通り | グリーン | 320 | 200 | |
ショートライン鉄道 | 鉄道 | 200 | - | |
チャンス | - | - | - | チャンスカードを引く。 |
パークプレース | ダークブルー | 350 | 200 | |
物品税 | - | - | - | $75支払う。$100支払うルールもある。 |
ボードウォーク | ダークブルー | 400 | 200 | * |
GO(一周) | - | - | - | *止まるか通過するとサラリー$200を受け取る。 |
[編集]カード
チャンスカード(赤)は駒の移動に関係するものが多く、共同基金カード(黄)は、金銭に関するものが多い。共に16枚である。斜体はチャンスと共同基金で同じ効果のカード。
[編集]チャンスカード
- セントチャールズプレースへ進む(GOを通れば200ドル受取れる、所有者がいなければ購入可:以下省略)
- イリノイ通りへ進む
- ボードウォークへ進む
- リーディング鉄道へ進む
- 次の鉄道まで進み、通常の2倍のレンタル料を支払う
- (上と同じカード)次の鉄道まで進み、通常の2倍のレンタル料を支払う
- 次の水道会社か電力会社に進む(所有者がいたら、ダイスの目の10倍を支払う)
- 3マス戻る
- 銀行より150ドル受取る
- 銀行より50ドル受取る
- 銀行へ15ドル支払う
- 各プレーヤーに50ドル支払う。
- 修理費、家1軒当り25ドル、ホテル1軒当り100ドルを支払う
- GOのマスへ進む(200ドル受取る)
- 通称:釈放券(カード)、このカードは必要になるまで持っていても、又売却してもよい、刑務所から釈放される
- 刑務所へ行く(200ドルは受取れない、つまり、直接刑務所へ移動)
[編集]共同基金カード
- 銀行より200ドル受取る
- 生命保険満期により100ドル受取る
- クリスマス基金の満期により100ドル受取る
- 遺産100ドル受取る
- オペラのチケット代50ドルを各人から徴収できる
- 株式売却により45ドル受取る
- 礼金として25ドル受取る
- 所得税20ドル戻る
- ビューティーコンテスト準優勝、10ドル受取る
- 治療費50ドル支払う
- 出産費100ドル支払う
- 教育費として150ドル支払う
- 道路の修理費として家1軒当り40ドル、ホテル1軒当り115ドル支払う
- GOのマスへ進む
- 釈放券
- 刑務所へ行く
[編集]ルール
ゲームにおける、紙幣や権利書、物件など、銀行から手渡されるものは基本的にバンカー(銀行係)が管理する。バンカーはプレイヤーが兼任してもよい[6]。なお、競売人も兼ねる。
ボードを広げ、チャンスカード、共同基金カードをよくシャッフルし、ボード上にセットする。バンカーを1人決め、バンカーが、プレイヤーに$1、$5、$10が各5枚、$20が6枚、$50、$100、$500が各2枚の合計$1500ずつ[7]配る。準備が整ったら、全員がダイス2個(以下断らなくても、2個)を振り、目が大きい順に着席し直し、駒1個を選び、先のスタートとし、「GO」のマスに駒を置く[8]。
[編集]駒の進め方
最初のプレイヤーが、ダイス(さいころ)を振り、出た目の数だけ駒を進め、止まったマスの指示に従う。進む方向は常に「GO」マスの矢印の方向とする。また、ダイスの目がゾロ目(2つの目が同一)の場合、もう一度ダイスを振る。ただし、3度連続でゾロ目を出したら、即、直接、刑務所に入らなければならない。これを1ターンとして、終わって、交渉、家やホテルの建設がないか確認し、次の人に移る。これを繰り返す。なお、同じマスに複数人止まったり、相手の駒を追い越したりしても差し支えない。
[編集]各マスについて
[編集]GO(ゴー)
スタート地点。止まるか、通過するとサラリー$200を銀行から受け取る。
[編集]土地(地所、鉄道、公共会社)
地所はマスの上部に色がついているマスで22か所、他に鉄道は4か所、公共会社は2か所ある。既に購入したプレイヤーがいない状態で止まった場合、権利書(価格はボード、権利書に記載)を購入することができる。購入したくない、ないし、できない場合には、銀行により競売にかけられる。既に購入したプレイヤーがいた場合は、権利書に記載されている額(独占しているケースなどは後述)のレンタル料を徴収される。ただし、その土地が抵当の場合はレンタル料を徴収されない。
[編集]チャンスと共同基金
止まったら、一番上のカードをシャッフルせずに引く。そのカードを皆に見せ、その指示に従い、駒の移動があった場合は止まったマスの指示に従う。「このカードは(中略)刑務所から釈放できる」(以下、釈放券)以外のカードは指示に従った後、山札の一番下に裏向きにして入れる。「釈放券」を引いた場合、戻さず所有する。カードが1巡したとしてもシャッフルしてはならない。
[編集]所得税と物品税
- 所得税
所得税のマスに止まったら$200か、全資産の10%を銀行に支払う。
- 資産の計算は「釈放券」を除く所持金、権利書の価格(抵当の場合は半額)、家やホテルの建設費の合計。
- $200にするか10%にするかはその場で判断する。判断する前に資産の計算を始めてはならない。
- しかし、10%を選択すると資産の計算に手間がかかり、時間制を採用したルールでは残り時間にも影響を及ぼすので、大会などでは一律$200の採用がほとんどである。また、ゲームソフトを中心に計算して$200以上であれば$200を支払うというルールもある。
- 物品税
物品税のマスに止まったら$75、または$100を銀行に支払う。 大会では$100支払うボードが主流である。
[編集]フリーパーキング
何も起こらない。
[編集]GO TO JAIL(刑務所へ行け)
止まったら、刑務所へ移動。
[編集]刑務所及び刑務所見学
刑務所を通常のように、ダイスによって止まったとしても、「見学」として無害(フリーパーキングと同様)であるが、以下の条件を満たした場合は、刑務所に直接移動しなければならず、進めば、GOマスを通過する場合でも、サラリーを受け取ることはできず、自分のターンは終了する。
- 1ターン内にゾロ目を3回連続出す
- 「Go To Jail」マスに止まる
- 「刑務所へ行く」カードをチャンス、共同基金で引く
次に自分のターンが回ってきたら、刑務所から出所するか、留まるか選択することができる。
- 刑務所から出所を選択した場合
出所料$50を支払うか、手持ちの釈放券を使用しなければならない。出所したら、「見学」 部分に駒を置き、通常どおり、ダイスを振ることができる。
- 刑務所に留まる選択をした場合
ダイスを振り、 ゾロ目が出なければ留まりターンが終了し、ゾロ目が出た場合は$50の支払いや釈放券の支払いなしで出所となり、その目の数だけ進まなければならない。このとき、ゾロ目の効力は出所するために使用しているので、ダイスをもう一度振ることはできない。刑務所に留まる選択は3ターンまで可能で、3ターン目のダイスでゾロ目が出なかった場合は強制的に$50を支払うか、釈放券を使用し、ダイスで出た目だけ駒を進めなければならない。このとき、釈放券は他人のプレイヤーが持つものを交渉によって入手し、使用して出所することができる。
[編集]モノポリー(独占)
[編集]家・ホテルの建設(カラーグループ)
同じ色の地所を全て取得すれば「モノポリー」(独占)となり、他のプレイヤーが止まった際の家が建っていないときの「レンタル料」が2倍になるうえに、取得した色の地所に家、もしくはホテル(以降、家など)を建てることができる[9]。カラーグループ内のどこの土地からでも建設できるが、均等に建設しなければならない[10]。独占した色の地所1か所につき家を4件まで建てられ、家を4件建てた後はホテルを建てることができる。なお、家などを建設する際の建設費は、その色の配置されている列により異なる。また家やホテルを建てると、その地所のレンタル料は高額となり、たくさんのレンタル料を徴収することができる。
家は32軒、ホテルは12軒しか建てることができず、それ以上の場合は他のプレイヤーが銀行に家などを売るまで、建設は不可能。銀行が所有する以上の家などを異なるプレイヤーが同時に購入を希望した場合は、その家などは競売にかけられる。ただし、全体で譲りあう場合はこの限りではない[11]。
[編集]家などの売却(カラーグループ)
家を銀行に売却する場合には、売却する家1軒ごとに建設費用の半額が銀行からプレイヤーに戻る。この場合も均等に処分しなければならない。
ホテルを含むカラーグループの物件で費用を捻出したいときは、レンタル料などの支払いが手持ちの現金では賄いきれない負債が生じたときと、単なる資金調達や家止め[12]を行う場合とで対応が異なる。これは容易な家止めを防止するための措置である。
[編集]単なる資金調達や家止めの場合(原則)
「均等に建てる」という原則から以下のようにする。ダークブルー、ダークパープルのように土地が2つしかないカラーグループでは「残る家x軒」のxをそれぞれ4減らして読めばよい。
- ホテルを売却し、銀行から家2.5軒分の建設費を受け取る。残る家8軒を同一カラーグループ上で均等に再配置する。
- ホテル2軒を売却し、銀行から家5軒分の建設費を受け取る。残る家4軒を同一カラーグループ上で均等に再配置する。
- すべての土地を一旦更地にして、銀行から家7.5軒分の建設費を受け取る。
いずれの場合も家はあらためて正規の建設費で建て直す。ホテルから家4軒に戻して0.5軒分の建設費を受け取るといったことはできない。
[編集]レンタル料などの支払いのための現金が不足した場合(例外)
銀行に家が残っている限りの範囲で、ホテルから家4軒にするなど、1軒単位の売却が可能。
[編集]鉄道と公共会社
鉄道や公共会社に関しては、多くの土地を入手しているほどレンタル料を上げることができる。鉄道の場合は、所有者が鉄道を1か所のみの所有の場合$25、2か所で$50、3か所で$100、4か所(独占)で$200となる。公共会社の場合は、所有者が公共会社を1か所のみの所有の場合、止まったダイスの目の4倍、2か所(独占)の場合は目の10倍をレンタル料を支払わなければならない。なお、チャンスカード「次の水道会社か電力会社に進む[13]」の指示で止まった場合は、レンタル料を決めるためにもう一度ダイスを振る。
土地の権利書をもとにして銀行から、権利書価格の半分を得られる。抵当にするには土地にある家などを全て売らなければならず、抵当にした土地によってレンタル料を徴収することはできなくなる。なお、独占しているグループや鉄道複数枚で、相手プレイヤーが止まった土地が抵当でなければ(グループ内の他の土地が抵当であっても)、独占扱いでレンタル料を受け取ることができる[14]。
抵当を抜くためには、抵当時の額に加えて10%の利息[15]を支払う必要がある。また、抵当に入った権利書を、交渉によって取引することもでき、この場合において、取引された権利書の抵当を返すか返さないかを選択し、返さない場合は、その場で抵当価格の10%の利息(手数料)を銀行に支払わなければならない。もし、抵当された権利書を入手した際にその場で抵当を抜かない場合は、後で抵当を抜く際にも、利息付で抜かなければならないため、結果として、10%の利息を2回分支払うことになる。
プレイヤーが土地・会社のマスに止まって権利書を購入できる状態になったときに、そのプレイヤーが購入を拒否、または購入が不可能な場合は、その権利書は銀行によって競売にかけられる。競売はバンカーが取り仕切り、$1以上かつ$1単位で値段を付けることができ、権利書の本来の値段は問わない。ただし時間短縮のため、日本の公式大会などでは$10以上かつ$10単位の値段を付けることができ、日本国内では後者のルールが定着しつつある。また、権利書を購入しなかったプレイヤーも競売に参加できる。権利書はいずれかのプレイヤーによって落札され、最も高い値段をつけたプレイヤーが購入する。
プレイヤーとプレイヤーが交渉を行うことで、互いが所有する土地などの権利書に関してプレイヤー間による金銭などでの売買を行える。土地を独占することがゲームで優位に立つための主要な行動であるため、交渉はゲーム中のさまざまな場面で行われる。
交渉は
- 1対1であること
- 任意のプレイヤーの手番の終了から次のプレイヤーの手番が開始される(ダイスが振られる)までの間に行う
- 取引できるものは「金銭」「権利書」「釈放券」の3点のみ
- 物品の交換を伴わない、行為(家を購入・売却する)やレンタル料の免除など、未来に関する条件、約束は禁止[16]
- 抵当に入っていない権利書を抵当価格以下で売る、釈放券単独を$50以上で売買する、全く同じ権利書の取引を同じターンに価格のみを変更して繰り返すなど、明らかに一方が得をするような交渉(完全な現金贈与にあたるもの)は禁止
などのルールを脱さない限り、交渉内容は自由である。交渉が成立すればその場で交換が行われ、プレイヤー全体にバンカーからその内容が明らかにされる。
[編集]仮破産と破産
他のプレイヤーによって家などを建てられた土地に止まった際に、そのプレイヤーに支払うレンタル料が手持ち資金で足りなくなった場合(「現金不足」、「仮破産」という)は、交渉や抵当などで支払うための資金を捻出しなければならず、もし、全て現金化しても、レンタル料が支払えない場合、そのプレイヤーは「破産」となり、ゲームオーバーとなる。破産したプレイヤーの土地・鉄道・公共会社の権利書は、全てレンタル料をもらえるプレイヤーのものとなる。
これとは別に、所得税マスなど銀行への支払いによって破産(銀行破産)となった場合は、権利書は抵当の抜かれた状態で銀行に譲渡され、その場で競売が行われる。このとき、破産者が権利書を複数枚所持していた場合は、GOのマスから右回りに近い物件から順に競売を行う。釈放券は使用済みカードと同様にカードの山の一番下に戻される。刑務所の出所料で破産した場合は銀行破産と同じ扱いだが、出所後に止まったマスに家や権利書を持つ債権者は、出所料$50による負債を銀行に支払うことで破産したプレイヤーの権利書を入手できる。
チャンスカードの一つ「各プレーヤーに50ドル支払う」の指示に従えない場合は、他プレイヤーへの支払いは行わずに銀行破産として処理する。
[編集]ローカルルール
ゲームソフトでも採用され、オプションで選択可能である代表的な2つのローカルルールを紹介する。
カード移動や、直接GOのマスに止まった場合、通常のサラリーに加え$200を加えるというルール。すなわち、倍の$400を受け取ることができる。
所得税、物品税でプレイヤーが支払った税金をプールしておき、フリーパーキングのマスに止まったプレイヤーが全額受け取ることができるというルール。
これらルールは刺激的でゲームをさらにおもしろくする要素になりえるものの、プレイヤー全体の所持金が増えすぎ、よく練られてできているモノポリーのゲームバランスを崩すものだと批判する意見もある[17]。
「モノポリーの戦略」を参照
[編集]世界各国のモノポリー
基本的に、販売される地域により、ボードに書かれている不動産物件の名前も変えられており、駒や通貨がそのテーマに沿ったものになっている場合もある。例えば、香港版にはビクトリア・ピークなどがある。一部地域ではモノポリーとゲームの趣旨が違うが、カードゲームモノポリーも販売されている。
[編集]イギリス
1935年にイギリス・リーズのジョン・ワディントン社がパーカー・ブラザース社より発売前に内容の提案を受け、アメリカ国外の販売権を獲得。その際アメリカ版で使用されている地名をイギリス風に変更。その後カナダを除くイギリス連邦ではこのイギリス版が普及することになった(カナダ版ではアメリカ版の地名が使用された)。通貨はUKポンド、最高額の地名はメイフェア(£400)、パーク・レーン(£350)である。
日本での版権は、1965年にはなやま玩具(現:ハナヤマ)が日本で初めてモノポリーを発売。1973年には版権がエポック社、1984年、ツクダオリジナル、1988年にはケナーパーカージャパンに移ったが、わずか1年で、トミーに、1996年にハスブロ・ジャパンへ、1999年に再びトミー(現タカラトミー)へ版権が移り、現在に至る。
通常の日本語版モノポリーはオリジナルであるアトランティックシティ版の地名をそのまま和訳したものであるが、アレンジするにあたり、完全日本語化されたものや、持ち運びがしやすい「ポケットモノポリー」も発売されている。
- ご当地版
地名が「銀座」など日本のものである「モノポリー・ジャパン」もあるが、六本木ヒルズ版、東京(お台場)版、秋田県版、大阪版、横浜版などの地域限定版が発売されている。基本的には「モノポリー・ジャパン」などのように、それぞれのリリースされる国や地方の地名が地所になるのが普通である(他国語版の記事を参照)。
- 版権物
ウルトラマン版やポケットモンスター版、ピクサー版、ディズニー版、サンデー・マガジン版などの版権もののバージョンも多数リリースされている。スターウォーズ版は英語版に日本語訳の説明書が付属している。
- その他
それ以外にも、別バージョンや取引するものが地所に限らない傍流もあり、アラスカエディションなどの地方版、地所のカードやマスがNHLやNFL、NASCARなどのチーム名となっているスポーツリーグ版、近年では、新千年紀を記念したミレニアムエディション、地所の代わりにYahoo!、Sun MicrosystemsなどのIT関連企業が配されたdotcomエディションなどが発売されている。さらに、お札をなくした「キャッシュカードエディション」が登場した。
- 特徴
これらのバージョンでは、前述の通り、テーマに沿った駒や通貨などが用いられている。
[編集]コンピュータゲーム版
日本国内では、日本語版を販売しているタカラトミーがファミリーコンピュータ、スーパーファミコン、ゲームボーイ、ゲームボーイカラー、プレイステーション、プレイステーション2、ゲームボーイアドバンス、ニンテンドーゲームキューブなどの家庭用ゲーム機専用ソフトとして製作・販売していた(ゲームボーイ版のみハズブロ・ジャパン)。現行機向けにはエレクトロニック・アーツがWii、Xbox360(日本未発売)で製作・販売している。
また、モノポリー・ザ・メダル(2005年、セガ)、モノポリータイクーン、モノポリーカジノといったモノポリーを題材にした独自のゲームも製作されている。
- ^後述だが、主に大会などで、90分ルールを採用していることも多い。
- ^abcd『快楽モノポリー倶楽部』より
- ^『モノポリーで学ぶお金持ちの法則』より
- ^『世界チャンピオンが教えるモノポリー』(P.100〜101)より
- ^ブラウンに変更になったボードも登場している。
- ^バンカーは専業が望ましいが、ゲームが公正に行えるのであれば、兼任や複数人で分業してもよい。
- ^$500紙幣3枚でも、両替が頻発するだけで、差し支えない。
- ^(例)Aが11、Bが7、Cが7、Dが3を出した場合、Aは1番目のスタート、Dは4番目のスタートとなり、B、Cはもう一度ダイスを振り、大きい方を2番目とする。
- ^(例)コネチカット通りのレンタル料は、ライトブルーの他のグループ権利書全てを保有(独占)していない状態であれば、権利書に書いてある「レンタル料」$8、独占している状態だと、「レンタル料」の倍の$16。家1軒のレンタル料は権利書記載通り$40、2軒で$100、3軒で$300、4軒で$450、ホテルで$600。
- ^(例)レッドにおいて、{ケンタッキー通り、インディアナ通り、イリノイ通り}に、{0軒、1軒、0軒}や{3、2、3}、{ホテル(5軒目)、4、4}などは可能。しかし、{1、2、3}など、同色内で2軒以上の差があってはならない。
- ^(例)残り6軒の家を、A、B、Cがそれぞれ3軒ずつ希望したが、建設費がかさむため、競売を避け、2軒ずつ分け合うなど。
- ^他プレイヤーによる家の建設を妨害する目的で銀行に残る家を少なくする行為
- ^「モノポリージャパン」は、すべての券面額が10倍になっているので、倍率もそれぞれ40倍、100倍になっているのだが、トミーが初期に販売していた版における「次の水道会社か電力会社に進む」の指示では、記載ミスにより10倍のままになっていた。
- ^(例)鉄道において、リーディング鉄道、ペンシルバニア鉄道、B&O鉄道の3枚を所有しているとする。うち、リーディング、B&Oが抵当状態であったとしても、抵当状態でないペンシルバニアに相手が止まれば、鉄道3枚の状態と同様、$100のレンタル料を受け取ることができる。カード移動で2倍になっても同じ。
- ^(例)バルティック通りは定価$60、抵当価格は半分の$30、返すときの利息は抵当価格の$3、返すときの金額は$33。パークプレース、電力会社、水道会社は注意が必要で、例えば、電力会社は抵当価格$75で、返すときの額は計算上は$82.5だが、切り上げて$83となる。
- ^仮に未来に関することを話したとしても、双方はそれに拘束されず、「約束」らしきことをしても、従う義務はない。
- ^『モノポリーで学ぶお金持ちの法則』より(批判的記述部分)
モノポリーを扱う書物は日本においては数少ないため、列挙する。
[編集]関連項目
- アトランティックシティ(モノポリー発祥の地とされる)
- 糸井重里(日本モノポリー協会会長。日本にモノポリーを広めた立役者の一人で、世界大会8位入賞の実績もある。)
[編集]外部リンク