4.4 ジャンボフレーム
イーサネットの最大フレーム長はプリアンブルを除くと1,518 Byte で,上位層(IP 層)
のデータ(パケット)部は最大1,500Byte となっている。このサイズをMTU(Maximum
Transfer Unit)と呼ぶ。
もし1,500Byte(MTU)より大きなデータを送信したい場合には,データを分解して複数
のフレームに乗せて送信する必要がある。このように元のデータを複数のデータに分解す
ることをフラグメンテーションと呼ぶ。一般にフラグメンテーションが発生すると,通信
効率は低下する。
今日のネットワークではデータ部の上限が1,500Byte というのは十分なサイズではなく,
このサイズを上限にして,データが複数のフレームに分解されて送信される場合には,ネ
ットワークの性能を十分に発揮することはできない。
そのため,各ネットワーク機器メーカーでは独自にジャンボフレームと呼ばれる1,500
Byte を超えるデータを扱える規格を開発している。最大フレーム(MTU)のサイズはメーカ
ーにより様々だが,15,000Byte を越えるサイズに対応している場合もある。
ただしこの規格は標準化されたものではなく,各社が採用している手法にも互換性がな
いため,同一ネットワーク内で複数のメーカーのスイッチングハブを使ってジャンボフレ
ームを送信すると,最悪ネットワーク全体が停止する可能性がある。
従ってジャンボフレームを使用する場合には,同一ネットワーク内のスイッチングハブ
やNIC を全て同一メーカーの製品に統一する必要がある。
最終更新:2011年05月10日 11:45