;四日目シーン2 彩葉の裁縫 --- 買出しから戻ると教室の一角に人だかりが出来ている。 中心に居るのは彩葉のようだ。 彩葉の机には被服室から借りてきたミシンが置いてあり今まさに縫い合わせている最中のようだ。 女子生徒A「すごぉーい!橙ヶ崎さん上手!」 男子生徒B「はえーな!ズダダッ!ダダダッ!ダダダダダッ!でもう出来てるんだもんな」 彩葉「最近のミシンってすごく賢いからそんなに難しいことじゃないよ」 彩葉「糸きりとか止め縫いとかも自動でやってくれるしね♪」 彩葉「刺繍も文字だけじゃなくてパソコンからデータ入力した模様なんかも全部自動で縫ってくれるんだよ」 彩葉は照れくさそうに謙遜している。 女子生徒A「でもでも、さっきミシン使わずに縫ってたのもすごく速かったよ?」 女子生徒C「ヒョイヒョイって、見てるとすごく簡単そうなんだけどねぇー。真似してやってみたら指突き刺しまくっちゃった」 彩葉「ミシンは便利だけど生地傷めちゃったりするからね、手縫いもやっておかないと」 彩葉「本格的な和服は今でも手縫いでやってるんだよー」 そういえばいつだったか、夏祭りに着てきた浴衣を自分で縫ったんだと話してたのを思い出した。 あれは……あれ……いつの夏祭りだったっけ? 明「うぃーす!ノリノリだねぇー橙ヶ崎は!」 明「はいこれ、頼まれてた生地だよん。んでこっちは飾りつけ用のリボンに風船に……」 明は戦利品の分配を始めた。 一樹「結構出来てるね、もう」 彩葉「うん。大体は家にあった着なくなった服とかあまってた生地を使って型とってたからね」 女子生徒A「裁縫上手なのうらやましいわぁ」 女子生徒C「やっぱお嫁にするならこういう家庭的な子にしないとね」 (選択肢) 1.「裁縫出来るのはポイント高い」 2.「そうとは限らない」 (選択1) 一樹「裁縫出来るのはポイント高いよね」 一樹「花嫁修業で料理、はよく聞くんだけど裁縫が完璧に出来るって子、珍しいし」 一樹「僕なんて針に糸を通すだけで日が暮れそうなくらいだから」 一樹「彩葉はすごいと思うよ、ほんと」 彩葉「……!」 彩葉の顔がみるみる赤くなっていった。 女子生徒A「いい子見つけたねぇ高西君」 一樹「な、なにが?!」 女子生徒C「逃げられないようにしないとね」 否定もせず彩葉はますます顔を赤くしている。 そういう態度は誤解をさらに生んでしまうのでは……。 幼馴染でいつも一緒に居るから、そういうふうに見られてしまうんだろうか。 (以下合流) (選択2) 一樹「そうとは限らないんじゃない?」 一樹「出来るに越したことは無いだろうけど。裁縫って必要な場面少なそうだし」 一樹「裁縫以外のこと重視した方がよさそう」 女子生徒A「そういわれたらそうだけど……。」 彩葉は少し寂しそうな顔で俯いてしまった。 表現がまずかっただろうか、彩葉がダメな子だと言ったつもりではなかったんだが……。 (以下合流)