私家版・高校生物授業wiki
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私家版・高校生物授業wiki
ja
2012-06-13T21:47:22+09:00
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イモリの発生のメカニズム
https://w.atwiki.jp/bioota2010/pages/78.html
DATE:2010年05月20日、2011年05月20日
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カエル(脊椎動物)の発生:カエルの「卵割→桑実胚→原腸胚→神経胚→尾芽胚→生体」の確認。そして、ウニ(無脊椎動物)とカエル(脊椎動物)の相違。
ところで、「なぜ、どの動物も(ウニもカエルもヒトも)発生の系は同じなのだろうか?」 これは、ホメオボックスの機能による。つまり、発生の諸プロセスを統御する遺伝子のパッケージは、多くの動物に共通している。
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■ウニとカエルの発生の過程の比較
【ウニ([[図>http://www.tmd.ac.jp/artsci/biol/textlife/seaurchin.jpg]])】
受精卵 → 2細胞期 → 4細胞期 → 8細胞期 → 16細胞期 → 桑実胚期 → 胞胚期(孵化) → 原腸胚期 → プルテウス幼生 → 幼生 → 成体
【カエル([[図>http://www.tmd.ac.jp/artsci/biol/textlife/frogdev.jpg]])】
受精卵 → 2細胞期 → 4細胞期 → 8細胞期 → 16細胞期 → 桑実胚期 → 胞胚期 → 原腸胚期 → 神経胚期(孵化) → 幼生 → 成体
■器官の形成と由来する胚葉
原腸胚では、細胞群は3種類に分けられます。外部表面の外胚葉(ectoderm)、空洞へ潜り込んで新たな細胞層となった中胚葉(mesoderm)、胚の下部に位置している内胚葉(endoderm)。これらそれぞれの胚葉から、まったく別々の器官が将来形成されることになります。それぞれの胚葉の担う複雑さは、ウニとイモリとでは段違いです。棘皮動物のウニの場合、脊椎動物のイモリと違って、①脳・中枢神経系が存在せず、②心臓も血管系も持たず、③骨格は欠片として体内に散らばっているため、形成される器官も少なくなっています。
3つの胚葉を発見したのはドイツのパンダー(1794-1876)。ニワトリの卵が孵化するまでの一連の発生過程を記戦し、器官形成に先立って胚は複数の胚葉に分かれ、各胚葉からそれぞれの器官が分化・形成することを1828年に明らかにしました。翌年には、ザリガニ(無脊椎動物)においても「胚葉説」が成り立つことが示されます。動物の形態は異なっているのに初期の発生過程では胚葉
2012-06-13T21:47:22+09:00
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ウニの発生のメカニズム
https://w.atwiki.jp/bioota2010/pages/77.html
DATE:2010年05月13日、2011年05月13日
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無脊椎動物(ウニ)の発生:バフンウニ(Hemicentrotus pulcherrimus)の発生実験の、シミュレーション。卵割から組織形成までの、発生の順序をたどる。つまり、「2細胞期→4細胞期→8細胞期→16細胞期→桑実胚→胞胚→プリズム幼生→プルテウス幼生」という順番をたどる。
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■バフンウニ(Hemicentrotus pulcherrimus)
What? バフンウニとはなにか?
バフンウニを含むウニ綱は&bold(){棘皮動物門}に属します。つまり、ヒトデ綱やナマコ綱と同じカテゴリです。棘皮動物門の特徴として、五放射相称があげられます。棘や管足の配置をよく見ると、等間隔で5列に並んでいるのがわかります。ヒトデはわかりやすいですね。ウニはわかりにくいですが、アリストテレスの提灯は、5つの歯で構成されています。
いま、採集してきたウニ、ヒトデ、ナマコを、腹を上にして水槽に入れ、体高の半分ほどの海水を入れてみましょう。どの個体も等しく細い管足を伸ばし、じわじわと起き上がろうとする様子が観察できるはずです。このとき、棘の隙間から伸びる管足の吸盤で雌雄を見分けることができます。管足が、黄色っぽいのがメス、白っぽいのがオスです。
Where? バフンウニはどこで採集できるのか?
本州、四国、九州全域近海の岩場、磯で採集することが可能。2004年7月下旬に静岡県伊豆下流の磯で採集したことがあります。
When? バフンウニはいつ採集できるのか?
バフンウニを使った受精の実験のために適した採集の時期は、1月から3月頃。ムラサキウニの場合は6月から8月頃、サンショウウニの場合は6月から9月頃が適しています。
Why? なぜバフンウニを用いるのか?
(バフンウニでなくても良いのですが)ウニ、イモリ、カエルの卵には殻がありません。実験発生学において、これらの動物が伝統的に使われてきたのは、この観察のしやすさのためです。
***バフンウニの発生実験のシミュレーション
【卵・精子の採取】
&youtube(http://youtu.be/H97QmMYVIQg){420,315}
How? どのよ
2012-06-13T17:35:53+09:00
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本棚/松原謙一・中村桂子『生命のストラテジー』1990=1996
https://w.atwiki.jp/bioota2010/pages/76.html
以下、[[松原謙一・中村桂子『生命のストラテジー』ハヤカワ文庫NF、1996年>http://www.amazon.co.jp/%E7%94%9F%E5%91%BD%E3%81%AE%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%86%E3%82%B8%E3%83%BC-%E3%83%8F%E3%83%A4%E3%82%AB%E3%83%AF%E6%96%87%E5%BA%AB%E2%80%95%E3%83%8F%E3%83%A4%E3%82%AB%E3%83%AF%E3%83%BB%E3%83%8E%E3%83%B3%E3%83%95%E3%82%A3%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E6%96%87%E5%BA%AB-%E6%9D%BE%E5%8E%9F-%E8%AC%99%E4%B8%80/dp/4150502021]]より抜粋(一部改変)
> 有性生殖では、子孫を作るために必ず相手を探さなければならない。これは、種の繁殖にとっては、かなり不利なことだ。それなのに、有性生殖をする種の方が優勢になったのは、どこかにその不利を越える有利さがあるからに違いない。ポイントは、原核細胞は《一倍体》であるのに対して真核細胞のほとんどが《二倍体》であるというところにある。
> 大腸菌は分裂前に細胞の中の遺伝子系(ゲノム)を二つに増やし、その一つずつをそれぞれの娘細胞に渡す。つまり、分裂直前の大腸菌には、ゲノムが二組ある。けれどもこれは、増殖過程でそのような時期があるというだけで、ゲノムを二つ持った一個の細胞として生存するわけではない。そして、この二つのゲノムは互いに同じである。大腸菌は常に一つのゲノムだけを大切に抱えている生物、つまり一倍体なのである。
> これに対して、ヒトのような多細胞生物の体を作っている細胞(体細胞)はすべて、父親と母親に由来する対の染色体を持っている。実際には、ヒトの場合、一個の細胞の中に二二対の常染色体と性染色体二本、合計四六本の染色体がある(詳しくは今年の三学期に行う【遺伝子】の授業で触れます)。性染色体だけは女性の場合はXX、男性ではXYという異なる組合わせになる。ところで、ヒトの細胞の中にも、一倍体のものが一種類だけある。生殖細胞、すなわち精子と卵である。これは、減数分
2012-06-13T15:09:36+09:00
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質疑応答
https://w.atwiki.jp/bioota2010/pages/75.html
[[Q.DNAが酸化すると、RNAになりますか?]]
[[Q.性染色体のX染色体、Y染色体とW染色体、Z染色体って何が違うのでしょうか?]]
広告けし
2012-06-13T11:16:25+09:00
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授業日一覧
https://w.atwiki.jp/bioota2010/pages/74.html
過去の授業日
***2010年度
|第01回|2010年04月15日|自己紹介、シラバスの配布|
|第02回|[[2010年05月06日>http://www47.atwiki.jp/bioota2010/pages/46.html]]|[[無性生殖と有性生殖]]|
|第03回|[[2010年05月13日]]|[[ウニの発生のメカニズム]]|
|第04回|[[2010年05月20日]]|
|第05回|[[2010年06月03日]]|
|第06回|[[2010年06月10日]]|
|第07回|[[2010年06月17日]]|
|第08回|[[2010年06月24日]]|
|第09回|[[2010年09月09日]]|
|第10回|[[2010年09月14日]]|
|第11回|[[2010年09月16日]]|
|第12回|[[2010年09月23日]]|
|第13回|[[2010年10月07日]]|
|第14回|[[2010年10月09日]]|
|第15回|[[2010年10月14日]]|
|第16回|[[2010年10月28日]]|
|第17回|[[2010年11月04日]]|
|第18回|[[2010年11月06日]]|
|第19回|[[2010年11月11日]]|
|第20回|[[2010年11月13日]]|
|第21回|[[2010年11月18日]]|
|第22回|[[2010年11月20日]]|
|第23回|[[2010年11月22日]]|
|第24回|[[2010年11月27日]]|
|第25回|[[2010年12月02日]]|
|第26回|[[2011年01月15日]]|
|第27回|[[2011年01月20日]]|
|第28回|[[2011年01月22日]]|
|第29回|[[2011年01月27日]]|
|第30回|[[2011年01月29日]]|
|第31回|[[2011年02月05日]]|
|第32回|[[2011年02月10日]]|
|第33回|[[2011年02月12日]]|
|第34回|[[2011年02月17日]]|
|第35回|[[2011年02月19日]]|
|第36回|[[2011年02月24日]]|
|第37回|[[2011年02月26日]]|
***
2012-06-13T15:23:55+09:00
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X染色体の不活性化
https://w.atwiki.jp/bioota2010/pages/73.html
東大2005年度 第3問
2011年度2学期期末試験
2012-03-16T17:30:10+09:00
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「遺伝子は何という物質で構成されているか?」:グリフィスとアベリー
https://w.atwiki.jp/bioota2010/pages/72.html
メンデルは、いわゆる遺伝の法則を発見したわけですが、まだ彼の理論において遺伝子(メンデルはエレメントと呼んでいた)は仮説以上のものではありませんでした。しかし、1913年、モーガンらの染色体地図の作成の成功によって、遺伝子が物質であることはわかりました。
「では、遺伝子は何という物質なのか?」
イギリスの厚生省に勤めるグリフィス(1879-1941)の研究分野は、当時の死因のトップ、肺炎でした。彼は、タイプ別の肺炎菌の出現頻度の変化から、宿主の体内で肺炎菌のタイプが変化するのではないかと仮説を立て、[[以下の実験を行いました>http://t.co/Kb7FeIQy]]。
1928年、実験を行っていたグリフィスは、不思議な現象を発見します。肺炎双球菌には、非病原性のR型(無鞘菌株)と、病原性のS型(有鞘菌株)がいます。いま、生きているR菌と、加熱して死滅させたS菌を混ぜてネズミに注射すると、ネズミは肺炎を発症します。重要なのは、加熱したS菌も生菌のR菌も、単独ではネズミに肺炎を発症させない点です。しかし、混合して注射するとネズミは肺炎で死に、加熱して死んだはずのS菌が血液中から発見されたのです。
もちろん、R菌が突然変異によってS菌に戻った可能性をグリフィスは想定しました。S型からはS型の菌が、R型の菌からはR型の菌が分裂によって増えるわけですが、宿主の体内で、ⅡR菌が突然変異を起こし、ⅡS菌になる現象が希に起こることがすでに他の実験結果で明らかになっていたからです。しかし、&u(){生きているⅡR菌と加熱処理したⅢSを混ぜて注射する実験で、ネズミの血液中から発見されたのは、ⅢS菌でした。}ここからグリフィスは、死んだⅢS株に含まれる何らかの“形質転換因子”によって、ⅡR株がⅢS株に形質転換(transformation)した」と結論づけるに至りました。
さらに重要なのが、この形質転換因子で変化した形質は、一代限りのものではなく、遺伝するということでした。つまり、形質転換因子は遺伝子であり、「遺伝子は何の物質で構成されているのか?」という問いに答えるには、「形質転換因子は何の物質で構成されているか?」という問いに答えれば良いことがわかったのです。
1940年代、この転換要素を同定する研究が盛んになります。グリフィスも、形質転換因子
2012-01-18T16:00:58+09:00
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Q.DNAが酸化すると、RNAになりますか?
https://w.atwiki.jp/bioota2010/pages/71.html
DATE:[[120118]]
&u(){Q.DNAの糖が酸化するとどうなるのでしょうか。RNAになるのでしょうか。}
A.たしかに、DNAの糖(デオキシリボース)の化学式C5H10O4を見ると、RNAの糖(リボース)の水酸基の一つが水素原子に置き換えられた形をしています。(cf.『図説』92頁)
しかし、&u(){DNAの糖が酸化しても、RNAにはなりません。}
なぜ、DNAの糖が酸化しても、RNAにならないのか。それはDNAの糖が酸化しても、RNAの塩基であるU(ウラシル)が、A(アデニン)と塩基対を形成するわけではないからです。通常、DNAはA-T、G-Cの塩基対を形成します。この塩基対がA-U、G-CとなるとRNAになるわけですが、DNAの糖が酸化すると、G(グアニン)が酸化されて8-oxoGができ、これがAと塩基対を形成します。
つまり、「DNAが酸化しても、酸化したDNAになるだけで、RNAになるわけではない」のです。DNAが酸化すると、遺伝暗号(コドン)に沿って作られるタンパク質の構造が変化することになります。その結果、組織の機能低下を引き起こすことになります。このDNAの酸化の主因が、活性酸素です。
Wikipediaの「[[デオキシリボ核酸>http://p.tl/UgJ7]]」の項にも載っていますが、DNAとRNAの生体内での役割は大きく異なります。&bold(){DNAは核内で遺伝情報の蓄積・保存(←静的)、RNAは遺伝情報を核外に伝えたり、アミノ酸を運んだりと、一時的な処理を担います(←動的)。}
2012-06-13T10:49:17+09:00
1339552157
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Q.性染色体のX染色体、Y染色体とW染色体、Z染色体って何が違うのでしょうか?
https://w.atwiki.jp/bioota2010/pages/70.html
DATE:[[111214]]
&u(){Q.性染色体のX染色体、Y染色体とW染色体、Z染色体って何が違うのでしょうか?}
A.まず、&u(){それぞれ形・大きさが違います。}性染色体は、どれも常染色体から分化したもので、[[哺乳類・鳥類・爬虫類に関してはどのように分かれたかがわかっています>http://t.co/spaDYZ00]]。
性染色体の分化過程はまさに研究途上のトピックです。[[名古屋大学・動物遺伝制御学研究室>http://t.co/5PPw6KTG]]のHPで研究成果の一部を観ることができます。昆虫や植物の性染色体の分化過程についてはちょっとわからないので、また改めさせてください。
また、&u(){性染色体が性決定に関与する仕方は、種によって大きく違います。}ヒトのY染色体は高い性決定能力をもち、Y染色体があればオスになります(XXY型の[[クラインフェルター症候群>http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%82%BF%E3%83%BC%E7%97%87%E5%80%99%E7%BE%A4]]の場合も、外見は男性です)。その一方で、ヒトと同じXY型のショウジョウバエは、常染色体とX染色体の比率で性が決定されます。つまり、Y染色体があってもオスになるとは限りません。
2012-06-13T11:02:03+09:00
1339552923
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2011年に気になった生物学系の記事やプレスリリース
https://w.atwiki.jp/bioota2010/pages/69.html
人工肉(cultured meat)の研究記事。昆虫食に並ぶ、未来の食糧不足の打開策になるかも。最後のコメントが印象的。[南カ薬科大]--[[South Carolina scientist works to grow meat in lab>http://t.co/JMqN1F2s]]
白髪、脱毛を抑えるコラーゲンの仕組みが解明。そこはかとなく希望の光。17型コラーゲンノックアウトマウスが人ごとでない自分にとっては。[医科歯科大・北大]-- [[毛包幹細胞が色素幹細胞を維持する仕組みを解明>http://t.co/QvaOJQI2]]
“生き物地球紀行系”の記事。ウナギは生態に謎の多い生物で、雨が降ると陸にあがって草の間をを這いずり回ったりします。幸田露伴が得意げにそれを話し、皆が失笑する鼎談をどこかで読んだ記憶が。--[[天然ウナギの卵発見 世界初、完全養殖実用化へ期待>http://t.co/eJRczZMl]]
『もやしもん』でおなじみの腸内フローラの話。そういえば、2011年のノーベル医学生理学賞は、自然免疫系の研究に贈られたものでした。-- [[ビフィズス菌の作る酢酸がO157感染を抑止することを発見|理化学研究所>http://t.co/AIQQ9uQL]]
「恐竜=鳥の祖先説」派にとっては朗報。今年は始祖鳥命名150周年で、上野でも大恐竜展をやっていました。--[[恐竜の前足の指と鳥類の翼の指は同じもの-150年続く指論争に終止符|東北大学>http://t.co/AiOmjHUr]] ([[PDF>http://t.co/8eU09GCC]])
恐竜の時代のあとで、被子植物が地球上で繁栄するきっかけとなった重複受精を、ついに映像で捉えることに成功。名古屋大学、良い仕事してます。--[[被子植物の繁栄を支える重複受精の瞬間を見る>http://t.co/Ml26fp9b]] ([[PDF>http://t.co/ixdbMplU]])
ミドリムシの葉緑体は、緑藻類の共生が起源であることが知られています。が、かつては紅藻類と共生していたようです。そういえば、今年は細胞共生説を提唱したリン・マーグリスが亡くなった年でした。--[[むかしむかし、ミドリムシは紅かった?|東京大学>http://t.co/Dc2a4
2011-12-28T23:26:09+09:00
1325082369