私家版・高校生物授業wiki
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2012-06-13T21:47:22+09:00
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イモリの発生のメカニズム
https://w.atwiki.jp/bioota2010/pages/78.html
DATE:2010年05月20日、2011年05月20日
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カエル(脊椎動物)の発生:カエルの「卵割→桑実胚→原腸胚→神経胚→尾芽胚→生体」の確認。そして、ウニ(無脊椎動物)とカエル(脊椎動物)の相違。
ところで、「なぜ、どの動物も(ウニもカエルもヒトも)発生の系は同じなのだろうか?」 これは、ホメオボックスの機能による。つまり、発生の諸プロセスを統御する遺伝子のパッケージは、多くの動物に共通している。
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■ウニとカエルの発生の過程の比較
【ウニ([[図>http://www.tmd.ac.jp/artsci/biol/textlife/seaurchin.jpg]])】
受精卵 → 2細胞期 → 4細胞期 → 8細胞期 → 16細胞期 → 桑実胚期 → 胞胚期(孵化) → 原腸胚期 → プルテウス幼生 → 幼生 → 成体
【カエル([[図>http://www.tmd.ac.jp/artsci/biol/textlife/frogdev.jpg]])】
受精卵 → 2細胞期 → 4細胞期 → 8細胞期 → 16細胞期 → 桑実胚期 → 胞胚期 → 原腸胚期 → 神経胚期(孵化) → 幼生 → 成体
■器官の形成と由来する胚葉
原腸胚では、細胞群は3種類に分けられます。外部表面の外胚葉(ectoderm)、空洞へ潜り込んで新たな細胞層となった中胚葉(mesoderm)、胚の下部に位置している内胚葉(endoderm)。これらそれぞれの胚葉から、まったく別々の器官が将来形成されることになります。それぞれの胚葉の担う複雑さは、ウニとイモリとでは段違いです。棘皮動物のウニの場合、脊椎動物のイモリと違って、①脳・中枢神経系が存在せず、②心臓も血管系も持たず、③骨格は欠片として体内に散らばっているため、形成される器官も少なくなっています。
3つの胚葉を発見したのはドイツのパンダー(1794-1876)。ニワトリの卵が孵化するまでの一連の発生過程を記戦し、器官形成に先立って胚は複数の胚葉に分かれ、各胚葉からそれぞれの器官が分化・形成することを1828年に明らかにしました。翌年には、ザリガニ(無脊椎動物)においても「胚葉説」が成り立つことが示されます。動物の形態は異なっているのに初期の発生過程では胚葉という同一の構造から出発することは、大きな発見でした。
〔外胚葉に由来する器官・組織〕
表皮:皮膚の表皮、眼のレンズ、角膜
神経管:脳、脊髄、眼の網膜
〔中胚葉に由来する器官・組織〕
脊索:(退化・消失)
体節:骨格、骨格筋、皮膚の真皮
腎節:腎臓、輸尿管
心臓:内臓筋、腸間膜
〔内胚葉に由来する器官・組織〕
消化管:胃・腸の内面
呼吸器:肺、えら
内分泌腺:肝臓、甲状腺
***Why? なぜ、ウニもイモリもヒトも発生の系は同じなのか? なぜこのようなプロセスを経ない個体発生・形態発生がありえないのか?
―この問いかけは次のように言い換えることができる→
***What? 動物(さらにいえば多細胞生物)の形態形成にとって決定的に重要なファクターはなにか? つまり、もしそれがなければウニもイモリもヒトもその体を形成することができないような条件とはなにか?
① 細胞同士が互いに相手を識別し、接着すべき細胞同士は接着し、離れるべき細胞とは離れること。
② 前後、背腹の体軸が決定されること。
③ 諸器官が形成されること。(誘導が起こること)
④ 体の各部分の構造や区画が決定されること。
これらの条件を満たす発生のメカニズムをとることができた生物種が、結果的に進化の過程で現在まで残ったから、さまざまな動物種の間で発生の系は同じなのだと仮説をたてることができます。
この4つの条件のなかで、「①細胞同士が互いに相手を識別し、接着すべき細胞同士は接着し、離れるべき細胞とは離れること」については胞胚までの時期に各細胞間で接着がなされることに前回、簡単に触れました。「②前後、背腹の体軸が決定されること」については割愛 。「③諸器官が形成されること(誘導が起こること)」については期末試験までのあいだに触れたいと思います。
「④体の各部分の構造や区画が決定されること」については、遺伝子――ホメオボックスが深く関連しています。胚の初期発生ではなく、比較的後期の形態形成に関わる重要な遺伝子群が、ホメオボックスと呼ばれる「ホメオティック遺伝子群(homeoticgenes)」です。
ホメオティック遺伝子群について説明する前に、まずホメオシス(homeosis)の研究を紹介しましょう。動物の標本をいろいろと調べていくと、稀に形態異常を持つものが発見されます。このような形態異常をいろいろと調べていくと、まったく説明不可能な異常も多くありますが、体の一部が他の部分になってしまっているという大変奇妙な異常個体があることに気づきます。たとえば、チョウの後脚が前脚に置き換わっていたり、ハエやハチの触角が脚に置き換わっていたりする異常型が代表的です。このような異常がホメオシスです。ホメオティック突然変異とはある構造物が類似の部分に置き換わった変異であるという意味です。
1940年代末にエドワード・ルイスはキイロショウジョウバエのホメオティック突然変異の研究を開始しました。写真bは後胸が中胸と同じ形態に変化して四枚翅となった個体です。写真cでは触覚が前脚に分化しています。
#image(http://www.keirinkan.com/kori/kori_biology/kori_biology_2_kaitei/contents/bi-2/2-bu/2-2-2.files/image008.jpg,http://www.keirinkan.com/kori/kori_biology/kori_biology_2_kaitei/contents/bi-2/2-bu/2-2-2.htm,center)
これらのホメオシスの原因となった遺伝子がホメオティック遺伝子です。フォルハルトとエリックは、キイロショウジョウバエの体節構造の形成と体制body plan を決定する上で、核心的に重要な15の遺伝子を同定し分類しました。
「④体の各部分の構造や区画が決定されること」について考える上で、このホメオティック遺伝子群が発見されたこと、さらにこのホメオティック遺伝子群が多くの動物種の間で共通することが多いことは、発生学のみならず、「なぜ相同器官をもつ種がこれほど多いのか?」という進化論の問いかけにも一定の答えを与えるものでした。ルイス、ニュスライン、エリックはこの功績によって、1995年のノーベル医学・生理学賞を受賞しています。
**関連ページ
・[[スタートアップ高認生物 生殖と発生>http://kounin.sunnyday.jp/startup/seibutsu02.html]]
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2012-06-13T21:47:22+09:00
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トップページ
https://w.atwiki.jp/bioota2010/pages/1.html
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--本川達雄、谷本英一[編] 『高校 生物Ⅰ 改訂版』 啓林館 → 『教Ⅰ』
--本川達雄、谷本英一[編] 『高校 生物Ⅱ 改訂版』 啓林館 → 『教Ⅱ』
--鈴木孝仁[監修] 『フォトサイエンス 生物図録』 数研出版 → 『図録』
--『セミナー生物Ⅰ+Ⅱ』 第一学習社 → 『セミナー』
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2012-06-13T20:19:02+09:00
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ウニの発生のメカニズム
https://w.atwiki.jp/bioota2010/pages/77.html
DATE:2010年05月13日、2011年05月13日
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無脊椎動物(ウニ)の発生:バフンウニ(Hemicentrotus pulcherrimus)の発生実験の、シミュレーション。卵割から組織形成までの、発生の順序をたどる。つまり、「2細胞期→4細胞期→8細胞期→16細胞期→桑実胚→胞胚→プリズム幼生→プルテウス幼生」という順番をたどる。
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■バフンウニ(Hemicentrotus pulcherrimus)
What? バフンウニとはなにか?
バフンウニを含むウニ綱は&bold(){棘皮動物門}に属します。つまり、ヒトデ綱やナマコ綱と同じカテゴリです。棘皮動物門の特徴として、五放射相称があげられます。棘や管足の配置をよく見ると、等間隔で5列に並んでいるのがわかります。ヒトデはわかりやすいですね。ウニはわかりにくいですが、アリストテレスの提灯は、5つの歯で構成されています。
いま、採集してきたウニ、ヒトデ、ナマコを、腹を上にして水槽に入れ、体高の半分ほどの海水を入れてみましょう。どの個体も等しく細い管足を伸ばし、じわじわと起き上がろうとする様子が観察できるはずです。このとき、棘の隙間から伸びる管足の吸盤で雌雄を見分けることができます。管足が、黄色っぽいのがメス、白っぽいのがオスです。
Where? バフンウニはどこで採集できるのか?
本州、四国、九州全域近海の岩場、磯で採集することが可能。2004年7月下旬に静岡県伊豆下流の磯で採集したことがあります。
When? バフンウニはいつ採集できるのか?
バフンウニを使った受精の実験のために適した採集の時期は、1月から3月頃。ムラサキウニの場合は6月から8月頃、サンショウウニの場合は6月から9月頃が適しています。
Why? なぜバフンウニを用いるのか?
(バフンウニでなくても良いのですが)ウニ、イモリ、カエルの卵には殻がありません。実験発生学において、これらの動物が伝統的に使われてきたのは、この観察のしやすさのためです。
***バフンウニの発生実験のシミュレーション
【卵・精子の採取】
&youtube(http://youtu.be/H97QmMYVIQg){420,315}
How? どのようにしてK+の働きによって筋肉が収縮するのか?
[[ナトリウムポンプ]]と同じく、イオンポンプの一種で、細胞内と細胞外のカルシウムイオン濃度を調節するために、細胞膜にある[[カルシウムポンプ]]という機能の働きがおこります。筋肉の収縮作用は、カルシウムイオンCa2+が筋肉組織の細胞内へ入ったときに起こりますが 、細胞外にK+を加えると、膜電位が変化。すると、カルシウムが出入りする細胞膜上のゲート(扉)、カルシウムチャンネルが開き、Ca2+が細胞内に流入。カルシウムはカルモジュリンと結合し、ミオシンがATPアーゼ作用をもつようになり、ATPのエネルギーで筋収縮が起こります。
【受精】
採取した精子1滴を50mlの海水で薄めたものを、卵と混ぜます。受精後、数十秒で受精膜が作られます。感動的瞬間!
&youtube(http://youtu.be/TrBG3oMcmko){420,315}
わかりにくいかもしれませんが、受精波の発生(早い不完全な多精拒否)と、表層粒崩壊と受精膜の形成(遅い完全な多精拒否)という2つのプロセスが起こっています。
卵の周囲にはたくさんの精子が群がっていますが、受精できるのは一匹だけです。まず、受精の瞬間に発生した活動電位が、受精波となって卵表面に次々と伝わり、他の精子の侵入をシャットアウトします。ただし、そのシャットアウトは完全なものではありません。受精波の刺激により、卵の表面にある表層粒が壊れて、そこから受精膜が形成されることによって、シャットアウトは完全なものとなります。
【2細胞期から、桑実胚まで】
90分ほどで最初の卵割が起こります。あとは、40分ほどで細胞分裂を繰り返します。
受精卵から育っていくときも,呼吸は行っているので、新鮮な海水をときおり滴下することが必要です。
[[《動画》卵割(微速度撮影)>http://manabi.mpec.jp/seibutu/H19seibutsu_contents/107_uni/107_4.mpg]]
なお、2細胞期から桑実胚までは、受精膜が胚を覆っています。この時期は細胞同士に接着力がないので、受精膜がなくなるとすぐばらばらになってしまいます。細胞数が100個から200個ほどの桑実胚になると、受精膜を除去してももうばらばらになることはありません。しかし、受精膜を除去した桑実胚を並べて置いておくと、隣り合った胚と接着してしまいます。つまり、個体識別の能力がまだないのです。桑実胚の次のステージである胞胚になると、胚の細胞は接着すべき細胞とすべきでない細胞を認識する能力を獲得します。ウニは胞胚の時期に、受精膜を自力で破って孵化しますが、逆に言えば、それまでは受精膜がなければ形を保つことができないということなのです。
#region(ウニは2細胞期に分離しても、それぞれが生体になる)
試験管内に少量の海水とウニの2細胞期の卵を入れ、激しく振って割球を分離し、それぞれを飼育すると、大きさは小さいながらも、ほぼ完全なウニの幼生が発生します。1892年にこの実験を行い、個体発生への畏敬の念に打たれたのが、新生気論で有名なドイツのドリーシュ(Hans Driesh, 1867-1941)です。
#endregion
#region(ウニは単為生殖も行う)
実験生物学者ジャック・レーブ(Jacques Loeb, 1859-1924)が、学界だけでなく一般世間に一躍有名になったのは、何といってもウニの卵の単為発生(処女生殖)の仕事による。一八九九年に、短い予報的な論文が出たあと、長文の本論文は『アメリカ生理学会誌」の一九○○年四月一日号に発表された。この仕事は、エイプリル・フールというわけでもあるまいが、最初しばらくは、疑わしい目で見られた。レーブの手法というのが、あまりに簡単だったためでもある。海水に浮かべた卵に、この海水と等量の二・五モルの塩化マグネシウムを加えて二時間放置し、次いで卵を正常海水に戻せば、それだけで発生が始まるのである。海水のなかに初めから、少量の精虫がまざっていたのではないかというのが、学界と世間を問わず懐疑論者の批判であった。あるフランスの記事は「ムッシュ・マグネシウムとマダム・ウニの結婚で生まれた化学的市民」といって、驚嘆した。
#endregion
【桑実胚から、胞胚を経て、プリズム幼生、プルテウス幼生へ】
胞胚になると、胚は受精膜のなかでぐるぐると回転をはじめ、孵化します。ここまででおよそ12時間程度かかります。微細な繊毛が胚の周りに生えていることが、外環境で生活することができることを示唆しています。
[[《動画》原腸胚>http://manabi.mpec.jp/seibutu/H19seibutsu_contents/107_uni/107_5.mpg]]
[[《動画》プルテウス幼生>http://manabi.mpec.jp/seibutu/H19seibutsu_contents/107_uni/107_6.mpg]]
※「卵割」、「原腸胚」、「プルテウス幼生」の動画は、いずれも[[こちらのサイト>http://manabi.mpec.jp/seibutu/H19seibutsu_contents/107_uni/107.html]]掲載のものです。
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2012-06-13T17:35:53+09:00
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授業日一覧
https://w.atwiki.jp/bioota2010/pages/74.html
過去の授業日
***2010年度
|第01回|2010年04月15日|自己紹介、シラバスの配布|
|第02回|[[2010年05月06日>http://www47.atwiki.jp/bioota2010/pages/46.html]]|[[無性生殖と有性生殖]]|
|第03回|[[2010年05月13日]]|[[ウニの発生のメカニズム]]|
|第04回|[[2010年05月20日]]|
|第05回|[[2010年06月03日]]|
|第06回|[[2010年06月10日]]|
|第07回|[[2010年06月17日]]|
|第08回|[[2010年06月24日]]|
|第09回|[[2010年09月09日]]|
|第10回|[[2010年09月14日]]|
|第11回|[[2010年09月16日]]|
|第12回|[[2010年09月23日]]|
|第13回|[[2010年10月07日]]|
|第14回|[[2010年10月09日]]|
|第15回|[[2010年10月14日]]|
|第16回|[[2010年10月28日]]|
|第17回|[[2010年11月04日]]|
|第18回|[[2010年11月06日]]|
|第19回|[[2010年11月11日]]|
|第20回|[[2010年11月13日]]|
|第21回|[[2010年11月18日]]|
|第22回|[[2010年11月20日]]|
|第23回|[[2010年11月22日]]|
|第24回|[[2010年11月27日]]|
|第25回|[[2010年12月02日]]|
|第26回|[[2011年01月15日]]|
|第27回|[[2011年01月20日]]|
|第28回|[[2011年01月22日]]|
|第29回|[[2011年01月27日]]|
|第30回|[[2011年01月29日]]|
|第31回|[[2011年02月05日]]|
|第32回|[[2011年02月10日]]|
|第33回|[[2011年02月12日]]|
|第34回|[[2011年02月17日]]|
|第35回|[[2011年02月19日]]|
|第36回|[[2011年02月24日]]|
|第37回|[[2011年02月26日]]|
***2011年度
|第38回|2011年04月22日|自己紹介、シラバスの配布|
|第39回|[[2011年05月06日>http://www47.atwiki.jp/bioota2010/pages/46.html]]|[[無性生殖と有性生殖]]|
|第40回|[[2011年05月13日]]|[[ウニの発生のメカニズム]]|
|第41回|[[2011年05月20日]]|
11年度1学期中間試験
|第42回|[[2011年06月03日]]|
|第43回|[[2011年06月17日]]|
|第44回|[[2011年06月22日]]|
11年度1学期期末試験
|第45回|2011年09月09日|
|第46回|2011年09月16日|
|第47回|2011年10月07日|
|第48回|2011年10月14日|
11年度2学期中間試験
|第49回|2011年10月28日|
|第50回|2011年11月04日|
|第51回|2011年11月11日|
|第54回|2011年11月18日|
|第55回|2011年11月25日|
|第56回|2011年12月02日|
11年度2学期期末試験
|第57回|2012年01月13日|
|第58回|2012年01月20日|
|第59回|2012年01月27日|
|第60回|2012年02月10日|
|第61回|2012年02月17日|
|第62回|2012年02月24日|
|第63回|2012年03月02日|
11年度3学期期末試験
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2012-06-13T15:23:55+09:00
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無性生殖と有性生殖
https://w.atwiki.jp/bioota2010/pages/46.html
DATE:2010年05月06日、2011年05月06日
***What? 無性生殖とはなにか、有性生殖となにが違うのか。
生物が、自分と同じ種類の個体を作るにあたり、ほかの細胞と合体することなく、体細胞や胞子などから新個体を作る方法を無性生殖(asexual reproduction)といいます。ほかの細胞、配偶子(gamete)と合体することによって新個体を作る方法を有性生殖(sexual reproduction)といいます。
読んで字のごとく、無性生殖においてはオスとメスの区別、つまり性がなく、有性生殖には性があります。私たちは日常、「性」を自明の事柄として受けとめていますが、「性」とは、一部の生物に具わった[[特殊な細胞分裂の方法>減数分裂]]が基本となって可能となったものです。
大腸菌は、分裂(division)という方法で倍々と増えます。酵母や海綿は出芽(budding)で増えていきます。この増え方ならオスもメスも関係ありません。このような「無性生殖」が、実は生殖の原形であり、原核生物も菌類も、ほとんどこの方法で増えています。
&bold(){■無性生殖の利点}
・個体数を増加させるのが容易である。
・安定した環境下では速やかに遺伝子を広めることができる。
無性生殖の方法は、以下のように大きく4つに分類できます。それぞれの生殖方法をとる生物種とともに、『図録』 とあわせて確認してくだい。
||特徴|例|
|分裂|親の身体が、ほぼ均等に2つ以上に分裂することで増える|[[大腸菌]],ゾウリムシ,イソギンチャク|
|出芽|親の身体が、不均等に2つ以上に分裂することで増える|酵母菌,ヒドラ,サンゴの群体|
|栄養生殖|種子植物の根、茎、葉などの一部から新しい個体が作られる|ジャガイモ,オニユリ,イチゴ|
|胞子生殖|胞子と呼ばれる無性的な生殖細胞が発芽して個体が作られる|菌類,コケ植物,シダ植物|
***Why? なぜ無性生殖と有性生殖という異なる方法が、採用されているのか。
無性生殖は有性生殖に比べて生殖の効率が高く、容易に新個体が形成されます。その一方で、有性生殖では、子孫を作るために必ず相手を探さなければなりません。これは、種の繁殖にとっては、かなり不利なことだと言えます。
それにもかかわらず、真核多細胞生物の場合は、「有性生殖」が圧倒的に多く見られます。なぜ、無性生殖をする種よりも、有性生殖をする種の方が優勢であるのか。どこかにその不利を越える有利さがあるはずです。
有性生殖が無性生殖よりも有利な点を考えるうえでヒントとなるのは、酵母(Saccharomyces cerevisiae)です。酵母は、栄養条件のよいときには一倍体として出芽することによって無性的に増殖します。しかし、条件が変わり、生息環境が厳しいものになると性別を持ち、互いに接合して一時的に有性生殖を行うようになります。「このままクローンを増やし続けていくと、総倒れになる危険性がある状況」になったとき、子のかたちを変えることによって、対処しようとするわけです。
また、ジャガイモを思い出してください。小学校の授業などで種芋(塊茎)から増やしたことがある人がいると思いますが、あれは栄養生殖です。しかし、ジャガイモは同時に花を咲かせ、受粉して、種も作ります。花を咲かせ、種を作るプロセスは、花粉と胚嚢による、有性生殖です。
#region(ミジンコやハカラメの場合)
有性生殖と無性生殖をきりかえる例としては、ミジンコ(Daphnia pulex; 節足動物門甲殻類)です。エサが豊富で、空間も充分ある好適条件では、メスが〔単為生殖〕 により、メスのみをどんどん生みます。これによって個体数を非常に素早く増やすことができます。個体群密度が上昇し、条件が悪化すると、オスが生まれ、雌雄の交接から受精を経て卵が作られます。この卵は厚い殻を持ち、休眠にはいり、新たに条件が良くなったときに孵化します。(=耐久卵)
また、ハカラメという俗称をもつセイロンベンケイ (Kalanchoe pinnata; 被子植物門)は、葉の縁から不定芽を出す無性生殖で主に増え(「はからめ(葉から芽)」という名前はここに由来する)、プランターなどで育てるとたちまち面積いっぱいに増殖しますが、プランターがいっぱいになると花をつけ、種を作り、生息条件のよいプランターの外へと脱出を試みます。
#endregion
酵母にもジャガイモにも、どちらにも共通するのは、生息環境が良好なときは無性生殖を行い、生息環境が悪化すると、有性生殖をより優先的に行うという点です。ここで結論を先取りすると、有性生殖の利点とは&bold(){、①配偶子が組み合わされることによって、形や'性質の異なる多様な個体が作られ、環境の変化に適応した個体を生じる可能性があること。②種や耐久卵によって、よりよい生息環境へと子孫を拡散させることができること。}この二点にまとめられます。
&bold(){■有性生殖の利点}
・配偶子が組み合わされることによって、形や性質の異なる多様な個体が生じる。
・環境が変化しても生き残る可能性が高くなる。
いま、無性生殖を行う生物のDNAの中で、生死には無関係の変異が起きた場合を考えます。同じニッチに棲む二つの個体に別々に変異が起きれば、この二つの子孫の間にはなんらかの競合関係が生じることになります。どちらかが勝ちどちらかが負け、負けたほうは淘汰されます。そうなると、負けたほうがたまたま持っていたよい性質は消えて、その集団の中に広まることはありません。集団の構成員の数が少ないときは、これがとくに問題となります。しかし、有性生殖を行えば、問題の二つの個体が合体して両方の性質を持った新しい個体が生まれ、両方の性質が子孫に伝わっていく可能性が生じます。これは長期的な視点に立つと明らかに有利になります。
もう一つ、有性生殖の有利さを示す例をあげます。いま、一つの遺伝子が突然変異をおこして、劣性の致死遺伝子が生じたとします。致死遺伝子を持つ個体が無性生殖をすると、その子孫はすべてこの致死遺伝子を受け継ぐので、その集団内の致死遺伝子の保有率はしだいに高まっていき、あるとき、急激に個体数を減らして絶滅する可能性があります。しかし、有性生殖、つまり、いわゆるかけ合わせがあれば、致死遺伝子をまったく持たない個体や二個とも致死遺伝子である個体が生じることになります。後者は死んで集団から取り除かれることで、致死遺伝子は集団の中にある程度までしか広がらず、急激な個体数の減少を食い止めることができます(致死遺伝子の代わりに、「ある病気に弱い遺伝子」「気温の変化に弱い遺伝子」を考えても、同じことが言えます、つまり、ある病気や気温の変化によって集団が全滅するリスクは、無性生殖のほうが有性生殖よりも高いのです)。
先ほどの酵母やジャガイモの例に戻ると、これらは、生息条件の良好なときにはムダを省いて無性生殖でどんどん個体数を増やし、生息条件が悪化したときには有性生殖の利点を活かして集団が絶滅するリスクを減らす、という[[ストラテジー(戦略)>本棚/松原謙一・中村桂子『生命のストラテジー』1990=1996]] をとっていることがわかります。酵母の場合、遺伝的にはどちらの性にもなり得るしくみを持っていて、それが数代ごとに切り替わります。真核生物であっても、単細胞生物であるためにこのようなしくみを次第に洗練させてきたとも言えますが、有性生殖を行う多細胞生物の原型は、このようなものだったのかもしれません。
関連ページ:
[[授業日一覧]]へ戻る。
2012-06-13T15:19:00+09:00
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本棚/松原謙一・中村桂子『生命のストラテジー』1990=1996
https://w.atwiki.jp/bioota2010/pages/76.html
以下、[[松原謙一・中村桂子『生命のストラテジー』ハヤカワ文庫NF、1996年>http://www.amazon.co.jp/%E7%94%9F%E5%91%BD%E3%81%AE%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%86%E3%82%B8%E3%83%BC-%E3%83%8F%E3%83%A4%E3%82%AB%E3%83%AF%E6%96%87%E5%BA%AB%E2%80%95%E3%83%8F%E3%83%A4%E3%82%AB%E3%83%AF%E3%83%BB%E3%83%8E%E3%83%B3%E3%83%95%E3%82%A3%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E6%96%87%E5%BA%AB-%E6%9D%BE%E5%8E%9F-%E8%AC%99%E4%B8%80/dp/4150502021]]より抜粋(一部改変)
> 有性生殖では、子孫を作るために必ず相手を探さなければならない。これは、種の繁殖にとっては、かなり不利なことだ。それなのに、有性生殖をする種の方が優勢になったのは、どこかにその不利を越える有利さがあるからに違いない。ポイントは、原核細胞は《一倍体》であるのに対して真核細胞のほとんどが《二倍体》であるというところにある。
> 大腸菌は分裂前に細胞の中の遺伝子系(ゲノム)を二つに増やし、その一つずつをそれぞれの娘細胞に渡す。つまり、分裂直前の大腸菌には、ゲノムが二組ある。けれどもこれは、増殖過程でそのような時期があるというだけで、ゲノムを二つ持った一個の細胞として生存するわけではない。そして、この二つのゲノムは互いに同じである。大腸菌は常に一つのゲノムだけを大切に抱えている生物、つまり一倍体なのである。
> これに対して、ヒトのような多細胞生物の体を作っている細胞(体細胞)はすべて、父親と母親に由来する対の染色体を持っている。実際には、ヒトの場合、一個の細胞の中に二二対の常染色体と性染色体二本、合計四六本の染色体がある(詳しくは今年の三学期に行う【遺伝子】の授業で触れます)。性染色体だけは女性の場合はXX、男性ではXYという異なる組合わせになる。ところで、ヒトの細胞の中にも、一倍体のものが一種類だけある。生殖細胞、すなわち精子と卵である。これは、減数分裂というこみ入った過程を経て、染色体の数が半分になった特殊な細胞である。一倍体の精子と卵がめでたく融合すると受精卵、つまりヒトの出発点となる二倍体細胞になる。受精卵は通常の分裂(有糸分裂)をして、体の各部分を構成する細胞となり、二倍体細胞の塊ともいえるヒトができあがるわけである。
> そこで生物を、大腸菌のような一倍体生物とヒトのような二倍体生物の二つに分類できると簡単なのだが、そうはゆかない。ゼニゴケの場合、雌雄の配偶子が交配をして二倍体の接合子ができるが、それがすぐに減数分裂をして一倍体細胞になる。そしてこれが通常の有糸分裂をする。雑ないい方をすると、ゼニゴケの場合には、われわれの精子と卵に相当する世代が一生の大部分を占めており、受精して生じる体、つまりわれわれの成体に相当する状態での存在期間は非常に短いということになる。有性生殖とは、一倍体と二倍体の間の世代の交代をしながら新しい個体を作ってゆく方法である。進化の過程を見ると、二倍体である期間が長くなる方向に進んだものが多いように見える。
> 二倍体の説明が長くなったが、この二倍体のおかげで、「性」に伴って遺伝子が混じりあうということの真の有効性が出てくる。生存に必要な遺伝子が変異によってはたらけなくなると、一倍体の場合は死ぬほかない。しかし、二倍体では、一方の遺伝子が”はたらく”ものなら、細胞も、その細胞を持った個体も生きていけることになる。つまり、二倍体の方が遺伝子に起きた変化を変化として次に伝えていけるのである。遺伝子の変化は進化の大きな要因なので、これは多様化の可能性を大にする。事実、二倍体生物の方が一倍体よりはるかに多様である。
> 一倍体の生物の持つDNAの中で、生死には無関係の変異が起きた場合を考えてみよう。同じニッチに棲む二つの個体に別々に変異が起きれば、この二つの子孫の間にはなんらかの競合関係が生じる。どちらかが勝ちどちらかが負ける……そうなると負けたほうがたまたま持っていたよい性質は消えて、その集団の中に広まることはない。集団の構成員の数が少ないときは、これがとくに問題になる。ところが、有性生殖をしていれば、問題の二つの個体が合体して両方の性質を持った新しい個体が生まれ、両方の性質が子孫に伝わっていく可能性が生じる。これは明らかに有利である。
> もう一つ、有性の有利さを示す例をあげよう。一つの遺伝子が変異して、劣性の致死遺伝子(二本ある染色体のうちの一方が変異しても死なないが、二本ともその変異を持つと死ぬ場合をこのように呼ぶ)が生じた場合を考えてみよう。たとえ二倍体であっても、このような個体が無性生殖をしたのでは、その子孫はすべてこの致死遺伝子を受け継ぐので、致死遺伝子はたまっていく一方であり、結果としてはたらく遺伝子が一個だけしかない一倍体と同じことになってしまう。つまり、この遺伝子を持つ個体は消えてゆく運命になり、それと共存するよい性質も失われてしまう。しかし、有性生殖、つまり、いわゆるかけ合わせがあれば、致死遺伝子をまったく持たない個体や二個とも致死遺伝子である個体が生じる。後者は死んで集団から取り除かれ、集団の中には広がりにくい。こうして、致死遺伝子はある程度までしか広がらないし、それといっしょに存在していたよい性質は消えずにすむ。つまり、有性生殖をして初めて「二倍体のメリットがじゅうぶんに得られる」のである。それに、生きるか死ぬかというほどではない性質については、少しずつ違う遺伝子系の組合わせで、両親のどちらとも違った形質を表わす子が生まれてくるのも有利だ。これは、家畜や作物の改良でよく利用されている。
> こうして「性」は二倍体の出現と結びついて有効にはたらき、異なる個体の遺伝子を共存させ、混ぜあわせて新しい個体を作りあげ、安定に保つしくみとなっている。それはより多様で、より新しい変化の可能性を期待させるしくみなのである。
> 生きていくためだけなら、遺伝子は一組持っていればじゅうぶんだ。むしろすばやくふえるためには、そのほうが都合がよい。二倍体生物の場合、ふえるうえでの負担が大きく、そのうえに受精や減数分裂などに必要な複雑な装置を維持しなくてはならない。それでもなお、この生き方を選ぶのは、安定でしかも変化するという生物の大切なストラテジーを容易に実現できるからだろう。
>
>(同書、103~106頁)
***関連書籍
・[[ジャック・モノー『偶然と必然 現代生物学の思想的な問いかけ』みすず書房、1972年>http://www.amazon.co.jp/%E5%81%B6%E7%84%B6%E3%81%A8%E5%BF%85%E7%84%B6%E2%80%95%E7%8F%BE%E4%BB%A3%E7%94%9F%E7%89%A9%E5%AD%A6%E3%81%AE%E6%80%9D%E6%83%B3%E7%9A%84%E3%81%AA%E5%95%8F%E3%81%84%E3%81%8B%E3%81%91-%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%83%BC/dp/4622004283]]
・[[福岡伸一『動的平衡 生命はなぜそこに宿るのか』木楽舎、2009年>http://www.amazon.co.jp/%E5%8B%95%E7%9A%84%E5%B9%B3%E8%A1%A1-%E7%94%9F%E5%91%BD%E3%81%AF%E3%81%AA%E3%81%9C%E3%81%9D%E3%81%93%E3%81%AB%E5%AE%BF%E3%82%8B%E3%81%AE%E3%81%8B-%E7%A6%8F%E5%B2%A1-%E4%BC%B8%E4%B8%80/dp/4863240120]]
***関連ページ
・[[無性生殖と有性生殖]]
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2012-06-13T15:09:36+09:00
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2011年度高校1年スケジュール
https://w.atwiki.jp/bioota2010/pages/44.html
テーマ:[[発生遺伝学]]、[[形態形成]]
教科書の範囲:
セミナー生物の範囲:
生殖と発生 ― 生殖法、有性生殖の過程、動物の発生
遺伝 ― 遣伝の法則、いろいろな様式の遺伝、染色体と遺伝子、遺伝の本体
遺伝情報とその発現 ― 遺伝子の本体=DNA、遺伝情報とタンパク質の合成、形質発現のしくみ、バイオテクノロジー
2012-06-13T12:38:35+09:00
1339558715
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質疑応答
https://w.atwiki.jp/bioota2010/pages/75.html
[[Q.DNAが酸化すると、RNAになりますか?]]
[[Q.性染色体のX染色体、Y染色体とW染色体、Z染色体って何が違うのでしょうか?]]
広告けし
2012-06-13T11:16:25+09:00
1339553785
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Q.性染色体のX染色体、Y染色体とW染色体、Z染色体って何が違うのでしょうか?
https://w.atwiki.jp/bioota2010/pages/70.html
DATE:[[111214]]
&u(){Q.性染色体のX染色体、Y染色体とW染色体、Z染色体って何が違うのでしょうか?}
A.まず、&u(){それぞれ形・大きさが違います。}性染色体は、どれも常染色体から分化したもので、[[哺乳類・鳥類・爬虫類に関してはどのように分かれたかがわかっています>http://t.co/spaDYZ00]]。
性染色体の分化過程はまさに研究途上のトピックです。[[名古屋大学・動物遺伝制御学研究室>http://t.co/5PPw6KTG]]のHPで研究成果の一部を観ることができます。昆虫や植物の性染色体の分化過程についてはちょっとわからないので、また改めさせてください。
また、&u(){性染色体が性決定に関与する仕方は、種によって大きく違います。}ヒトのY染色体は高い性決定能力をもち、Y染色体があればオスになります(XXY型の[[クラインフェルター症候群>http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%82%BF%E3%83%BC%E7%97%87%E5%80%99%E7%BE%A4]]の場合も、外見は男性です)。その一方で、ヒトと同じXY型のショウジョウバエは、常染色体とX染色体の比率で性が決定されます。つまり、Y染色体があってもオスになるとは限りません。
2012-06-13T11:02:03+09:00
1339552923
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Q.DNAが酸化すると、RNAになりますか?
https://w.atwiki.jp/bioota2010/pages/71.html
DATE:[[120118]]
&u(){Q.DNAの糖が酸化するとどうなるのでしょうか。RNAになるのでしょうか。}
A.たしかに、DNAの糖(デオキシリボース)の化学式C5H10O4を見ると、RNAの糖(リボース)の水酸基の一つが水素原子に置き換えられた形をしています。(cf.『図説』92頁)
しかし、&u(){DNAの糖が酸化しても、RNAにはなりません。}
なぜ、DNAの糖が酸化しても、RNAにならないのか。それはDNAの糖が酸化しても、RNAの塩基であるU(ウラシル)が、A(アデニン)と塩基対を形成するわけではないからです。通常、DNAはA-T、G-Cの塩基対を形成します。この塩基対がA-U、G-CとなるとRNAになるわけですが、DNAの糖が酸化すると、G(グアニン)が酸化されて8-oxoGができ、これがAと塩基対を形成します。
つまり、「DNAが酸化しても、酸化したDNAになるだけで、RNAになるわけではない」のです。DNAが酸化すると、遺伝暗号(コドン)に沿って作られるタンパク質の構造が変化することになります。その結果、組織の機能低下を引き起こすことになります。このDNAの酸化の主因が、活性酸素です。
Wikipediaの「[[デオキシリボ核酸>http://p.tl/UgJ7]]」の項にも載っていますが、DNAとRNAの生体内での役割は大きく異なります。&bold(){DNAは核内で遺伝情報の蓄積・保存(←静的)、RNAは遺伝情報を核外に伝えたり、アミノ酸を運んだりと、一時的な処理を担います(←動的)。}
2012-06-13T10:49:17+09:00
1339552157