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2011年06月22日


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 1899年にウニの単為生殖を成功させたジャック・レーブ(Jacques Loeb, 1859-1924)の口癖は「私にはわかっている」だったそうです。何がわかっているのか。個体発生のプロセスです。受精や針・浸透圧ショックの刺激によってプログラムが一度動きはじめてしまえば、あとは個体発生が自動的に進行するのは、「当然のこと」だと彼は考えていました。
シュペーマン(Hans Spemann, 1869-1941)は、この「わかっている」過程が具体的にどのように進んで行くのかを、具体的に、詳細に追跡、確認したといえます。その結果、個体発生を説明するために導かれた概念が、「誘導」です。
 彼はその概念にたどりつくまでに、結さつ実験(1902年)と、交換移植実験(1921年)を行い、「個体の発生運命は何によって決められるか?」という問いには灰色三日月(後の原口背唇部)、「個体の発生運命はいつ決められるか?」という問いには初期神経胚 であることを導きました。

実験Ⅲ.原口背唇部移植実験 1924年
 実験Ⅰ. 結さつ実験と、Ⅱ. 交換移植実験に基づいて、シュペーマンは「初期原腸胚から初期神経胚までの期間において、原口背唇部が周囲にシグナルを出し、周囲の組織はそのシグナルを受け取ることで分化していくのではないか?」という仮説を立てました。この仮説を検証するため、彼は門下の女性大学院生マンゴルト(Hilde Mangold, 1893-1924)とイモリの初期原腸胚の原口背唇部dorsal blastpore lipを切り取って、別の胚に移植する実験(シュペーマン・マンゴルド挿入法)を試みました。
 実験は以下のような、決定的な結果をあらわしました。

※『図録』2-14「発生の仕組み(2)」を参照

 本来の胚(一次胚)の他に、新たにもう1つの胚(二次胚)が形成されたのです。この胚を形成する中心的な部域を、シュペーマンは「形成体Organizer」と名付け、また、この形成体による分化を「誘導induction」と名づけました。そして、誘導が連鎖的に起こることで動物の各組織が形成されていく(=「誘導の連鎖」)という仮説にたどり着くことになります。
 シュペーマンは1935年に、発生研究の領域では初めてノーベル生理学・医学賞を受賞しました。(受賞理由は「動物の胚の成長における誘導作用の発見に対して」) そしてこれ以降、この形成体の作用を物質レベルから解明しようとする研究(化学発生学)が誕生することになるのですが、それはまた別の機会にお話したいと思います。
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