日常的な持ち運び・可搬性を主な目的に設計されたポケットラジオでは、受信性能には限界があります。
これらのラジオは主にローカル局等の強力な局の手軽な受信を前提に設計されています。
遠距離のラジオ放送を受信するには、高感度なラジオが必要です。
現在、市販されている遠距離中波局受信向けのラジオについては
どんなラジオが必要？
を参照下さい。
ラジオには中波放送用のアンテナが内蔵されています。
フェライト・バーアンテナというものが、それです。
ラジオを分解したことのある方は、人差し指ほどの太さで鉛筆ほどの長さの黒い物体に細い線が巻かれたものを
見たことがあるかもしれません。それが中波用のアンテナです。
このアンテナは８の字型の指向性を持ち、その方向の電波を強く受信します。
目的局の電波が最も強くなる方向にラジオを向けることで、良好な受信ができます。
また、混信がある場合には、混信局が最低感度の方向になるようにラジオを向けることで、ある程度
混信をさける事ができます。
（この場合、目的局が必ずしも最高感度の方向にあるとは限りません。）
内蔵アンテナでの受信に限界を感じた場合には、外付けのアンテナを使用してみましょう。特にマンション等の鉄筋・鉄骨造の建物の室内では電波が遮蔽されている環境にあります。このため、マンションでは、距離の遠近を問わずAMラジオ局を受信するために屋外にアンテナを設置することが必要な場合が多いと思われます。まずは、それぞれの部屋にあるTV用アンテナ端子とラジオに繋いでみることを一度は試してみて、その効果の有無を確認してみましょう。
（劇的な変化は、あまり期待しないように。屋上のTV用アンテナが共聴用に分配されているが、加えてFM用、希にAMラジオ用の共聴設備がある場合もある。AM用アンテナがなくとも、屋上のTV、またはFM用アンテナの金属導体がラジオの電波を受信し、室内受信より良い結果となる場合もある。放送共聴設備の詳細はマンションの管理会社もしくは管理組合に問い合わせのこと。）
そして、建物の構造を問わず更に遠くの局を受信するには、外部アンテナ、特に屋外、もしくは室内でも窓際に設置したアンテナが効果的です。屋外アンテナの設置は、ラジオの近くや室内に存在する雑音発生源からある程度は逃れられること、建物による電磁遮蔽の影響を受けないこと等の大きなメリットがあります。
市販されている中波ラジオ用外部アンテナについては
市販中波用アンテナ
、
外部アンテナの製作については
AMラジオ用ループアンテナの試作
を参照下さい。
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