図1は中波放送を含む、いわゆるAM放送波のスペクトラム模式図です。
搬送波は、我々がその放送の「周波数」と呼んでいるものです。
この搬送波の上下に側波帯と呼ばれる部分があり、簡単に言うと放送の音声情報を含んでいます。
我々がラジオを受信する時は同調周波数を搬送波に合わせると、ラジオの検波回路が両側波帯に含まれる情報を音声に復元しているわけです。

日本国内での中波放送の周波数割り当ては9kHz間隔、占有周波数帯幅は15kHz(*)ですので、 隣接する周波数、図2の例では放送AのUSBと放送BのLSBが干渉し混信が発生します。
搬送波に同期した信号によって検波を行う方法 同期検波回路があるラジオ・受信機では隣接波から混信を受けている際に搬送波に同期した信号によって検波を行うため 結果的に受信する側波帯を自動的に選択することができます。
目的の局がAである場合には、同期検波回路で放送AのLSBを選択することで、放送Bの混信から逃れられるというわけです。
(同期検波回路がない受信機でもLSB/USBの受信モードがある場合には、搬送波に対しゼロビートを取り、側波帯を選択することはできます。)

なぜ同期検波において片方の側波帯の選択が可能なのかについては、下記のサイトに詳しい説明がありますので参照下さい。
なお、内容を理解するには三角関数を理解している必要があります。

混信を除去するには非常に効果的な機能ですが、弱い電波に対してどれだけ同期を取り続けることができるか(いわゆる「ロック」)はラジオの基本的な性能により異なるため、この機能を備えている全てのラジオ・受信機が同じ性能を得られるわけではありません。
アンテナのページで説明しますが、電波の飛来する方向に違いがあれば、アンテナの指向性を利用して混信を少なくすることも可能です。

(* 出典:http://www.rf-world.jp/bn/RFW09/samples/p114-115.pdf


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  • FMの周波数特性上げることできますか? -- フジワラミチヒロ (2018-11-04 18:44:47)
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最終更新:2021年02月04日 16:19
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