堀川瑞生のレポート


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闇の子供たち 梁石日

私は今、大学の一つの授業でタイについて学んでいる。タイの人口や出来事について調べていて、その時に偶然、この本に出会い興味が湧いたので読むことにした。私が知っている、想像しているタイは、世界各地から観光客が訪れるほどの美しい風景や美しい文化があり、特有の美味な料理がある。私の父も昔、仕事で訪れたことがあって、私も一度訪れたいと思っていた。しかし、その陰では、幼児売買春、幼児売買、幼児臓器売買が行われていることが、この本に繊細に綴られていた。何の罪のない子供たちが何万人もが犠牲となっている。

貧困に苦しむタイの山岳地帯で育ったセンラーはわずか八歳で父親に売春宿に売られ、それからは、世界中の売春宿の性的玩具となり、毎日大人たちの奴隷となって働かされた。まず、私的には家族を売ってでも生きていこうとは思えない。娘を売ったお金でテレビや冷蔵庫を買うなんて信じられない光景だ。家族にもびっくりするが、もし私がセンラーの身になってみたらと考えただけでも胸が苦しくなった。こうして毎日家族と話したり、ご飯を食べられたりしていることが、どれだけ幸せか身に染みた。

センラーの姉であるヤイルーンも二年前に父親に売春宿に売られた。それからは、売春を強要させて働き続けた結果、エイズにかかり使い物にならなくなったため、たった十歳のヤイルーンは清掃車でごみ処理場に捨てられ、死ぬ思いをして帰った故郷では、喜んでもらえるどころか、檻の中の生活を強要され、しまいには、蟻の大群に襲われたヤイルーンは父親にガソリンをかけられ焼かれて殺されてしまった。金持ちの犬や猫は葬式をしてもらい、お墓までつくってもらっているのに、貧乏な人間の子供はゴミ処理場に捨てられ生きながら腐っていくなんて、こんなことが許されていいはずがない。人間は生きたいという思いが強ければ、蟻やゴキブリのなどの昆虫や腐ったゴミでも食べてしまうと思うと、自分が好き嫌いをしたり、お腹がいっぱいだからといって残したりしていることがとても申し訳なくなった。

本を読み進めていくと、センラーは売春させられなくなっていた。三食の食事が与えられ、シャワーにも入れてもらえ、これで地獄のような生活から開放されるのかと思った。でも、それは甘い考えで、臓器売買をされるために大事にされていたのである。大人たちのお金の欲しさにまだ生きているこれから希望のある子供の臓器が売られているなんて本当に勝手である。その臓器により一人の命が救われていると思うと、一瞬良い話なのかと考えてしまうが、やはり、それは間違いである。子供たちが大人たちによって闇から闇へ家畜のように処分されている現実をどのようにすれば良いのだろうか。

たとえ、子供たちを助け出すことができたとしても、帰るところがない子供たちがほとんどだ。そんな子供たちを少しでも助けるために、社会福祉センターはさまざまな活動をしていて、NGO団体から派遣された音羽恵子さんという日本人もいる。タイの人たちは外国人に対する警戒心がとても強いので、その危ない中協力している音羽恵子さんをとても尊敬した。そして、会議で、「深刻な問題は、私たちが会議をしている間にも進行している。私たちにできることは各国の政府に対して強い意思表示をすること、さらに多くの人々に実状を訴えることだ。」ということを一人の人が言っていて、すごく共感し、私も今すぐにでも協力できたらと強く思った。

このように、世界で十五歳未満の子供が売春させられている数は二千万人に達していると言われていて、ストリート・チルドレンの数は、二千万人とも三千万人とも言われている。その中でタイだけでも、幼児売春の数は、一万人足らずであると主張されていて、その数を目にした時、とても驚いたと同時に、私たちは、タイの子供たちに比べたら、毎日学校へ行ったり、友達や家族と話したりしているこのごく普通の日常は、何倍も何百倍も幸せなことだと気づかされた。私は、たまたまこの日本に生まれただけであって、もしかしたらタイに生まれて幼児売買や臓器売買をされていたかもしれない。だから、幼児売買で毎日苦しんでいたり、臓器売買によって亡くなった子供たちのことを考えて、一日一日を大切に生きていこうとこの本を通じて思った。今は、だいぶ生活も豊かになった。しかし、他人を踏み台にして手に入れた豊かさがあると思う。人は物ではない。命は一人として無駄にしていい人などいない。今でも苦しんでいる人はたくさんいる。一人でも多くの子供たちが救われるために私たちには何ができるのであろうか。それを考えることが私たちにできることであり、今後の課題であると私は思う。