井土紀州(映画監督・脚本家)
池田小の宅間守の事件とか、韓国で資産家をいっぱい殺した柳永哲(ユ・ヨンチョル)。そういう人間の攻撃性とか憎悪とか
悪意みたいなもの。この世界の枠組みのなかでなぜそれが生まれてくるのかを探求したのがこの『ラザロ』だと思っています。
――マユミの階級に対する憎しみという社会的な部分もその瞬間に考えたんですか。
井土 それ以前に宅間守の言動についていろいろ考えていたということがありました。
あいつのやったこと自体は絶対に肯定できないんですが、言っていることに「ん?」と思うことがいくつかあったりして。
それと同じ時期に死んだ「ナニワ金融道」を描いた青木雄二の作品を読み直したりしたんです。
そういうものを取り込んだりしましたね。
最終更新:2011年07月07日 07:24