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査読論文とは:バンダジェフスキーの論文の価値
最終更新:
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論文って何?査読論文とは。そしてバンダジェフスキーの論文の価値
2013.03.12
その研究論文は査読を受けているのか?
参考資料:ニセ科学の見分け方 屁理屈・ねつ造・陰謀論… その手口と対策
産業技術総合研究所櫻井啓一郎 http://ksakurai.nwr.jp/ の ニセ科学の見分け方」から右クリックでダウンロードしてください。
図を使ったわかりやすい資料。査読など論文を検証する仕組みがわからない方はぜひお読みください。
図を使ったわかりやすい資料。査読など論文を検証する仕組みがわからない方はぜひお読みください。
論文の信頼性を高めるシステム:査読
上記の「ニセ科学の見分け方」にも書かれていることですが、科学者が新しい事実を見つけた時、は学術論文誌に論文という形で発表され、査読(掲載の審査)を受けます。査読というのは、発表された論文を公の場で専門家が「論文の間違いをチェックする仕組み」です。つまり、「査読を通った論文」というのは、専門家同士の検証が行われたもので、一定レベル、信頼ができる正しさが担保されているということになります。※それでも必ずしも絶対正しいというわけではありませんが。
査読(さどく、英: peer review、ピア・レビュー)とは、研究者仲間や同分野の専門家による評価や検証のことである[1]。研究者が学術雑誌に投稿した論文が掲載される前に行われる。
論文というのは研究者でなくても一般人でも誰でもかけます。だから「XXという論文がある」といっても、誰でもどんなインチキでも書けるのですから価値は殆ど無いのです。これに学術的な価値を与えるのが査読と言っていいでしょう。人間はミスをするし、データを捏造する人もいます。こういう間違いを検証し、間違った内容の論文を排除して、論文に信頼性を与えるシステムといってよいでしょう。
ニセ科学と言われるものの多くは「言ってるだけ」であり、信頼性を担保するための「査読」という専門家同士の検証プロセスを経ていません。
例えば、私管理人がかねてより怪しいとする、【バンダジェフスキーの「セシウムが心臓に溜まるから危険」という論文(のようなもの)】は査読を受けていません。また、査読をうけるような内容でない(病理標本の質の問題)という意見が多数です。詳しくはこちらで
バンダジェフスキーが怪しい理由:http://www47.atwiki.jp/info_fukushima/pages/139.html
バンダジェフスキーが怪しい理由:http://www47.atwiki.jp/info_fukushima/pages/139.html
査読といってもレベルがある
学術論文誌にもレベルがあり、多くの研究者にチェックしてもらえてるかどうかで信頼度の程度に違いがある。重要な研究ほど学術論文誌の中でもレベルの高い(掲載される際の難度が高い)に掲載され、世界中の研究者が参照し利用することになります。
査読の厳しさは、雑誌によって大きく異なる。サイエンスやネイチャーのような一流雑誌は、発表に対して非常に厳しい基準を設けており、科学的に高い質を持っていても、該当分野で「画期的な進歩」を感じさせないような仕事では掲載拒否されてしまう。一方、アストロフィジカルジャーナルなどでは、査読は明白な間違いや、不十分なところを除外するためにだけ使用される。このような審査基準の違いは投稿の発表される割合に反映されており、ネイチャーが受け取った論文の5~10%程度[3]しか掲載しないのに対して、アストロフィジカルジャーナルは実に70%を発表する。この発表割合の違いは、雑誌の厚さにもまた反映されている。
あの「バンダジェフスキーの論文」はどうなのか
バンダジェフスキーの論文(のようなもの)は、論文そのものに不備があり、信頼性に欠けると言わざるを得ません。これを信頼する人は別の理屈(旧ソ連からの弾圧があった)を持ち出すのでややこしくなるわけです。
バンダジェフスキーの研究の問題 wikipediaからの引用
彼の研究は以下の点で問題があり、精査・追試が必要とされる。
1・論文掲載の学術雑誌(そもそも学術雑誌と言えるレベルなのか不明である)のインパクトファクター。
2・世界的論文引用度。
3・人体におけるセシウムの心臓に与える影響は死者のみを対象としており、生者との比較がそもそも不可能である。
4・心臓と腎臓に関しては病的な所見はなく、標本作成時のアーティファクトがあるだけである。
1と2は、学術的な評価が低いという意味
3と4はバンダジェフスキーの研究のやり方そのものに問題があるという意味
3と4はバンダジェフスキーの研究のやり方そのものに問題があるという意味
これだけ問題のある論文一つを頼りに「セシウムが〜」と危険を論じるのは間違っています。少なくともバンダジェフスキーの論文を引用して科学的にありえないことを主張している小野俊一医師をはじめとした人たちは、その主張の土台がかなり怪しいということになります。
バンダジェフスキーの論文
以下はその論文。掲載誌のインパクトファクターは「1」
インパクトファクター (impact factor, IF) は、自然科学・社会科学分野の学術雑誌を対象として、その雑誌の影響度を測る指標
Chronic Cs-137 incorporation in children's organs
Y. I. Bandazhevsky
Swiss Med Wkly 133: 488, 2003
「バンダジェフスキーの論文」をネットでの検証した結果
さらにバンダジェフスキーの論文の内容にも怪しい点がいくつかあり、多くの専門家に指摘されています。
バンダジェフスキーが怪しい理由:http://www47.atwiki.jp/info_fukushima/pages/139.html
バンダジェフスキーが怪しい理由:http://www47.atwiki.jp/info_fukushima/pages/139.html
管理人が考えたこと
もし仮にバンダジェフスキーの主張が正しいのなら、インパクトファクターの高い、多くの研究者が参照する学術論文誌にその「画期的な論文」を掲載してもらえばいいのです。もちろん、デマを流す人たちはそんなことはしません。バンダジェフスキーの論文の内容をちゃんと理解している人は皆無だし、そもそも彼らは間違いを指摘してもそれにまともに反論することさえしません。(できないのでしょう)
自分たちの発言に都合のいいものだから、教典のように有りがたく使わせてもらおうというということなのでしょう。
資料